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Mellow Tunes ~ Vol.197【Maxwell / Sade】

秋もぐっと深まり、冷え込む夜には「Urban Mellow」な「Groove」がよく似合う。

 

 

 

Track-01: Maxwell – “Sumthin’ Sumthin'” (1996)
Track-02: Sade – “Nothing Can Come Between Us” [Official Video](1988)

 

「Sade」のメンバーが創り出すサウンドには、「1mm」の隙さえ見つからない。
まさに「完璧」の一言。

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.5【GrooveTheory / Amel Larrieux】

いつもご訪問ありがとうございます。
大型連休も後半になって、ようやく天候が安定してきたようです。
そろそろいろんな意味で疲れが出てくる頃でしょうか。そんな時は、ちょっとばかり懐かしい「メロウなサウンド」に、再び触れてみるのもいいかもしれません。

 

 

「Mellow Classics Vol.5」でご紹介するのは、米国ニューヨーク出身の女性R&Bシンガーソング・ライター『Amel Larrieux』(アメール・ラリュー)
そして『Groove Theory』(グルーヴ・セオリー)とは、プロデューサーの「Bryce Wilson」(ブライス・ウィルソン)「アメール」の二人組のユニット。1995年にリリースされたデビューアルバム「Groove Theory」からのシングル『Tell Me』(テル・ミー) がいきなり「Billbord Hot 100」で5位まで上昇する大ヒットを記録し、僅かアルバム1作品だけを発表し解散してしまった「伝説のユニット」として、R&B/Soulファンの間では永く記憶されています。(2010年に再結成し、Blue Note 東京での来日公演以外には、未だ動きがない様子)
1980年代初頭にヒットした「Mary Jane Girls」(メリー・ジェーン・ガールズ)の「All Night Long」の特徴あるベース・ラインをサンプリングしたことで、当時大変話題となった『Tell Me』(テル・ミー) での「グルーヴィー」な印象が強い「アメール」のヴォーカル・パフォーマンスですが、アルバムに収録されたその他の作品やソロになってからの作品においては、ソウルフルでもありJazzyでもあり、とにかくエモーショナルで繊細な表現を可能としたスキルフルでチャーミングなヴォーカルを聴かせてくれる、世界中を見回しても実に稀有な存在のシンガーと言えるでしょう。

 


Track#1 – “Keep Tryin'”
Track#2 – “Tell Me”
(album: Groove Theory – 1995)

 

ソロになってからの「アメール」は1999-2013年の間に計5枚のアルバムをリリースしていますが、いずれも「One & Only」な彼女独自の世界観に溢れる作品群となっています。
また世界中のプロデューサーからのラブ・コールもひっきりなしで、ゲストやフィーチャリング・ヴォーカリストとして招かれることが多いのも、彼女の特徴となっています。
中でも、4人組のバンド『SADE』の象徴的ヴォーカルの「Sade Adu」(シャーデー・アデュ)を除いたメンバーの「Stuart Matthewman」(ステュアート・マシューマン)を核とした3人のメンバーだけで活動をする別ユニットの『Sweetback』の1stアルバムに収録された『You Will Rise』での歌いっぷりは、まさにアルバムの白眉となりました。

 


Sweetback – “You Will Rise” ft. Amel Larrieux
(album: Sweetback – 1996)

 

日本が誇るクリエイター・奇才「大沢伸一」のソロ・プロジェクトとして、常に世界中から注目されている『Mondo Grosso』のアルバムに収録された作品、『Now You Know Better』でもその美しいヴォーカルを披露しています。

 


Mondo Grosso W/ Amel Larrieux – “Now You Know Better”
(album: MG4 – 2000)

 

国内のアーティストとしては特別で破格な存在の「宇多田ヒカル」も、「大きな影響を受けた」と公言するほどの『Amel Larrieux』(アメール・ラリュー)。ぜひとも覚えておいて欲しい稀有なアーティストの一人です。

