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Mellow Tunes ~ Vol.233【Pete Belasco】

週末から週明けにかけて、また「台風」直撃らしい。
本格的な「秋」がやってくるまでは、どうしても不可欠な「嵐」の季節。やり過ごすしかない。

 

 

かつて昭和の時代には経験したことのないような昨年に続く「酷暑」と、一般の人々にとっても長すぎたであろうお盆休み中の多忙ぶりのせいか、今年の八月は相当堪えた気がしてならない。いつもなら、「九月」の声を聴いたとたんに、少しはやる気スイッチが ON になるのだけれど、今年はもうバッテリーが切れた上に放電したみたいな状態。

 

せっかくの秋の入り口だけど、すこし更新をお休みしようと思っていたら、海の向こうの米国から、大好きな『Pete Belasco』(ピート・ベラスコ)の新譜『Strong and Able』が「昨日」リリースされたとの、なんとも嬉しいニュースが届いた。寡作な人だけに、もう数年待たされると覚悟してたのに。

既にアルバムの全曲が彼の「YouTube」OfficialにUpされていたので、すがりつくよな思いで早速聴いてみた。
なんという、極上の癒し度200%のアルバム内容。「カーティス」や「リオン」に匹敵するとマニアからは絶賛される、いつもの超ジェントルなファルセットの「ヒーリング・ヴォイス」も健在じゃないか。

 


Track 1: “Stop the Presses”
Track 2: “Moment Away”
Pete Belasco (album: Strong and Able – 2019)

 

「ピート」よありがとう。なんとか大丈夫そうだ。これで、「メロウ」に「スロウ」に充電できそうだ。あなたの音楽を聴いていると、「焦るなよ、無理すんな」って言われてるようで、ほんとに救われる思いだ。

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.232【Kirk Franklin】

いつもご訪問ありがとうございます。
日中はまだまだ暑い日が続いてますが、陽が沈むとどこからともなく涼しい風が吹き始める頃。

 

 

厳しかった今年の夏とも、そろそろお別れ。「秋風」の吹き始める頃からが、R&B/Soul系の音楽にとっての、いわゆる「Best Season」だというのは、当サイトへ頻繁にアクセスしてくださっている皆さんにとっては、言うまでもなく「暗黙の了解」みたいなものですね。

今回の「Mellow Tunes」では、当サイトでも応援させていだいている音楽プロデューサーの「松尾潔」さんの、とある対談記事に名前の挙がっていた複数のリコメンデッド・アーティストの中から、『Kirk Franklin』(カーク・フランクリン) をご紹介します。

R&Bやソウルなど黒人音楽を聴いてきた方々であれば、特定のアーティストに限らずとも、誰もが一度や二度は「ゴスペル」を聴く機会が、これまで何度となくあったことと思います。「Hip-Hop」に対する僕の個人的な苦手意識はともかく、1990年代に「Hip-Hop」が台頭してきてから、「R&B/Soul」だけでなく「Funk」「Jazz」など、およそ「BLACK MUSIC」(黒人音楽)と呼ばれるすべてのカテゴリーにもたらした、その大きな影響は計り知れません。
「Christian Music」という商業的にも確立されたカテゴリーが存在し、その分野のスターがちゃんと存在するのが、本来「多様性」を受容することを美徳とする、多民族国家である米国の音楽マーケットの懐の深いところです。まあ、近年の国家のリーダーはその優れた「寛容さ」さえも排除しようと躍起になっているのが、甚だ残念でなりませんけれど。
アフロ・アメリカンの宗教的な歴史と供に寄り添うように、古くから存在する、いわゆる伝統的な「ゴスペル」ミュージックに、より洗練されたアレンジが施されたサウンドや、「Hip-Hop」の要素を取り入れたスタイルである「Urban/Contemporary Gospel」というモダンで新しいフォーマットで、過去に14度のグラミーも獲得してきている筆頭アーティストが、『Kirk Franklin』その人と言えるでしょう。これまでのオーソドックスな「ゴスペル」のイメージを覆し、新たな次元を目指す彼の存在は、とても貴重だと思います。なんと言っても、「リズム」が「メロディ」が「グルーヴ」が、ずば抜けていますね。こんな教会が傍に在ったら、誰もが足を運びたいと思うんじゃないでしょうか。そんな内容の Music Video に、感心しきりです。

 


Track 1: “Love Theory” (Official Music Video)
Track 2: “Ok” (Live Performance)
Track 3:  “F.A.V.O.R.” (Live Performance)

Kirk Franklin (album: LONG LIVE LOVE – 2019)

 

