Daily Archives: 2016/11/24

Mellow Tunes ~ Vol.108 【Leon Russell – R.I.P.】

「もう今年はこれくらいにしておいて‥」と内心恐れていた、偉大なアーティストのまたの訃報が世界を駆け巡った。
50代以上の読者の方であれば、誰でも一度は耳にしたことのある作品の数々を発表してきた伝説的な音楽家であるあの レオン・ラッセル(Leon Russell)が、11/13米国ナッシュヴィルに於いて74歳で天に召された。これまた「プリンス」逝去の際と同じくして、通勤中にいつも聴いているJ-WAVEの朝の番組の中で、ジョン・カビラ氏が痛切の想いでその訃報を伝えていた。一週間ほど悩んだ末に、僕にとっては影響を受けた大切な存在の「ソング・ライター」なので、記事として残しておくことに決めた次第。

leon-russellレオン・ラッセルといえば、「Musicians’ Musician」というフレーズがあるけれど、まさしくこの人のためにあるような表現なのではないだろうか。ロックの世界においてはエリック・クラプトン、ジョージ・ハリスン、エルトン・ジョン、ノーベル賞で話題のボブ・ディラン、そしてソウル界ではレイ・チャールズ等々、存命であるかないかは別として、それはそれは今ではそれぞれがレジェンドといわれる多くの偉大なミュージシャンたちに、多大な影響を与えてきたアーティストであることは、敢えて説明の必要がないほどだ。

とはいえ、この人のあくまでも「作曲家」「ソング・ライター」としての存在は、僕自身にとっては特別なものがある。こんなブログをこの歳になってやってるくらいだから、憧れとか熱い想い入れから洋楽の世界へと導いた張本人といっても差し支えがないくらいだ。過去記事で何度も書いてきたけれども、僕の洋楽への傾倒のきっかけとなったルーツは、小学3・4年で聴き始めた カーペンターズ(The Carpenters) だった。カーペンターズを聴くまでは、近所に住むいとこの一番上の兄ちゃんが聴いていた「ビートルズ」の奏でるサウンドを除いて、それまでTVやラジオで歌謡曲とかを聴いて1ミリでも心が動くことは一切なかった。10歳になるかならないかで「運命」の如く出逢った、兄リチャード・カーペンターが才能の限りを尽くしたアレンジを施し、妹のカレン・カーペンターが低音の美しい声で切々と歌い上げる三つのバラッドに、外国語の歌詞の意味など分かるわけもないというのに、それまで聴いたこともないような美しいメロディーに心が大きく振り子のように揺さぶられ、初めて「歌」を聴いて涙が止まらなかったのを、あれからもう40年以上も経つというのに、昨日のことのように思い出すことができる。

 

the-carpenters

 

もちろん他にも沢山あるのだけれど、ここで言うカーペンターズによるその三つのバラッドとは、ロック・ギタリストへの恋心を募らせるグルーピーの切ない心情を歌った『Superstar(スーパースター)』、ジョージ・ベンソンのカヴァーでもよく知られる『This Masquerade(マスカレード)』、そしてシンガーである歌い手の気持ちを実直に描写したリリック(詞)が感動的な『A Song For You(ア・ソング・フォー・ユー)』に他ならない。いずれもレオン・ラッセルのペンによる、誰もが知るとびきり美しい楽曲だ。

 


Superstar”

 


This Masquerade”

 

「A Song For You」に関しては、いったいどれだけの世界中のプロのアーティストがカヴァーをリリースしているか見当がつかないほど、ヴォーカリストであれば誰しも一度はチャレンジしてみたい作品として、これからも永遠に歌い継がれていく名曲に相違ない。

 

“A Song For You”

 

カーペンターズと密接な関係にあった偉大な音楽家のバート・バカラックと同様に、これだけの繊細で美しく構成されたポピュラーミュージックを産み出せる天才はそうそう現れるものではないと思う。本当に残念ではあるけれど、先般他界されたロッド・テンパートンもそうであるように、作品は必ず残りそして継承されてゆくもの。
僕自身にとっては「洋楽」の世界へ導いてくれた、さながら伝道師ような存在のレオン・ラッセルとすでに他界したカレンに、最大限の感謝と哀悼の意を表したいと思う。レオンのピアノの伴奏にカレンの歌が聴こえてきそう…
Rest In Peace..

 

  “A Song For You” by Leon Russell