Mellow Tunes ~ Vol.212【R. Kelly】

「米R&B歌手のR・ケリー容疑者が、加重性的虐待10件の罪で、起訴された」

「そう遠くはないだろう」というおぼろげな憶測はあったけれど、今日になってWebのニュースが、その事実を伝えていた。

 

 

「R&B」を聴き始めて間もない若い世代の人たちにはあまりピンと来ないかもしれないけれど、1993年にアルバム『12 Play』でソロデビューして以来、90年代中期~2000年代前半にかけての全盛期はもちろんのこと、「R. Kelly」というシカゴ出身の男が「R&B/Soul」といった「Black Music」というカテゴリーに与えた影響は甚大であり、その功績は本当に計り知れない。そう、彼は稀代のメロディ・メーカーであり、また同時に偉大なプロデューサーでもあり、紛れもない「天才」アーティストの一人であることに、疑う余地はまったくない。

起訴された内容がセンシティブな案件だけに、どうコメントしていいのか、逡巡を繰り返すのみだ。
ただ一つだけはっきりと言えることは、彼によってこの世に放たれた多くの偉大な音楽作品たち、それは本人名義の作品であれ、彼がプロデュースにあたった他の多くのアーティストの作品であれ、「楽曲や作品に罪はない」と、僕自身としては、罪とは切り離して考えたいし、またそうあるべきだと思っている。それは今は亡き「Michael Jackson」(マイケル・ジャクソン)の、一連の騒動のときもそうだった。

10年以上前のことだけれど、R&B界のボス「Ronald Isley」(ロナルド・アイズレー)が脱税の罪で投獄され、3年ほど服役したことがあった。愛すべき「ロン」が出所するまでの間、ずっと彼の音楽を聴き続けひたすら新譜のリリースを待ったファンたちが、自分を含め世界中に沢山いたはずだ。その溢れ出る才能ゆえ、「ロナルド」の後継者の筆頭として常に名前が挙がる「R. Kelly」だけに、国家法に基づく社会的な制裁は免れることはできないだろうし、また罪は償わなければならない。とはいえ、彼の「音楽」そのものや「功績」を否定したり、プロデュースをしてもらった恩義を忘れ、自らの保身だけを考え、大衆に迎合するかのようなコメントを出しているような姑息なアーティストたちには、正直なところあまりシンパシーを感じることはない。インターネットや携帯端末の普及に伴うSNSの隆盛を見るにつけ、いつのまにかとても「窮屈な時代」になったものだと思う。

彼がいつの日か、また世の人々を圧倒するような「美しいメロディ」で溢れた作品をリリースしてくれることを、僕自身は心より期待している。なぜなら、彼の創り出すメロウな作品群が、ただ好きだから。

 


R.kelly – “For you”
(album: 12 Play – 1993)

 


Ronald Isley – “I Need You”
(album: Mr. I – 2010)

 

 

 

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