Mellow Tunes ~ Vol.112 【Sottotono】

毎日少しずつに日中の時間が長くなり、『三寒四温』を繰り返し「春」を待つ季節となってきました。

前回の「Mellow Tunes」でイタリアで活躍中のシンガー・ソング・ライターの Al Castellana(アル・カステラーナ)の紹介をしましたが、その際ついでに「伊達男」が沢山いる ITALY では、どんなアーティストがいるのかちょっと興味があったので、YouTube 内をあちこち徘徊してみました。

洋の東西を問わず、やはり米国発のカルチャーの「音楽」や「映画」に至っては、世界中のあらゆる国々への影響が想像以上に大きくて、米国の「SHOW BIZ」の持つパワーを強く感じざるを得ません。

1980年代中期~90年代中頃までが最大のピークを迎えていたと記憶しているけど、米国発祥の「Hip-hop」「Rap Music」は、アジアの一部である日本はもちろん欧州でも若者の間では人気があり、多くのローカル・スターを輩出しているようです。
僕は以前から、「Black Music」全般に至って大好きではあるものの、どうしても「ヒップ・ホップ」と「ラップ」に関してはアレルギーが出てしまい、いまだになかなか受け付けないし、それほど自らすすんで聴きたいとも思わないのです。「真のR&Bフリーク」ではないと言われれば、なんともお答えのしようがないのですが、こればかりは好みというか体質的な問題なので、個人差があっても仕方がないのかなと思うところです。
例外として、ちゃんと「メロディ」があって「歌心のある」アーティストが、アルバムの中に収録した「ラップ」が部分的に導入されているようなものは、かえって新鮮さを感じたりするのですが、基本的にはあまり食指が動きません。

でもやっぱりあるんですよね、「メロディ」「グルーヴ」「コーラス」を持ち合わせたようなラップが。正直、これにはやられました。
『Sottotono』(ソットトーノ)は1994-2001年まで活動していた、イタリア国内で人気のあったヒップ・ホップ・ユニットで、今回取り上げる作品は同じイタリア国内で活躍する女性シンガーの「Jasmine」をフィーチャリングした、それはそれはとてもメロウなラップに仕上がっています。見た目はいかにもギャング・スター風の一見悪そうなアンちゃん二人組ですが、そのサウンドはといえば…

 

Sottotono – “Dimmi di sbagliato che c’è”
 

ここ数日間、この曲のグルーヴが頭から離れず、参りました。イタリア語はさっぱり分かりませんがラブ・ソングであることは間違いないのでしょう。それにしてもこれを「mellow」と呼ばずしてなんと呼びましょう。なんとメロディアスで美しいラップなんでしょう。こういうのは、大歓迎です。「目からウロコ」のイタリアン・ラップには驚きました。やっぱり世界は広いですね。

尚、この曲には、当ブログでも過去に取り上げたことのある Ray Parker Jr. & RAYDIO による “A Woman Needs Love”をサンプリングした、別のVer.も存在しており、そちらも人気があるようです。(視聴はこちらへ)

 

 

AC Tunes ~ Vol.46 【Al Castellana】

関東地方では先週「春一番」が吹き荒れ、二月とはいえ日中は気温の上がる日が増えてきました。いよいよ花粉とともに、春の到来の予感ですね。そろそろ皆さんの周辺でも始まる「出会いと別れ」の季節でもありますが、体調を崩しやすい時期でもありますので、皆様どうかご自愛ください。

さて今回の「AC Tunes」では、先日急逝した偉大なシンガー「アル・ジャロウ」とは別の「アル」さんで、イタリアで活躍中のシンガー・ソング・ライターの Al Castellana(アル・カステラーナ)の紹介をいたします。
 
今年で53歳になるアルさんは、自分とまさに同年代のアーティストだけに、これまで聴いてきた音楽が自身の作風に顕著に現れているような、そんな印象を受けるアーティストのひとりです。
前々回 Vol.44で紹介したドイツ人アーティストの Jeff Cascaro (ジェフ・カスカロ) もそうですが、米国発のSoul/R&b/Jazzなど黒人音楽をルーツとするいわゆる「Black Music」に多大な影響を受けて育った世代と言えるでしょう。

