Monthly Archives: January 2019

Mellow Tunes ~ Vol.206【Roy Ayers】

なんだかひどく疲れた一日の終わりには、Mellowなヴィブラフォンの音色が、やけに優しい。

 

 

ロイ・エアーズ(Roy Ayers)“Warm Vibes”に感謝。

 

 

Roy Ayers – “Warm Vibes”
(album: Spoken Word – 1998)

 

 

 

AC Tunes ~ Vol.71【Jeff Lorber / The Jeff Lorber Fusion】

いつもご訪問ありがとうございます。
関東地方では、昨年末からかれこれ20日間近く雨が降っていません。空気が乾燥する季節とはいえ、これほどまでにお湿りがないのも困りものです。そのせいか、インフルエンザはじめウィルス性の疾患が流行のピークに差し掛かっているようですので、皆様どうかご自愛ください。

 

 

 

さて、2019年はこれまで更新がかなりマイペースだった、『大人が聴いてリラックスできる音楽』を標榜する『AC Tunes』のシリーズも、徐々に充実させていきたいところです。『FUSION』(Smooth Jazz)分野で活躍するアーティストたちに関しては、ヴォーカル抜きのインストルメンタルな楽曲が大半を占めることもあり、日本人アーティストがガチンコで世界の大物アーティストと真っ向勝負ができる、唯一のカテゴリーといってもいいかもしれません。アーティストの国内外を問わず、知りうる限りのいろんな方々を、もっともっとこのシリーズで取り上げてゆければと考えています。

この記事をUPする際、FUSION界の大御所である「彼」の名前を当サイト内で検索したら、なんと一度も取り上げておらず、正直自分でもびっくりでした。これはいけませんね。高校生の頃から40年近くも絶え間なく聴き続けているにも関わらず、一度も紹介していないとは反省の極みです。なんだかそんなアーティストがあまりに多すぎて、もう自己嫌悪に陥りそうです。お詫びのしるしに、初登場の今回は、「彼」こと『ジェフ・ローバー』(Jeff Lorber)、そして活動が長年に渡る自身のユニット『ジェフ・ローバー・フュージョン』(The Jeff Lorber Fusion)の作品群をプレイリストにてご紹介します。

僕らの息子の世代くらいの若いブログ・リーダーの方も増えてきていますので、取りあえず簡単な紹介をしておきます。

[Profile]
「ジェフ・ローバー」(Jeff Lorber、1952年11月4日 – 66歳)はペンシルベニア州フィラデルフィア出身のスムーズ・ジャズ/フュージョンのキーボーディストでプロデューサー、コンポーザー。ファンキーなサウンドと、斬新なコード進行が特徴。本人も、クールなコードチェンジを常に意識した曲作りをしていると語っている。古くから「スムーズ・ジャズの雛形」とでもいうべき音楽を演奏している。「ケニー・G」(当時はケニー・ゴーレリック名義で)や「デイヴ・コーズ」「アート・ポーター」などの人気サックス奏者が彼のグループから輩出された。
[Biography]
1952年生まれ。4歳よりクラシック・ピアノを演奏し始め、9歳よりジャズを演奏し始める。「バークリー音楽大学」に入学、卒業後の1977年に自己バンド「ジェフ・ローバー・フュージョン」を結成し、同名のアルバムでデビュー。1979年にアリスタ・レコードと契約し、「Water Sign」をリリース。1981年にグループ活動を休止、翌年に「It’s a Fact」でソロ・デビューをする。1986年にはワーナー・ブラザース・レコードと契約、「Private Passion」をリリース。このアルバムはヒットするが、レーベル側と彼の意向の不一致により、暫くリーダー作を出さず、プロデューサーやコンポーザーとして活躍する。
2010年には初期の自身のバンド「ジェフ・ローバー・フュージョン」を、ベース奏者「ジミー・ハスリップ」(Jimmy Haslip)の新加入、サックス奏者「エリック・マリエンサル」(Eric Marienthal)の参加によりリユニオンし、「Now Is the Time」をリリースした。グラミーでは過去に7度のノミネートがあるが、2017年リリースのアルバム「Prototype」で第60回グラミー賞「Best Contemporary Instrumental Album」を初受賞。
(出典: Wikipedia)