作年亡くなった「アレサ・フランクリン」など、今も昔も「Soul/R&B」で活躍してきたビッグ・ネームのアーティストには、出身地の教会のクワイアで幼少の頃より歌い始めたというルーツを持った、「ゴスペル」出身のアーティストが少なくありません。「ゴスペル」というカテゴリーの音楽を聴く度に感じるのは、教会のホールで大人数による大編成のクワイアで、「歌うこと」をとことん突き詰めた人たちの、宗教的な背景を持ったその力強さや熱量には、やはり到底適わないという感情です。また同時に、「人間の声が最高の楽器」なんだという事実を、まざまざと見せつけられるのも、このカテゴリーの音楽を聴いたときに感じる「真実」だと思うのです。

来年早々には、50歳を迎える「カーク・フランクリン」ですが、そんなアーティストとしての円熟期を迎えている彼が、来月9月中に来日公演を行うとのこと。詳しくは下記の、松尾さんの対談記事へアクセス。今年の秋の「billboard Live」には、『Babyface』を筆頭に大物の公演が目白押しだそう。まさに秋の大収穫祭といったところでしょうか。

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.21【Earth, Wind & Fire】

いつもご訪問ありがとうございます。
昨年に引き続き猛烈な暑さを伴った今年の夏も、ようやく過ぎてゆこうとしています。
陽が落ちて夕闇に包まれる頃になると、いつしか「秋の虫の音色」が聴こえてくる時期になりました。

 

 

1970年代に世界中を席巻し、「R&B/FUNK/SOUL/DISCO」といったすべての BLACK MUSIC のカテゴリーの垣根を越えて、まさに一世を風靡した SUPER BAND の筆頭はといえば、『Earth, Wind & Fire』のことを指すといっても語弊はないでしょう。
「September」「Boogie Wonderland」に代表される彼らの活動後期に目立った「DISCO / DANCE」チューンのヒット作品群などよりも、活動初期にあたる時期の「FUNK」色が豊かな時代のサウンドや、2016年に亡くなった偉大なリーダー『Maurice White』(モーリス・ホワイト)との共作で知られる『Skip Scarborough』(スキップ・スカボロウ)がソング・ライティングに関わった作品群が、僕にとっては最も愛すべき「Earth, Wind & Fire」の姿なんです。

今でも連日のように、「Maurice White」によるワード検索で、国内外を問わず当サイトへ導かれてくる訪問者の方々が、実際のところかなり多くいらっしゃいます。当然ですが、やはり「レジェンド」なんですよね。

夏が去り行く「晩夏」の季節に聴く、『That’s the Way of the World』は、本当に良き時代の「Soul/Funk」ミュージックの真骨頂と言っても決して過言ではないでしょう。
米国映画『暗黒への挑戦』(That’s the Way of the World)のテーマ曲として使用された本作品は、バンドとして映画にも出演した「EW&F」のリーダー「モーリス」とベース担当の「ヴァーダイン」「ホワイト兄弟」の共作によるものですが、「リズム/メロディ/リリック/アレンジ/コーラス/ストリングス/ホーンセクション、そして何よりもグルーヴ」と、そのすべてが完璧に融合した、まさに「BLACK MUSIC」史に燦然と輝く金字塔と呼べる「傑作」だと思います。

 


Earth, Wind & Fire – “That’s the Way of the World”
Track 1: “That’s the Way of the World” feat. EWF & Harvey Keitel (1975)
Track 2: “That’s the Way of the World” [Official Audio] (1975)
Track 3: “That’s the Way of the World” – Live at Oakland Coliseum (1981)

現在でもバンドを存続させることに注力しているツイン・ヴォーカルのパートナーPhilip Bailey(フィリップ・ベイリー) のファルセットが素晴らしいのは分かりきったことですが、「モーリス」のヴォーカルはやはり何度聴いても「One & Only」な一級品です。

こうして「モーリス」の過去の作品に触れるにつけ、失ったその果てしない才能の偉大さを再確認せざるを得ません。

 

『Earth, Wind & Fire』の「Skip Scarborough」(スキップ・スカボロウ)と「モーリス」との共作による作品などについては、どうぞ過去関連記事をご覧ください。

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.20【Patti Austin】

これからしばらく「雨」の降る日が多くなると、天気予報が伝えていた。
公園で写真撮影でもと思い立ち、車から降りようとした途端に、もの凄い勢いの「雨雲」と「通り雨」が湖上を通過していった。「雨に煙る」という言葉の通り、激しい通り雨のせいで、車のフロントガラス越しの視界は、まったく効かないほどだった。
一雨ごとに、季節は確実に「秋」に向かい始めたようだ。

