Category Archives: “Mellow Classics” series

Mellow Classics ~ Vol.42【The Gentle Rain】

本格的な「雨の季節」の訪れとともに、クルマを走らせているといつもの見慣れた窓越しの風景が、すこしばかり違ったものに見えてくるから、梅雨時というのは毎年のことながら不思議な感覚があるものです。我が家の庭の片隅の「青モミジ」と「紫陽花」の共演が見られるのも、この時期特有の風景だったりします。

 

 
こんな雨の季節の風景には、穏かなボサ・ノヴァがよく似合います。『The Gentle Rain』というタイトルのとても抒情的な作品は、既に Jazz/Bossa のスタンダードになっているのは皆さんよくご存じだと思います。
SAX奏者である夫『Jim Tomlinson』(ジム・トムリンソン)のアルバム『Brazilian Sketches』に収録された同楽曲は、妻である人気 Jazzシンガーの『Stacey Kent』(ステイシー・ケント)とのコラボレーションによるもので、ステイシーの鼻に掛かったような独特のヴォーカルとアレンジの巧みさによって、とても洗練された雰囲気の楽曲に変貌しています。

 


Jim Tomlinson Feat. Stacey Kent – “The Gentle Rain”
(album: Brazilian Sketches – 2002)

 

一方、「アントニオ・カルロス・ジョビン」と共に、ボサノヴァの創始者と言われる「ジョアン・ジルベルト」の前妻としても知られる、『アストラッド・ジルベルト』によるシンプルな歌唱と時代を反映したゴージャスなストリングスによるヴァージョンも、やはり捨てがたい魅力で溢れんばかりです。

 


Astrud Gilberto / The Gentle Rain
(album: The Shadow of Your Smile – 1965)

 

「梅雨時」は、何かと体調管理の難しい時期でもあります。「いい音楽」も、ある意味「処方箋」。うまく乗り切っていきましょう。

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.41【Love Won’t Let Me Wait】

関東甲信では「梅雨入り」が発表されてから、ちょうど今日で一週間。僅か一週間とはいえ、米国から火が付いた抗議運動『Black Lives Matter』の世界的な波及など、実に世界が大きく動いた印象が強い今日この頃です。一方国内に目を向ければ、与党から尻尾を切られたばかりの悪徳政治家夫妻が今日逮捕されるに至りました。いったい、安倍政権になって何人の政治家が逮捕されたり、何人の大臣が不祥事で更迭されたんでしょう。「悪人しか政治家にはなれない」と、子供たちに教えているような惨状です。逃げ続けている輩も、内心は戦々恐々としていることでしょう。

 

 

そんな話題とは裏腹に、「雨の季節」の代名詞「紫陽花」が、日を追うごとに美しさを増してきています。これだから、「雨」「Rain」と親和性がよいとされる「Soul Music」は、秋から冬にかけてと同じくらいの、いわゆる「ベスト・シーズン」と言えるでしょう。

さて久々に更新の「Mellow Classics」シリーズですが、古くからの「Soul」ファンの方々でしたら、記事のタイトルの曲名を見ただけで、炎天下のアイスクリームの如く、すでに溶け始めていることでしょう。先日、米国の【SoulTracks】のサイトで紹介されていたのが、『Tony Walk』(トニー・ウォーク)という男性R&Bシンガーによる、Soul Classic の名曲として誉れ高い【Love Won’t Let Me Wait】のカヴァー。
「He has worked over the years with such stars as Aretha Franklin, Billy Preston, Andrae Crouch, Etta James, Miki Howard, and Vesta Williams …」(記事より抜粋)という経歴ながら、バック・コーラス歴が長かったのか、ソロ・シンガーとしての作品のリリースは、おそらく分かっている範囲で、これが3曲目になるのでしょうか。とにかく情報が少ないのですが、近々 Soul Classics を集めたカヴァー・アルバムをリリース予定だそうで、個人的には期待したいアーティストです。

とても Sensual (官能的)なオリジナル作品をヒットさせたのは、ご存知「デルフォニックス」の元メンバー、「Major Harris」(メジャー・ハリス)でしたが、やはり広くこの作品の素晴らしさを世に広めたのは、今年の7/1で「没後15年」になるみんな大好きな「Luther Vandross」による1988年のカヴァーだったと思います。

