Monthly Archives: January 2018

Mellow Tunes ~ Vol.154【Chet Baker / Joe Pass】

お天気が心配されましたが、1月最後の今夜に拝めたのは、なんと「265年に1度」しか見ることのできないという情報もある、「Super Blue Blood Moon」(スーパー・ブルー・ブラッドムーン)と呼ばれる現象でした。月の距離が地球に最も近くなる「スーパームーン」と、月に2度目の満月となる「ブルームーン」、そして『皆既月食』により月が赤っぽく見える「ブラッドムーン」がすべて同時に起こるという非常に珍しい現象だそうです。これらの現象が全て同時に起こる確率は、0.042%になるといい、満月2380回に1度起こることになり、計算上、平均して265年に1度の出来事らしいです。

偶然お休みだったので、近隣の公園の中でもいちばん明かりが少ないところまで出掛け、いつもの相棒の高倍率コンデジを携え、寒い中三脚を使用しながら、なんとかその貴重な様子を撮影することができました。たぶん生涯、もう見ることができないのかと思うと、とても大事な瞬間を体験できたような気がして、なんだか有難かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 


Chet Baker Quartet – “Polka Dots and Moonbeams”
(album: ‘POLKA DOTS AND MOONBEAMS’ – 1958)
Personnel: Chet Baker (trumpet), Al Haig (piano), Paul Chambers (bass), Philly Joe Jones (drums)

 


Joe Pass – “Polka Dots And Moonbeams”
(album: Joe Pass in Hamburg – 1992)

 

「月」の話題のときは、どうしてもこの曲になってしまいます。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.153【Bruno Mars】

寒い日がこれだけ続く冬も珍しいというか、生まれて半世紀以上が経過しますが、正直なところあまり記憶がありません。もちろん南北に細長い日本列島ですから、寒冷地に居住する方々の生活と比較すれば、関東地方の冬は大したものではないのかもしれませんが。インフルエンザ等も猛威を振るっているようですので、皆様どうかご自愛ください。
先週降った雪も、あまり日当たりのよくない場所では、まだまだ存在感がありますね。

 

 
さて、先日の記事「AC Tunes Vol.63」Christopher Cross(クリストファー・クロス)の新譜をご紹介した際にも少し触れましたが、昨日(現地時間1/28)『第60回』と節目の年となる【グラミー賞授賞式】が、今回から会場をこれまでの西海岸のLAから、この時期は極寒の東海岸はNYの「マディソン・スクエア・ガーデン」に移し、予定通り開催され無事に式典を終えました。
今回のグラミーは、世界中で売れに売れたアルバム『24K Magic』を引っさげ、もはや主要部門含めなんと「7部門」(最優秀レコード賞/最優秀楽曲賞/最優秀アルバム賞/最優秀R&Bパフォーマンス賞/最優秀R&Bソング賞/最優秀R&Bアルバム賞/最優秀アルバム技術賞)にノミネートされている、『BRUNO MARS』(ブルーノ・マーズ)による受賞が、いったい何部門を制覇するかといったところに、否が応でもフォーカスが当てらていました。インターネットの普及により、リアル・タイムで「GRAMMY公式サイト」で受賞の状況を窺っていた音楽ファンも、当然ながら世界中に沢山いらしたことでしょう。

 

 

そして気になる結果ですが、ふたを開けてみれば「やはり」としか言葉が出てこないほどの、「ブルーノ」の文字通りの【独壇場】となりました。アーティストであるブルーノ本人が受賞したのが「6部門」、そしてエンジニア・技術者らに贈られる「Best Engineered Album, Non-Classical (最優秀アルバム技術賞)」も含め、計「7部門制覇」という偉業をやってのけました。予想はしていたものの、結果として、ノミネートされた全部門で受賞という快挙は、そうそう簡単にできることではありません。

