Monthly Archives: 3月 2014

AC Tunes ~ Vol.12 【Olivia Ong】

今日で3月もおしまい。
もうだいぶ日も伸びた夕方近く、所用で出かけた際に、いつも通るバイパスでなく坂道を下って霞ヶ浦沿いの旧国道に出て少し走ると、鮮やかな一面の「キイロ」が目に飛び込んできました。
筑波山を背景に湖面の水平線ギリギリまで続くかのように見える「菜の花畑」は、もうこの辺りの春の訪れを知らせる風物詩となっています。

 

ナノハナ

 

Audiophile Selection

「ああ、やっぱり春が来たんだ」って感じながら、なぜだかその度に聴きたくなるのは、文字通りドライブのお供にうってつけの『Driving』。それも昨年の春からは、オリジナルの “Everything But The Girl” のものではなく、Olivia Ong (オリビア・オン)のカヴァーが、この暖かくなりつつある季節にしっくりときてお気に入りなのです。
Mellow Tunes ~ Vol.40【Driving】で一度取り上げていますが、とても素晴らしい Vocal によるカヴァー作品なので、敢えて “AC Tunes” でもご紹介しておきたいと思います。

 


Olivia Ong / “Driving” (album: Audiophile Selection – 2013)

 

雨と風の音を聴きながら 【モノローグ】

世の中みんなメディアに煽られたせいなのか、まるで『増税前夜の狂想曲』とでも表現せざるを得ない大胆な「消費行動」が列島各地で見られた、とても慌しい週末であり年度末だった。人々のこんな様子を目にするのは、子どもの頃に経験した「オイルショック」以来の光景で、もちろん頭では理解できるけれども、なんだか個人的にもひどく疲労感の残るこの一週間だった。

今はPCに向かい、少し冷めてしまった珈琲をゆっくりとすすりつつ、閉めてはいない雨戸が雨まじりの北風に小さくカタカタと音を立てているのを、五感を使ってじっと感じている。
そして、今日の「処方箋」は何にしようかと考えてみる。

『I Thought About You』

ふと、東北の地に旅立ったかつての相棒『メロウズ号は元気でやっているだろうかと、かの地に想いを馳せてみた。

そういえば、キースの優しい音色のピアノ・ソロにはずいぶんと救われたっけ。
「音楽」ってほんとにありがたい。

 


Keith Jarrett Trio / “I Thought About You” (album: Somewhere – 2013)

 

Great New Zealand Landscapes Ⅱ

暖かな春の訪れとともに、世の中いよいよ「年度末」で大忙しの季節となってきました。
「今週末」は「月末」「年度末」そして『増税直前』ということもあり、どんなご職業の方であれ皆さんご多忙なのは間違いないことでしょう。
ここのところ新企画の『AC Tunes』シリーズを立て続けにUPしてきましたので、ご多忙を極める皆さんへ一服の清涼剤代わりに、今日は音楽は一休みして、清々しく爽やかな動画をご紹介いたします。

以前過去記事で一度ご紹介したことがありますが、南半球のニュージーランド在住のフォトグラファー Bevan Percival さんは、ご自身が主宰の『Primal Earth Images』という公式サイトや高品質動画投稿サイトとして名高い『Vimeo』を通じて、母国の荘厳で気高い大自然の営みを捉えた多くの作品を公開していらっしゃいます。

2ヶ月ほど前に新たに投稿された作品 “The Epic Land Part 1 – New Zealand Landscapes Timelapse” が、内容も更にスケールUPして公開されています。

 

*できれば右端の[Vimeo]ロゴをクリックして、PCの大画面で視聴してみてください。
迫力と美しさに圧倒されますよ。

 

かくいう僕も元来 OUTDOOR 志向の人間なので、こういった荒涼感溢れる雰囲気には幼少の頃より憧れの念を禁じえません。Bevan さんにはこれからも素晴らしい作品をUPし続けていただきたいと願っています。
皆さんもどうか心だけでも、地球の反対側に旅立ってみてはいかがでしょうか。

 

AC Tunes ~ Vol.11 【George Michael】

お彼岸を境に急に春めいてきましたね。
列島各地からの「桜」の開花の知らせだとか、なんだか陽気に誘われるように、久々の連続投稿です。

 