ざっくりとですが、こんな多彩な音楽家の方ですね。また、80年代には後にビッグ・アーティストに成長した「キャリン・ホワイト」(Karyn White)「エリック・ベネイ」(Eric Benét)も、ジェフに見出されたヴォーカリストとして有名です。前出の3名の大物サックス奏者、「ケニー・G」「デイヴ・コーズ」そして「アート・ポーター(故人)」等も、彼の元から巣立ったことで知られるように、ジャズ界の帝王「マイルス・デイヴィス」に劣らぬほどの、まさに目利きの音楽家であり素晴らしい育成者であることに間違いありません。

 

Jeff Lorber / The Jeff Lorber Fusion – Hit Medley
 

ジェフ・ローバーの創り出す作品群には、「美しいソウル・ミュージック」として米国の「Black Music」史に燦然と輝く「フィリー・ソウル」(フィラデルフィア・ソウル)というカテゴリーが誕生した「フィラデルフィア」の出身だけに、一聴すればお分かりの通り、『ダリル・ホール&ジョン・オーツ』(Daryl Hall & John Oates)らと同様に、『SOUL MUSIC』からの強い影響であるとか「愛情」を感じさせる作品が目立ちます。
いやぁ、改めてこの記事をUPするにあたり、過去の作品からほぼ全作のアルバムを聴きましたが、この人の才能は枯渇することが無いようです。2010年の「ジェフ・ローバー・フュージョン」リユニオンの際に加入した、かつてフュージョン・ミュージック全盛期に良きライヴァルでもあった元「イエロージャケッツ」(The Yellowjackets)の核となるベーシストの「ジミー・ハスリップ」(Jimmy Haslip)の参加により、これまでの以上にリズム隊に厚みが出て、相乗効果が計り知れないほどで、サウンド面でのオプションが増えてきているような印象を受けます。過去の作品よりも、明らかに「グルーヴ感」増幅されてきていますね。その一方で、重鎮「ジミー」の後釜に就いた新ベーシストの「フェリックス・パストリアス」(かの天才ベーシスト「ジャコ・パストリアス」の息子が加入した「イエロージャケッツ」は、方向性が定まらず未だにうまくいっていないとの噂が絶えないようです。
それにしても、「ジェフ」「ジミー」共に60代半ばを過ぎて尚、いまだに時代と共に「進化」し続けているところが凄いですね。まだまだ頑張ってもらいたい、そんなファースト・クラスの鍵盤奏者レジェンドの一人「ジェフ・ローバー」のご紹介でした。

さて、今回の特集はいかがでしたでしょうか。次回の『AC Tunes』では、日本の「ジェフ・ローバー」(Jeff Lorber)と表現したいくらいのアーティストをご紹介予定です。乞うご期待。

 

 

 

 

AC Tunes ~ Vol.70【Ole Børud】

いつもご訪問ありがとうございます。
年が明けて4日目ともなると、ようやく世の中にも普段の動きが戻ってくるものです。
皆様におかれましては、年末年始をいかがお過ごしでしたか。

 

 
当サイトの名物シリーズ『Mellow Tunes』から遅れること数年、5年ほど前(2014年)からスタートした『AC Tunes』のシリーズでは、『大人が聴いてリラックスできる音楽』を、1970年代後半から90年代あたりのアーティストや作品をはじめ、その頃の時代の『サウンド』を現代でも再現しているアーティストなども、これまで取り上げてきました。いつも『Mellow Tunes』で取り上げるようなメロウな作品に限らず、『AC』つまり『Adult Contemporary Music』(アダルト・コンテンポラリー・ミュージック)として括られるような、また違ったカテゴリーのアーティストや作品を、折に触れご紹介できたらと考えています。かつての実店舗の経営方針と同様に、『お子様はお帰りください』的な、コーナーと言って差し支えありません。(笑