そんな「トニー」さんの【Love Won’t Let Me Wait】のカヴァーですが、2年前に「ルーサー」のトリビュートアルバム「Ruben Sings Luther: A Tribute」をリリースしている「Ruben Studdard」(ルーベン・スタッダード)が取り入れたのと同じような、「ルーサー・バージョン」を踏襲した、アレンジと歌いっぷりですね。「ルーベンの声は似てるし上手いんだけど、ちょっと違うんだようなぁ..」というウルサ型の貴兄に、ぜひとも聴いていただきたい新たなカヴァーです。

 

Tony Walk – “Love won’t let me wait”
 

さあ、いかがでしたか。どちらかというと、現代のメインストリーム系の「R&B」にもフィットしそうな「トニー」の声質ですが、国内のアーティストでしたら、既にルーサーのカヴァーをされている「和田昌哉」さんですとか「DAISUKE」さんなら、近い感じのカヴァーが実現可能だと思います。ちょっと聴いてみたいですね。

僕も愛して止まない【Love Won’t Let Me Wait】ですが、「過去記事」でも何度か紹介したアーティストのカヴァー、そしてやはり5年前に故人となった「メジャー・ハリス」のオリジナルも含めて PLAYLIST にしてみました。こんなのも、「雨の季節」の過ごし方の一つです。短い時間ですが、Mellow な時間をお楽しみください。

 


Track-1: Luther Vandross – Love Won’t Let Me Wait (from Live at Wembley)
Track-2: Ruben Studdard – Love Won’t Let Me Wait (Ruben Sings Luther: A Tribute)
Track-3: Seal – Love Won’t Let Me Wait (Soul 2)
Track-4: Major Harris – Love Won’t Let Me Wait (original)
*ご注意*4曲目のオリジナルは、イヤフォンまたは小音量にて
電車内では特にお気をつけください(笑

この楽曲ついては、ご同輩の皆様がよくご存知の通り、プロ・アマ問わず、たいへん多くの世界中のアーティストたちがカヴァーしています。歌ものだけでなく、インストものでのカヴァーが多いことはよく知られています。なんといっても、「ルーサー」版のソプラノ・サックス・ソロなど、あれだけで泣けてきますし、無理はありません、このグルーヴとメロディですからね。
もし「Twitter」での反応などがよければ、これ一曲だけで「シリーズ化」もありかな、なんて考えています。

 

RMKS:
すでにお知らせの通り、5月末より「Twitter」をスタートいたしました。ブログ記事は下調べだとかも含め、UPするまでにどうしても時間を要するため、時短が必要とされる時は、「Twitter」 上での発信が増えつつあります。ただ、ブログ上では瞬時に伝えきれないような情報など、「時事問題」等々クロス・オーバーなトピックもあるので、うまく使い分けができたらと試行錯誤しております。時間に追われる、勤め人の悲しい性ですが、どうかご了承ください。

 

 

Mellow Classics ~ Vol.40【People Get Ready】

全米各地や香港などが騒然としている中、気付けばそろそろ国内では「梅雨の走り」あるいは「入梅」の季節に。日中はもう真夏日に達するほど、蒸し暑い日が続いたりと、なんだかお天気も忙しい。

 

 

世界中がまだコロナ禍から依然として平常時に戻れない中で、米国では一人の黒人男性「George Floyd」(ジョージ・フロイド)氏の死をきっかけとして、この事件に端を発した大小様々な抗議活動が、全米だけでなく世界の主要都市にまで波及している。
白人至上主義の現大統領の下、全米各地でのデモは一部過激さを見せてはいるものの、これまでのそれとは違った様子も窺える。「暴力だけに訴えても、何の解決にもならない」といった、一歩進んだ印象を、メディアによる報道のあちらこちらで感じ取ることができる。こういう時こそ、「SNS」の理想的な利用が望まれる。「fb」社のザッカーバーグ氏が言い逃れをするように、誰がその判定をするのかについてはまだまだ議論の余地があるけれど、過激で誤った使い方と判断されるアカウントや言動は、たとえそれが合衆国大統領のものであっても、日本国首相であっても、規制や削除されて然るべきだと思う。運営側には勇気をもって対応してもらいたい。

 

こんな時に脳裏をよぎるのが、「公民権運動」が活発だった頃より民衆に常に寄り添ってきた歌『People Get Ready』だ。作者の『Curtis Mayfield』(カーティス・メイフィールド)が在籍した「The Impressions」がオリジナルをリリースしヒットさせたのが1965年だから、世に出てすでに「55年」という途方もない月日が流れている。にも拘わらず、いまだその当時と変わらぬ黒人への人種差別が、米国の現代の日常に当たり前のように横たわっている。実にやるせない。
とはいえ、黒人アーティストだけでなく白人アーティストによるカヴァーも少なくない、人種を超えて多くの民衆に届くこの楽曲は、力強い希望に溢れたリリックとメロウなメロディと共に、これからも世紀や時代を超えて未来永劫歌われ続けていくのであろう。