DSC_0792

 

先日ご紹介した「Monday満ちる」もそうでしたが、皆さんもきっとよくご存知の 「George Michael(ジョージ・マイケル)」も、奇遇にも僕と同じ歳でした。世代が同じということもあり、それまで聴いてきた音楽の背景などから、やはり Upper 50 のアーティストにはそれだけの積重ねた人生の重みというか説得力というか、安心して聴ける様々な要素を沢山持ち合わせていると確信しています。

George-Michael話はジョージに戻りますが、『Wham!』時代はともかくソロとなってからの彼の音楽活動はかなりアグレッシブで、多くの才能に恵まれたが故にまるで「万華鏡」のような様々なスタイルで作品を発表してきました。ダリル・ホールマイケル・マクドナルドもそうですが、目を閉じて聴くと黒人アーティストのVocalと思えるほどで、彼こそ “Blue-Eyed Soul Singer” という呼び方が相応しいアーティストもなかなか他に見当たらないでしょう。
過去記事でも一度取り上げていますが、20世紀末の1999年に彼がリリースした『Songs from the Last Century』など、時代や世代を超えて残しておきたい作品を自ら歌うその「singer」としての潔さに胸を打たれます。

そんなジョージが歌う The Beatles のいつまでも色褪せないバラッド『The Long and Winding Road』を、これから新しい世界に踏み出す皆さんに送ろうと思います。
これまで数多くのアーティストがカヴァーしてきてますが、作曲者のポール(Paul McCartney)以外の人が歌ってここまで感動を呼び起すことのできるシンガーはそう多くはありません。(ビートルズにとってのラスト・アルバムからのラスト・シングルとなった、「オリジナル」はこちらへ)

 


George Michael / “The Long And Winding Road”
(Live for Linda McCartney at Royal Albert Hall – 1999)

 

この時期は別れや出会いを多くの方が経験する、この国特有の季節ですね。
ウチの息子たちもそうですが、これからそれぞれの新しい環境に一歩足を踏み出すわけですが、大きな「志」を持って「根っこ」はブレずに自分の信じた『道』を進んで欲しいと思います。
僕自身がそうであるように、『道』は決して真っ直ぐではなく、曲りくねっていたり上り坂や下り坂もたくさんあって、そのうえあちこちに分岐してしていたり、まさに手探りの『人生』そのものと言えます。疲れたら休み、遠回りをしたっていいし、間違ったら引き返すのもありで、決して焦らず自分のペースで歩くこと。近道を探すよりも、それがきっと最良の『道』の歩き方なのかもしれません。

でもね、“The Long And Winding Road” の先を進まないと、行った者にしか見えない「風景」ってあるものなんですよ。

 

AC Tunes ~ Vol.10 【Stacey Kent】

春めいてきましたね。
「珈琲」片手に庭で「ボッサ」でも聴きたくなるよな、ここ数日の陽気です。

DSC_0058
米国ニュージャージー出身ながらも英国ロンドンを活動拠点としている JAZZBossa Nova もさらっとこなしてしまう女性シンガーといえば、Stacey Kent(ステイシー・ケント)にほかなりません。昨年2013年の秋にリリースしたニューアルバム『Changing Light』は、彼女のちょっと舌足らずにも感じるチャーミングな Vocal を堪能できる素敵な作品となっています。
今日ご紹介する『How Insensitive』は、あの「イパネマの娘」を世に送り出した黄金トリオによる作品です。(曲:アントニオ・カルロス・ジョビン Antonio Carlos Jobim / 詞:ヴィニシウス・ジ・モライス Vinicius De Moraes / 英語詩:ノーマン・ギンベル Norman Gimbel)

偶然にも僕の生まれた50年前の古いボッサのスタンダードな楽曲ですが、ブラジル発祥のボッサも欧州で料理されると、なぜかゴージャスに仕上がって聴こえてくるから不思議なものです。
曲中で聴かれる渋いテナー・サキソフォンのソロは、おそらく彼女のご主人 Jim Tomlinson によるものと思われます。

 


Stacey Kent / “How Insensitive” (album: Changing Light – 2013)

 

