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『住み分け』ってなんだろう

話題は変わって堅い話で恐縮ですが、震災後の景気の動向についてですが、依然収まる気配を見せない余震活動もあいまって、ほとんど直接的な影響を受けなかった西日本の観光地でも、人の動きがかなり鈍っていると聞きます。これから予定される今夏の計画停電の動きにもよりますが、しばらくは消費の落ち込みが避けられないのでしょうか。

そんな中今日TVのニュースで、夏場の観光地の大型ホテルや旅館で停電になると、食事で出す生鮮食材の保存状態をキープするのが困難になるのでどう対応したらよいのか・・ といった話題をとりあげていました。最もこの点については、観光地だけに限らず生鮮市場や街の飲食業経営者にとっても、非常に頭の痛い問題となってきそうです。食中毒については、何が何でも避けねばならないことですからね。

 

こういった切実な問題も、お互いの商売エリアを荒らさぬよう、「周波数」で自分たちのテリトリーを区分けをした電力業界の体質に大きな問題があるのではないのでしょうか。東が足りなければ西から送る、あるいはその逆もしかりで、戦国の世でさえも、敵方の武田軍が支配する甲斐の国で塩が不足して民が困窮していると聞いた上杉軍が、越後で豊富な塩を送ったという、いわゆる「敵に塩を送る」ということが現代においてもあってもいいはずなのですが。

こんな状況下では、『住み分け』という言葉は実に都合のいい空虚な言葉でしかありません。報道されているように、雀の涙ほどのごく僅かな電力が変換され東京電力管内に送電されているのは知っていますが、電気は備蓄することができないということが最初から分かっているのにも拘らず、「変換して送る」といった当たり前の発想・技術・設備をもっと早期の段階で準備しておくべきだったのではと、いつもながら考えてしまいます。もしも同じことが西で起きたら、どうするんでしょうか?
原発の是非も含めて、根本から電力政策だけでなく行政との関係も考え直さねばならないのは、言うまでもありません。

昨年が過去経験したことのなかった酷暑だったこともありますが、冷夏でも稲の生育に問題が出るので、どうか今年の夏は「暑すぎない夏」であって欲しいと願わざるを得ません。