Monthly Archives: October 2014

MOMIJI 通信 【Vol.9 – 2014】

早いもので10月も残すところあと数日。あっという間に秋は深まり、そろそろ身の回りのモノの「冬支度」を急ぐ季節となりました。

 

DSC_0941

このごろは朝晩の冷え込みが激しく、最低気温が10度を切る日も出てきたので、Mellows のモミジたちもいよいよ葉色の変化が大きくなってきました。他の2本の変化はそうでもないのですが、Mellows のシンボルツリーだった「六株立ちのヤマモミジ」は、もう結構な見頃を迎えています。
 

DSC_0915

 

もっともこちらだけは、夏頃からなぜだか紅い部分が目立っていたのですが、秋らしい色濃い紅へと変化してきています。なので今回はそのシンボルツリーの写真を沢山UPしておこうかと思います。山間部の観光地のそれもそうですが、「紅葉」というのは似ているようでも印象が毎年違うもの。2014年の秋の彩りもあと一月ほど。十分に愛でてあげたいものです。
 

DSC_0953

 

DSC_0947

 

DSC_0960

 

DSC_0961

 

DSC_0935

こちらはカエデの血が入った「根曲がりのモミジ」。徐々に黄色くなってきています

 

DSC_0939

「南天」も綺麗な斑模様の紅へ

 

DSC_0930

季節遅れの「夏スミレ(トレニア)」。咲くだろうか・・

 

さて気温が下がってくると、聴きたくなるのはやっぱり暖かい音色。
David Sanborn(デイヴィッド・サンボーン)による不朽のバラッド『Carly’s Song』は、彼独特の泣きのアルト・サックスが心に沁みてきます。

 


David Sanborn / “Carly’s Song” (album: Hideaway – 1980)

 

次回あたりが今年最後の「MOMIJI 通信」となりそうです。一年が過ぎるのはあっという間ですね。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.86【訃報 – Tim Hauser】

「なんで・・」  「またかよ・・」
この二言しか言葉が出てこなかった。
またもや偉大なアーティスト・ミュージシャン・ヴォーカリストである、あの The Manhattan Transfer(ザ・マンハッタン・トランスファー)の 創始者でありリーダーのTim Hauser(ティム・ハウザー)氏が、10/16に遠く米国はペンシルヴェニアの病院で静かに息を引き取ったとのニュースが届いた。死因は肺炎による心肺停止程度の発表しかないようで、詳細はわからない。72歳だったそうだ。そういえば、ここ5年ほどアルバムのリリースもなかったみたいだ。
(彼らのグループ名は、ジョン・R・ドス・パンスの1925年の小説「Manhattan Transfer(マンハッタン乗換駅)」に由来)

 

article of Tim Hauser

 

先月、ジョー・サンプルの訃報の記事を書いたばかりだっただけに、こうも若い頃に大きな影響を受けたアーティストが次から次へと夜空の星となっていくことに、仕方のないこととはいえど彼らの死をなかなか簡単に受け入れることができないでいる、どこか分からず屋の自分がいるようでならない。

通称『マントラ』を聴いて、「アメリカにはアカペラですごいコーラスを聴かせるグループがいるんだ」と認識した10代の僕は、一時期相当彼らのアルバムを聴きこんだものだった。20代半ばでNYマンハッタン島の地を初めて踏んだ時には、24時間運行する地下鉄を乗り換えて(Manhattan Transfer )、夜な夜な Village 周辺の Jazz Club をハシゴして、滞在中は本場のJazzにどっぷりと浸った。インターネットもパソコンもスマホもない時代、『Village Voice』紙面のライブ情報だけが唯一の頼りだった。もちろん『マントラ』のライブも探したけれど、残念ながら見つけることはできなかった。どうしてもライブで観たいヴォーカル・グループであったことは言うまでもない。もちろんこのブログ内でも何度か記事で取り上げてもいる。

今宵は、彼らの名演と評価されて久しい2曲のアカペラによる作品を聴きながら、ティムさんのことをひとり静かに追悼しようと思う。

 