 


Patti Austin – “Smoke Gets in Your Eyes”
(album: The Real Me – 1988)

 

そろり、そろりと、「秋」が近づいて来ているのが、僕には分かる。

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.231【James Vargas】

いつもご訪問ありがとうございます。
残暑が続くのはいつ頃までなんだろうと、そんなことを思いつつやり過ごす8月の後半です。

 

 

なぜだか「暑い季節」と「寒い季節」には、不思議と「管楽器」や「ピアノ」の音を無意識に探している自分がいます。

かつて一度だけ「Mellow Tunes ~ Vol.134」で取り上げたことのある、英国出身のサックス奏者「James Vargas」(ジェイムズ・ヴァーガス)の二度目のご紹介。 「Smooth Jazz」分野の人気キーボーディスト「Oli Silk」に見出された彼が2004年にリリースした、自身の名を冠した唯一のオリジナル・リーダー・アルバムから、美しいバラッド『Whenever, Wherever, Whatever』のカヴァーを取り上げます。

多くのヒット曲を生んだ「Maxwell」のデビュー・アルバム『Maxwell’s Urban Hang Suite』に収録された、「SADE」のリーダーでもあるプロデューサーの「Stuart Matthewman」「Maxwell」の共作によるその美しいメロディは、一度聴いたらなかなか耳から離れません。

 


James Vargas – “Whenever, Wherever, Whatever”
(album: James Vargas – 2004)

独特のサキソフォンの音色を聴かせてくれる「James」にいたっては、その後自身のリーダー・アルバムのリリースがありませんが、ぜひ新作を聴いてみたいと思うアーティストの一人です。

 

素晴らしいカヴァーも、やはり素晴らしいオリジナルがあってこそ。
デビューして間もない頃の、若き日の「Maxwell」のイノセントなヴォーカルに、心が洗われるようです。


Maxwell – “Whenever Wherever Whatever”
(album: Maxwell’s Urban Hang Suite – 1996)

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.19【Hall & Oates】

いつもご訪問ありがとうございます。
大型の「台風10号」が列島を通過し日本海へ抜けましたが、西日本にお住いあるいは帰省中の方など、生活や移動にまだ大小の影響があるかと思いますが、くれぐれもお気を付けください。

お盆休みも終盤。忙しい毎日がすぐに戻ってきて、気がつけば朝夕には涼しい風が吹き始めるのに、それほど時間は掛からないことでしょう。一日も早く涼しくなることを期待する今日この頃です。

 

 

時折サイトへのアクセス解析をしてみると、様々なアーティスト名による検索から当サイトへ導かれて来られる方の中に、国内外を問わず「Daryl Hall」「Hall & Oates」のアーティスト名で来訪される方が少なくありません。常に検索アーティストの上位に位置しているのを見るにつけ、やはり今でも人気があるんだなあと、再認識することがよくあります。

そんな方々のリクエストにお応えすべく、何を取り上げようかと思案していたところ、「Hall & Oates」名義でのスタジオ録音アルバムは、2006年のクリスマス・アルバム以降リリースされていないので、キャリア後期のアルバムでなにかないかといろいろ掘り返してみました。
1997年にマイナーなレーヴェル「Push Records」からリリースされたアルバム『Marigold Sky』ですが、80年代の人気絶頂期のような派手なアレンジを施した作品は影を潜め、もともと「ダリル」「ジョン」の二人が大切にしてきた「フィリー・ソウル」をベースにした、音数の少ないアレンジの、「Mellow」「POP」「ソウルフル」な大人向けの楽曲が、多数収録されていることを再発見しました。セールスよりも自由にやらせてくれるレーヴェルを選んだのは明白で、派手さはありませんがとても落ち着いて聴ける、実に大人向けのアルバム内容になっています。
CDジャケットもどことなく「黄昏」や「郷愁」を感じるようなデザインになっていて、古くからのファンもそれなりに人生経験や年齢を重ねてきてますので、こういった方向性の「ホール&オーツ」も味わい深いものがあるというものです。本当にいい意味で肩のチカラが抜けていて、本人たちだけでなくレコーディング・メンバーも皆リラックスしている様子が、一聴するだけで伝わってきます。特に「ダリル」が最も信頼を置いていたベーシスト/ギタリストで、9年前に他界した“T-Bone”の演奏には、それが顕著に表れているような気がします。大人だけが分かる「メロウネス」の世界ですね。

 


Track 1 – I Don’t Think So
Track 2 – Promise Ain’t Enough
Track 3 –  Time Won’t Pass Me By
Daryl Hall & John Oates (album: Marigold Sky – 1997)

