Monthly Archives: September 2014
MOMIJI 通信 【Vol.7 – 2014】
梅雨時の6月以来しばらく更新をしていなかった今年の『MOMIJI 通信』ですが気がつけばあっという間にお彼岸。いよいよモミジたちにとっていちばんの見せ所のシーズンとなってきました。
三本あるそれぞれのモミジたちの表情や様子も、まさに「三者三様」で、とても興味深いものがあります。
Mellows のシンボルツリーだった「六株立ち」のヤマモミジにいたっては、実を言うと6月後半頃からなぜか葉が紅く染まり始めてしまい、現在はさらに紅味を増してきています。樹の下から見上げるとそうでもないのですが、ベランダから見下ろすと相当に紅葉が進んでいるように感じます。
他の二本はまだまだ「青モミジ」の状態が続いていて、最低気温が下がるにつれ変化を楽しめるのはこれからとなります。
キンモクセイもちょっとずつ咲き始めました。
さて曲ですが、スタンダード『Smoke Gets in Your Eyes(煙が目にしみる)』などいかがでしょうか。古くはナット・キング・コールやプラターズのカヴァーが定番ですが、僕はこちらのパティ・オースチンのがいちばん好きですね。アレンジがいいんですよ、ほんとに。
Patti Austin / “Smoke Gets in Your Eyes” (album: Real Me – 1988)
AC Tunes ~ Vol.27【Diana Krall】
今年の「秋」は、日を追う毎に季節がどんどん深まるような、本来の「日本の秋」が数年ぶりに戻ってきたような印象が、皆さんありませんか?昨年の記事を振り返ってみると、残暑があまりに長く、秋を飛ばして夏から一気に冬へシフトしたような気候でした。それを思えば、日本列島の美しい秋を長く堪能できることは大変喜ばしいことです。それゆえ、多くの気象予報士の方々が、「今年の紅葉は期待できる」と予想しているそうです。
昼間の空もいいのですが、この季節から初冬にかけての「夕暮れ時」の空の様子はなんとも見入ってしまうほどドラマティックでありノスタルジックですね。刻々と変化する、陽が落ちるまでのわずかな時間は、一瞬たりとて見逃せないくらいの美しさです。コンパクト・デジカメのレンズを慌てて空に向け写真を撮りながら、そんな感傷に浸りました。
ご紹介する曲は、深まる秋にPVが撮影された Diana Krall(ダイアナ・クラール)の『Almost Blue』。元々は彼女の伴侶である奇才 Elvis Costello(エルヴィス・コステロ)の作品で、晩年の Chet Baker(チェット・ベイカー)によるcoverで広く認知されるようになった、タイトル通りちょっとブルーで感傷的な印象を持ったもはやスタンダードになりつつある名曲です。
Diana Krall / “Almost Blue” (album: Girl in the Other Room – 2004)
ダイアナは近く、彼女と同じカナダ出身のあの大物プロデューサー David Foster(デイヴィッド・フォスター)のプロデュースによる1960-70年代のいわゆる POPS/ROCK のカヴァー・ソングを集めたアルバム『Wallflower』を10/21(iTunes Storeでは10/13)にリリースする予定で、現在世界中で大変な話題となっています。彼女の歌うイーグルスの「デスペラード」「I can’t Tell You Why」、10ccの「I’m Not In Love」、ギルバート・オサリヴァンの「Alone Again」などなど、期待は膨らむばかり。秋にはやはりいい音楽作品が出てきますね。詳しくはオフィシャルHPにて。
*追記:世界中から注目されていた彼女の新作のリリース(10月)とワールドツアー(11月)が、病気のため来年に延期となった模様です。詳細はレコード会社のHPをご参照のこと。(以下抜粋)
【今年10月に世界発売を予定しておりました、ダイアナ・クラールの新作『ウォールフラワー』とそれに伴い11月にアメリカでスタート予定だった世界ツアーは、重度の肺炎による体調不良により延期となりました。新作の新しい発売日は現在、2015年2月を予定しております。
*デジタルは2015年1月末を予定 – UNIVERSAL MUSIC】
現在『iTunes Store』では数曲サンプル音源を聴くことができますが、リリースまで気長に待たねばなりませんね。それはそれとして、彼女の早期の回復を祈ります。
Mellow Tunes ~ Vol.83【RIP Joe… 】
今朝仕事に出かける前にスマホでYahooニュースをチェックしていたら、なんとショックなことに Joe Sample(ジョー・サンプル)の訃報の記事が…
ジョー・サンプルといえば、僕らのような Fusion 音楽を浴びるように育ってきた世代にとっては、ファンキーな部分と相反する繊細さ併せ持った、ある意味特別な存在のピアニストでありキーボーディストでした。The Crusaders(クルセイダーズ)での活躍はもちろん、ソロとしての活動も大変精力的に行っていた印象が強いですね。