プエルトリコ系の父とフィリピン系の母との間に生まれ、僅か6歳頃から故郷のハワイで観光客を相手に、大好きなアーティストのモノマネを中心にステージで数え切れない経験を積んできたことや、本格的な活動を視野にアメリカ本土に渡り、やがてあの名門レーヴェルの「MOTOWN」と契約に至るも、さっぱり売れずに契約解除となったなど、幾つかの苦い経験と過去があってこそのサクセス・ストーリー。そして、アルバム製作にも尽力してくれた彼にとっての「HERO」である「Babyface」はじめ、多大な影響を受けた「Jam & Louis」「Teddy Riley」ら偉大な先駆者たちの名前を挙げて、「そんな彼らに感謝したい」と「Best Album of The Year」の受賞スピーチを終えたブルーノの言葉を聞いて、彼やバンドの面々の現在の人気がどうこうというよりも、彼の持つ才能はもちろんであるけれども、「人間性」であるとか、ダンスを見れば一目瞭然「見えないところでの努力」だとか、そんな『苦労人の姿』も華やかさの陰に見え隠れしているような気がしてなりません。そして何より賞賛されるべきは、難解なことをリスナーやオーディエンスに投げかけることなく、「音楽」という日本語がそうであるように、「音」を「楽しむ」といった、ポピュラー・ミュージックにとってある意味「当たり前」で「普遍的」なことを、気心の知れたバンド・メンバー「The Hooligans」(ザ・フーリガンズ)たちとのオーディエンスをあっと言わせるダンス・パフォーマンスをはじめ、パワフルで圧倒的なステージ・アクトを実現できたことに他ならないと思います。ライブのチケットが入手できないのも、よく理解できますね。

時折ブルーノのことを揶揄したりする人たちも散見されますが、1980-90年代に流行したサウンドを意図的に再現した音作りだって、その時代のファッション等のカルチャーを復活させたのだって、「偽者」や「偽物」だったら僕らの世代も含め、世界中がここまでは支持しません。そこには彼なりの高度で独自の「咀嚼」と緻密な「計算」が存在し、それらの音楽たちは感覚的かつロジカルに組み立てられ、世に送り出された「産物」と言えるのではないでしょうか。
かつて来日した際のTV番組内のインタビューの中で、日本が誇る偉大な音楽家「山下達郎」氏の国宝級のアカペラ3部作である『On The Street Corner 1-3』をインタビュアー役の女子アナからプレゼントされ、1・2作目は持ってるけど、3作目が手に入らず探していたんだと、すごく喜んでいたのを見た際、このフレキシブルな感性とあらゆる音楽への愛情や敬意を持つ姿勢が、ブルーノをここまで押し上げてきたんだなと、妙に納得してしまったことがありました。

 

 

なによりとにかく、『24K Magic』「最優秀アルバム賞」を受賞したことは、この音楽配信が中心の時代に、とてつもなく大きな『楔』を打ち込んだといっても過言ではないでしょう。過去記事で何度も取り上げたけれど、故人となった「PRINCE」が、2015年グラミーの「Album of The Year」のプレゼンターで壇上に立った際に、「みんなアルバムって覚えてるかい?アルバムってまだまだ大事なんだよ。」と、居合わせた観衆やTVカメラの向こう側の世界中のリスナーに語りかけたことで、大変話題になりました。(詳しくこちらへ) なので、今回のブルーノの本作品の受賞については、音楽家や関係者たちがずっと危惧していたことへの、音楽界とリスナーからの一つの回答だと、僕個人としては信じたいなって思います。もしも彼の永年のアイドル的存在だった「マイケル」「プリンス」が存命であったなら、それはきっと最大級の賛辞を惜しまなかったことでしょう。

昨今国内のSONYでもアナログ盤のプレスとリリースが再開されたように、本来は収録曲数に限界のあるアナログ盤の「アルバム」には、せいぜい8~9曲で収録時間45分程の限られたスペースに、アーティストそれぞれの想いやストーリーがきゅっと凝縮されているもの。収録作品に対して厳選に厳選を重ね完成した『24K Magic』も、そのセオリーを踏襲し「アルバム」の価値を極限にまで高めてくれたブルーノの本作品の「Album of The Year」受賞は、当然の結果にきまってる。と思われた方、ぜったいに大勢いらっしゃるはずですよね。

『24K Magic』Bruno Marsもまだよく知らないという方のために、Playlist をUPしました。良質なものに「遅すぎる」ということはありません。ぜひともご覧ください。

 


“Bruno Mars” Speech at The 60th Grammy Awards
& some PV

 

