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cafe への想い

 

今日は、僕にとってのカフェのありかた、存在意義というか、カフェに対する想いについて少し書いてみたいと思います。

何かのご縁があって、現在の場所にカフェをOPENしてようやく4ヶ月が経過しました。売り上げ的にはまだまだ厳しい状況が続いておりますが、僕の分身でもある cafe Mellows を大切に思ってくださる多くのお客様に支えられ、なんとかやってきております。

 

ひとくちに「カフェ」といっても、ランチなどのフードメニューを売りにしているお店、あるいは珈琲専門店のようにドリンクを主体にしたお店、またはスウィーツメニューに力を入れているお店などなど、じつに様々なスタイルのカフェが存在しています。そんな中で、『カフェの定義』なんていうと大げさですが、僕にとってのカフェとは、日常からすこしだけ離れて、たとえ時間に制約があろうと、自分を解放してゆったりと過ごす場所であり、そこにだけ存在する ONE & ONLY な『空間』を指すのだと、常々考えるのです。とびきり高級な珈琲豆や、素材にこだわったランチ、またはおしゃれにデコレーションされたスウィーツなどもそれはそれで素晴らしいのですが、もっとも大切なのは「心のこもった一杯の珈琲」、そしてそれを提供する『空間』なのだと、cafe Mellows では考えています。もちろん珈琲の苦手なお客様もいらっしゃいますので、「心のこもった一杯の紅茶やココア」などもそれにあたるのは言うまでもありません。

そして、数あるカフェのそれぞれのスタイルに、どれが正解などというものは存在せず、すべて違ったスタイルであるからこそ、「カフェ」が「カフェ」として存在する価値があるのだと、僕は考えています。利用されるお客様それぞれが、ご自分ともっとも相性の合うカフェを見つけることができたとき、そこに『カフェのある幸せ』が生まれてくるのだと思うのです。だからこそ、カフェの数だけ、その「幸せ」も存在するのだと思います。

 

 

そんな貴重で大切な「時間」や「空間」を、ご来店くださった皆さんで共有していただくため、禁煙などいくつかの制約を設けていることについては、店主としてときどき心苦しいと感じることも、正直ございます。ですが、世界的に見ても「カフェ」とはあくまでパブリック・スペース、つまり「公共の場」であることには変わりありません。ですので、利用者であるすべてお客様にとっての快適性を維持するためには、最低限の「ルール」が必要とされるのは否めない事実ですので、どうかご理解いただけるとありがたく思います。

 

それからもうひとつ大切なこと。

それは、カフェとは『人と人とがつながれる場所』であるということ。

Mellows のカウンターは、今ではよくありがちなコミュニケーションを排除するかのような、外や壁を向いたものではありません。なぜなら、そんな時代に『それでいいんですか?』と、実は問いかけているのです。
今日も、満席になった Mellows のカウンターでは、いくつかの素敵な出逢いが生まれました。そんなかけがえのない瞬間を、カウンター越しに目撃したときはいつも、マスターとしてなんとも嬉しくあったかい気持ちに包まれるものです。カフェをやってよかったなぁって、心からそう思える瞬間でもあります。

 

以前に一度記事としてUPした、『一杯の珈琲の持つ力』ですが、それは本当に計り知れないものです。
忘れようにも忘れられぬ、あの東日本大震災より、もう一年が経とうとしています。そんな中、自分に何ができ、どの程度お役に立てるのかわかりませんが、僕がこの道を目指す原点となった師匠が、被災地で定期的に活動を続けている、被災地でのボランティア活動をする方々を支援するカフェ『smile』の活動をサポートするため、現地入りする予定でいます。

休業時にご来店を予定されていらしたお客様には大変申し訳ございません。カフェを開業した今だからこそ、自分の『原点』をもう一度しっかりと見つめ直すためにも、この目で『一杯の珈琲の持つ力』をいま一度再確認してお店に戻ってこれたらいいなと、そんなふうに思いをめぐらせています。

思うままに綴ってしまい長くなりました。お付き合いくださってありがとうございます。