Mellow Tunes ~ Vol.276【Mutsumi Kuwahara】

暦の上では既に「立秋」を過ぎておりますので、「残暑お見舞い申し上げます」。

国連事務総長が「地球沸騰化」というワードを用いたことがニュースで報じられたことでも、この惑星の気象上の喫緊の課題でもある温暖化・沸騰化問題ですが、それにしても今年の夏は暑い。暑すぎます。

 

 

2019年後半に押し寄せた世界的なコロナ禍の影響もあり、2020年5月より、音楽関連の情報の更新については、ステージを「Twitter / X へとシフトしてから約3年が経過いたしました。以来、フォロワーさんも順調に増えてきており、自身のライフ・ワークと言っても過言ではない「音楽を介した双方向性コミュニケーション」が実現するようになりました。この点に関しては、もともと東日本大震災の年にOPENさせた実店舗「Mellows」を立ち上げた時点での、主要なテーマでもありましたので、結果としてはリスナー層だけでなく世界中のアーティストやプロデューサーご本人と繋がることまで可能となり、大きな充実感を体験するに至っています。営利目的ではないので、滅多に更新しない当ブログへも、世界中からSNS経由で訪問してくださる方も多く、ご自分のリスニング・ライフのガイド的な用途での再訪等々、この夏でアクセスも436万を数えようとしております。本当に有難いことです。

 

ご挨拶と前置きが長くなりました。今回約一年半ぶりの「Mellow Tunes」シリーズの更新となりますが、つい数日前に都内で開催された「XChange」(和田昌哉 / MANABOON / Sho Kamijo 三氏による Super Producers Unit) の約4年ぶりのLIVEにお邪魔した際、会場にて相互フォローしている音楽通の知人より直接ご紹介していただいた女性シンガー・ソング・ライター『桑原睦実』さんを、取り上げさせてもらうことにいたしました。

今年で24歳になる『桑原睦実』さんですが、R&B / Gospel / Jazz 方面に詳しい音楽ファンの方々には、既によく知られた存在かもしれません。

 

桑原睦実【Profile】(officialより)

1999年生まれ。京都出身。 幼少期から歌とピアノを始め、18歳から関西でライブ活動を行う。19歳より作詞作曲を始め、シンガーソングライターとしての活動も始める。まっすぐ力強い声とメッセージ性のある歌詞、メロディーは聴く者を魅了し心を鷲掴みにする。 神戸松蔭女子学院大学 英語歌唱コンテスト ” Sing a new song ” / 最優秀賞受賞 JOYFUL NOW歌祭り / ソロ部門優秀賞受賞 第20回ORC200ヴォーカルクイーンコンテスト / ファイナリストとして本戦出場 テレビ東京 THEカラオケバトル出演 2019年9月にはニューヨークに渡り、アポロシアター 「アマチュアナイト」予選突破。 これらの経歴を併せもち、その歌唱力も評価されている。 2022年4月には自身初となるEP “Pieces” をリリース。 大阪老舗のジャズライブハウス「Mister Kelly’s」で開催された同作のリリースライブは満員御礼となった。 その歌声はジャンルにとらわれることなく、 さまざまな音楽シーンで力強く響く。ルーツであるPops, R&Bだけでなく、Jazzのビッグバンドやラテンバンドにも参加し シンガーとしての活動域も広げている。

と、シンガーとしての輝かしい経歴の中でも、僕が注目したのはやはりこの部分。
《2019年9月にはニューヨークに渡り、アポロシアター 「アマチュアナイト」予選突破》

おや「予選後の本選の結果は?」といえば、勘のいい方ならお気付きの通り、折しもこの時期は COVID-19 が米国各地で猛威を振るい始めたタイミングと一致している。その後出場する予定だった本選は不運にもキャンセルとなり、悔しい思いを胸に泣く泣く帰国したと、ご本人より伺った。とはいえ、悪いことばかりではなく、必死で貯めた渡航滞在費用は後にリリースされることとなる、EP “Pieces” の制作費用へとカタチを変えたという。若くても老いていても、厳しい体験は人の強さを育むものだとつくづく思う。

昨年(2022年4月)満を持して制作・リリースされた EP “Pieces” は、腕利きサポートミュージシャンたちに支えられ、実年齢に対してその作品群の品質は極めて充実している印象が強い。特に伸びも声域もあるヴォーカルは、自身のルーツでもあるR&BであれJazzであれ、カテゴリーの垣根を楽々と往来を可能とするだけの安定感を感じさせる。業界人はもとより耳の肥えたリスナーたちにとっても、その存在感のあるヴォーカル・スタイルは、きっと驚きを持って受け取られているに違いない。

あれこれ語るよりも、やはり音楽を体感していただくのが手っ取り早いもの。どうぞ聴いてみたください。

 


“One More Chance”  –  Mutsumi Kuwahara
One More Chance (Single)
℗ 2022 muwavesound (Released on: 2022/03/13)
Lyricist: Mutsumi Kuwahara
Composer: Mutsumi Kuwahara

 


“Human Nature”  (Michael Jackson Cover)   –   Mutsumi Kuwahara
EP “Pieces”
℗ 2022 muwavesound (Released on: 2022/04/13)
Written by:  Steve Porcaro / John Bettis

 

そしてこちらの貴重な映像は、Apollo Theater Amateur Night (アマチュアナイト)予選前夜のMusic Bar での飛び入り OPEN MIC の様子。 実はこの時、店内に居合わせたアポロのプロデューサーがこの盛り上がりを目撃していたそうで、翌日のオーディション予選では通常ワンコーラスで止められるところ、フルコーラス歌わせてもらえたそう。そして予選はもちろん通過。できることなら、本選が中止にならないでほしかった。運命とは時として意地悪だ。

それにしても、堂々とした歌いっぷりの CHAKA の名曲 “Through The Fire” はオーディエンスのシンガロングを自然に誘い、歌い終えれば大きな賛辞と喝采を浴びることに。(動画撮影・提供は、同行の「ちびまゆ」さん)


2019.09.20 桑原睦実セッション in NY @sugar bar(当時19歳海外初歌)

 

 

EP “Pieces”  桑原睦実
各種Linkはこちらより

 

まだまだ先は長い、20代前半。焦らずあらゆる可能性のあるカテゴリーに向き合い、しっかりと自分らしさを追求しつつ、キャリアに磨きをかけていってほしいものです。

『桑原睦実』さんの作品が、皆さまのリスニング・ライフの一部として加わることになりますよう。