The Manhattan Transfer / “A Nightingale Sang In Berkley Square”
(album: Mecca for Moderns – 1981)

 


The Manhattan Transfer / “The night that Monk returned to Heaven”
(album: Bodies And Souls – 1983)

 

セロニアス・モンクに捧げたこの曲も、今となってはティム・ハウザー氏自身がその立場になるなんて、この時点では夢にも思わなかったことでしょう。

 

合掌

 

AC Tunes ~ Vol.28【Don’t Dream It’s Over】

hkここ日本では台風が去ったものの、近隣の「香港」では学生を中心とした香港の民主化を訴える大規模なデモが長期化の様相を見せ、また遠く中東の「イスラエル」と「パレチナ・ガザ地区」では報復による戦争が絶え間なく続いています。そしてさらに遠く、西アフリカの地で蔓延する致死率の極端に高い「エボラ出血熱」の更なる拡大が懸念されています。
香港が英国の統治から中国に返還された際に、社会主義と民主主義が共存する「一国二制度」を取り入れたこと自体に無理があるといえばそれまですし、中東のエンドレスな争いも、根っこにあるのは「宗教的価値観の相違」であることは紛れもない事実であって、これらはどちらも長い歴史的背景を抜きには論じることができません。
一方「エボラ出血熱」に関しては、まさにダスティン・ホフマン主演の映画「アウト・ブレイク」の状況が現実に起きているわけで、こちらは目で直接確認のできない未知のウィルスとの闘いであり、人類の英知を結集させてなんとしてでも抑え込まねばならないとWHOも躍起になっています。

‚ª‚ê‚«‚Ì’†‚ð‘–‚éŽqいずれにしてもそれらの地域では、大義であったり自身の信念に基づいてそれぞれの敵対する政府・国家・病気と戦っている多数の当事者の方々がいることでしょう。「自由」や「平和」「安全」といったものを実現することの難しさを考えるにつけ、いつの時代でもそうなのかもしれませんが、現代は本当に混沌とした時代なんだと思います。

 

ebola-virus-map_cnn

 

本来このブログの趣旨は、かつての実店舗「cafe Mellows」営業当時の方針と変わることなく、訪問される方々が「音楽などを聴きながら、珈琲片手にリラックスできる場所を提供する」というのがポリシーとなっています。なので、あまり政治や経済など難しい話題に触れることはできるだけ避けているのですが、個人的に気になる事柄だったのと、今回取り上げる楽曲がそんなことを感じさせる作品なので、時事的な話題にすこしだけ触れてみました。

1986年にニュージーランド国籍のリーダー Neil Finn(ニール・フィン)率いるオーストラリアのバンド「Crowded House(クラウデッド・ハウス)」が放った『Don’t Dream It’s Over』というミディアムスロウなバラッドは、曲の美しさは言うまでもなく、詩の内容が少し抽象的ではあるけれど、挫折や失望の中にあっても「夢見ることを忘れずに希望を捨てるんじゃない」といった万人に対するメッセージソングとして受容され、世界的な大ヒットとなりました。リリースから30年近い時を経てもいまなお支持されているのにも、そんなところに理由があるのかもしれません。(原詞/訳詞はこちら)

 


Crowded House / “Don’t Dream It’s Over”  (album: Crowded House – 1986)

 

Crowded House(クラウデッド・ハウス)はすでに解散してますが、ソロとして活動している作者のNeil Finn氏が「Don’t Dream It’s Over」の最新ライヴ映像を自身のYouTubeチャンネルで公開していて、パフォーマンスの音源および映像はチャリティ作品として自身のショップサイトにてDL発売中だそうで、その収益はパレスチナ自治区ガザで戦争被害にあった人々を支援する国際赤十字に寄付されるとのことです。

「Don’t Dream It’s Over」は、これまでいくつかのアーティストによってカヴァーされていますが、中でも「kiss Me」の大ヒットで有名な米国のバンド「Sixpence None The Richer(シックスペンス・ノン・ザ・リッチャー)」のカヴァーは、原曲をほとんどいじることなく忠実にリメイクした素晴らしい作品となっています。こちらもぜひ視聴してみてください。

