web statisticsblog statistics

Mellow Tunes ~ Vol.202【Ai Ichikawa】

いつもご訪問ありがとうございます。
これから多忙さに拍車がかかるので、どうしても今年中にご紹介しておきたかった日本人アーティスト、『市川愛』さんのご紹介です。

 

 

市川愛 [Profile]
神奈川県藤沢生まれ。5歳よりピアノ、バイオリン、声楽を始める。中学、高校ではストリートライブや文化祭で演奏を重ね、大学受験中には一人で地元の駅で「amazing Grace」を 毎晩のように歌っていた。 慶應義塾大学に入学後、同大学のJazz研究会に所属。鎌倉にあるJazz Clubダフネとの出会いをきっかけにJazzに惹かれ、山本剛、横山達治、古野光昭、伊藤志宏らと共演し、同時期、伊藤君子に師事。 ダフネを通じて知り合った秋元、片野と共にDa luaというバンドを結成。 Club Jazzや、R&B、HipHopのコンピレーションアルバムに作詞&ボーカル参加など活動の幅を広げるが、更なる成長を求め2009年9月に「Berklee College of Music」に留学。 優秀な成績を認められ奨学金を得て、ギリシャの姉妹校であるNakas Conservatoryに5ヶ月間交換留学しアテネに滞在する。 オペラ歌手Anna Alexopoulosに師事し、トロンボーン奏者Antonis Andreouのバンドに参加する。 その後ボストンに戻り、ボストン、ニューヨークのジャズバー等でライブを重ね、「Blue Note New York」 にて「Chick Corea」と共演した経験を持つ強運と実力の持ち主。 2012年5月に卒業式を迎え、帰国後は平戸祐介トリオ、平岡雄一郎等と共演し、初のジャズスタンダードのミニアルバム 『The Standards I’ve met』をリリース。 その翌年2013年10月には2ndアルバム『Haven’t We Met』を、また翌年2014年には3枚目のアルバム『I WANT YOU TO WANT ME』を、これまでの作品と同じくプロデュースに平岡雄一郎を迎え、ジャズのスタンダードナンバーからステーヴィーワンダーやマイケル・ジャクソンのナンバーまで幅広いジャンルをカバー。(以上、Amazon アルバム紹介欄より抜粋)

そして4年の歳月を経て今年2018年4月に、国内JAZZ界きっての奇才「菊池成孔」氏をプロデューサーに迎え、リリースされた4枚目のアルバムが『MY LOVE, WITH MY SHORT HAIR』です。トレードマークのロングヘアーをバッサリとCUTして、ヴィジュアルだけでなくこれまでの作品群からは離れ、オリジナリティを前面に押し出した新境地を見せてくれています。NEWアルバムリリースと同時に制作された、なんと「菊池成孔」さん自身が撮影監督を務めた「青い涙」のMV、およびアルバムのトレイラーをUPしますので、ぜひご覧ください。

 

市川愛 / MY LOVE WITH MY SHORT HAIR (全曲試聴)
市川愛「青い涙」MV (監督: 菊地成孔 / 甲斐田祐輔)

 

そして、僕がどうしても紹介したかったのが、数日前の12/20「配信のみ」でリリースされたシングル作品『Blue』
当初はNEWアルバムに収録予定だったにも関わらず、最終的には菊池さんの判断で「未収録」となったそうで、その時のいきさつやら楽曲への「想い」を、彼女自身のブログ上で綴っていらっしゃいます。そのブログ上で音源サンプルが公開されており、一聴してみたところ、あまりに「儚く美しい」楽曲に、心を鷲掴みにされてしまったのです。(こちらをご覧ください)

