Daily Archives: 2013/06/17

花言葉 「謙譲」【モノローグ】

今日ちょっとしたことで、放射能汚染による避難命令に従って福島県から茨城に住居を一時的に移していらっしゃるご夫婦と、たまたまお話する機会があった。
何か尋ねようと思っても、気の利いた言葉も浮かばず、「どのくらいで戻れそうなのですか?」と、自分としてはありったけの気を遣って尋ねてみた。
数秒間の沈黙があって、「二十年後・・・かな」と、困惑気味の表情を浮かべた奥さんの隣のご主人が、どことなくやるせない表情で静かに呟いた。「訊くべきでなかったのかな・・」という思いもあったけど、「一日でも早く故郷にお戻りになれるといいですね」と返す以外、言葉が見つからなかった。
そして今日は、ずっとずっとその言葉が重く胸に突き刺さったまま一日を過ごすことになった。

帰宅後、ネット上のニュースを見ていると、与党の政調会長の立場にある人物がこんな発言をしたと話題になっていた。

「事故を起こした東京電力福島第一原発を含めて、事故によって死亡者が出ている状況ではない。安全性を最大限確保しながら活用するしかない」
「原発は廃炉まで考えると莫大(ばくだい)なお金がかかるが、稼働している間のコストは比較的安い」

本当にこれでいいんだろうか?企業にしても役所にしても、「コスト」だの「効率」だの、いつから日本人はそれだけを気が狂ったように追求し始めてしまったのだろう。本来日本人が持ち合わせている「美徳」の意識が、政治の中枢の舞台から失われてしまっているこの状況には目を覆うばかりだ。

せめて、心だけでも相手を思いやれる「日本人」でありたいと思う。

Lobelia

『ロベリア』  花言葉は【謙譲】
(画像はWikipediaより)

 

___________ 追記 (6/19) _____________

本当の気持ちを言うと、正直なところ僕は政治的な発言とかは、このブログ上ではあまりしたくないと思っています。
議論や討論が決して苦手とかいうことではなく、いやむしろそういった話題であれば「朝まで生TV」状態になるくらいの「自分なりの考え」はそれなりに持ち合わせているつもりです。ですが、このブログは営業当時のメロウズを可愛がってくださったかつてのお客様や日々訪問してくださる音楽好きの世界中の読者の方々からのありがたいご要望があって存続しており、実店舗が存在しない今、皆さんに対する唯一の「癒しの場」でありたいと、僕自身が位置付けているからにほかなりません。

ただ先日の復興庁幹部のツイッターによる暴言の数々であったり、今回の与党政調会長という要職の立場にある人間でさえ、このような言葉の暴力とも取れる発言をいとも簡単に発してしまったり、お喋り好きな市長の慰安婦問題への発言等々、与野党を問わず現代の政治家の言葉を軽んじる体質と現状に、強い憤りを禁じ得ません。これはちょっと看過できないぞと思い、敢えて記事にした次第です。

本日6/19(水)の朝日新聞の『天声人語』を執筆された編集委員さんも同様の感想をお持ちのようです。
(以下転載いたします)

野菜の有機栽培に力を入れていた福島県須賀川市の農家の男性が、東日本大震災の13日後に首をつって自殺した。畑では丹精込めたキャベツ7500株が収穫を待つばかりだった。そこへ原発の事故が起きた▼遺族は原子力損害賠償紛争解決センターに仲介を申し立て、先日、和解の運びとなった。次男の樽川和也さん(37)の語った言葉が印象深い。「お金がほしくてではない。原発事故による死者はいないと言わせないために申し立てました」。偽らざる気持ちだと思う▼それを知ってか知らずか、自民党の高市政調会長が一昨日、「事故によって死亡者が出ている状況ではない」と発言した。原発の再稼働をめぐる文脈でのことだ。さて、どちらの言葉に、人はうなずくだろう▼高市さんだけの問題ではない。安倍政権の原発回帰は「どさくさ」「うやむや」「なし崩し」が3本の矢だ。財界をチアリーダーに、本音を出したり引っ込めたりしながら、既成事実を積み上げていく。首相は原発のセールスマンよろしく海外を飛び歩く▼新しいエネルギー白書からは、民主党政権が昨年「原発ゼロ」を打ち出した事実が省かれていて、「世変わり」の色が濃い。これで「脱原発依存」の旗は下ろしていないと聞けば、意外に思う人が多いのではないか▼いつしか関心は経済に移り、原発問題の影はどうも薄い。福島の苦難は続いている。なのに政治家は、3・11を過去形で語り始めてはいないか。参院選が近い。しっかりと吟味したい。

 

今日になって、問題発言をした政調会長は発言の撤回と陳謝をしたらしいですが、例の「なんとかミクス」とかで浮かれている場合ではないでしょう。金融をはじめ世界のマーケットは、日本の政権与党よりはるかに冷静に日本という国の状況を観察しているのに気付いていないのが、あまりに嘆かわしい。

 

※ 当記事に対してはコメントは受け付けておりません。ご了承ください。