 

記録によると画像は昨年の9月上旬に、仕事帰りにだいぶ遠回りをして筑波山麓付近の「夕暮れ時の空」を撮影したもの。「マリゴールド色の空」ってこんな感じを言うのかな。そしてその足元には、偶然にも「マリゴールド」の花が咲いてました。今となっては、なんだか不思議な体験でした。

 

※「Daryl Hall」「Hall & Oates」に関する過去記事はこちらへどうぞ。

 

 

 

【雑記】真夏の夜更けに「Monk」を聴く

いつもご訪問ありがとうございます。
暑さがまだまだ続きますね。
僕の場合、なぜだかこんな季節には「涼」を求めて、Jazz を聴く機会が増えてきます。
今夜のように、お気に入りのラジオ番組がお休みの時などは、特にそうかもしれません。
 

 

1982年に64歳で逝った、「孤高の天才ジャズ・ピアニスト」として知られる『Thelonious Monk』(セロニアス・モンク)。僕が「モンク」に出逢ったのは、大学1年生の頃。当時むさぼるように聴いていた『マイルス』(Miles Davis)『’Round About Midnight』の作曲者だと知って、『モンク』を初めて聴いた時の印象は、正直技巧派なのかどうかも区別がつかず、一聴しただけで「独創的・個性的」であり、それまで聴いたことのあるどのジャズ・ピアニストの演奏ともかけ離れた「音」と「プレイ・スタイル」に、とにかくびっくりしたことをよく覚えています。収録から半世紀が経過した今、映像として収められた「モンク」のピアノの演奏は、僕のような素人が一見しても、「普通ではない」ということは伝わってきます。まさに「天才」とはこんな人のことを言うのでしょう。「言葉」は不要。ただ「感じる」ことが大事だということが、ビンビン伝わってきます。

 


Thelonious Monk – “Don’t Blame Me”
(Live in Denmark, 1966-04-17)

 

「インターネット環境」が存分に整備され、「世界」がここまでボーダレスで身近になった現代では、過去の偉大な遺産ともいえる多くのアーティストの映像作品などを、「YouTube」を筆頭とする動画投稿サイトを通し、容易に視聴できる時代になりました。国々によって法や規制がまちまちなので、一概には称賛はできませんが、こうして、50年以上も前に記録された貴重なライヴ映像を視聴して、「『モンク』ってこんな凄いピアニストだったんだ」って、すぐに理解できるというのは、何はともあれそのアーティストを昔から知るオールド・ファンとっても、初めて出逢う人々にとっては尚のこと、とても有難い存在なのは間違いありません。

いつの時代も、「Good Music」は永遠に不滅です。
 
[追記] ちょうど6年前の今日も「Monk」の記事を書いてました。ブログも10年程続けていると、不思議なものでこんなことがよくあるものです。

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.230【Ami Nakazono】

いつもご訪問ありがとうございます。
連日の猛暑で、仕事の方もお休みの方も、皆さんおつかれさまです。
今年は例年より開花が少し遅かった印象のある、愛らしい「蓮」の花もそろそろ見納めの頃。照り付ける夏の暑い日差しの中で、「凛」と佇むその姿には、なんだか意志の強さだとか時には気高さまで感じることも。

 

 

都会の人々が、涼を求めて避暑地へと足が赴くように、こう暑いと聴く音楽もできれば Cool な音色を求めたくなるもの。

今回は以前に「Mellow Tunes ~ Vol.201」でもご紹介したことのある、当サイトにおいて絶賛応援中の、国内の「Smooth Jazz」シーンでは、圧倒的な実力派サックス・プレイヤーの「中園亜美」さんの再登場。男性・女性プレイヤーを問わず、彼女の「ソプラノ・サックス」から奏でられるその音色は、実に「Silky & Smooth」でいて、そして時にはソプラノとは思えないような「Funky」な演奏も彼女の魅力ですね。もちろん「アルト」に持ち替えたときもしかり。できるだけ早い時期に、またプロデューサーとしてベスト・パートナーだと思える「安部潤」さんと組んだ、新譜を聴いてみたいものです。そして、ぜひ世界を舞台に活躍して欲しい期待の存在です。

曲のタイトルは『December』2010年にリリースされたシングルですね。前回取り上げた『CHICKENSHACK』の「土岐英史」氏のソプラノ・サックスの音色とは、また違った魅力に溢れています。クールな音色で、なんだか部屋の気温がすこしだけ下がったような気がしませんか。

 


Ami Nakazono – “December” (2010)

 


Ami Nakazono – “World Connection” (2016)