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Mellow Tunes ~ Vol.205【Friday Night Plans】

新年明けましておめでとうございます。
いつもご訪問ありがとうございます。今年も一年、どうぞよろしくお願いいたします。

賀状を毎年くださる旧来からの知人の皆さま、毎年ご丁寧にありがとうございます。実店舗をCLOSE後は、年末年始が多忙な組織に属していることもあり、誠に恐縮ではございますが、ここ数年は知人の皆様への賀状でのご挨拶は遠慮させていただいております。この場をお借りして、年末・年頭のご挨拶と代えさせていただいておりますので、どうぞご了承くださいませ。

 

 

さて、なんだか今年の「R&B」シーンは、従来「Black Music」(黒人音楽)のルーツとなっていた、アーティスト自身のオリジン(出自)を「アフリカ」に持たない人たちによる、ジャンル(カテゴリー)の形成がこれまで以上に進化していくような、そんな兆候を強く感じます。この件については、昨年末の『松尾潔のメロウな夜』の番組の中で松尾さんが「鋭い指摘」をされていました。

事実、本家の米国では、英国出身の『Ella Mai』(エラ・メイ)や新たに『H.E.R.』のアーティスト・ネームでシーン躍り出た「Gabi Wilson」(ギャビー・ウィルソン)、そして極めつけは今や超BIGな存在となった『Bruno Mars』(ブルーノ・マーズ)など、直接的な出自をアフリカに持たないアーティストが増えてきました。世代交代が進めば当然といえばその通りなのですが、かつて「SOUL」と呼ばれたカテゴリーの呼称が「R&B」と呼ばれるようになって久しいですが、いよいよこのカテゴリーもアーティストの「多国籍化」が本格的に進んできているようです。
かねてより申し上げていますが、正直なところ僕は体質が合わないので、極端に「HIP-HOP」然としたアーティストやその作品群を好んで聴くことはほとんどありません。敢えてここで詳しくは言及しませんが、聴かない理由は、かつて「Quincy Jones」や「Jam & Lewis」といった「Black Music」の一時代を築き上げたプロデューサーたちが「HIP-HOP」に対して抱いていた感覚と同様のものです。とはいえ、現代(いま)の音楽を目の前にした際、ある程度「HIP-HOP」の要素が入っているのは時代の潮流であり、メロディアスあるいはメロディックに処理された楽曲の中には、好意的に受け取ることができるアーティストや作品が、明らかに増えてきているのは間違いないようです。

さて前置きが長くなりましたが、2019年最初の「Mellow Tunes」の今回は、昨年末に駆け込みでご紹介した、『Friday Night Plans』を改めて取り上げます。
僕が彼女の存在を知ったのは、「松尾潔」さんのTwitterで紹介されていた「Plastic Love(プラスティック・ラブ)」のカヴァーがきっかけだと、以前の記事でお伝えした通り。また、数日前の晦日に放送された「山下達郎」さんのFM番組「サンデー・ソング・ブック」の中で、年末恒例のゲスト出演中の奥方「竹内まりや」さんと共に、「Plastic Love(プラスティック・ラブ)」の話題に触れ、優れたカヴァーの2作品を紹介するとして、今月下旬より配信される予定の『tofubeats』によるカヴァーと共に、『Friday Night Plans』によるカヴァーもOn-Airされました。特に『Friday Night Plans』のカヴァーに関しては、「まりや」さん本人が「すごく素敵な声」と絶賛されていました。

『Friday Night Plans』は、東京都出身、今年で23才になるアーティスト。日本人の父とフィリピン人でシンガーの母を両親に持つ、そんな彼女が昨年6月にLA滞在中、現地で制作された作品(全4曲)を収録したEP『LOCATION – Los Angeles』から2曲ほどご紹介。
UPなものもBalladもどちらも素晴らしい出来で、彼女の才能の片鱗を否応なく感じ取ることができるでしょう。今後も要注目ですね。

 


Meet Us In The Park We Used To Play.
(EP: “LOCATION – Los Angeles” – 2018)

 


Fall In Love With You In Every 4AM.
(EP: “LOCATION – Los Angeles” – 2018)

 

先の話題に戻るようですが、『H.E.R.』こと「Gabi Wilson」(ギャビー・ウィルソン)、『Bruno Mars』(ブルーノ・マーズ)、そして『Friday Night Plans』と、これらの三人に共通するのが、母親がフィリピンの方であるという事実なんですね。これは単なる偶然ではなく、きっと必然であって、母国語と同様に英語を話す環境が、「世界」というステージ(舞台)を視野に入れたとき、我々日本人とはその差が、大きなアドヴァンテージとなって出てくるのではないかと、そんなことを強く意識した昨今の「R&B」シーンです。