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.4【Maxwell】

いつもご訪問ありがとうございます。
そろそろ連休も折り返したところですが、訊けばやはり「10連休中」という方が大半を占めるようで、どこへ行っても人混みは避けられないでしょうから、こんな時はちょっと懐かしめの音楽に、久しぶりに浸るのも悪くはない選択ですよ。

 

 
さて「新元号」の時代に突入したとはいうものの、「温故知新」をテーマに「メロウなクラシック・R&B/ソウル」作品群に光を当てようといった意図の新コーナー「Mellow Classics」ですが、第4弾目となる今回は、お待ちかね(かどうかは分かりませんが)の、『Maxwell』(マックスウェル)を取り上げます。

『Maxwell』(マックスウェル)は、1990年代後期の大きなムーブメントといっても過言ではない「ネオ・ソウル」、後に日本国内では独自に「ニュー・クラシック・ソウル」と称されるカテゴリーに於いて、一足先にアルバム『Brown Sugar』で衝撃のデビューを飾った『D’Angelo』(ディアンジェロ)や、「マックスウェル」の後にデビューすることになる「Erykah Badu」(エリカ・バドゥ)らと共に、あの時代の「R&B」の潮流を大きく変えていくほどの影響力を持った活動を展開していました。

「マックスウェル」はそんな「ネオ・ソウル」系アーティストの中でも「魁」であると同時に、破格の存在感を見せつけました。1996年にリリースされたデビューアルバム『Maxwell’s Urban Hang Suite』は、美しいメロディセンスと卓越したファルセットをを武器に、あの『SADE』を率いる「ステュアート・マシューマン」を中心に据えたプロデュース力と鉄壁のアレンジ/サウンドで、その洗練されたイメージが圧倒的に支持され、「デビュー作にして最高傑作」と言わしめた同アルバムは世界中で200万枚を超えるセールスを記録。その快進撃振りが、後のグラミー受賞へと繋がっていったのは、この種のサウンドがお好きな方なら既にご存知の通り。

 

Track#1 – “Ascension (Don’t Ever Wonder)”
Track#2 – “Sumthin’ Sumthin'”
Track#3 – “Whenever Wherever Whatever”
(album: Maxwell’s Urban Hang Suite – 1996)
 

もともとスロウ・ペースで寡作なタイプの「マックスウェル」ですが、2009年に8年ぶりにリリースした『BLACKsummers’night』、更にそれから7年後の2016年にリリースの『blackSUMMERS’night』ときて、いよいよ10年後の今年2019年、「3部作」の完結編となる『NIGHT』が、ようやくリリースされることが発表されています。先行シングルもすでにリリースされていますが、さてどんな内容となるのでしょうか。期待して待ちたいところです。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.224【Kejam】

いつもご訪問ありがとうございます。
いよいよ今日で、「平成」ともお別れですね。平成最後の今日は、ちょっと冷たい「雨」の一日でした。

 

 

思い返せば、平成22年(2010年)の暮れから、『Mellows』のOPENに向けてスタートした当ブログですが、気がつけばあっという間の10年目に突入で、時の流れのスピードに改めて驚きを隠せません。
開設以来、当サイトの中心的なシリーズとして、皆さんから育てていただいた『Mellow Tunes』も、「平成」の時代としてはこれが最後なりますね。
さてそして今日ご紹介するのは、これまであまり紹介してこなかった英国発の「UK Soul」のアーティストの作品を取り上げます。

『Kejam』(ケイジャム)は、英国発のソウル・シーンで活躍するプロデューサーの一人です。
UKソウル・シーンといえば昔から、「Quiet Storm」ブームの中心的な存在で、もはや伝説になりつつあるバンド『SADE』や、「グランド・ビート」を世に広めるきっかけともなった大所帯のソウル・バンド『Soul II Soul』であるとか、なにせ「洗練されたサウンド」といった印象が非常に強いのが特徴です。
先日の松尾潔さんの「メロウな夜」の放送の中で、松尾さんとゲストの平井堅さんが、「ロンドン・レコーディング」の際に感じた印象を語っていましたけれども、「UK」にせよ「その他の欧州各国」にせよ、R/Bの出自である「米国」の流行を取り入れつつ、自分たちなりに咀嚼して、結果として導き出されてきたサウンドは、洗練されたアレンジが施されたりして、付加価値が更に高まった上で、アウト・プットされてくるようなところがありますね。