アル・カステラーナは、これまで当ブログでも何度かご紹介したことのある Mario Biondi(マリオ・ビオンディ)同様に、イタリア国内ではとても人気のあるいわゆる「Blue Eyed Soul」系のアーティストとして認知されています。アルより一回り若いマリオはもう少しJazz寄りで、世界中のメジャーなアーティストと精力的にコラボしたりしてますが、アルさんに至っては、どちらかというとイタリア国内またはEURO圏に存在する1970年-80年代のコアなソウル好きなオーディエンスに向けて、自身の音楽をマイ・ペースで発信しているような感じを受けますね。

なんの変哲もない低予算のありきたりなPVを見る限り、一見そこら辺にいるような、僕自身と同様の普通のおっさん風ではありますが、少しファルセット気味のジェントル・ヴォイスには、少々お疲れ気味の大人の皆さんへ、かなりの癒し効果が期待できますよ。
では、2013年リリースのアルバム「OUTSIDE MY WINDOW」より、『My Woman』をどうぞ。

 


Al Castellana / “My Woman” 
(album:  OUTSIDE MY WINDOW – 2013)

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.111 【Bruno Mars】

グラミー賞を過去7度も獲得し、文字通り Jazz Vocalist の伝説となった、アル・ジャロウ(Al Jarreau)の訃報が伝えられる中、現地時間2/12に執り行われた2017第59回グラミー賞授賞式は、英国人アーティストの「Adele(アデル)」が主要部門を総なめするといった結果で、音楽の夢の祭典は幕を閉じた。

 

毎年気にしているわけではないけれど、トランプ氏が大統領になって最初のグラミー賞授賞式ということもあって、自分も含め世界中から大きな注目を集めていたのは間違いない事実であろう。多くの参加・受賞アーティストからも「人種」「国籍」にまつわる「偏見や差別」を否定する類のメッセージが、これほど目立ったグラミーも珍しかったのではないだろうか。
結果として多くの部門でのグラミーを受賞した「白人」アーティストである「アデル」から、さながら一騎打ちの様相を呈していた「黒人」アーティストである「ビヨンセ」への感動的なメッセージが発せられたのも、今の国際社会で問題視されている合衆国大統領へのシニカルなメッセージと捉えられなくもない。少し前に行われたスーパーボウルのハーフ・タイム・ショーで、大観衆に同様のメッセージを送った「レディ・ガガ」のパーフォーマンスも、大々的に世界に向けて発信されていたのも記憶に新しい。

 

今回取り上げる『Bruno Mars』は、世界的規模で大変なセンセーションと売上等あらゆる記録を更新中の New Album 『24K Magic』が、アルバムの発売時期が2017年度のグラミーのノミネートから外れていて来年2018年度の審査対象となることから、今回は客演といったかたちで、授賞式を大いに盛り上げたようだ。

もうすでにYouTubeなど多くの動画サイトにUPされているように、昨年亡くなったPrince(プリンス)を追悼するトリビュート・コーナーで、映画「PURPLE RAIN」でもお馴染みのかつてのプリンスの盟友「Morris Day(モリス・デイ)」率いる「The Time」と競演を果たした。紫のスーツと映画の中で使用された白いエレキ・ギターを携え、名曲「Let’s Go Crazy」をプリンスと縁の深いミュージシャンたちと演奏する様は、まさに現代を代表するスターそのものだった。圧巻のラストのギターソロもそうだが、幼い頃からマイケル・ジャクソンプリンスがアイドルだった現在31歳となったブルーノは、故プリンス同様に歌だけでなく、ドラム等多くの楽器もすごいレヴェルで演奏してしまう。もっとも一番飛び抜けているのは、復活させた1980-90年代のサウンドとその圧倒的なダンス・パフォーマンスに他ならない。

ブルーノのおかげで、『メロディ』『グルーヴ』が大事にされていた時代の音楽が、現代に戻ってきたのは間違いのない事実であって、あの『New Edition』の復活等、80年-90年代に活躍した世代のアーティストが世界的にも見直されてきているムードが充満しているように感じるのは、かつての全盛時を知る者なら誰も否定しないであろう。ブルーノによるこの功績は、本当に大きい。ある意味ノーベル賞モノといってもいいくらいだ。Babyface がソング・ライティングとプロデュースに協力した「To Good To Say GoodBye」など、メロディやコーラスを大切にした作品にはとても好感が持てるし、ブルーノのように影響力を持ったアーティストが、こういった傾向を前面に押し出していくことは、大変有意義なチャレンジであり、個人的にもこのサイトを利用して全面的に応援したい。

