Monthly Archives: July 2019

Mellow Tunes ~ Vol.228【Marcos Valle】

いつもご訪問ありがとうございます。
「台風6号」が通過し、関東地方もいよいよ「梅雨明け」のようです。雨の季節とも、そろそろお別れの頃。

 

 

冬生まれで、暑い夏がとにかく苦手な僕は、「ボサノヴァ」や 北欧辺りの Jazz の「ピアノ・ソロ」などを聴きつつ、この季節をやり過ごすのが、例年の習い。
約50年ほど前の「ボサノヴァ」の生誕以降、「Ivan Lins」(イヴァン・リンス)らと共に、「MPB」と呼ばれるいわゆる「ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック」のカテゴリーで、様々な分野のミュージシャンやアーティストらとのコラボレーションと、その息の長い活動歴で知られる『Marcos Valle』(マルコス・ヴァーリ) ですが、つい先日約9年ぶりのニュー・アルバムがリリースとのニュースが届きました。
「YouTube」にも新譜に収録の作品が多くUPされています。1943年生まれとのことなので、今年で「76歳」。音楽への飽くなきパッションは、尽きることがないようです。

 


Marcos Valle – “Alma”
(album: Sempre – 2019)

 

新譜もよいのですが、暑い夏を乗り切るには、どちらかというと、こんな素敵な「Duet」作品の方が、個人的には好みかもしれません。


Marcos Valle & Zelia Duncan
“Preciso Aprender A Ser Só”

「Zelia Duncan」(ゼリア・ダンカン)の中性的なヴォーカルと、抑えめなホーンのソロが、暑い夏を一気にクール・ダウンしてくれるようで、この「メロウネス」と「クールネス」が絶妙に同居しているバランス感覚が、たまらなく美しい。実に素晴らしいコラボです。

 

 

 

【雑記】選挙へGo !

ご訪問者の皆さん、今日は参院選の投票日です。
もう投票に行かれましたか?

今二十歳のウチの次男坊も、とっくに期日前投票をしてきたそうです。もし当ブログをご覧の若い世代の人たちが棄権せずに皆投票をしたら、参議院には衆議院との権限の差こそあれ、後に国政を一気に転換できる可能性を持っているということをご存知でしょうか。
立場や状況が違えども、香港では自分たちの権利を守ろうとして、政府と命懸けで戦っている若者たちが大勢います。決して対岸の火事ではありません。

自分と同年代の人達でも、「選挙など行ったことがない」と自慢気に話す人に出会うことがありますが、本当に心底軽蔑します。
国政選挙が終わってから、「消費増税」が実施されても、十分な議論をなされない現与党に有利なだけの、あらゆる「法改正」が行われても、選挙に行かない人には、それに対して文句を言うことも、非難する権利はひとかけらもありません。そこは、ちゃんとわきまえておくべきです。

今からでも間に合います。あなたの大切な一票を、どうか無駄にしないでください。

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.16【Deborah Cox】

いつもご訪問ありがとうございます。
連日国内外を問わず、多くのアクセスを頂戴しておりますが、更新をお待たせしてしまい、ゴメンナサイ。
さて、現在発生中の「台風5号」ですが、日本列島各地への直接的な影響は比較的小さいようで、すこしばかり安心しました。そうは言っても、台風に刺激された梅雨前線は活発化していて、「梅雨明け」まではもうすこしばかり時間がかかりそうな気配が濃厚です。
近隣では、この時期にしか見ることのできない「蓮の花」の開花に、ドライブ中に視線を奪われる機会が多くなってきました。

 