 


Sixpence none the richer / “Don’t dream it’s over”  (album: Divine Discontent – 2002)

 

そして余談ですが、前回のAC Tunes ~ Vol.27でお伝えしましたが、重い病状により発売が全世界的に延期となったDiana Krall(ダイアナ・クラール)の新譜にも、なんとこの曲「Don’t Dream It’s Over」がカヴァーされているんですね。それも歴代のポップス・ロックの名曲揃いのカヴァー・アルバムの中で大トリのラストを飾る作品として位置付けられているようです。おそらくこれは、今という時代がこの楽曲を必要としてしているせいなのかもしれません。

 

Diana Krall – Don’t Dream It’s Over (Clip)
 

 

Mellow Tunes ~ Vol.85【Bittersweet / You Can’t Go Home Again】

三連休の最終日の日本列島を、大型の台風19号がスピードを加速させて縦断中ですが、日本各地の読者の皆さんに被害のないことを願っています。

秋も徐々に深まり、ここ数年でいろんなことを経験し歳を重ねてきたせいなのか、特にこの秋はなんだか空を見上げ物思いに耽ることがよくあります。僕の居住する地域は都会から離れているので、ありがたいもので秋から冬にかけての空は天高く、黄昏時にはなんとも形容しがたい美しい夕焼けを眺めることができたりします。

Nightfallそんな黄昏時に聴きたい一曲は、著名なジャズ・アレンジャーの Don Sebesky(ドン・セべスキー)による作品の『Bittersweet / You Can’t Go Home Again』なんかがぴったりです。
今年7月に没した米国人ジャズ・ベーシストの Charlie Haden(チャーリー・ヘイデン) と英国人ジャズ・ピアニストの John Taylor(ジョン・テイラー)の Duo による、それはそれはメロウでリリカルな響きを持った音色の作品で聴く者の心を捉えて離しません。

 

 


Charlie Haden & John Taylor / “Bittersweet”
(album: Nightfall – 2004)

 

 

そして僕の大好きなジャズ・トランペッターの Chet Baker(チェット・ベイカー)がアルト・サックス奏者の Paul Desmond(ポール・デズモンド)と共演し、曲のタイトルを変えて発表した『You Can’t Go Home Again』も、チェットのファンの間では愛され続けている作品ですね。
なんとも哀愁の漂う両者の紡ぎだすそれぞれの管楽器の音色と、それを盛り上げるストリングスが効果的で、何度もリプレイしたくなるような作品に仕上がっています。

 

you can't go home again


Chet Baker & Paul Desmond / “You Can’t Go Home Again”
(album: You Can’t Go Home Again – 1977)
 

 

MOMIJI 通信 【Vol.8 – 2014】

なんだか今年は台風の当たり年なのか、この10月の三連休の終盤は台風19号が列島に接近・上陸などと、メディアで盛んに報じられています。噴火にしても何にしても、自然界の営みに対して人間の知恵で抵抗できることには限界があるかもしれませんが、ブログ・リーダーの皆様におかれましても、無いのがいちばんですが、どうか被害が最小限でありますように。

さて10月に入り、我が家の庭に移植されたモミジたちも気候・気温の変化に伴い徐々に変化の兆しを見せ始めています。モミジのほかにも咲いてるもの生ってるものをちょっとスナップしてみました。秋の夜空に浮かぶ「月」や「植物」を見ていると、季節は確実に進んでいることを実感します。

 

DSCF0091

秋の月は表情が豊か

 

DSC_0863

「六株立ち」のヤマモミジとシャラ(ナツツバキ)

 

DSC_0865

「根曲がり」のモミジはこれから

 

DSC_0868

イロハモミジは、さらにまだまだ

 

DSC_0869

ナツメはすでに紅い林檎のように

 

DSC_0870

ペチュニアもミリオンベルも「Mellows」の鉢植えのこぼれ種から

 

DSC_0877

タンポポかな?