 

Bruno Mars : To Good To Say GoodBye [24K MAGIC]

 

 

Bruno Mars – 24K Magic [American Music Awards Performance]

 

 
プエルトリコ人の父とフィリピン人の母親の間に生まれ、マイケルやプリンスに憧れてハワイで育ったブルーノの存在を見ても、「米国」という国の持つその多様性がこれだけのアーティストを育んだ、ひとつの答えではないだろうか。「移民」がとか「人種」がとか、自分の国の歴史を否定しかねないことになりやしませんか。どこかの国の首脳と、のんきにゴルフなんかやってる場合じゃないだろうに。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.110 【Al Jarreau – R.I.P.】

なんてことだ、アル・ジャロウまで逝ってしまったじゃないか…

 

 

政治だけでなく、何かにつけて話題に事欠かないアメリカ国内で、現地時間の2/12ちょうど開催中の2017年の第59回グラミー賞授賞式の最中で、アル・ジャロウ(Al Jarreau)逝去のニュースが、場所を同じくするL.A.から世界中に発信された。彼こそ、長いグラミー賞の歴史の中で史上初めて、JAZZ・POPS・R&Bと三部門を獲得した偉大なアーティストだった。

 

Jazz Legend Al Jarreau Dies at 76
 

今年最初の『Mellow Tunes』が、まさか彼の訃報になるとは、自分自身でも予想していなかった。ただここ数年は、76歳という年齢と呼吸器や心臓の疾患を抱えていることから、ツアー先で倒れて入退院を繰り返すようなニュースを何度か耳にはしていたので、こと彼の訃報に関しては正直なところ、ある程度の覚悟はできていたというのが本音だ。とはいえ、若い頃からずっと愛聴してきた、偉大で天才という名を欲しいままにした、神業としか言いようのない『スキャット』を含め本当に稀有な『Vocalist』であり『声の職人』であったと思う。

僕自身のそれなりに長い人生の節々で、アル・ジャロウの優しい声にどれだけ助けられ、そして勇気をもらったことだろうか。ほんとに感謝してもしきれないくらいの思いで一杯だ。実店舗の『Mellows』営業当時も、お客さんがいるオープン中も、孤独な深夜の仕込みの最中も、あの優しさ溢れる声でいつも傍らに寄り添ってくれた。お金に余裕のない高校生の頃など、貸しレコード店でレンタルしたレコードからカセットテープに録音し、カセットレーヴェルにアーティスト名を手書きする際、『Jarreau』という難しいスペルを間違えずに書けるくらい、大好きなアーティストであり、彼は僕にとってはそんな大切な存在だった。願わくば、生前に一度でいいから彼のライブを観てみたかった。悲しいことに、またしても伝説の巨人が逝ってしまった。

彼の長いアーティスト活動の中では比較的最近の作品となるけれど、沢山ある彼の「Love Songs」 の中でも、好きなこれらの作品を聴きながら、ひとり静かにご冥福をお祈りしたい。
Rest In Peace…

 

Al Jarreau with Cor Bakker – “Just To Be Loved”

 


Al Jarreau – “Let Me Love You”

 

※PCモードのウィジェットにて、アル・ジャロウの Love Ballad Album “Love Songs” を紹介しています。スマートフォンご利用の方は、最下部のswitcher「PCモード」に切り替えてご覧ください。

 

 

AC Tunes ~ Vol.45 【Gregory Porter】

再び動き出した『AC Tunes』シリーズですが、Vol.45となる今回は、様変わりしてきた感のある現代の米国JAZZシーン新世代アーティストの一人、Gregory Porter(グレゴリー・ポーター)のご紹介です。

