Daily Archives: 2017/07/12

Mellow Tunes ~ Vol.124【Can’t Hide Love】

いつもご訪問ありがとうございます。
7月に入ってからというもの、なんだかんだと慌しい日々が続き、今月になって初めての更新です。たいへんお待たせをいたしました。
先般実施された都議選で、僕が20歳で参政権を手にして以来一度も投票したことのない政権与党が、良識ある都民の皆さんの選択で、歴史的な惨敗を喫しました。いい気味です。国民の感情をないがしろにし、弱い立場の者の気持ちが分からぬ連中に、おおよそまともな政治ができるわけがありません。お坊ちゃま育ちのトップが身内にだけ異常なまでに甘く、国民に何を批判されているかさえも判断できない、学歴だけが自慢の議員ばかり集めていれば、遅かれ早かれこんな事態になるのは、容易に想像できていました。
自分は決して左寄りとかいうことではなく、その時代の与党の暴走を監視させるために、敢えてどこかの野党に大切な一票を投じることに決めています。参政権を手中にした若い世代の皆さんが、その貴重な一票で、政治が変えられるということを忘れないでいて欲しいと思います。なのでこの国を変えたいと思う人は、ちゃんと選挙に行きましょう。
かといってあまたある野党がちゃんとしているかといえば、そうでもありません。先進国家に見られるような「二大政党」による熱い戦いが、自分の生きている間に見られるのか甚だ疑問ではありますが、いつかそんな国家に育ってくれたらいいなと思うこの頃です。

 

 

さて連日真夏のような酷暑が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。時折訪れる近隣のいくつかの公園でも、木々の緑の濃さが深くなるのとは対照的に、「アジサイ」の季節はもう終わりに近づいているようです。間もなく「梅雨明け」のニュースが聞こえてくることでしょう。夏の暑さと湿気と混雑が大嫌いなので、僕にとっては厳しい季節の到来です。正直なところ、夏祭りとかも大の苦手です。なので、頭の中で頑張って「秋風」を吹かせるような、秋冬の景色をイメージしたりしています。毎年この時期にお伝えしてますが、例年に習い、当然ブログの更新もそれなりにスロウ・ペースになりますので、どうかご容赦ください。

 

 

先日ふと昨年亡くなった Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド&ファイア)の偉大なリーダーであった Maurice White(モーリス・ホワイト)のアルバムを聴いていたら、ついでにアースの作品も聴くことになり、個人的には彼らによるご機嫌な「Disco Tunes」よりも、モーリスと一緒に1970年代に多くのメロウで美麗なメロディを作り出した故人のソングライター『Skip Scarborough(スキップ・スカボロウ)』による作品群が、やっぱり好きなんですね。結構そんなご同輩も多いのではないでしょうか?
今回ご紹介する『Can’t Hide Love』ですが、オリジナルはソング・ライターのスキップ・スカボロウ(Skip Scarborough)が、Creative SourceというLAベースのR&B Vocalグループのために1973年に書き下ろした曲で、アースへの提供作品ではありませんでした。ほとんどヒットしなかった本作はオリジナルのリリースから2年後に、モーリスの眼鏡に適い、ほとんど原曲の雰囲気を残さぬまま、モーリスの手による大胆なアレンジを施したスケールの大きな楽曲へと変貌を遂げました。

 


Earth,Wind & Fire – Can’t Hide Love
(album: Gratitude – 1975)

 

1975年にリリースされ、アースにとって初の全米チャート1位に輝いたアルバム『Gratitude』に収録された『Can’t Hide Love』は、ミディアム・スロウな作品によるアースの魅力をリスナーに対して改めて見せつけることとなりました。
21世となった現代においても、『Can’t Hide Love』は多数のアーティストによるカヴァーやリメイク、そしてHIP-HOP系アーティストによるサンプリング等、本作品が世に出てから輝きが失われることは皆無です。

アースからは少し遅れて、1982年にリリースされた Dionne Warwick(ディオンヌ・ワーウィック)のアルバム「Friends In Love」に収録された『Can’t Hide Love』のカヴァーは数あるカヴァー作品の中でも、とても好感の持てるアレンジに仕上がっている気がします。当時隆盛を極めたスーパー・プロデューサーコンビの Jay Graydon(ジェイ・グレイドン)と David Foster(デイヴィッド・フォスター)による全面的なバック・アップによって製作されたアルバムには、当時考えられる最高レヴェルのスタジオ・ミュージシャンたちが用意され、それは贅沢な音のつぶてが詰まったアルバムとなっています。本作品の中で、控えめなプレイであるにも拘らず物凄い存在感のジェイ・グレイドン氏のギターの音色にはもう降参するしかないですね。
この頃が、本当に音楽にとって「いい時代」だったような気がしてなりません。

 


Dionne Warwick – Can’t Hide Love
(album: Friends In Love – 1982)

 

どちらにせよ、やはりソングライターである「スキップ・スカボロウ」の才能を抜きには語れない、20世紀に遺された偉大な作品と言えるでしょう。