 
「Mellow Classics」シリーズも気付けば、早いものでもう「Vol.16」になりました。今回取り上げるのは、「ポスト・ホイットニー・ヒューストン」としての呼び声も高く、1995年にメジャー・デビューしたカナダ出身のR&B女性シンガー『Deborah Cox』(デボラ・コックス)の作品です。1998年にリリースされた2ndアルバム『One Wish』からのシングル、『Nobody Supposed To Be Here』は、全米R&Bチャートはもちろん首位を、そして総合チャートでも2位まで上昇した、彼女のキャリアにおいても自身の最大のヒット作品となりました。人材発掘における、アリスタ・レーヴェルの当時のCEOだった「クライヴ・デイヴィス」の目利きぶりには、本当に舌を巻くばかりでした。

 


Deborah Cox – “Nobody’s Supposed To Be Here”
(album: One Wish – 1998)

 

R&B好きな人たちの間でも、美しいメロディを書くことで知られる「Montell Jordan」が「Anthony “Shep” Crawford」と共作した、このメロウで美しくも儚い「Love Ballad」は、リリースからちょうど20年という長い年月が経過した今でも、その楽曲の魅力が色褪せることが一向にありません。おそらくアメリカ南部の地でロケを行ったと思われる Music Video の映像も、メロウな楽曲を更に印象深いものにしていますね。

まだ寒い時期だったので、確か今年の2月頃の放送だと記憶してますが、このサイトでいつも応援しております「大人のためのラジオ・プログラム」『松尾潔のメロウな夜』で、「今夜の寝酒ソング」と銘打って松尾さんが選りすぐりの一曲をセレクトする、番組の「ラスト・ナンバー」でも、本作品を取り上げていらっしゃいましたね。まさに、20世紀を代表するソウルフルなバラッドと申し上げて差し支えないでしょう。

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.15【Joao Gilberto ~ R.I.P.】

「雨の季節」がまだ続いている。
近隣では、例年「梅雨明け」と同時に「初夏」の訪れを知らせる、愛らしい「蓮の花」がそろそろ咲き始める頃。
そんな季節に、遠い海の向こう南米ブラジルから、「アントニオ・カルロス・ジョビン」(Antonio Carlos Jobim) と並び「ボサノヴァ」の創始者として知られる、伝説的なギタリストであり歌手でもあった「ジョアン・ジルベルト」(Joao Gilberto) が、88歳で旅立ったとの訃報が届いた。

 

 

盟友「ジョビン」と共に「ジョアン」は、1950年代後半に伝統的なサンバとモダン・ジャズを融合した新たなジャンルの音楽を創造し、1963年には「ジョビン」と当時の「ジョアン」の妻だった「アストラッド・ジルベルト」(Astrud Gilberto) をヴォーカルに迎えて、Jazzサックス奏者の「Stan Getz」(スタン・ゲッツ) とのコラボ・アルバム『Getz/Gilberto』のレコーディングを行なった。アルバムリリース後の翌1964年には200万枚以上の売り上げを記録し、音楽史上最も売れた「ジャズ・アルバム」の一作品となり、また「グラミー賞最優秀アルバム賞」を受賞した初の外国作品となった。
かつて実店舗営業当時の「Mellows」でも、暑い夏の日の午後、日陰になったデッキテラスで、アルバム『Getz/Gilberto』に収められた心地よい楽曲の数々が、やや控えめに流れていたのを記憶されている方がどれほどいるのかは、僕にはもはや知る術もない。

 


Track#1 – “Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars)”
Track#2 – “Para Machuchar Meu Coracao”
Track#3 – “The Girl from Ipanema”

Joao Gilberto, Astrud Gilberto, Stan Getz, and Antonio Carlos Jobim
(album: Getz/Gilberto – 1963)

 