2010年にインディーズ・レーヴェルからデビューしたグレゴリーは、メジャー・レーヴェルの「BLUE NOTE」移籍後に発表した3作目の「Liquid Spirit」で、グラミーの「Best Jazz Vocal Album」を受賞したことによって、日本も含め世界的にその名を知られることになりました。
僕はまったく食指が動かないのですが、JOSÉ JAMES(ホセ・ジェイムズと並んで現代の米国のジャズ・ヴォーカリストのリーダー的存在になっているようです。

今や「BLUE NOTE」を背負って立つ二人ですが、グレゴリーがカリフォルニアで生まれ、NYのブルックリンを拠点に活動し、ナット・キング・コール、ダニー・ハサウェイ、マーヴィン・ゲイ等々、ジャズだけでなく多くのソウルシンガーからの影響が色濃く反映されているのはとてもよく理解できる反面、ホセのバック・グラウンドとなるサウンドには、あちこちのプロフィールに記載されているほどソウルとかR&Bの影響を感じ取ることが出来ず、見た目の印象と同様に線が細すぎる印象が拭えないんですね。ホセが好きなファンの方には申し訳ないんですが。

もっとも「Jazz Hat」と呼ばれるあの大き目の帽子を被り、元フット・ボウラーだったまるで熊さんのようなグレゴリーの存在感には、誰も敵うわけないといった感じですが。

さて今回取り上げるのは、そんな彼の昨年(20016年)5月にリリースされた4作目となるアルバム「Take Me To The Alley」に収録されたオリジナル作品『Insanity』です。通常版収録のオリジナルは彼のソロですが、デラックス版に収録されたボーナストラックでは、このスロウで叙情的なバラッド作品で、あのダニー・ハサウェイの娘「レイラ・ハサウェイ」とのDuetを実現しています。ずっとリスペクトしていたアーティストの愛娘のレイラとのDuetには、グレゴリー本人も感無量だったことでしょう。

 

Gregory Porter “Insanity” Ft. Lalah Hathaway
(album: Take Me To The Alley [Deluxe ver.] – 2016)
 

 

余談になりますが、こういった世界に誇れる素晴らしい音楽が生まれてきた過程や歴史が存在するのも、米国が移民に寛容で世界中の文化を積極的に取り込んできたことによるものだという事実を、決して忘れてはいけません。ねえ、トランプさん。
そこが、音楽に造詣が深いオバマ氏とあなたの、決定的な違いなんですよ。

 

 

AC Tunes ~ Vol.44 【Jeff Cascaro】

しかしまあ、連日アメリカの新大統領による発言で国際社会が振り回されっぱなしの今日この頃ですが、実に困ったものです。「もう何とかならないものか」と真剣に考え始めているのは、投票・開票時の疑惑はあれど、結果として彼を当選させてしまった「米国民自身」なのではないでしょうか。

 

 

さて政治ネタはしつこくなるのでこのくらいにして、この再開した『AC Tunes』のコーナーでは、開始以来世界各地から大人向けの音楽を発信しているアーティストを、意図的に取り上げてきました。
そこで今回は、出身地であるドイツを中心に欧州で活躍するジャズ・トランペッターであり、シンガーでもある Jeff Cascaro (ジェフ・カスカロ) を紹介したいと思います。年齢は1968年生まれなので現在48か49歳、まあ自分と同世代とも言えなくもない時代を生きてきているので、おそらく聴いてきた音楽も近い感覚があり、「ドイツ」という意外な土地柄とはいえ、米国発のソウルやジャズ・ミュージック・シーンに相当な影響を受けて育った印象が拭えないほどの、「ソウル・マン」といえるのではないでしょうか。彼のプロフィールの詳細については、若い頃はずいぶんお世話になった『disk union』さんの紹介記事がありますのでそちらをご参考にどうぞ。)

今回取り上げるのは、2006年にリリースされた遅咲きのデビューアルバム『SOUL of a SINGER』に収録された、Curtis Mayfield(カーティス・メイフィールド)の誰もが聴いたことのある名曲『Tripping Out』のカヴァーです。この楽曲は後に世界中のR&B系の多くのアーティストに多大な影響を与えた、CHICAGO SOULの傑作として有名ですね。現代でも多くのアーティストがサンプリングを繰り返していますね。

 

Jeff Cascaro / “Tripping Out” (album: SOUL OF A SINGER – 2006)

 

