Monthly Archives: 11月 2014

二年が過ぎて ~ Bittersweet

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すこし前のことですが、僕のブログ内でも何度か記事で取り上げました作家・森沢明夫氏による小説『虹の岬の喫茶店』を原作とした映画、『ふしぎな岬の物語』をひとり映画館で鑑賞してきました。
久しぶりの大スクリーンでの映画鑑賞ということもあり、今回主演と製作プロデューサーを兼任することになった吉永小百合さんのぐっと抑えた素晴らしい演技に引き込まれ、映画の冒頭から最後までずっと鼻水をすすりながら鑑賞することになりました。

 

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撮影用のセットとはいえ、実在の喫茶店を舞台に登場するそれぞれの人物の人生を描いたある意味「群像劇」を演出する場としてのそのお店の佇まいは、それはそれは居心地のよさそうな空間を実現していたように思えました。まさに「あったらいいな」って思えるカウンター席とテーブル席の絶妙なバランスで、女主人が独りで切り盛りするのには理想的な空間と、僕の目には映りました。

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映画の内容は原作とは若干の違いはあれど、僕にとってはハートがじんわりと温かくなる最高の日本映画作品として、しっかりと心に刻まれたのは言うまでもありません。そして同時に、自分自身の失ってしまったものの大きさを再認識させられたのも、隠すことのできない事実でした。そんななんとも言えない複雑な心境で、あいにくなかなか今日まで記事にできませんでした。
映画『ふしぎな岬の物語』は、営業当時お世話になったお客様や関連業者の皆様にも、ぜひ鑑賞していただきたい作品なので、DVD化されたらすぐにでもご覧ください。
「いい人生には、いい喫茶店が傍らに存在する」ということがお分かりいただけることと思います。

 

『旅の途中・2013』

早いもので、Mellows をclose してから今日で二年という時間が経過しました。
閉店当日の最後のお客様となった写真家の先生が店の扉を閉じた直後に切り撮ってくださった上の写真の瞬間から、僕の心の中の時計の針は完全に止まってしまいました。うまく表現することができないのですが、それが本当の気持ちです。

 

さてそんな僕のほろ苦い思いを代弁してくれるかのような『Bittersweet / You Can’t Go Home Again』が、やけに心に沁みます。もう冬はすぐそこまでやってきているようです。

 


Charlie Haden & John Taylor / “Bittersweet”
(album: Nightfall – 2004)

 

 

MOMIJI 通信 【Vol.10 – 2014】

11月もいよいよ終盤に差し掛かり、あとは慌しい師走の季節を迎えるだけの2014年となりました。
ここにきて深夜から未明にかけて最低気温が5度を下回る日もあり、冬の足音とともにモミジたちも一気に紅い葉色から「枯葉」へとスピードを加速させているようです。今回で今年10回目となる『MOMIJI 通信』ですが、枯葉ばかりをUPするのもちと寂しいので、今回をもちまして2014年度の『MOMIJI 通信』最終回といたします。

 

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シンボルツリーの「ヤマモミジ」はただひたすらに紅くなって

 

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今年もいい色を楽しめました

 

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ありがとう。また来年もよろしくね

 

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綺麗な葉っぱのカタチだね

 

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移ろいゆくもの

 

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紅くならずに枯れてゆく「根曲がり」のモミジ

 

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いちばん若い「イロハモミジ」もようやく色づいてきました

 

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Mellows のモミジたちを、懐かしいカップに飾ってみました

 

久しぶりに Barry Manilow(バリー・マニロウ)『2:00 AM Paradise Cafe』が聴きたくなりました。売れ線のPOPソングばかりをレコード会社から求められていた彼が、その意に反して創り上げた本格的なジャズのオリジナル・アルバム。実力のあるアーティストほど「いつかはJAZZを」という、よくある例の一つかもしれません。1984年のリリース時には世界中で大変な話題となりました。晩秋の夜長にはもってこいですね。全曲バリーのオリジナルです。通しで聴きたい方はぜひこちらをどうぞ。

 


Barry Manilow / “Paradise Cafe” ~ “Where Have You Gone”
(album: 2:00 AM Paradise Cafe – 1984)

 