職場にいるブラジル出身の30代前半のスタッフに「ジョアン・ジルベルトが亡くなったらしいよ」と伝えると、キョトンとした表情で見つめられた。どうやら僕の「ポルトガル語」的な発音ができていなかったことと、もはや「ボサノヴァ」はブラジルの庶民にとっては「過去の音楽」という位置付けらしい。「ジョアン」や「ジョビン」の名前は認識してはいるけれども、「ボサノヴァ」は若い世代にとっては「おじいちゃん・おばあちゃんが聴く音楽」であり、日本国内でいう「演歌」の位置付けに近い印象があると、ポツリと語ってくれた。
夏の気怠い午後、リオの海岸を想像しながら海辺のテラスで風に吹かれて冷たい飲み物でも、なんてステレオ・タイプなシチュエーションは、もはや「フランス」を筆頭に欧州はじめ他国に居住する「ボッサ好き」な人々による、一方通行のノスタルジックな想いの産物なのかもしれない。なんだかそう考えると、ちょっと淋しい。
音楽の楽しみ方って、好きなものを好きなだけ浴びるように聴けばいい。それが僕の持論なのは、どんな時代でもブレることはない。いいものは、無理をしなくとも、自然に後世に伝えらえていくものなのだから。

Rest In Peace, Joao …. 美しい音楽の数々をありがとう…
安らかに眠れ

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どんな巡り合わせなのなのだろうか、このタイミングで、来月8月下旬よりドキュメンタリー映画『ジョアン・ジルベルトを探して』が公開される。

 

映画『ジョアン・ジルベルトを探して』予告編
 

《Info》
ブラジルの伝説的ミュージシャン、ジョアン・ジルベルトの行方を追うドキュメンタリー。フランス人監督ジョルジュ・ガショが、ジルベルトに会えないまま本の出版直前に命を断ったジャーナリストの夢を実現するため、ジルベルトゆかりの人々や土地を訪ねる。ミウシャ、マルコス・ヴァーリ、ジョアン・ドナートらミュージシャンが出演。
 
《Story》
「イパネマの娘」などの名曲で知られ、日本でライブを行ったこともあるミュージシャンのジョアン・ジルベルトは、2008年夏のボサノヴァ誕生50周年記念コンサートを最後に公の場から姿を消す。彼に会おうとリオデジャネイロに出向いたてん末をつづった本の出版直前に自殺したドイツ人ジャーナリストの旅に共鳴したジョルジュ・ガショ監督が、ジルベルトに会うためにブラジルに向かう。

(出典: シネマトゥデイ)

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.14【Diane Keaton】

いつもご訪問ありがとうございます。
すでに終わった「G20」の頃から、列島各地で梅雨前線が活発化しているようです。
まだもう少し続きそうな「雨の季節」ですが、風情のある雨の風景はよいのですが、何事に於いてもほどほどがよろしいかと思いますが、なかなかうまくいかないものです。

 

 

さてこんな雨の季節になると、雨の中わざわざ外へ出かけるよりも、むしろ自宅やお部屋で「音楽」や「映画」などを鑑賞される方も沢山いらっしゃるのでは。

今回の「懐かしい一曲」は、先般の記事でも少し触れましたが、僕が中学2年の頃に公開され、1977年のアカデミー賞を総なめと言っていいくらいの「4部門」のオスカーを獲得した、十代の頃より敬愛する「Woody Allen」(ウディ・アレン)監督・主演の映画『Annie Hall』(アニー・ホール)から、主演女優である「Diane Keaton」(ダイアン・キートン)による劇中歌を取り上げてみたいと思います。

 

 

僕ら50代以上の世代においては、「ウディ・アレン」「ダイアン・キートン」というのは、当時の米国映画界における役者としての「ゴールデン・コンビ」であり、また「ファッション・アイコン」的な存在でした。その他のアレン監督の作品がそうであるように、彼とは切っても切れない「New York」を舞台に描いた恋愛コメディの本作品の中で、二人の着こなす「ラルフ・ローレン」の、とりわけダイアンの「マニッシュ」な着こなしは、当時世界中でトレンドの最先端になりましたね。映画のロケ地である「ブルックリン」や「コニー・アイランド」を、作品の公開から10年が経過した頃に、大ファンの僕が訪れたのは言うまでもありません。「フォルクス・ワーゲン・ビートル」の「カブリオレ」も、あの頃人気が再燃するというきっかけにもなっていました。

 

 