享年75歳ということですが、若い頃に大変な影響を受けた大好きなアーティストやミュージシャンが次から次へと夜空の星となっていくのは、運命とは言えどやはり残念で寂しい想いで一杯になります。
彼の遺した作品は数多くありますが、今日は1999年にリリースされた“ニュー・ソウルの伝説” Donny Hathaway(ダニー・ハサウェイ)を父に持つ歌姫、 Lalah Hathaway (レイラ・ハサウェイ)との共同名義でのアルバム『The Song Lives On / Joe Sample featuring Lalah Hathaway』に収録された、僕も大好きな mellow なジャズのスタンダード・ナンバー『For All We Know』をしんみりと聴きながら、彼のご冥福をお祈りしたいと思います。
Joe Sample & Lalah Hathaway / “For All We Know”
(album: The Song Lives On – 1999)
Rest In Peace, Joe …
AC Tunes ~ Vol.26【Rick Braun】
9月に入ってからというもの、一雨ごとにどんどん季節が秋に向かっていくようで、なんとも嬉しいことです。昔から、これからは何をやっても「いい季節」と言われますが、僕自身としては最近「秋空」とかばかりだったので、そろそろ違う対象の写真なども撮りはじめたいものです。そういえば、「MOMIJI通信」もそろそろUPしないといけません。
さて今回の「AC Tunes」ですが、前回に続き Smooth Jazz系のアーティストのご紹介です。
Rick Braun(リック・ブラウン)は米国はペンシルヴェニア出身の、トランペット/フリューゲルホーン奏者でありながら、多くの音楽作品のコンポーザー/プロデューサーとしてもその活躍が知られています。来年は還暦らしいので、リリースしているアルバムも本人名義のものと『BWB』というユニット(Kirk Whalum/Sax, Norman Brown/Guiter)での作品なども含めると、もう20作品ほどを発表しているベテラン・アーティストの一人です。
プレイスタイルはやはりR&Bの影響を強く受けた傾向の、なかなかCoolでアーバンな印象の作品が多く見受けられます。ライブでは右手だけでラッパを吹くパフォーマンスがよく見られる、結構技巧派なミュージシャンでもあります。
2001年にリリースされた本人名義としては8作目にあたる“Kisses in the Rain”は、全体的にとてもよくまとまった印象を受けるアルバムで、中でも現代のFusion/Smooth Jazzの基礎を築いたと賞賛される今は亡き偉大なSAX奏者の Grover Washington, Jr.(グローヴァー・ワシントン・ジュニア)へのオマージュともいえる、『Grover’s Groove』(Johnny Brittのcover)の出来は素晴らしいものがあります。
Rick Braun / “Grover’s Groove” (album: Kisses in the Rain – 2001)
もう他界してから15年が経つ Grover Washington, Jr.(グローヴァー・ワシントン・ジュニア)のことを知らない世代の人たちも多いと思うので、伝説的なVocalist の Bill Withers(ビル・ウィザース)を起用しグローヴァー自身の最大のヒットとなった作品『Just the two of us』(邦題:『クリスタルの恋人たち』)もUPしておきましょうか。国内アーティストでは実力派の久保田利伸氏がカヴァーしていたりしますので、聴いたことある方も多いことでしょう。
Grover Washington Jr. / “Just the two of us” (album: Winelight – 1982)
これからの本格的な秋の深まりに寄り添うように、すこしずつですが年代にとらわれることなく、mellow な音楽作品をご紹介していければと考えています。
では次回に乞うご期待。
映画『ふしぎな岬の物語』が快挙
昨晩遅くに、僕の埼玉の実家近くに住む従兄弟からLINEでメッセージが。
「以前にブログで紹介してた映画が、海外で賞を獲ったらしいよ。」
(過去記事はこちらとこちらを参照)
従兄弟のユタカ氏は、Mellows 開店当時臨時スタッフとしてずいぶんと助けてもらったこともあり、喫茶店が舞台のこの作品にはかなり興味を持っていたようです。
もうTVやネットのニュースでも沢山報道されているようですが、カナダで開催中の第38回モントリオール世界映画祭で1日、ワールドコンペティション部門に出品された吉永小百合さん主演の『ふしぎな岬の物語』(成島出監督)が、「審査員特別賞グランプリ」と「エキュメニカル審査員賞」を受賞したとのことです。なんとなんと、それは素晴らしいことじゃないですか。10月の公開がますます楽しみとなってきましたね。
詳しい情報は配給元の東映のHPへどうぞ。
それから原作の森沢明夫氏の『虹の岬の喫茶店』も、どうかお忘れなく。