そういえば彼、最近流行のDuetアルバムをリリースしましたね。すでに他界された大物アーティストとの共演を、現代の技術を駆使して実現した話題性のある作品My Dream Duetsも聴きどころ満載です。「レディ・ガガ」をはじめ多くのシンガーとのデュエット・アルバム連発で話題の「トニー・ベネット」よりは、ずっとお薦めです。(個人的にはトニーのVocalは大の苦手なのです‥)

 

Mellow Tunes ~ Vol.87【Best Mellow Tunes 2014】

あっという間に「立冬」も過ぎて、いよいよ冬の足音が聞こえてくるよな肌寒い季節が訪れてきましたね。朝晩と日中の寒暖差が日増しに大きくなりつつある、今日この頃です。時間が過ぎるのが早くてたまりませんが、ブログリーダーの皆様におかれましても、急な気候の変化で風邪など引かぬよう、どうか暖かくしてお過ごしください。

次回で今年の『MOMIJI通信-2014』は最終回にしようと思っているので、いろんな記事の中にちょっとずつ最新のモミジ画像をUPしておこうかと思います。

 

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Mellowsのコーナー席横にあった「根曲がりのモミジ」。 ようやく黄色くなってきました。

 

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デッキテラス席の横にあった「イロハモミジ」。 気温差で色付きが進んでいます

 

さて今回でもう Vol.87 となる “Mellow Tunes” ですが、まだ11月の半ばではありますが、記事タイトルにもあるように、私的【Best Mellow Tunes 2014】を勝手気ままに選んでみることにしました。久々の「当たり年」と言われるほど今年度リリースされた多くの Soul/R&B/Jazz/Smooth Jazz などのカテゴリーの中で、あくまで僕自身が自分の耳で聴く機会を持てたアーティストの作品の中から、敢えて「2曲」だけを選んでみました。

まずは最初にご紹介する、Dave Hollister(デイブ・ホリスター)ですが、米国はシカゴ出身の1990年代後期からじっくりとゆっくりと作品をリリースしている Soul/R&B アーティストです。何の偶然か、前回 「AC Tunes ~ Vol.29」で取り上げた【Nicci Gilbert】のアルバム中で、彼女とデュエットの共演をしていたりしますから、それ相応の実力派シンガー・ソング・ライターと言えるでしょう。
今回取り上げた『Spend The Night』という楽曲は、それはそれは10年に一度出るかどうかといっても過言ではないほどのメロウであり甘美的な要素を内包した、まるでソウル・クラッシクの王道を行くかのような「完璧な作品」として仕上がっている印象を受けます。1980年代後半に突如出現した『Al B. Sure(アル・B・シュア)』の傑作Nite And Dayにも通じたコーラスワークが美しい、晩秋から冬にかけて心に染み入る Super Mellow な作品です。ヴォーカル、メロディ、コーラスワーク、ストレートなリリック、そして控え目なアレンジと、まるでソウル・ミュージックの素晴らしさを、この一曲だけで具現化したかのようです。アルバム中には90年代大活躍したTeddy Riley (テディ・ライリー)による同曲の素晴らしいRe-mixが収録されておりますが、僕個人としては正しいソウル・マナーで聴かせてくれるOriginal Ver.の方が好きですねえ。
この曲を聴くと、かつて一度訪れたことのある「Windy City」と言われる CHICAGO の街並みや、ジョン・ハンコック・センターから見下ろした五大湖の一つミシガン湖岸の美しい風景や街の夜景が自然と思い浮かんでくるから不思議です。本当によい作品ですよ、これは。

 

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Dave Hollister / “Spend The Night”
(album: Chicago Winds…The Saga Continues – 2014)

 

今から20年ほど遡った30歳を過ぎた頃からの僕自身の『Music Life(音楽生活)』に多大な影響を与えて久しい、元々は音楽ライターでもあり現在はプロデューサー業で多忙な「松尾”KC”潔」氏も、自身のNHK・FMラジオにおける冠番組『松尾潔のメロウな夜』の中で、『豊作』と言われる今年リリースされたあまたある作品の中でも「最大の収穫」というような表現で、Dave Hollister による本作品の収録されたアルバム『Chicago Winds…The Saga Continues』を紹介していました。いやはやさすが松尾氏、僕の苦手な Hip-Hop を除き、音楽の嗜好が氏とほぼ被ってしまうだけあって、まさに「同感」の一言です。参考までに、松尾氏はそれ以外にもう一人、今年 Babyface との共同名義のアルバムをリリースし復活を遂げた Toni Braxton (トニ・ブラクストン)の妹である Traci Braxton(トレイシー・ブラクストン)のアルバムもたいそう評価しておられました。