Bruno Mars に関する過去記事は、こちらへどうぞ。

また、今年も現地に行かれていらっしゃる音楽プロデューサーの「松尾潔」さんから、きっと来週または再来週の自身のFMラジオ番組内で、詳しいお話を聞くことができるのではと、楽しみに期待しております。

 

Mellow Tunes ~ Vol.152【Howard Hewett】

いつもご訪問ありがとうございます。
寒い日が続きますね。「大寒」に入ってからというもの、この冬は昔ながらの「暦」通りの気候となっています。極端な異常気象現象も困りますが、「地球温暖化阻止」が叫ばれる中、これは決して悪い傾向ではないのかもしれません。
関東地方でも、日陰の道などには、気温が低くて凍ったままの、先日の雪の名残りをあちこちでみつけることができます。

 

 

 

近隣の湖岸沿いの公園を夕暮れ時に散歩してみれば、いつも以上にきりっと冷えた真冬の北風が吹き、その強風に流されちぎれちぎれ足早に去ってゆく雲が織り成す真冬の空模様は、言葉では表現できない独特の美しさがあります。

 

 

こんな寒い日が続く時には、やはり一昔前の「Heart Warming」な「Slow Jam」なんかがうってつけです。先般「Mellow Tunes ~ Vol.149【Stanley Clarke】」の回に取り上げた、『Howard Hewett』(ハワード・ヒューイット)は、醸し出す「男の色気」だとか「メロウネス」という意味では、なかなかこの人に代わるようなタレントが、いまだ出現してこないような気がしています。1955年生まれで今年で63歳となるハワードは、80年代に Disco/Funk/R&B系の米国の超人気バンド「Shalamar」(シャラマー)のリーダーであり、Jody Watley(ジョディ・ワトリー)との男女混声ツイン・リード・ヴォーカルのスタイルで、まさに一時代を築いたヴォーカリストです。(詳細はこちらへ) 時代は2020年を間近に控えているというのに、ハワード以外のアーティストでは、こんな独自のヴォーカル・スタイルで歌う人はなかなか見つからず、まさに「One & Only」な稀有なヴォーカリストのひとりです。

 


Howard Hewett – “Show Me”
(album: Howard Hewett – 1990)

 

誰でもそうですが、加齢と共に押し寄せるウェイト・オーヴァーが気になりますが、現在もハワードはライブを中心に活動を続けていて、また「Smooth Jazz」系のアーティストからの客演の依頼が相変わらず多いんでしょうか、最近ではこんなサックス奏者とのコラボなどもこなしているようです。
かつては「FUSION」と呼ばれていたカテゴリーのミュージシャンにとっては、決して出しゃばらずに「花を添える」ようなハワードのヴォーカルは、多くのインストゥルメンタルな楽曲を扱うアーティストにとって、とても頼り甲斐のあるヴォーカリストなんでしょうね。前回の記事で紹介したスタンリー・クラークも、そんなことを動画の中で語ってました。「メロウネス」には更に磨きがかかり、「やっぱり凄いわ、この人」と思わず唸ってしまいます。まだまだ後継者が見つかっていないと思うので、ぜひとも現役を続けて欲しいものです。

 

Hulon ft. Howard Hewett – “Two In The Morning”
(album: After Hours – 2012)

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.151【Switch / DeBarge / After 7】

六十数年ぶりとかいろいろな観測基準があるようですが、「大雪」に見舞われスタートした今週ですが、「二十四節気」の最後の24番目となる「大寒」らしい季節となりました。
通勤・通学に大変だったことと思われますが、インフルエンザも猛威を振るっているようですので、どうぞご自愛ください。

 

 
Holiday Season 恒例の「Mellowなクリスマス・ソング」の特集が終わると、当ブログにおきましては、更新がいつものスロウ・ペースに戻り、ゆるゆると展開していきますので、どうかそのおつもりでお付き合いください。

 

 

さて「Vol.151」となる今回の「Mellow Tunes」ですが、米国はマンスフィールド (オハイオ州)で1975年に結成された R&B/funk バンドの『Switch』により、1979年にリリースされた懐かしい「Soul Classics」とも言える作品をご紹介します。寒い季節は特に、暖かいイメージの「Soul Classics」が最高のご馳走かもしれません。