『Terry Harris』(テリー・ハリス) / 『Lisa Taylor』(リサ・テイラー) / 『Juanita Wynn』(ワニータ・ウィン)等々、UKソウル・シーンに限らず注目の実力派シンガーを「featuring Artist」として配置した、近年によく見られる、有能なプロデューサーやアーティストが採択する手法で、『Kejam』は作品をリリースしています。最終的に「いいもの」が出来上がるのであれば、今後もこういった「分業制」の流れというのは、悪い傾向ではないと思います。
(参考までに、プレイ・リストのTrack#1KEJAM – “LET IT GO” feat. Juanita Wynn』は、リリースされて間もないのですが、早くも4/25付けの「UK Soul Chart」で2位まで上昇中)

 


Track#1 – KEJAM – “LET IT GO” feat. Juanita Wynn (2019)
Track#2 – KEJAM – “2 Can Play” feat. Terry Harris (2017)
Track#3 – KEJAM – “Can You Feel the Love” feat. Lisa Taylor (2015)

 

「配信」や「ストリーミング」の時代となった現代、「アルバム」単位でアーティストや作品を評価するのが難しくなってきている以上、ある意味「切り売り」するには都合がいいのかもしれません。個人的にはちょっと寂しい傾向なんですけどね。そういった「音楽の聴き方」そのものに大きな変化が訪れたのが、僕個人にとっては最も大きな「事件」でもあり、「平成」という時代における「音楽」を取り巻く環境の大変化でした。
さて、今後はどんな風に変わっていくのか、想像もつきませんが、いつの時代においても「いいものしか残らない」という「真理」は変わらないのでしょう。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.178【Ella Mai】

いつもご訪問ありがとうございます。
立秋が訪れ、また新たな台風が次々にやってきて、こんな風にして少しずつ季節は「秋」へ向っていくのでしょう。
さて、世間ではいよいよお盆休みのスタートですね。あいにく僕はといえば、この時期は酷暑のうえに仕事が慌しい時期となり、例年心身共にグッタリな日々を送らざるを得ません。更新が少々遅れがちとなりますが、どうかご容赦ください。

 

 

 

 

忙しさと暑さ故に、耳にする音楽もできるだけ「Cool」で涼やかな響きを持った楽曲やアーティストを意図的にチョイスすることになるわけですが、そんなタイミングで一人のUK出身の若き女性アーティストのご紹介です。

このサイトからもLINKさせていただいている、音楽プロデューサー「松尾潔」さんのFMラジオ番組『松尾潔のメロウな夜』でも、再三取り上げられている期待のR&Bアーティスト『Ella Mai』(エラ・メイ)ですが、英国ロンドン出身の彼女が数年前に大西洋を渡り、自作曲を「YouTube / Instagram / Soundcloud」等の動画投稿サイトにUPし続け、西海岸LAを拠点とする実力派プロデューサー「DJ Mustard (マスタード)」の目に留まったところから、彼女のサクセス・ストーリーが始まったとのこと。
2017年2月にリリースされたEP「READY」に収録された『Boo’d Up』(ブード・アップ)は、地元ラジオ局を中心にブレイクし、その後一気に米国中を席捲していくことになったそう。
今では彼女の名刺代わりとなった『Boo’d Up』は、弱冠23歳という年齢の女性としては余りある、安定感のある歌唱力はもちろん「クール」で「エモーショナル」な表現力を出し切った感のある、そしてどこか80-90年代の香りがする、美しいスロウ・ジャムに仕上がったような印象を受けます。
僕がいろいろ書くよりも、時系列による彼女のサクセス・ストーリーとブームについての詳細な解析は、松尾さんも懇意にしているヴェテラン音楽評論家の「吉岡正晴」さんのブログ記事を、ぜひともご覧ください。