AC Tunes ~ Vol.9 【Incognito】

なんだか毎年この時期になると書いてるような気もしますが、『暑さ寒さも彼岸まで』とは、昔の人はよく言ったものだと思います。ほんとに日中は暖かくなってきましたね。

そんな陽気につられてか、ここのところ POP な Tune をしばらくUPしているような状況です。
で、今日もそんな一曲を取り上げてみたいと思います。

 

TRANSATLANTIC RPM

モーリシャス出身のバンド・リーダー Jean Paul “Bluey” Maunick(ジャン・ポール“ブルーイ”モニック)率いる、英国はロンドン・ベースのジャズファンク・バンド、『Incognito(インコグニート)』の世界的な人気はいまだ衰えを知りません。記憶に残るメロディーとPOPなサウンドにキレのよいアレンジで、彼らの音楽のベースとなっている1970~80年代の古きよき時代のサウンドを彷彿させるグルーヴ感は、我々大人の年代が安心して聴ける作品を常に供給してくれています。これは実にありがたいことです。

2010年にリリースの「TRANSATLANTIC RPM」から、Bluey, Francis Hylton そしてVocal を務める Joy Rose によるソングライティングのその名も『1975』は、ゴキゲンな UP-BEAT Tune となっています。さしずめ、窓を開け放った車で聴きたくなるような作品です。

 


Incognito / “1975” (album: TRANSATLANTIC RPM – 2010)

 

『ブルーイ』おじさんについては過去記事でも何度か取り上げていますので、ご興味のある方はどうぞ。

 

AC Tunes ~ Vol.8 【Babyface】

当ブログ内でずっと継続している【Mellow Tunes】で何度も取り上げようと思っては止めていたアーティストの一人、『Babyface』をこのシリーズでようやく取り上げてみようかと思います。

彼の作品にはあまりにも好きな傾向の楽曲が多すぎて、前出の Steely DanDonald Fagen などと同様に、「書き出したらもう筆が止まらない」のと「取り上げてしまうだろう楽曲がとんでもない数に及ぶ」のが恐ろしくて、敢えて避けていたのが本音です。でもせっかく当ブログ上でいろんなシリーズも展開してきたことだし、今後は少しずつでも紹介していけたらよいかと考えています。

 

babyface 01Babyface (Kenneth Brian “Babyface” Edmonds)ほどの大物アーティストになると、敢えて「ああでもないこうでもない」とここで説明するのも野暮な気もしますしどうせ長くなってしまうので、詳しくは「ウィキペディア」または「Wikipedia」をご参照いただくのが手っ取り早いかと。
一つ申し上げるとしたら、現在54歳になる彼は、1980年代後半から2000年代初頭にかけて米国のR&B界を文字通り牽引してきた「グラミー受賞暦」など数えられぬほどの Super Producer でありシンガー・ソング・ライターだということ。もちろんそれは、今年2月に発表され大変な話題となっている、かつての盟友 Toni Braxton (トニ・ブラクストン)との共作を聴けばお分かりの通り、いまだに彼の才能は枯渇していないことを再認識されられます。(その作品については、また別の機会に取り上げるといたしましょう。)

Eric Clapton との共演・プロデュースによるChange The Worldで一躍自分の存在を普段ROCKしか聴かないような層にもアピールすることに成功した90年代後半も含め、Babyface はその才能ゆえ作風やスタイルをその後徐々に変化させていきました。古くからのファンである僕から見れば、『この人、理由は分からないけれど行くあてもなく彷徨っている』ようなそんな印象を受けていました。そうこうしているうち2005年になってリリースされたアルバム『Grown & Sexy』は、超一流のメロディ・メイカーである彼本来のスタイルともいえる Sweet『mellowness』を強く打ち出すことに成功した作品となった印象がありました。アルバム中の1stトラックである『Tonight It’s Goin’ Down』は、そんな彼の真骨頂ともいえる楽曲といえるのではないでしょうか。

 


BabyFace / “Tonight It’s Goin’ Down” (album: Grown & Sexy – 2005)

 

このアルバムが彼にとっての「原点回帰」となった印象を持たれた、古くからのコアなファンも多かったことでしょう。
長くなるといけないので、ではまた次回に。