『Switch』はもともと1975年にデビュー・アルバムをRCAから、1977年には二枚目のアルバムをPOLYDORからリリースをしていましたが、実質的なメジャー・デビューは「MOTOWN RECORDS」の名物創設者である「Berry Gordy Jr.」が持つサブ・レーヴェルの「Gordy」より1978年にリリースした、自らのグループ名を冠したアルバム『Switch』と捉えられています。そして彼らをモータウンへの移籍・契約に尽力したのが、なんと「マイケル・ジャクソン」の兄の「Jermaine Jackson」(ジャーメイン・ジャクソン)であったというのは、有名なお話です。

『Switch』の創設者であり、ソング・ライティングを担当するリーダーの「Gregory Williams」よりも、主要なリード・ヴォーカリストでもある「Bobby DeBarge」とベース担当の「Tommy DeBarge」兄弟の存在感が大きかったのは事実でした。またグループ内には「クインシー・ジョーンズ」の寵愛を受けた「ジェームス・イングラム」の弟の「フィリップ・イングラム」が在籍していたりと、何かと話題に事欠かないバンドでした。「Bobby & Tommy DeBarge」に関しては、後に自分たちの兄弟によるグループの『DeBarge』へと活動の場を移すこととなりますが、同時期に活動を開始した『DeBarge』はリードを取る「エル」の人気上昇とともに、その後は「The Jackson 5」の再現を目論んだ「MOTOWN」帝国の中で、一時代を築き上げることになっていくわけです。
米国デトロイトを拠点とする同じ「MOTOWN RECORDS」に於いて、時既に時代と世界を席巻していた「The Jackson 5」もそうでしたが、この「デバージ兄弟」の声質は極めて似通っていて、非常にレンジの広い声質で得意のハイ・トーンからファルセットまで自由自在に扱えるテクニックを持っており、その卓越したヴォーカリストの家族代表と言っても差し支えないのが、誰あろう「Bobby DeBarge」でした。
相変わらず前置きと解説が長くなりましたが、今回ご紹介する「Switch」の最大セールスを記録した1979年リリースの「Switch II」に収録された、『I Call Your Name』(US R&B Chart 8位)をお聴きください。僕は個人的に、この70年代末から80年代末にかけての時代の「Old School」なメロウ極まりないサウンドが、雪を眺めながら浸かる露天風呂のようで、いちばん心地よく感じますね。

 


Switch – “I Call Your Name”
(album: Switch II – 1979)

 

Bobby DeBarge

「MOTOWN」の戦略通り1980年代になって売れに売れた『DeBarge』のリード・ヴォーカルは、兄の「Bobby」とルックスも声もそっくりな弟の「エル」こと「El (Eldra) DeBarge」が、既にグループ内で圧倒的な人気を不動のものとしていました。にも拘らず、「The Jackson 5」における「マイケル」がそうであったように、「MOTOWN」は「エル」をソロ・デビューさせるに至りました。絶対的な存在だった「エル」不在の『DeBarge』には、結果として『Switch』を脱退した二人の兄「Bobby & Tommy DeBarge」が合流するという運びとなり、新生『DeBarge』の運命は兄「Bobby」へと託されていくわけですが、これぞまさに「血統」の成せる離れ業と言えましょう。もう恐ろしいくらいに、二人とも声質が同じですね。
その後「Bobby」は残念なことに、1995年にHIVが原因で帰らぬ人となりました。「Bobby」が闘病中の1989年に活動を停止した『DeBarge』ですが、再結成はもうないのでしょうか。期待したいところではありますが。
参考動画の美しいバラッド“Who’s Holding Donna Now”は、当時音楽のカテゴリーを超越して辣腕ぶりを発揮していた「David Foster & Jay Graydon」のSUPER PRODUCERコンビ + 「Randy Goodrum」らによる作品。当時デイヴィッド・フォスターが関わると、こうなりますよ」という方程式通りの売れるアレンジが施された本作は、それまでの Super Hit 作品「I like It」と同様に、世界中でもの凄いヒットとなりましたね。「エル」の人気を決定付けると同時に、後のグループからの脱退を急がせた作品となった記憶があります。


DeBarge – “Who’s holding Donna now”
(album: Rhythm of the Night – 1985)

 

