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Mellow Tunes ~ Vol.135【Ray Charles】

ますます混沌とする「国際情勢」や「国会周辺」でのドタバタなど、気になることは色々ありますが、そんなこととは裏腹に、秋の空を眺めれば、毎日のように表情豊かな雲たちがこの季節でしか見せてくれないショーを繰り広げています。特に夕刻の空の表情は、ほんの30秒から1分くらいで様子がだいぶ変わるもので、大変興味深いものがあります。

 

 

さて、今は亡き「Ray Charles」(レイ・チャールズ)の本作品なども、こんな秋になると、聴きたくなる曲のひとつです。
Baby Grand” は、「ピアノ・マン」として僕らの世代では永遠に記憶されていくに違いない Billy Joel(ビリー・ジョエル)のペンによる、1986年にリリースされたビリーのアルバム「The Bridge」に収録された美しいバラッドです。
ビリー曰く「Ray Charles was my hero when I was growing up」 と、全盲の「ソウルの神様」と讃えられた「レイ・チャールズ」に、小さな頃から憧れ続けた彼が、共に「Grand Piano」を弾きながら歌うその共通のスタイルに、愛する『Baby Grand』(小型グランド・ピアノ)へのリスペクトを込めた賛歌ともいえるのが、本作品 “Baby Grand” です。たった一夜で書き上げたという、この楽曲へのビリーの入魂ぶりは、当時のPVを観てもよく伝わってきます。

 


  Billy Joel ft. Ray Charles – “Baby Grand”
(album: The Bridge – 1986)

 

レイ・チャールズが他界して早13年。こんな「Soul Man」は、もう二度と出てこないでしょうね。2004年に彼が他界した直後に公開された伝記映画『Ray/レイ』は、「アカデミー音響賞」そして驚異的な演技力と歌唱・演奏力をもってレイを演じた Jamie Foxx(ジェイミー・フォックス)は「アカデミー主演男優賞」を受賞したけれど、レイ本人は映画の完成を待つことなく夜空の大きな星となってしまいました。
映画については過去記事でも一度触れたことがありますが、この映画作品は米国における「アフリカン・アメリカン」に対する壮絶な人種差別に関する深く悲しく辛い過去や歴史を学ぶのにも、よいきっかけともなる非常に貴重な作品なので、興味も持たれた方はぜひともご覧になってみるとよいかもしれません。今では身近となった「Jazz / Soul / R&B / Blues / Gospel」といったカテゴリーの黒人音楽が、そういった出自を同じくする源流から流れ出て枝分かれしていった背景や歴史を、分かりやすく捉えることができるかもしれません。参考までに、映画のトレイラーをUPしておきましょう。それと、感動的なシーンも。

 

Ray (2004) – Trailer

 

Ray (2004) – Best Movie Scene
 

 

それから余談ですが、「Southern All Stars」 は桑田氏が放った不朽のバラッド『いとしのエリー』を、1989年にレイ・チャールズがカヴァーした『Ellie My Love』も素晴らしかったですね。
当時「SUNTORY WHISKY – WHITE」のCMソングとして、レイにオファーしたことで実現した企画でしたが、桑田氏が『嬉しかった。嬉しいを超えている』とコメントしたのは、かなり有名な話です。

 


Ray Charles – “Ellie My Love” (1989)

 

R.I.P. – 安らかに眠れ