ちょうど4年ほど前に「AC Tunes ~ Vol.30」でご紹介したことのある、遠く北欧はノルウェー出身で、極めてクォリティの高いAORを聴かせてくれるアーティストとして世界中から注目を集めている『OLE BØRUD(オーレ・ブールード)ですが、前回の記事をUPした以降、アルバムのリリースがしばらくなく、どうしているものかと思いあちこちWebを駆使して調べましたところ、どうやらレーヴェルの移籍等が影響したのか、作品のリリースが遅れているような様子でした。嬉しいことに、昨年11月中旬に新たな契約先と思われる「Naxos Sweden – Linx」というスウェーデンのレーヴェルより、シングルがリリースされていました。そしてこれがまたいいじゃないですか。

 


Ole Børud – “Good Time” (Radio Edit) – 2018

 

故郷のノルウェーでは有名なミュージシャンの父「Arnold Børud」のいる家庭環境だとか、また北欧の若者のすべてがそうであるように、英国・米国のあらゆるカテゴリーの音楽を聴いて育ったという、現在42歳の彼の創り出すどこか回顧的なサウンドの特徴については、本人曰く特に珍しいことではないと、インタヴューに答えているようです。
僕らのように若い頃から、欧米発信の「1970~80年代のPOPS/ROCK」などを聴いて育った世代からすれば、HIP-HOP系ばかりのサウンドが食傷気味に蔓延している近年の米国辺りでは、もう「宝探し」に近いようなずっと探していたあの時代のサウンドが、遠くスカンディナヴィアの国々からこの時代に発信されてくることが、ちょっと不思議な感覚であり、それよりなによりも「まだここにあったのか!」「よくぞ生きててくれた!」という喜びの方が数百倍というのが本音です。

 


Track#1  “Driving” (album: Stepping Up – 2014)
Track#2  “Broken People” (album: Keep Movin – 2011)

Track#3  “Maybe” (album: Stepping Up – 2014)
Track#4  “One More Try” (album: SHAKIN’ THE GROUND – 2008)
Track#5  Keep Movin (Live @ Parkteateret 2016)

 

それにしても、『オーレ・ブールード』が数年前に来日した際も『ノルウェー王国大使館』が後援していましたが、北欧のミュージック・シーンは熱いですね。昔から米国出身の多くのジャズ・ミュージシャンたちが、北欧の国々を終の棲家に選んだのが、よく分かるような気がします。スカンディナヴィア諸国では、クラシック音楽を愛するのと同様に、その他のカテゴリーの音楽を受け入れるその「懐の深さ」は、世界中のどの地域よりも高水準と言われる、国民の教育水準をはじめ幸福度や福祉の充実ぶりと、おそらく無関係ではないのでしょう。我が国も見習うべきことが、沢山あるような気がしてなりません。
 

2019年の、『大人が聴いてリラックスできる音楽』を標榜する『AC Tunes』のシリーズでは、僕も若い頃から大好きでそれこそ夢中になって聴いた、『FUSION』(Smooth Jazz)分野で活躍するアーティストたちに関しても、もっともっと取り上げていきたいと考えています。

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.205【Friday Night Plans】

新年明けましておめでとうございます。
いつもご訪問ありがとうございます。今年も一年、どうぞよろしくお願いいたします。

賀状を毎年くださる旧来からの知人の皆さま、毎年ご丁寧にありがとうございます。実店舗をCLOSE後は、年末年始が多忙な組織に属していることもあり、誠に恐縮ではございますが、ここ数年は知人の皆様への賀状でのご挨拶は遠慮させていただいております。この場をお借りして、年末・年頭のご挨拶と代えさせていただいておりますので、どうぞご了承くださいませ。

 

 