余談ですが現代で例えるならば、『Babyface』 (Kenneth Brian Edmonds)を筆頭に、兄弟・甥で構成された『After 7』を擁する「Edmonds ファミリー」のイメージと被りますね。この人たちも、ルックスだけでなく「歌声」がもうそのファミリー特有のものになっています。日本が世界に誇る伝統芸能である「歌舞伎」の世界がそうであるように、「Bloodline」(血統)とは本当に想像を超えるほどのものがあると、米国の Black Music 界を俯瞰しただけでも、そんな想いが強くなるのを、今回の記事を書きながら大いに感じました。


After 7 – “TOO LATE”
Featuring David Edmonds & Kenny “Babyface” Edmonds
(album: TIMELESS – 2016)

 

最初に取り上げた『Switch』の楽曲はもう「40年」も前の作品ではありますが、僕にとってはちっとも古いとは感じられません。国内の邦楽もそうですが、先人たちが切り拓いた道というものは、改めてゆっくりと歩くことで、その周辺の草木の匂いであるとかを敏感に感じ取ることで、多くの再発見があるものです。新しい作品もよいですが、その音楽が生まれたその時代の空気感や背景にある歴史みたいなものに、ちょっとだけ触れながら鑑賞してみるというのは、録音された時点から時代が進んだことによってもたらされる、「恩恵」といっても過言ではありません。
当サイトでは、そんな素晴らしい音楽たちに最大限のリスペクトを込めて、今後も紹介してゆこうと考えております。

 

AC Tunes ~ Vol.63【Christopher Cross】

寒さのピークに伴い、毎年日本経済が停滞する時期の「2月」が、もう目の前まで迫ってきました。空気も澄み切って、空の美しさだけは格別な季節です。

 

 

そんな寒い季節の海の向こうでの恒例行事といえば、【グラミー賞授賞式】と、音楽好きの間では割とHOTな話題で盛り上がる時期でもあります。今回から開催地をこれまでの西海岸のLAから、この時期は極寒の東海岸はNYの「マディソン・スクエア・ガーデン」に移し、現地時間1/28に開催されるとのこと。今回のグラミーは『第60回』と節目の年となるそうで、世界中で売れに売れたアルバム『24K Magic』を引っさげ、もはや主要部門含めなんと「7部門」(最優秀レコード賞/最優秀楽曲賞/最優秀アルバム賞/最優秀R&Bパフォーマンス賞/最優秀R&Bソング賞/最優秀R&Bアルバム賞/最優秀アルバム技術賞)にノミネートされている、『BRUNO MARS』(ブルーノ・マーズ)による受賞が、いったい何部門を制覇するかが気にになるところではありますが、結果を楽しみに待ちたいと思います。
※[1/28-29の現地速報によれば、ノミネートされた全部門で受賞とのこと。”Best Engineered Album, Non-Classical”(最優秀アルバム技術賞)も含めて計7部門制覇はなんという快挙!]

 

 

そんな話題に事欠かない「グラミー」ですが、今から「37年」も前の「1981年」開催のグラミー賞で、デビュー・アルバム『Christopher Cross』(邦題: 「南から来た男」1979年発売)で、グラミー史上初の「主要4部門を含む5部門」を制覇したのが、時の新人アーティスト、Mr.フラミンゴこと『Christopher Cross』(クリストファー・クロス)でした。
僕らのような50代から上の世代の洋楽好きの方々であれば、誰でも一度は耳にしたであろう、あの「爽やかクリスタル・ヴォイス」で世界中のAOR (Adult Oriented Rock)ファンを虜にしたクリストファーが、昨年12月に3年振りに出したニュー・アルバム『Take Me As I Am』がかなりの話題となっているらしい。

僕の場合、R&B/SOUL/JAZZを初め『BLACK MUSIC』(黒人音楽)はもちろんのこと、学生時代にはこよなく愛聴していた、日本国内では『AOR』(Adult Oriented Rock)と呼ばれ認知されている、『Adult Contemporary』なカテゴリーの音楽も大好物でして、当サイトに於いて『AC Tunes』シリーズを設けているのも、そんな理由からです。
現在日本国内におけるこの分野の権威的な存在であり、音楽ライターであり各種プロデュース業も精力的にこなす『金澤寿和』さん主催のLight Mellow on the Webは、僕も度々訪れる内外でも有名なサイト(ブログ)で、「Adult Contemporary」なカテゴリーにおける、良質な音楽の情報を絶えず提供してくださっている、とても価値のあるサイトです。(金澤さん、当サイトへのご訪問いつもありがとうございます。)今回は金澤氏のサイトで、「クリストファー・クロス」の新譜の内容をしっかりと解説していただいたおかげで、大変興味深く新譜を聴くことができました。

