Monthly Archives: March 2016

Mellow Tunes ~ Vol.100 【Euge Groove】

都内からは桜の開花が伝えられたように、日を追う毎に日中はだいぶ気温が上昇するような日も多くなってきました。

少し前になりますが、東北をはじめ多くの被災地では大震災から五年の月日が経過しました。被災されてご家族をなくされたりした関係者の方々には、謹んで哀悼の意をお伝えしたと思います。
震災の年に開業した実店舗の『cafe Mellows』も、営業を維持できていれば五年目を迎えているところですが、ご承知の通り諸般の事情により今現在は存在しておりません。
とはいえ、被災地へ旅立った僕の大事な「相棒」であり店舗であったトレーラーハウスの「メロウズ号」は、被災地の宮城県東松島で第二の人生というかお役目を立派に果たしているようです。皆さんに愛されているみたいで、ほんとによかった。出会いと別れの季節の象徴である「桜」の花が咲く頃になると、なんだか不意に愛おしさを伴って思い出すから、不思議なものです。

 

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「Mellows」の開店準備期間から始めた当ブログの中では、これまでおそらく500~600を越えるそれは沢山のメロウな音楽作品をご紹介してきました。紹介していくうちにシリーズ化された「Mellow Tunes」ですが、2012年2月にVol.1で紹介したWill Downing / “A Million Ways”から、早いもので4年が経過し、今回でようやく100回目を迎えることとなりました。ただ単純に自分が「これはメロウだな..」と思える作品をカテゴリーに囚われることなく、記事とともにUPしてきただけなのですが、改めて作品毎に聴いてみるとやっぱり自分の大好きな作品の「プレイ・リスト」になっているのがよく理解できます。

 

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「時」というのは黙っていても残酷なまでに刻々と過ぎていくもので、あれからなかなか前進できない自分自身に腹が立ったり嫌気がさしてみたり、うまく表現することができませんが、心身共にけっこうしんどい時期がずっと続いているような感じでしょうか。そんな時に、いつも助けてもらっているのが好きな「音楽」であることは、今更ながら言うまでもないことです。そんな訳で、Vol.100では最近聴く機会が最も多かった作品を紹介することにいたしました。

Euge Groove (ユージ・グルーヴ / 本名:Steven Eugene Grove)は、米国ではかなり名の知れたサックス・プレイヤーで、主に Smooth JAZZ のカテゴリーを中心に活躍しています。一時期は米国西海岸をベースにメンバーを幾度も入れ替えながら存続しているホーン・セクションによる大型バンド「Tower of Power」に在籍していましたので、実力は申し分のないアーティストです。年齢も自分と同世代なので、おそらく影響を受けた音楽とかがとても近いのかなと思われます。
今回記念すべき「Mellow Tunes Vol.100」で取り上げる本作品『Slow Jam』も、なんだか気持ちがひどく落ち込んだときとかに聴くと勇気付けられるような、むせび泣くメロウなテナー・サキソフォンがハートにグッとくる素晴らしい楽曲です。

 
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興味を持たれた方は、YouTubeでライブなども見ることができますので、ぜひともご鑑賞ください。
 

AC Tunes ~ Vol.42 【Paul Carrack】

春がやってきそうでなかなかやって来ない不安定な春先特有の気候の変化や、これといってUPしたいと思える作品がどうにも思い浮かばず、あっという間に3月ももう半ばとなってしまいました。更新を楽しみにされていた皆さんには申し訳ありませんでした。
「三寒四温」を繰り返しだいぶ暖かくなってきましたので、来週あたりにはもう「桜」も開花でしょうか。「桜」は大歓迎ですが、例年花粉の飛散には閉口してしまいます。(泣)

さて、最近聴いた作品でようやく記事を書く気になったアーティストが、今回ご紹介する、英国人のUKブルーアイド・ソウル・シンガー・ソングライターとして長いキャリアを誇るポール・キャラック(Paul Carrack)です。彼が今年1月にリリースしたばかりの最新アルバム『Soul Shadows』から、一つ作品を取り上げたいと思います。

Paul Carrack bw現在64歳というミュージシャンとしての長いキャリアの中で、「エース」「スクィーズ」「マイク&ザ・メカニックス」、そして有名なところでは「エリック・クラプトン・バンド」でのキーボーディスト兼ヴォーカルとしての活躍で知られるポールですが、僕自身としては彼の存在は知っていたものの、なぜだかほとんど彼の作品を聴く機会に恵まれませんでした。

世界中で評価が軒並み高い今回のソロアルバム作品『Soul Shadows』ですが、いやあ正にこれは大人のためのサウンドで、円熟した「メロウネス」を感じさせるその独特の声とヴォーカルスタイルに心を動かされました。中でも4番目のトラック『Let Me Love Again』は白眉であり、余計な装飾がまったくないシンプルなメロディ自体の美しさと、アーティストの年齢や人生経験から滲み出るようなある種の「儚さ(はかなさ)」ににノックアウトされてしまいました。
必要最小限の控え目なストリングスをバックに朗々と言葉を紡ぎだす様ないぶし銀のヴォーカルに、胸を打たれます。こんな感じの音楽、ここ数十年遭遇していなかったような、そんな気さえする大人による大人のための作品です。アルバム全体の出来も素晴らしく、ブログ・リーダーの皆さんにもぜひともお薦めしたいアルバム『Soul Shadows』です。

 


Paul Carrack / “Let Me Love Again” (album: Soul Shadows – 2016)

 

余談ですが、次回で『Mellow Tunes』シリーズがようやく100回目を迎える予定ですが、なかなか候補が思い浮かばず難航しています。さて、どうしようかと思案中です。