さて、なんだか今年の「R&B」シーンは、従来「Black Music」(黒人音楽)のルーツとなっていた、アーティスト自身のオリジン(出自)を「アフリカ」に持たない人たちによる、ジャンル(カテゴリー)の形成がこれまで以上に進化していくような、そんな兆候を強く感じます。この件については、昨年末の『松尾潔のメロウな夜』の番組の中で松尾さんが「鋭い指摘」をされていました。

事実、本家の米国では、英国出身の『Ella Mai』(エラ・メイ)や新たに『H.E.R.』のアーティスト・ネームでシーン躍り出た「Gabi Wilson」(ギャビー・ウィルソン)、そして極めつけは今や超BIGな存在となった『Bruno Mars』(ブルーノ・マーズ)など、直接的な出自をアフリカに持たないアーティストが増えてきました。世代交代が進めば当然といえばその通りなのですが、かつて「SOUL」と呼ばれたカテゴリーの呼称が「R&B」と呼ばれるようになって久しいですが、いよいよこのカテゴリーもアーティストの「多国籍化」が本格的に進んできているようです。
かねてより申し上げていますが、正直なところ僕は体質が合わないので、極端に「HIP-HOP」然としたアーティストやその作品群を好んで聴くことはほとんどありません。敢えてここで詳しくは言及しませんが、聴かない理由は、かつて「Quincy Jones」や「Jam & Lewis」といった「Black Music」の一時代を築き上げたプロデューサーたちが「HIP-HOP」に対して抱いていた感覚と同様のものです。とはいえ、現代(いま)の音楽を目の前にした際、ある程度「HIP-HOP」の要素が入っているのは時代の潮流であり、メロディアスあるいはメロディックに処理された楽曲の中には、好意的に受け取ることができるアーティストや作品が、明らかに増えてきているのは間違いないようです。

さて前置きが長くなりましたが、2019年最初の「Mellow Tunes」の今回は、昨年末に駆け込みでご紹介した、『Friday Night Plans』を改めて取り上げます。
僕が彼女の存在を知ったのは、「松尾潔」さんのTwitterで紹介されていた「Plastic Love(プラスティック・ラブ)」のカヴァーがきっかけだと、以前の記事でお伝えした通り。また、数日前の晦日に放送された「山下達郎」さんのFM番組「サンデー・ソング・ブック」の中で、年末恒例のゲスト出演中の奥方「竹内まりや」さんと共に、「Plastic Love(プラスティック・ラブ)」の話題に触れ、優れたカヴァーの2作品を紹介するとして、今月下旬より配信される予定の『tofubeats』によるカヴァーと共に、『Friday Night Plans』によるカヴァーもOn-Airされました。特に『Friday Night Plans』のカヴァーに関しては、「まりや」さん本人が「すごく素敵な声」と絶賛されていました。

『Friday Night Plans』は、東京都出身、今年で23才になるアーティスト。日本人の父とフィリピン人でシンガーの母を両親に持つ、そんな彼女が昨年6月にLA滞在中、現地で制作された作品(全4曲)を収録したEP『LOCATION – Los Angeles』から2曲ほどご紹介。
UPなものもBalladもどちらも素晴らしい出来で、彼女の才能の片鱗を否応なく感じ取ることができるでしょう。今後も要注目ですね。

 


Meet Us In The Park We Used To Play.
(EP: “LOCATION – Los Angeles” – 2018)

 


Fall In Love With You In Every 4AM.
(EP: “LOCATION – Los Angeles” – 2018)

 

先の話題に戻るようですが、『H.E.R.』こと「Gabi Wilson」(ギャビー・ウィルソン)、『Bruno Mars』(ブルーノ・マーズ)、そして『Friday Night Plans』と、これらの三人に共通するのが、母親がフィリピンの方であるという事実なんですね。これは単なる偶然ではなく、きっと必然であって、母国語と同様に英語を話す環境が、「世界」というステージ(舞台)を視野に入れたとき、我々日本人とはその差が、大きなアドヴァンテージとなって出てくるのではないかと、そんなことを強く意識した昨今の「R&B」シーンです。