『Tripping Out』はカーティスが世に送り出して以来、世界中でカヴァーされたり似通ったアレンジや作風の楽曲が多くのフォロワーたちによって発表されてきています。ドイツのアーティストが、ここまでソウルフルかつJazzyなアレンジで聴かせてくれる『Tripping Out』ですが、この大人の感じってすごくいいじゃないですか。とにかく「フルート」の音色が効いてますよ。きっと皆さんも気に入ってくれるに違いないでしょう。

ジェフさん、オリジナル・アルバム3作程リリースしてますので、リンク先のAmazon等でチェックしてみてください。

 

AC Tunes ~ Vol.43 【Rumer】

年末年始とほとんど休みなく忙しくしているうちに、あっという間に暦でいうところの「大寒」に突入し、気がつけばここ数年「賀状」に代えて送らせていただいている「寒中見舞い」も出せずじまいでした。賀状を頂戴した皆様、大変ご無礼いたしまして申し訳ありませんでした。また、いつもご訪問くださるブログ・リーダーの皆様も、本年もよろしくお付き合いください。

さて、彼の地のきな臭い政治の話題で熱くなるのはもう止めにして、また本来の音楽主体の内容に戻しましょう。
本当に多くの愛する音楽家たちが逝ってしまった暗く悲しい2016年の最後の最後で、敬愛する「ジョージ・マイケル」の予期せぬ訃報でかなりのダメージを受けてしまい、しばらく謹慎でもしようかと考えていたのですが、僕はやらない「facebook」で「がんばれ、がんばれ」と言わんばかりの「いいね」で後押ししてくださる方々がそれはもう沢山いらして、なんとか期待に応えねばとようやく復帰した次第であります。

しばらくほったらかしだった“AC Tunes”のシリーズですが、『大人が聴いてリラックスできる音楽』いわゆる『Adult Contemporary Music』のご紹介記事も、今年はまたすこしずつUPしていこうかと思っています。年末にこじらせた風邪や世界中からの Bad News などで、心身ともに疲弊していた自分を癒してくれたのは、こんな愛しく懐かしい70年代のPOPSを思い起こさせてくれるアーティストでした。

今回ご紹介する『Rumer』(ルーマー)は、父親の事業の関係でパキスタンで生まれた、英国人アーティストです。2010年に英国で30歳を過ぎた遅咲きのデビューで、70年代を席巻したカーペンターズの「カレン・カーペンター」「キャロル・キング」のまるで生まれ変わりと評され、世界中でそのヴォーカルを絶賛されているシンガー・ソングライターの一人です。
昨年暮れに近い頃に、彼女自身としては4作目となる、御大バート・バカラック「ハル・デイヴィッド」の手による作品のカヴァー・アルバムをリリースしたというNEWSがあり、それがきっかけで改めて過去の作品をしみじみと聴き入ってしまいました。

 
今回取り上げるのは2014年にリリースされた3作目のアルバム「Into Colour」からの2曲です。
レコード会社のプロフィールからも分かるように、本当に苦労してやっと掴んだシンデレラ・ストーリーのような彼女の人生だけに、オーディエンスの琴線に触れる素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれます。
アルバム「Into Colour」は、彼女の才能と歌声に魅せられ、プロデューサーから後に伴侶となるバート・バカラックの側近「ロブ・シラクバリ」と米国に渡って共に作り上げたアルバムとなっています。
スロウ・ミディアムなバラッド『Better Place』は、きっと新天地を求めて移住した当時の心象を歌にしたのかもしれません。
そして次の『Butterfly』という作品は、そんな二人の間に灯った小さな命の灯火が消えてしまった悲しい思いを、「蝶」(バタフライ)の姿に託して、作品を書き上げたというエピソードがあるそうです。
まるで、擦りむいたヒザ小僧がすこしずつ治りかけていくような「優しさ」を持った、きわめて繊細でイノセントな美しいバラッドです。もう、涙なしには聴けません。疲れた大人たちへの処方箋です。
 

 

一度では紹介しきれないので、彼女の作品については、また改めて取り上げようと思っています。また、最新アルバムのメイキング映像が彼女のYouTubeのオフィシャルにUPされていますので、ご興味を持たれた方はどうぞこちらへ。