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AC Tunes ~ Vol.45 【Gregory Porter】

再び動き出した『AC Tunes』シリーズですが、Vol.45となる今回は、様変わりしてきた感のある現代の米国JAZZシーン新世代アーティストの一人、Gregory Porter(グレゴリー・ポーター)のご紹介です。

2010年にインディーズ・レーべルからデビューしたグレゴリーは、メジャー・レーべルの「BLUE NOTE」移籍後に発表した3作目の「Liquid Spirit」で、グラミーの「Best Jazz Vocal Album」を受賞したことによって、日本も含め世界的にその名を知られることになりました。
僕はまったく食指が動かないのですが、JOSÉ JAMES(ホセ・ジェイムズと並んで現代の米国のジャズ・ヴォーカリストのリーダー的存在になっているようです。

今や「BLUE NOTE」を背負って立つ二人ですが、グレゴリーがカリフォルニアで生まれ、NYのブルックリンを拠点に活動し、ナット・キング・コール、ダニー・ハサウェイ、マーヴィン・ゲイ等々、ジャズだけでなく多くのソウルシンガーからの影響が色濃く反映されているのはとてもよく理解できる反面、ホセのバック・グラウンドとなるサウンドには、あちこちのプロフィールに記載されているほどソウルとかR&Bの影響を感じ取ることが出来ず、見た目の印象と同様に線が細すぎる印象が拭えないんですね。ホセが好きなファンの方には申し訳ないんですが。

もっとも「Jazz Hat」と呼ばれるあの大き目の帽子を被り、元フット・ボウラーだったまるで熊さんのようなグレゴリーの存在感には、誰も敵うわけないといった感じですが。

さて今回取り上げるのは、そんな彼の昨年(20016年)5月にリリースされた4作目となるアルバム「Take Me To The Alley」に収録されたオリジナル作品『Insanity』です。通常版収録のオリジナルは彼のソロですが、デラックス版に収録されたボーナストラックでは、このスロウで叙情的なバラッド作品で、あのダニー・ハサウェイの娘「レイラ・ハサウェイ」とのDuetを実現しています。ずっとリスペクトしていたアーティストの愛娘のレイラとのDuetには、グレゴリー本人も感無量だったことでしょう。

 

Gregory Porter “Insanity” Ft. Lalah Hathaway
(album: Take Me To The Alley [Deluxe ver.] – 2016)
 

 

余談になりますが、こういった世界に誇れる素晴らしい音楽が生まれてきた過程や歴史が存在するのも、米国が移民に寛容で世界中の文化を積極的に取り込んできたことによるものだという事実を、決して忘れてはいけません。ねえ、トランプさん。
そこが、音楽に造詣が深いオバマ氏とあなたの、決定的な違いなんですよ。