 

Ella Mai – “Boo’d Up”

 

今日現在でYouTubeでの再生回数が「1億8千万」を数えるほどになった、この「Boo’d Up」ブームをもってして、ただただ凄いなと感心するのは、今年2018年になって起こったこの「Ella Mai」現象を、昨年からずっと自身の番組内で継続的に取り上げていた、松尾さんのアンテナや嗅覚には、もはや「驚き」しかありません。

現代的なHIP-HOP寄りの若きアーティストの一人なのかもしれませんが、『Ella Mai』(エラ・メイ)というこの不世出な女性アーティストに対して僕が感じているのは、20世紀に突如として現れたあの「SADE」 (シャーデー)にも通ずるような、「21世紀版の Quiet Storm」が出現したような感覚とでも言いましょうか、そんな印象を強く受けています。
今後もしばらくは、『Ella Mai』(エラ・メイ)からは目が離せませんね。

 

Mellow Tunes ~ Vol.168【Daniel Caesar】

いつもご訪問ありがとうございます。
事故以来、ちょっと仕事以外でキー・ボードを叩くのがシンドイ時があって、なかなか更新できずにすみません。
まもなく新緑の5月も終わろうとしていますが、例年よりも早い春の到来からすべてが前倒しで、個人的には心底嫌いな暑い季節が、ちらちらとすぐ目の前に見え隠れしているような、ここ最近の関東地方の気候です。暑い季節には、正直なところ「Mellow」な音楽は不向きであり、やはり肌寒い秋から冬にかけてが「旬」であり「Best Season」であることは間違いありません。「早く秋が来ないか」と、もうそんなことを考えている不届き者です。
日中はもう夏のようですが、夜明け前などは気温もぐっと下がって、朝焼けなどが美しい時期でもありますね。

 

 

さて久しぶりに更新する今回の「Mellow Tunes」ですが、昨年あたりから北米のみならず世界中から大変な注目を集めている、カナダはトロント出身のR&B界期待の New Star「Daniel Caesar」(ダニエル・シーザー)のご紹介です。ジャマイカ出身のゴスペル・シンガーを父親に持ち、幼少の頃からクワイア(聖歌隊)で鍛えられたダニエル・シーザーの音楽的なバック・グラウンドは、特にスロウ・ジャムにおいて顕著となり、極上のファルセットを伴ったその卓越したヴォーカル・スキルは、他を圧倒するほどのものがあります。昨年(2017年)、満を持してリリースされたスタジオ録音アルバムとしてのデビュー・アルバム『Freudian』は、音楽全般とりわけ「Black Music」に大変造詣が深くまたアーティストらへのリスペクトも決して忘れることのない、偉大な「Barack Obama」(バラク・オバマ)前大統領の「Favorite Song List 2017」に、作品がリストされていたことは、今でも語り草になっているくらい。オバマ前大統領は、二年前にも「プリンス」逝去にあたり、公式に出した追悼コメントに、世界中の音楽愛好家たちがその慈愛に満ちた言葉に感銘を受けたものでした。

勢いに乗ったダニエルのアルバム『Freudian』は、記憶に新しい今年1月末に行われた「第60回グラミー賞」において、最優秀 R&B アルバム賞へ、そして世界を驚愕させたシングル作品『Get You』最優秀 R&B パフォーマンス賞へと、堂々2部門においてグラミー賞にノミネートされました。
結果はといえば、過去記事で特集したように、まさに時代の寵児となった「Bruno Mars」(ブルーノ・マーズ)による6(7)部門制覇となったことは、皆さんの記憶にも新しいことでしょう。ブルーノの独壇場の舞台裏では、こんな作品もひっそりとノミネートされていたわけです。