Some Scenes from “Annie Hall” (1977)
“Seems Like Old Times” performed by Diane Keaton
 

初めて「アレン監督」作品に触れた方はみな一様に驚きますが、劇中で歩道を通行中の人々であったり、映画館で鑑賞している「観客」に向けて語り掛けてゆく、あのオリジナリティに溢れ、途切れることのない「シームレス」な撮影技法による一連の流れは、まったくもって「見事」としか言いようがなく、登場人物をアニメ化したパートなども含め、当時中学生の僕はとても斬新な表現方法に腰を抜かすほどでした。
「フィジカル」よりも「メンタル」な側面を重要視。徹底したアイロニカルでシニカルな作風は、「難解」な映画作品として受け取られることも多く、アクションものやファンタジーとかが好みの層からは「鬱陶しい」と敬遠されるアレン監督の作品群ですが、そういった人たちは放っておけばいいのですよ。「Jazz」が嫌いな人でなければ、彼の製作する映画も理解できるはずだと感じているのは、きっと僕だけではないでしょう。なにせ映画の主人公同様に、シネマの都「Hollywood」がある「西海岸」の「L.A.」には行きたがらず、アカデミー賞授賞式の日は、自身の愛する「東海岸」の「New York」のジャズ・クラブで、まるで他人事のように、一晩中クラリネットを演奏してたような人ですからね。そんなところが、「Jazz」的で、彼の最大の魅力でもあります。

 
いくつかの大好きなシーンのプレイリストの最後に、映画タイトルでもある『アニー・ホール』役を演じ、女優志望でナイト・クラブのシンガー役で主演の「ダイアン・キートン」が歌う、「メロウなスタンダード・ナンバー」の『Seems Like Old Times』が、この映画をより味わい深いものに仕立て上げていたのは、観ていただければよく分かりますね。

 

 

 

まだご覧になっていない方は、どうぞご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

[追記]
映画への情熱が途切れることのない、とにかく多作家の「ウディ・アレン」ですが、僕は全作品とまでは言い切れないものの、国内では視聴・入手が困難なごく一部の旧作品を除き、彼のほぼすべての作品を中学生の時分から長いこと鑑賞してきました。21世紀に入り、アレン監督自身は出演してはいないものの、『アニー・ホール』以来の大傑作と評価の高い、2011年 アカデミー脚本賞を受賞した 『ミッドナイト・イン・パリ』の出来が、お世辞抜きに最高に素晴らしいので、こちらもぜひお薦めしたい作品です。内容は、ノスタルジックなファンタジー作品です。ある意味、本人が主演していない「現代版アニー・ホール」的な位置付けの作品と言えるかもしれません。アレン監督自身にとっても、これを超える作品を制作するのはもはや至難の業かもしれません。『ミッドナイト・イン・パリ』はそれほどの名作といえるでしょう。

[あらすじ]
俳優「オーウェン・ウィルソン」が演じる、 映画脚本家で処女小説の執筆に悪戦苦闘中の物語の主役「ギル・ペンダー」は、婚約者の「イネス」 (レイチェル・マクアダムス) とその裕福な両親とともに、パリを訪れる。パリ滞在中のある日の夜中、主人公は街の一角でアンティーク・カーに乗った男女からパーティーに誘われる。そして着いた先は、ジャン・コクトー主催のパーティー会場。フィッツジェラルド夫妻、ヘミングウェイ、ダリにピカソといった、あまたの文化人たちが目指し集った、「黄金時代」と称された1920年代の「パリ」に、主人公の「ギル」はタイム・スリップしたのだった。

 


映画『ミッドナイト・イン・パリ』予告編

 

『ミッドナイト・イン・パリ』「Amazon Prime」でも今なら無料視聴できるようなので、お時間のある時にでもぜひ。
また、アレン監督の作品には、ある意味予習・復習も重要だったりする作品も少なくありません。そんな慎重派の方にはまずはこちらの映画評論家の解説をどうぞ。