 

そして次なる作品はと言えば、もうすでにBIGネームですし当ブログの過去記事でも取り上げていますが、JOE が放った最新アルバム『Bridges』に収録されたIf You Lose Herをご紹介したいと思います。JOE は前作品のアルバム『DoubleBack: Evolution Of R&B』の製作時「VIVE Magazine」誌のインタビューで語っていたという彼の言葉(下記参照)を聞くにつけ、ソウル・ミュージックに対してJOE がこれまでずっと貫いてきたポリシーへの、僕なりのリスペクトの思いが強くなる一方です。

【「R&Bはかつて、とても品があって、スタイリッシュで、エレガントで、恭しかった。俺はR&Bに品格を取り戻したい」と力説。「振り返る」という意味のタイトルについては、「クラシックなR&Bへの敬意を示した作品だから」「生ホーン、生ストリングス、生ドラムが鳴っていた時代、ソウル・ミュージックがとてもスタイリッシュでエレガントだった頃に回帰したんだ」と説明している。】(出典:bmr

どうですか、この素晴らしいコメントは。そしてこの作品を聴けば、その答えはさらに明らかになることでしょう。Sand Artist(砂の芸術家)の Kseniya Simonovaクセニア・シモノヴァをフィーチャした NewYork を舞台にしたPVもなかなか素敵な出来で、楽曲の良さを引き立てていますね。とにかく心に響くのはやはり「シンプル」なものに尽きるのかなと、そう思わせてくれる JOE らしい作品です。そういえば、この作品も一足早く松尾さんが例のラジオ番組の中で紹介していたようですね。さすが「美メロ」の巨匠ですね。

 

 
Joe / “If You Lose Her” (feat. Kseniya Simonova)
(album: Bridges – 2014)

 

以上、すこし時期尚早ではありますが、私的【Best Mellow Tunes 2014】のご案内でしたが、皆様いかがでしたでしょうか?いやあ、でもいい音楽にはいつの時代も助けられっぱなしです。『No Music, No Life』といえば TOWER RECORDS のスローガンですが、まさにそんな Music Life を過ごし続けた50年と言えるかもしれません。Thank You For The Music ! と声を大にして言わないといけないかも。

 

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そういえば季節外れの「夏スミレ(トレニア)」がたった一株だけ咲きました

 

 

 

AC Tunes ~ Vol.29【Nicci Gilbert】

11月になって初めての更新です。
なかなかご紹介したい音楽作品が思い浮かばず、昨年の同時期の記事を振り返ってみたところ、Mellow Tunes ~ Vol.64 【chic & mellow 編 ⑧』で一度取り上げたこともある、今は亡きあのマイケル・ジャクソンが自ら設立したレーベルの「MJJ Music」から彗星のごとくデビューした、「超」が付くほどの実力派の女性三人組のVocal Unit の『Brownstone(ブラウン・ストーン)』ですが、残念ながらいまだ再結成やニューアルバムの製作の情報はありません。
また再び彼女たちの圧倒的なコーラス・ワークを聴きたいと思っているのは自分だけではないと思うので、いつかきっと「RE-UNION」して欲しいユニットのひとつです。

 

Nicci Gilbert / “Can’t Forget” (album: Grown Folks Music – 2005)

 

グループのリーダーであったニッキー・ギルバート(Nicci Gilbert)が、2005年にリリースしたソロ・アルバムの『Grown Folks Music』は、そんな待ちきれないリスナーにとっては聴き応えのあるアルバムです。中でも、5曲目に収録された『Can’t Forget』なる楽曲は秀悦な出来で、ぜひ一聴していただきたい作品です。
かつて『New Soul』というカテゴリーにおいて活躍した伝説的なアーティスト(故人)の『Curtis Mayfield(カーティス・メイフィールド)』が、1980年にリリースした傑作アルバム『Something To Believe In』に収められたTripping Outにも似た、リズムとベース・ラインに特徴のあるメロウ・ファンクな音作りとなっています。