「次世代R&B」を体現するアーティストの一人として注目を集める、まだ若干25歳のダニエルが、アルバムのリリース以前に先行して放った出世作『Get You』は、世界を震撼させるだけの楽曲であり、Lyricの内容はR&Bですから当然の如く「sensual(センシュアル)」(官能的)ものとなっておりますが、PVで堪能できるように、それはそれはアンビエントな世界を繰り広げています。かつての80-90年代でいうところの、まだまだ現役の偉大なアーティスト『SADE』で代表されるようなカテゴリー「Quiet Storm」の再来とも言えるのかなと、そんな印象が強く残りました。
とにかくこのグラミーにノミネートされた楽曲の特筆すべき点は、なんと言っても「音数」の少なさではないでしょうか。リズム隊の「ベース」「ドラムス」そして控えめな「ギター」によって構成され、あらゆる無駄な音を削ぎ落としたシンプルなサウンドに、あまりに美しいファルセットのヴォーカルが絡みつくように、静かに静かに独特のグルーヴがうねり続ける、そんな出色の出来の作品となっています。一見すると、ジャマイカの血の影響か、レゲエでも歌い出しそうなルックスですが、アルバムを通しで聴くと、この相当な実力に裏づけされたヴォーカル・スタイルそしてテクニックに、もう何十年も「Black Music」を聴き続けてきた僕も圧倒されっ放しでした。

 


01. Daniel Caesar – “Get You” ft. Kali Uchis [Official Video]
02. Daniel Caesar & H.E.R. – “Best Part”
(Both Songs from the album: Freudian – 2017)

 

今年3月に初来日予定だったダニエルの公演は、残念なことに中止となってしまったようですが、この人の今後の活動に注目したいところです。

以前からずっと申し上げているように、当ブログは最新の作品を中心に且つタイムリーに紹介するサイトではありません。たとえ「古い作品」であれ「すごく古い作品」であっても、僕自身が「これは素晴らしい」と感じたものを、その時点でご紹介していくというスタンスに、これまでもこれからも一切変わりはありません。音楽との付き合い方って、流行だけを追うよりも、そんなのんびりとした付き合い方の方が、絶対楽しいってものです。
人生を変えてしまうほどに、自分にとって大切な音楽に出逢うのに、「早い」も「遅い」もないのです。

 

Mellow Tunes ~ Vol.163【Lindsey Webster】

いつもご訪問ありがとうございます。
暖かい陽気が続いていることもあって、僕の居住する地域でも、今「桜」の花が満開を迎えています。
一年の内のほとんどを「幹」と「枝」ばかりを眺めるしかない「桜」の木々ですが、長くもったところでせいぜい二週間程度しか拝むことのできない可憐な花々は、この国で生活する人々にとって、特に年齢を重ねれば重ねるほど、その存在に対する「愛おしさ」が増してくるものだから不思議です。ふんわりと丸みを帯びたその愛らしさといったら、言葉で表現するのがとても難しいくらいです。

 

 

 

 
これまで何度も取り上げねばと思っていたものの、なかなかチャンスがなく、今回ようやくご紹介する「Lindsey Webster」(リンジー・ウェブスター)ですが、米国は N.Y. をベースに活躍中の「コンテンポラリー・ジャズ」のみならず「R&B」界にまで新風を巻き起こしている、世界中から注目を集めているアーティストです。

最近活動再開が大きなニュースとなった、80年代後半から90年代に世界中の人々を魅了した「Quiet Storm」というカテゴリーの代表的なアーティストといえる、あの「SADE」(シャーデー)と、世界中の音楽評論家の方々から比較されるケースが、なんだか目立つようです。僕自身としては、彼女(リンジー)のデビューアルバムから、今月リリースされたばかりの4枚目オリジナルアルバム「Love Inside」まで聴いてきた上で言わせてもらえば、あまり比較の対象とはならないような気がしています。「SADE」の持つ「無国籍」で「普遍的」な世界観については、やはり「唯一無二」のものだと思うので。そしてリンジーには彼女なりの、個性溢れるヴォーカル・スタイルが備わっており、まだまだ若いですから、これからがますます楽しみなアーティストであることは、間違いありません。