金澤氏のレビューにもありましたが、新譜『Take Me As I Am』はシンガー・ソングライターの作品というよりは、ある意味とても「FUSION」的なアプローチを狙った、クリストファーのこだわりのギター・サウンドにフォーカスを当てた、実に聴き心地の良い、後味のよいアルバムにまとまっているような印象を受けました。少ない「Lyric」と印象的な「フレーズ」を繰り返すことと、ギター・ソロのパートをこれでもかと注入した結果生まれ出た作風が、なんだかこの現代において、強烈な新鮮さを感じました。

 


Christopher Cross – New Album “Take Me As I Am” (2017)
1. “Down to the Wire”
2. “Baby It’s All You”

 

前述のグラミー5部門制覇のデビュー・アルバム『Christopher Cross』(邦題: 南から来た男)のリリース時は、彼のヴィジュアルがレコードの売上げに影響を及ぼす可能性があるとのレコード会社によるマーケティング面での戦略から、しばらくの期間一切メディアに登場しなかったのは、もはや伝説となっています。事実、1983年の初来日時、日本武道館でのコンサートに僕自身も足を運びましたが、当時世界中を席巻していた米国西海岸出身の「West Coast Rock」系アーティストたちとはまったくイメージがかけ離れており、とにかくセンター・マイクの前でまったくアクションを取ることもなく、ただひたすらに歌うこととギターの演奏に集中していたそのステージ・アクトに、ある意味驚きを隠せなかったのを、もう35年が経過した今でも鮮明に思い出すことが出来ます。とにかく、ギターの演奏へのこだわりが凄いというのは、感じましたね。
新作で聴ける彼のギター・ソロからは、20代の半ばで初めて渡米した際、LAはじめ西海岸の高速道路、通称「Pacific Coast Highway」(California State Route 1)をドライヴした際の、生涯見たことのないような「青すぎる雲ひとつない空」や「美しく入り組んだ海岸線」の光景を呼び起こすような、そんな乾いた、そしてレイド・バックした『音』が聴こえてきて、すごく懐かしい気分になりました。青春時代を彼のサウンドで過ごした方も、そうでない若い世代の方も、ぜひ聴いてみて欲しいアルバムです。現在66歳となったクリストファーの、まさに『Timeless』なヴォーカルに、ただひたすらに「感謝」の思いが募ります。

 

[Remarks]
日本国内ではまだ新譜発売の準備ができてないようです。
こちらの「Official」へどうぞ。

 

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Mellow Tunes ~ Vol.150【Boney James】

いつもご訪問ありがとうございます。
一年の内でいちばん寒い季節ですが、温かい珈琲など片手にご覧いただけると幸いです。
 


 

『Boney James』(ボニー・ジェイムス)を当ブログで紹介するのは、たった今過去記事検索をしてみましたが、やはり初めてのようです。昔からお気に入りで長く聴いてきているアーティストでさえ、改めて調べると記事として取り上げてないというケースが、意外と多いことに最近気付きました。今後はそういったアーティストたちにも目を向けて、ご紹介していかないといけませんね。

さて、『Boney James』(ボニー・ジェイムス)に話は戻りますが、グラミーのノミネートにも常連のボニーは、現在の米国を中心とするいわゆる「Smooth Jazz」の分野で、最も人気と実力を兼ね備えたサックス・プレイヤーと言っても過言ではありません。彼のテナー・サキソフォンが紡ぎだす、その独特な「メロウ」で艶のある音色で歌うようにブロウするその様は、まさに「One & Only」な存在といえます。

2015年にリリースされた『Futuresoul』に至っては、Billboard Contemporary Jazz Chart で年間1位を独走し、昨年2017年に発表の『Honestly』もやはり同様に売れ続けました。元々、過去に Isley Brothers / Bobby Caldwell / Randy Crawford 等々、多くのR&B/SOUL系のアーティストのバック・バンドでの下積み時代が長いこともあり、ことBlack Musicへの理解と愛情が、他のアーティストの誰よりも強い気がします。『Futuresoul』などというアルバム・タイトルにしても、ゲスト・ヴォーカリストにR&Bのアーティストを客演させたりしているのも、彼ならではのことで、よく理解できます。

