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優しい音色 Vol.27【最終章へ / J.D.Souther】

先週末の「夜CAFE」のイベントが無事に終わり、なんだかすこし脱力感に襲われながらも、最後の営業となる今週末に向けて、いつもと変わらずあれこれと準備をしています。毎日珈琲を淹れながらぼんやりと眺めた、カウンター越しの風景もいよいよ見納めとなりますね。

そして、しばらく続いたこの「優しい音色」を紹介してきたシリーズも、そろそろ一旦区切りをつけるためにこれを最終UPDATEにしようかと思います。

 

最後の一枚となりました

 

これまで店内に額装してディスプレイしてあるアルバムから、何かしら一曲は紹介してきました。今日は、最後の10枚目のアルバムとなる J.D.Souther (J.D.サウザー)『You’re Only Lonely』 から、【The Last In Love】という曲を紹介したいと思います。

 

 

40代後半より上の世代の方なら、一度は夢中になったことがあると思いますが、70年代から80年代にかけて一世を風靡した米国は西海岸発の West Coast Sound の中でも、とりわけ有名なのが THE EAGLES(イーグルス)ですが、また彼らをサポートしていた有能な数多くのミュージシャンの一人が、今回紹介する J.D.Souther でした。イーグルスの「6番目のメンバー」とまで言われたこの人の生み出す作品は、ロック色の強いものからバラッドに至るまで、それはシンプルで心を打つ曲が多かったと思います。日本国内でも主に80年代に大変なムーブメントとなった A.O.R.(Adult Oriented Rock)という「大人向けの洗練されたROCK」の路線を打ち出しリリースされた数多くのアーティストのアルバムの中でも、本作はその最高傑作などとよく紹介されているようですが、多くの僕と同世代の方が感じているように、実際聴いてみるとA.O.Rというよりは、ストレートでシンプルな West Coast 的な ROCK のアルバムだと言えます。

この曲を初めて聴いたのが、高校二年生の修学旅行で、新幹線で山口県の萩に向かう車中のことでした。当時仲のよかったちょっとボンボンの友達が自慢げに持参した、あの世界を驚かせた発売当初のカセットテープ式のSONY初代WALKMANに、このアルバムが収めてありました。一曲目のアルバムタイトル曲の楽曲の出来もさることながら、初めて耳にしたそのヘッドフォンを通して聴く「クリアな音」に驚愕したのを、今でもはっきりと記憶しています。そして、ものすごいスピードで消え去っていく車窓からの風景が、まるでスローモーションのように感じられるほど、美しくもはかない、でもとびきり優しいバラッド。それが【The Last In Love】でした。
ソングライティングは、本人と盟友イーグルスの Glenn Frey(グレン・フライ)との共作です。
心にじわじわと染み入るような Vocal は、「いいものは、いつの時代も変わらない」といった、不変のダンディズムを感じてなりません。

 

J.D.Souther / “The Last In Love” (album: You’re Only Lonely – 1979)

※ cafe Mellows の営業は、11/25までの金・土・日の週末となります。ご来店の際は、ご注意くださいませ。