Smooth Jazz界では大物アーティストで知られるトランペッターの Rick Braun(リック・ブラウン)やギタリストの Norman Brown(ノーマン・ブラウン)も参加した、今回取り上げる最新アルバム「Love Inside」からの一曲は、こちらの『Don’t Give Up On Me』という作品です。リンジーの作品群は基本的には「JAZZY」で変調が豊かな作品が多いとはいえ、「Smooth Jazz」「Neo Soul」そして「AOR」的なアプローチのサウンドまでこなすキャパシティの広さには、正直とても驚かされます。キャッチーでメロディックな『Don’t Give Up On Me』は、彼女のこれからの大きな可能性を感じさせてくれる、そんな楽曲となっています。

 

 

ご興味を持たれた方は、こちらの Official へどうぞ。

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.115 【Tommy LiPuma – R.I.P.】

米国のJazz/Fusionのカテゴリーで一時代を築いた大物プロデューサーの「トミー・リピューマ(Tommy LiPuma)」が、二週間前にN.Y.で亡くなった。80歳だったそうだ。


タイミングが悪く記事はUPしなかったけれど、彼の訃報の少し前の2/23には、SOUL/R&Bの世界ではやはり大物シンガーでありプロデューサーでもある、リオン・ウェア(Leon Ware)の訃報が伝えられていた。こちらは享年77歳だった。二人とも活躍のカテゴリーの違いはあれど、実に残念な知らせにがっくり来ているのが正直なところ。リオンについては、また別の機会に記事をUPしようかと思う。
 

今回は、僕が若い頃からとても大きな影響を受けたアーティストたちのレコードの裏ジャケに、かなりの確率でその人の名前が「PRODUCER」としてクレジットされていることが多かった、トミー・リピューマについて、膨大な量の彼の仕事の一部を、少しだけ振り返ってみたいと思う。

Tommy LiPuma (July 5, 1936 – March 13, 2017) was an American music producer. He received 33 Grammy nominations, 5 Grammy wins, and sold more than 75 million albums. LiPuma worked with many musicians, including Barbra Streisand, Miles Davis, George Benson, Phil Upchurch, Al Jarreau, Anita Baker, Natalie Cole, Claudine Longet, Dave Mason, the Yellowjackets, Michael Franks, Diana Krall, Paul McCartney, Ben Sidran, The Crusaders, Joe Sample, Randy Crawford and Dr. John.
[出典] Wikipedia

ウィキペディアの日本語版ではあまりに雑で貧弱かつ少し古い情報だったので、英語版による彼のBIOが上のような感じだ。今年に入ってグラミー賞の受賞式の最中に訃報が伝えられ、当ブログでも追悼記事をUPした愛すべきアル・ジャロウの名も確認できる。いずれにせよ、これだけの大物アーティストたちのサクセス・ストーリーの影には、常にそこへ導くだけのアルバムの製作総責任者である「プロデューサー」の存在が欠かせない。思うに、1970年代~1990年代中期頃における米国の音楽界での「プロデューサー」の役割・権限・責任は甚大であり、それが世界的なレコード(CD)セールスに繋がれば、尚更に大きな影響を及ぼすほどの「最重要」のポストであったことは、現代のそれとは比ではなかったように記憶している。極端な例で言えば、“King of Pop”「マイケル・ジャクソンの誰でも知ってるアルバム「スリラー」や「オフ・ザ・ウォール」の地球規模ともいえるサクセス・ストリーは、超大物プロデューサーであるクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)の存在を抜きにしては語れないし、また70年代の「カーペンターズ」の黄金期を彩った、僕も古くから敬愛するバート・バカラックの存在なども忘れてはいけない。

