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素敵なカフェ特集 in 信州

やはりというか、大方の気象予報士の予測どおり、台風2号に押し上げられた梅雨前線の活発化によって、関東地方も遂に『梅雨入り宣言』が出されてしまいました。1951年以来の統計史上第2番目の早い梅雨入り記録だそうです。梅雨の期間が長引くと、体調を崩しやすくなりますので、どうか皆さんもお身体御自愛下さい。

さて、以前からずっとブログで取り上げようとしていた企画というと大げさですが、アイディアがありました。
そうなんです、僕の愛する最高に居心地のよいカフェ、それも信州という素晴らしいローケーションに点在するいくつかの素敵なお店を紹介させていただきたいと思います。僕がこれから実現しようと目指すカフェのそれぞれの要素を、これからご紹介するカフェはそれぞれにお持ちであり、またそれが『one & only』な魅力となって成り立っていらっしゃいます。すべてが、僕の先生であり憧れでもあります。

 

momiji in the rain

 

実は紹介するにあたり、この梅雨入りのタイミングを今か今かと待っていたのには理由がありました。実を言うと、『信州』はこれからの梅雨時の雨のシーズンが、いちばん「新緑」の美しさを味わうことのできる時期なんだと思うのです。ましてや雨に濡れた木々の若々しい濃い緑は、疲れきった人々の心身を大いに癒してくれることは間違いありません。僕の住む茨城県でも、まだ小さな余震活動を感じる日々が続いていたりしますが、震災以降心も体も穏かでない方も多くいらっしゃるかと思います。
人は誰しも、いつもどこかで、「優しくて」「温かくて」そしてどこか「懐かしい」何かを、無意識に捜し求めているものです。そんな心のすきまをそっと優しく埋めてくれる居心地のよい「時間」と「空間」を備えたカフェが多く点在するのが、信州という土地の持つ懐の深さだと僕は常々考えています。これから夏にかけて、雨模様のお天気が多くなりますが、その分今まで見えなかった風景が見えてくるようなこともあるかと思います。皆さんにも、雨の季節のカフェでの穏かなひと時を楽しんでいただけたら嬉しいです。

こちらにご紹介させていただくカフェは、それぞれ違った魅力に溢れてはいますが、信州という緑と水に恵まれた土地でこそ最高の輝きを放つのだと考えます。機会があれば、ぜひ信州を訪れた際にお立ち寄りいただければと思います。
※HPまたはブログを用意されているお店については、《緑色》の店名をクリックしていただけますと、新たにリンク先のwindowが立ち上がりますので、ぜひ参考までにご覧になっていただけたらと思います。

 

まずはこちら、小布施では知らぬ人はいない “COFFEE & JAZZ “BUD” さんです。いろいろなイベントが開催される、「ぎゃらりい蔵」も併設されています。
昨年来、今回の独立にあたり、マスターには音楽面等でいろいろと相談に乗っていただいております。
小京都のようなとても品のよい小さな町の小布施には、もはや欠かせない存在のジャズ喫茶です。定期的なライブには、かなり著名なミュージシャンもいらしています。「ジャズ喫茶」のイメージというと、繁華街の裏通りとかにあって店内はマニアックなお客さんと煙草の煙で充満していたりといった古い認識が、比較的年配の方々にはありがちかもしれませんが、こちらのBUDさんにおいてはそのような部分はほとんど当てはまりません。清潔で店内は禁煙ですし、ギャラリー併設ということもあり、とにかく女性のお客様が気兼ねすることなく気持ちよくご利用いただけるのが、BUDさんの最大の特徴かもしれません。
ちなみに奥様がご用意される、秋限定メニューの小布施栗のマロンケーキは絶品です。
僕がブログを立ち上げる際に大いに参考とさせて戴いた、マスターのブログの話題も多岐に渡りたいへん興味深く、なによりJAZZへの愛情とその博識ぶりには頭が下がります。

 

BUD 1
老舗の「穀平味噌」さんが目印です  BUD さんはその奥にあります→

BUD 2
200年以上も前に建てられた味噌蔵を改装した店舗は必見に値します

BUD 3
とても粋なエントランスまわりですね

BUD 4
こだわりの内装と、ものすごいこだわりの50・60年代のオーディオ機器、そして圧倒的なレコード・コレクション

BUD 5

BUD 7
ある冬の夕方のBUDさんの雪景色(マスターのブログより) なんともあったかい気持ちになります

 

こちらは上田市の郊外といっても、別所温泉街からずっとずっと山奥に入っていったところにある、『茶房パニ』さんです。お店にたどり着くまでは、まるで「オリエンテーリング」そのもの。「ほんとにあるんだろうか・・」といった不安感も含めてのエンタテイメント性がすごいです。「パニ」さんはもう何度も何度も多くのカフェ本や雑誌等に取り上げられているので、地元ではもう知らぬ人はいないほどの存在ですね。
僕は昨年の6月に一度だけおじゃまさせていただき、お店を立ち上げるまでのいきさつやご苦労などについて奥様からいろいろとお話を伺うことができました。