 


Boney James –
1. “Vinyl” (album: Futuresoul – 2015)
2. “Butter” (album: Send One Your Love – 2009)

 

『Boney James』(ボニー・ジェイムス)、これからも目が離せないアーティストのひとりです。

 

 

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Mellow Tunes ~ Vol.149【Stanley Clarke】

新年が明け、帰省ピークの直後で、早すぎる「成人の日」に合わせた三連休の到来で、いまだに仕事モードへ戻れない方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。「成人の日」は一月の真ん中と、体に染み付いた年代層の僕などは、政府の祝日制定に対してもう疑問だらけです。
さて、日本国民の民族大移動も終わり、いよいよ学校が再開されると、きまって「流感」のシーズン到来です。皆様におかれましても、どうぞお身体ご自愛ください。

2018年になって最初の「Mellow Tunes」となる今回ですが、今年もこれまで同様に時代やリリース時期、そしてカテゴリーにも一切囚われることのない自由気ままな選曲で、ゆるゆるとやっていこうと思っていますので、そのつもりで皆さんお付き合いください。

 

1951年生まれで現在66歳の Stanley Clarke(スタンリー・クラーク)ですが、1970年代になって世に出た当初は、「FUSION」というカテゴリーの呼称がまだ一般的でなく『クロス・オーヴァー』なんて表現されていた時代、Chick Corea (チック・コリア)と組んだバンド「Return To Forever」で世界中にいわゆる「FUSION」ブームを巻き起こした張本人でもあります。いまや世界一のベーシストと称される、早熟な天才 Marcus Miller(マーカス・ミラー)が台頭してくる、少し前の時代の話ですね。ウッド・ベースによるスタンダードなJAZZはもちろん、エレキ・ベースに持ち替えれば、早い時期からのスラップ奏法やギターのようなコード・ストロークが持ち味で、とにかく当時は「斬新」という表現がぴったりのベース職人でした。後にコンビを組むことになる故人の George Duke(ジョージ・デューク)とは、“Clarke/Duke Project” として、1980-90年代にかけて3作ほどアルバムをリリースし、リリースの度に世界中のFUSIONファンに話題を提供し続けたものでした。

今回ご紹介する『Heaven Sent You』は、スタンリーが絶頂期の1984年にリリースしたアルバム「Time Exposure」からの代表作で、ゲスト・ヴォーカリストには当時やはり大人気だった SHALAMAR(シャラマー)のリーダー Howard Hewett(ハワード・ヒューイット)を起用した、 Mellow Funk な大人の雰囲気が香り漂う名曲です。

 

 


Stanley Clarke – “Heaven Sent” (Ft.Howard Hewitt & George Duke)
(album: Time Exposure -1984)

 

そしてこちらは、スタンリー/ジョージ/ハワードが三人揃って久々にチャンレンジした同作品ですが、2013年に逝去したジョージとだいぶウェイトが増加してしまったハワードの様子から、おそらく5~6年前に収録された映像ではないかと思われます。演奏後に「俺たちまだやれるぜ」と語り合い互いをリスペクトする様子が、今となっては大変貴重な映像です。いつも思うのですが、やはり一時代を築いたアーティストとは、そういうものなんだと、改めて見直すことが多々あります。

 


George Duke, Stanley Clarke and Howard Hewett – Heaven Sent You

 

「34年も前」の作品ですが、今の時代に聴いても、とても新鮮に聴こえませんか。こういった大人向けの音楽は、現代ではなかなか耳にする機会が本当に少なくなりました。
そんな価値ある作品群を、今年もいろいろと掘り起こしながらご紹介していければと考えています。

 
Howard Hewett(ハワード・ヒューイット)がスタンリーのアルバムへ客演したものには、こんな作品もありましたね。ハワードのヴォーカル・スタイルと声質に起因するところが大ですが、その「mellowness」ぶりには脱帽ものです。


Stanley Clarke – “Fantasy Love” (Ft.Howard Hewitt)
(album: East River Drive – 1993)

 

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