今日になって、早速ダウンロードしてしっかり聴きました。「美しく」「儚く」「ピュア」で「イノセント」、そんな形容詞しか浮かんでこないほどの、最大級の賛辞を贈りたい作品です。フル尺で聴いて、いろいろとあって僕自身のきつかったこの一年の出来事をすべて洗い流してくれるようで、ジーンと心も目頭も熱くなりました。歳のせいか涙腺が緩くなりつつあって、正直泣いちゃいました。
なぜ、アルバムに収録されなかったのか、菊池氏に直にぜひ理由を訊ねてみたいところですが、菊池さんの国宝級のラジオプログラム「粋な夜電波」も年内で終了となると、その機会ももうないかもしれません。菊池さんの立ち上げた「TABOOLABEL」「Sony Music」との契約上の問題からなのか、いずれにせよ、本作品がお蔵入りすることなく世に放たれたことは、制作陣の賢明な判断であったと確信しています。

気になった方は、「Amazon」でも「Apple Music」「レコチョク」「mora」でもなんでもいいですから、どうぞすぐにダウンロードしてください。「心が洗われる」といった表現がありますが、それを具現化したような作品です。儚い恋心を歌い綴る極めてシンプルな楽曲だと思いますが、こんなにも心が静かに揺さぶられ、切なくて狂おしいほどに琴線に触れる楽曲に出逢える機会とは、先般「JUJU」『メトロ』を取り上げた際にも言及しましたが、正直なところ数十年に一度くらいのものです。
「聖なる夜」に、一人で夜空の星でも眺めながら、あるいは大切な人と一緒に聴くのも、またよろしいのでは。これだけ素敵な作品なのだから、自分だけのものにしておきたいけど、あまりにそれはもったいない。沢山の人々にこの感動を伝えてあげたいと、本心からそう思う作品『Blue』との出逢いでした。

「Sho Hamada」さんのオーガニックなギターの音色とアレンジも含め、これほどにシンプルだけど完成度が高く、そして聴く者の胸を打つ楽曲が「CD化」されないというのは、はっきっり申し上げますが、世の中間違っています。レコード会社の上席の方々は、何が求められていて重要なのかが、判断不能な状況に陥っているのではありませんか?「カタチあるもの」としてのCD化を強く望みます。

「与える」にしても、「消費する」リスナー側が「真に求めているもの」を感じ取ってSUPPLYできない限り、日本の音楽産業界がバブル崩壊やリーマン・ショック以降に陥ったこの長期に渡る泥沼から這い上がることは、正直難しいと思います。この悪循環を断ち切るためには、民間事業である以上、利益が出るか出ないかは大切ですが、良質で豊かな「文化」カルチャーを次世代に遺すための処置が急務であるにも関わらず、現代の音楽産業界にはその努力が明らかに欠如しています。質の高い音楽を本気でやれるアーティストのために、レコード会社は存在して欲しいと、切に願うばかりです。

普段は僕はSNSを全く利用しておりませんが、先ほど市川さんの「fb」訪問してみましたら、現在わけあってなんと「自宅療養中」とのことでびっくりしました。
こちらのFB内の動画で作品『Blue』への想いを語ってらっしゃいます。そうでしたか、やっぱり「冬の空」のイメージだったんですねぇ。僕が感じていた通りでした。秋~冬の空には、僕も人一倍そんな想いが強いクチです。サイト内の自分で撮影した冬空の写真の数々、楽しんでいただけると幸いです。お大事になさってください。


市川愛 /「Blue」配信リリースコメント
[TABOOLABEL Official YouTube Channel]
※2018/12/27 YouTube にて公開

 


市川愛 /「Blue」
(”spotify”なら、ログインすればフル試聴可能です)

 

「市川愛」さんも、前回の「Mellow Tunes ~ Vol.201」でご紹介した期待の次世代サックス・プレイヤーの「中園亜美」さんもそうですが、米国は名門「バークリー音楽大」を卒業されていて、お二人に限りませんが国内にはこんな実力派のアーティストがいるという事実を、もっとアピールしないといけません。そのためには、こんな個人のWebsiteでやれることは限られていますが、できる限りのサポートをさせていただきます。また皆さんのような実力のあるアーティストの方々が当サイトを時折訪問してくださることを、とても嬉しく思っています。応援してますので、これからも頑張ってください。