Daily Archives: 2013/10/06

Mellow Tunes ~ Vol.60【chic & mellow 編 ④】

波に乗ると結構筆が止まらないようなところがありまして、間髪入れずに「秋の恒例企画」の第4弾です。
僕の認識が間違っていなければ、80年代後半にピークを迎えていた都会的で洗練されたアレンジの「ブラック・コンテンポラリー・ミュージック」の世界的なムーブメントの最終段階での牽引役を担っていたのが、NYポール・ローレンスが率いていた「Hush Productions (ハッシュ・プロダクション)」に所属していた多くのいわゆる「ハッシュ系」と呼ばれたアーティストたちでした。

“Rock Do Me BabyMe Tonight” でいきなりスターダムにのし上がったフレディ・ジャクソンを筆頭に、リロ・トーマスメルバ・ムーアといった一時代を築いたアーティストたちとともに大きく「ハッシュ」の発展に貢献したのが、メリッサ・モーガン(Meli’sa Morgan)でした。「ハッシュ系」アーティストたちのそのきらびやかで洗練されたサウンドは、「クワイエット・ストーム(Quiet Storm)」とか「スロウ・ジャム(Slow Jams)」と呼ばれる流れを生み出し、その後90年代から表舞台から姿を消す要因となる「Hip-Hop」「New Jack Swing」といった新たなカテゴリーに立場を奪われるまでは、一世風靡したような感さえあったものでした。

今回ご紹介する “Do Me Baby” については、オリジナルはあの「プリンス(Prince)」による作品というのは有名な話ですが、メリッサ・モーガン(Meli’sa Morgan)は当時のハッシュ専属の腕利きミュージシャンたちと共に、シンプルでファンク色が強くしかしとびきり美しいメロディが印象的だったプリンスのオリジナル作品を、アレンジで楽曲をさらに味わい深いものに昇華させ、彼女のパワフルで伸びがあってしかもエモーショナルなヴォーカルでカヴァーすることに成功しました。

 


Meli’sa Morgan / “Do Me Baby” (album: Do Me Baby – 1985)


ざっくりとですが1990年代以降、決して否定するわけではないのだけれど新たに台頭してきたラップやHip-Hop系のサウンドが、「本来メロウであるべき」と僕自身は認識している黒人音楽の分野でメイン・ストリームを張るようになって久しいのですが、それでもやはり時代は美しく叙情的なサウンドやメロディをずっと欲していたようです。ずっと待たれていた彼女の本作も Expanded Edition としてCDで復刻されるなど、かつてのハッシュ系だけでなく80年代に活躍したベテラン・アーティストたちが、ここ2・3年くらい新作を発表するようになってきています。これはとてもよい傾向だと思います。ほんとに楽しみです。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.59【chic & mellow 編 ③】

少し時間ができたので、またまた「秋の恒例企画」の更新です。

今日は、かつてNew Edition のメンバーでもあり、一人だけ唄うのが極端に上手過ぎると評価されて久しい、Johnny Gill(ジョニー・ギル)のソロ活動後の作品の中でもピカイチと思う一曲をご紹介します。

“It’s Your Body (featuring Roger Troutman)”は、彼のソロとしては5作目のアルバムとなる1996年リリースの『Let’s Get The Mood Right』に収録された、黒人ミュージシャンなら恐らく誰もがリスペクトしているであろう ZAPPロジャー(故人)が例のトーキング・モジュレータ(wikiを参照)を用い参加した、それはそれは mellow なバラッドとして記憶に残る名曲です。この人ならば「“My, My, My” がベストでしょ」という声がほとんどかもしれませんが、こちらのロジャーとの共演作品が、彼のベストソングだと僕個人としては思っています。

 

lets20get20the20mood20right

Johnny Gill / “It’s Your Body” ft. Roger Troutman
(album: Let’s Get The Mood Right – 1996)

 

ソロ活動後のジョニーは、今は亡き Gerald Levert と息の長いベテランR&Bシンガー Keith Sweat との三人のfamily nameの頭文字を冠したユニット LSG での活動、そして New Edition の再結成などを経て、現在はソロ・ワークと同時進行で、かつての New Edition の看板 VOCAL でもあった Bobby Brown Ralph Tresvant との3人組ユニット『Heads of State』での活動も行っているようです。