音楽のカテゴリーはともかく、トミー氏や御大「クインシー・ジョーンズ」だけでなく「アリフ・マーディン」「フィル・ラモーン」、エンジニア出身で有名な「アル・シュミット」そして少し遅れてデイヴィッド・フォスターなども、大きな影響力を持つプロデューサーとして広く認知されていたことは、僕と同じ時代を生きてきたブログ・リーダーの方々であれば、「そうそう」と頷いてくれていると思う。

この時代のプロデューサーというのは、自身がミュージシャン出身であっても自分で楽器を担当したりすることなく、とにかく「アルバム製作」における、起用するミュージシャンの手配であるとか、レコード会社との予算編成やプロモーション等々、とにかく「良い作品」を作る為に可能な限り出来ることを全てやるという、いわゆる一流の職人同士を橋渡しする「コーディネーター」としての役割が顕著だったような気がしてならない。古今東西「プロデューサー業」に携わるのは男性が多数ということもあるので、かなりの「男気」と、売り手(レコード会社)と買い手(リスナー)のニーズを嗅ぎ分ける「抜群の嗅覚とバランス感覚」、この時代の「プロデュサー」と呼ばれる職人たちには、そんな能力が今以上に必要とされていたのではないかと思う。

お待ちかねのニュー・アルバムが米国や欧州から空輸されやっと通関が済み、日課のように通った都内のレコード・ショップの店頭に並んだ際、レコードの裏ジャケットにお馴染みのこの人たちの名前とお抱えの超一流スタジオ・ミュージシャンのラインアップを確認しただけで、胸が躍りワクワクしたものだった。TOWER RECORDS」「CISCO」「disk unionの店頭で敢えて『試聴させてください』とお願いすることなしに、かなりの確率でそのアルバムの内容は想像でき、脳内ではそれらしきサウンドが鳴り始めるほどで、またそれだけ彼ら「プロデューサー」の名前が、新譜購入時の「担保」になるほどの存在であったことは、間違いのない事実だった。1980年代の話だけれど、いやあほんとにあの時代が懐かしい。

80年代ボズ・スキャッグスはじめAORの分野で花を咲かせ、いまや「HITMAN」などと形容されるデイヴィッド・フォスター、90年頃から台頭してきたR&B界の二大プロデューサーコンビのベイビー・フェイス&L.A.リード」「ジミー・ジャム&テリー・ルイスなど、アーティストでありミュージシャンでもある彼らは楽器も演奏しバック・コーラスにも気軽に参加したり、また自身の作品だけでなく他人の作品のプロデュースにも広く関わっていくようなプロデュース形態が目立ち始め、「プロデューサー」という役割に徐々に変化の兆しが見られるようになってきたのも、おそらくこの時代あたりからだったような気がする。

まあ呆れるほどいろんなプロデューサーの名前が挙がってしまったけれど、「トミー・リピューマ」とはそんなスーパー・プロデューサーの中でも、玄人受けする「昔気質」のプロデューサーだったと思う。そんなトミー氏の数ある名盤と評価されるプロデュース作品群の中から、相当難しいチョイスとなったけれど、2つのアルバムを取り上げてみたい。

死しても「ジャズ界の帝王」に君臨するあの『マイルス・デイヴィス(Miles Davis)』が音楽活動の最終期に差し掛かる時期の1986年に発表した、世界中で優れた評価を手にしたアルバム『TUTU』。反アパルトヘイト運動の活動家であり、1984年にノーベル平和賞を受賞した「ツツ司教」の名をアルバム・タイトルに冠した本作は、晩年のマイルスのアルバム製作だけでなくライブでの演奏にも常に帯同し、その才能を高く評価された今やスーパー・ベーシストでありスーパー・プロデューサーの名を欲しいままにするマーカス・ミラー(Marcus Miller)」とトミー氏との共同プロデュースとなっている。
マーカスが創り上げた前人未到の重厚な楽曲の数々を、帝王マイルスが自由自在に吹くミュートの効いたトランペットで色を与え、「Soloist (ソリスト) 」の一人として参加しているような、そんな印象が強いアルバムだ。おそらくトミー氏の数あるプロデュース作品の中でも、屈指の傑出した作品となって後世も評価されていくことだろう。帝王マイルスが天に召される生前に、この曲の演奏をライブで体験できたことは、もはや僕の生涯の宝物なのは言うまでもない。