パニさんにあるのはすべてがオリジナルのもので、カフェのあり方そのものの概念が、いい意味で完全に壊れます。それくらい、唯一無二の存在感が際立っています。すごい!そして素晴らしいとしか表現のしようがありません。ご主人のやっていらっしゃる『工房土喜』そして土日のみオープンの『ギャラリー土日』も異彩を放っており、「オリジナル」という言葉の意味を真に理解するきっかけとなるほどのカフェです。
先日松本からの途中で寄り道できなかったので、秋までになんとかオープンのご報告をできればと思っています。

 

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「案内板」というより「案内椅子(オブジェ)」です

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畑の横道を登って行くと・・・

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大きな栗の木がシンボルツリーとなっています

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目の前に見えるのがカミナリ山   テラスがとにかく居心地がよいです

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この女神山からの湧き水(延命水)で珈琲を淹れてくれます

 

 

こちらは同じく上田市郊外の塩田平が見渡せる場所にある「信濃デッサン館」に併設されたカフェ、『喫茶室 独鈷』さんです。
残念ながら、昨年の梅雨時に訪れたのですが、休館日と重なりおじゃますることができませんでした。
ですが、あまりの存在感に感激し、写真だけ撮らせてもらって帰りました。
近いうちに、「パニ」さんとセットでお伺いしたいものです。

 

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日本じゃないみたいな雰囲気ですね

 

 

ところ変わって、こちらは南信地方・安曇野の別荘地の中にひっそりと佇む大人の皆さんが集まる、地元でも有名なカフェの『書翰集』さんです。
こちらの自宅兼店舗の建物は、オーナーが自力で数年掛けて建築されたそうで、珈琲についてもこだわりの自家焙煎豆の美味しいものを提供してくださいます。蔵書や大人向けの雑誌なども気軽に読むことができ、本当に大人向けのカフェといえます。マイセンのカップにもちょっとびっくりでした。

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お散歩したくなるような森の小路です

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自家製のクッキーもおいしゅうございました

 

 

こちらは、安曇野から松本市街地へ向かう途中の梓川にほど近い郊外にひっそりと佇む
『CAFE VALO』
さんです。【※ VALOさんは2018年3月で閉店されました】

店名の「VALO」とはフィンランド語で「光」を意味する言葉だそうで、お店を経営なさっているご夫婦共に北欧のデザインや家具などがお好きなところに由来しているそうです。
僕は「VALO」さんがオープンした一年半ほど前に、『松本経済新聞』という地域経済や文化を面白い角度から発信しているウェブサイトを通じて知ることになり、とてもユニークなコンテナのような外観に引かれ、一度行ってみたいと思っていたカフェでした。昨年の11月に、念願叶ってはじめて訪れることができ、店舗のレイアウトやメニューブック等、たいへん素晴らしい感性を持ったご夫婦のセンスに、ただただひたすらに驚いたのを今でもよく覚えています。

実は先週末、長野市内からの帰りに立ち寄らせていただいたのがこちらのカフェで、相変わらず持ち前の素晴らしい感性でお店を切り盛りされているような印象を持ちました。とにかくいただいてとても美味しいと感想を持ったオリジナルのVALOブレンドをはじめとする珈琲はもちろん、スイーツもたいへん充実しており、本当にいろいろな意味で勉強させていただける存在の「VALO」さんです。

VALO 1
simple こそが美しい    そんな無駄のないデザインです

VALO 2

VALO 3

VALO 4
デッキ(テラス)から遠くに見えるのは美ヶ原方面の山々だと思います

 

 

最後にご紹介するのは、もうすでに何度か取り上げさせていただいた、軽井沢の『喫茶ばおばぶ』さんです。

「ばおばぶ(旧店名:こもれび)」さんと僕の古い出会い後の再会はともかく、この6月の梅雨時の時期の軽井沢自体が、夏の賑わいを前にした、唯一静かでゆっくりと新緑を楽しめる季節なのではないかと思います。「梅雨寒」でなにかちょっと羽織たくなるような雨の日のこちらの佇まいは、まさにその場に居合わせた者だけが知る静かで貴重な時間と空間と言えます。

来年で30周年を迎えるにあたり、HPによれば「店主のきまぐれ」により店名が変わるそうです。(笑)
でも、それはそれで楽しみですね。期待大です。→2012年より『ふりこ茶房』さんとなりました。

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今、ちょうどこんな時期でしょうか

 

とても長くなりましたが、今回ご紹介させていただいたカフェは僕が自信を持ってお奨めできる、また同時にオーナーのポリシーが一貫している、たいへん個性の強いお店でもあるといえます。

これからも居心地のよい素敵なカフェと出会えたら、ぜひ紹介させていただこうと思っています。信州という素晴らしい土地には、今回ご紹介できなかった素晴らしいカフェが、また僕の知らないお店もまだまだあるはずです。
そしていつの日か、僕がこれから実現を目指す自分のカフェが、そんな風に人から人へ伝えられていくような存在となれるよう、自分なりの個性を出していけたらと願っています。