 

DSC_0872

今年もこの時期に、こぼれ種からトレニアの芽が..

 

そういえば海外では、10月になった途端にクリスマス・ソングを集めたいわゆる『Holiday Album』が一気に発売され始めました。あっという間に、クリスマスが来て、また一年が終わってしまうのでしょう。

さて今回は、フレンチPOP・ジャズ・ボサノヴァを歌うフランス人女性歌手のクレモンティーヌ(Clémentine)の作品をご紹介します。彼女はたいへんな親日家でもあり、昔から多くの根強いファンがいますね。一聴するだけで、きっとどこかで聴いたことのある独特のウィスパー・ヴォイスに気付く方も多いのでは。

 


Clémentine / “Give Me Little More” (album: Mosaiques – 1997)

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.84【Gran Torino】

10月に入ってからの初めての更新です。なかなかご紹介したいと思う作品が思い浮かばす、ずいぶん時間が経過してしまいました。
修理から戻って来てようやく復活した大切な相棒「iPod Classic」のクリック・ホイールをクルクルと回していたら、英国出身の若手ジャズ・シンガーのJamie Cullum(ジェイミー・カラム)が歌う、Clint Eastwood(クリント・イーストウッド)主演映画『Gran Torino(グラン・トリノ)』のテーマ曲でふと指が止まりました。

gran trino movie『グラン・トリノ』は本国では2008年に公開された、監督や演出者としても非常に高い評価を受けるイーストウッド本人が「演技者としては最後の作品にしたい」と一度は心に決めたと言われる、彼の俳優人生のすべてを注ぎ込んだ作品としてよく知られています。僕は前職を退職する頃に一度DVDで鑑賞したのですが、これほど魂が揺さぶられた作品も珍しい気がします。多分それは、ベトナム戦争や朝鮮戦争などの歴史的な背景と、その時代に男に生まれ頑固で不器用な人生を歩んだ者にしか分からない「苦悩」だとか「生き方」に、多くの人々が共鳴するからなんだと思うのです。バックグラウンドが違えど、現代にも共通する部分は多くあると思われます。

【Gran Torino – あらすじ】(出典:Wikipedia – ネタバレ注意)
フォードの自動車工を50年勤めあげたポーランド系米国人コワルスキーは、妻を亡くし(妻を思い出して「俺は嫌われ者だが、女房は世界で最高だった」という)、愛車グラン・トリノのみを誇りに、日本車が台頭し、東洋人の町となったデトロイトで隠居暮らしを続けていた。頑固さゆえに息子たちにも嫌われ、限られた友人と悪態をつき合うだけであり、亡き妻の頼った神父をも近づけようとしない。コワルスキーを意固地にしたのは朝鮮戦争での己の罪の記憶であった…

 

gran trino
 

この作品の中でのイーストウッドは、かつての「西部劇」や「ダーティー・ハリー」シリーズなどにあった荒々しいアクションや表現は用いていないけれど、ちょっとした「表情」や「仕草」を通じて、晩年の円熟した演技力で観る者を圧倒します。
劇中数える程度のシーンでしか音楽が挿入されていないこの映画の中で、エンディング・テーマとして朗々と流れ出す「ジェイミー・カラム」が謳い上げる本作品のテーマは、主人公の愛した愛車「グラン・トリノ」がゆっくりと走り去っていく五大湖の湖岸の風景と恐ろしいくらいにはまり、映画の余韻をずっと引きずっていきます。 このあたりの演出は、Jazz 愛好家でよく知られるイーストウッドがミュージシャンである息子の「カイル・イーストウッド」に音楽担当を任せているところによるもので、その相乗効果は「見事」と言うほかありません。

 


Gran Torino / Jamie Cullum  (from the Motion Picture “Gran Torino” – 2008)

 

かくいう自分も、小さいころから「手先は器用」と言われるものの、生き方はきわめて「不器用」そのものかもしれません。できれば、そんな風に思い当たるご同輩の皆さんにぜひ観ていただきたい映画です。