 

Miles Davis – Tutu (album: TUTU – 1986)
 


Miles Davis – “Tutu” Medley (Directed by Spike Lee – 1997)
 

 

そして、もうひとつチョイスしたのは、このブログでも何度も取り上げている英国出身の、僕の中ではこの人たちを越える男女Duoはもう出現しないであろうと思うくらい大好きな、エヴリシング・バット・ザ・ガール(Everything But the Girl: EBTG)が米国進出を賭けてプロデュースをトミー氏に託したアルバム『The Language of Life』が、それだ。
 
1990年にリリースされた、「EBTG」にとって5作目となる本作はデビューアルバムの「EDEN」と並ぶ最高傑作との評価も高く、彼らとしては初の米国でのレコーディングが、トミー氏からの直接のアプローチにより実現したというのは有名な話。トミー氏から「どのミュージシャンを呼びたい?」と尋ねられた彼のコンタクト・リストには、いつでも駆けつけてくれる超一流ミュージシャンの名前がずらっと列記してあったとか。LAのスタジオでのレコーディングにはこれまでトミー氏が懇意にしてきた超一流のミュージシャンがずらりと勢揃いしたこと、既に他界したJAZZ界のレジェンドでもあるサックス奏者のスタン・ゲッツ」「マイケル・ブレッカーら当時考えられる超一流のスタジオ・ミュージシャンらによって繰り広げられたレコーディングは、当時のマスタリング技術面も含め贅沢を極めた作品として、楽曲やアレンジの完成度とともに、当時大変な驚きをもって世界中に知れ渡ったものだった。
 

 

 


Paul McCartney – ‘Kisses On The Bottom’ making story – 2012

そういえば、晩年になって、あの「ポール・マッカートニー」に遂にJAZZ Vocalアルバム『Kisses On The Bottom』までリリースさせてしまったことは、トミー氏ならではの手腕としかいいようがないかも。

 

天才プロデューサーの名を欲しいままにしていた「トミー・リピューマ」の遺作に触れるには、あまりに時間とスペースに限りがあるので、またいつか記事をUPできればと思いながら、彼の偉大な功績を讃えると共に、安らかなご冥福をお祈りしたい。

R.I.P. Tommy…

 

 

AC Tunes ~ Vol.39【Tony Momrelle】

なだかんだとちょっと忙しく、なかなかブログの更新ができないままあっという間の10月突入で、「もう今年もあと3ヶ月か‥」と改めて一年の過ぎる早さを実感しているところです。

さて今回は、10月に入ってすぐに UK から New Album 『KEEP PUSHING』のリリースの知らせが届いた、Tony Momrelle(トニー・モムレル)のかっこよくまさに Adult Contemporary な作品のご紹介です。
トニーについては一度こちらの「AC Tunes ~ Vol.17」でも紹介済みなので、ぜひ参考にしてみてください。相変わらずの Incognito (インコグニート)での活動もさることながら、SADE のツアーのサポートをしたりととても多忙で充実した様子の彼ですが、やはり何度聴いてもあの Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)が乗り移ったかのようなヴォーカル・ワークはとても大きな魅力で溢れています。スティーヴィー本人もトニーのヴォーカル・スタイルが大変お気に入りとのことで、まさに大御所からのお墨付きの、これまた稀有なシンガーといえます。

 


Tony Momrelle / “A Million Ways” (album: KEEP PUSHING – 2015)

 

前回の 「AC TUNES ~ Vol.38」でご紹介した Robin Thicke(ロビン・シック)の作品『Morning Sun』と同様に、1970~80年代の音作りを彷彿させるこの手のアレンジメントは最近の流行のようですが、大好きな時代のサウンドなので個人的には大歓迎ですね。