 


“People Get Ready” (1965)
Track-1:  Curtis Mayfield
Track-2:  Seal
Track-3:  Marc Jordan

1965年にリリースされた、ゴスペルの影響が濃厚なこのスピリチュアルな楽曲は、信仰について歌ったというだけではなく、その当時の黒人の社会的地位向上を目的とした「公民権運動」と、切っても切れない関係となった。

“People Get Ready”
さあみんな 用意はできたかい。列車がやって来る。荷物も切符もいらない。神に感謝さえすれば、約束の地に連れて行ってもらえる。信仰心こそが扉の鍵。でも希望を持たない罪人に席はない。ただ主に感謝するだけ。

Lyric:

People get ready, there’s a train a comin’
You don’t need no baggage, you just get on board
All you need is faith to hear the diesels hummin’
Don’t need no ticket, you just thank the Lord

People get ready for the train to Jordan
It’s picking up passengers from coast to coast
Faith is the key, open the doors and board ‘em
There’s hope for all among those loved the most.

There ain’t no room for the hopeless sinner
Who would hurt all mankind just to save his own
Have pity on those whose chances grow thinner
For there’s no hiding place against the Kingdom’s throne

So people get ready, there’s a train a comin’
You don’t need no baggage, you just get on board
All you need is faith to hear the diesels hummin’
Don’t need no ticket, you just thank the Lord

written by Curtis Mayfield

 

知っているご同輩の皆さんはもちろん、初めて触れた方も、『Someday We’ll All Be Free』と共に、ぜひあなたの大切な友人に教えてあげて欲しい。現実がそんな生易しいものではないのは分かっている。とはいえ、これらの作品を知っているかどうかということだけでも、人種差別撤廃に歩みを一歩進めることができるはずだから。

 

 

Mellow Classics ~ Vol.39【Keith Sweat】

いつもご訪問ありがとうございます。
ここ数日間、気温の低い雨模様のお天気が続いています。
一都三県を除き、緊急事態宣言が解除されたからといって、一度変更を余儀なくされた新たな生活様式が急に過去のそれに戻るわけでもなく、いやでも神経を擦り減らす日々が続きます。
来週早々には、残る首都圏に於いても状況が改善され、多くの規制が解除される方向に向かうことを、心より祈念しております。

 

 

雨降りが続くからといっても、外に出たい気持ちを抑えるのは難しいもの。
スロウ・ジャムの名曲『In The Rain』の中で「I wanna go outside in the rain …」と朗々と謳いあげるのは「Keith Sweat」ですが、リリースされた33年前から何度も何度も繰り返し聴いた作品ですが、本当に素晴らしいとしか言いようがありません。
そういえば「キース」をしみじみと聴くのも、2月17日開催の「松尾潔」さん主催の第4回『松尾潔のメロウな夜間授業』〜R&Bの愉しみ〜『キース・スウェットと「ニュー・ジャック・スウィング」』以来かもしれません。「成功者はなぜか、派手なセーターを着ている」という、松尾さんなりの仮説を披露されたとても楽しかった授業でしたが、あの夜のことがなぜだかもうずいぶん昔の出来事のように感じてしまうのは、それだけインパクトのある状況が地球上で起こったからに他なりません。計10回(+1)の授業が予定されていますが、この非常事態が去って落ち着いた頃には、いつか再開してくれるものと願います。
もちろん、多くのアーティストの皆さんの、中止や延期を余儀なくされている大切なライブや公演も含めて、文化的な催しが一つでも多く再び開催できる日がやって来ることを、心より祈っています。

 


Keith Sweat – “In the Rain”
(album: Make It Last Forever – 1987)

 

どうやら、週末の前半も雨模様らしい。なんだかもう「梅雨の走り」なのだろうか。

 

海外アーティストはさておき、国内アーティストの記事をUPした際は、可能な限りアーティストの方やマネジメント事務所宛てにメールで、記事内容に間違いや修正すべき点がないかどうかを確認していただくようにしているのですが、最近はほとんどのアーティストの方への連絡手段がメールではなく、「Twitter」のDMや各種SNSに変わってきていて、僕の場合普段使いのLINE以外に「SNS」のアカウントを所持していないことで、何かと不都合が生じるようになってきています。これまでは色々と考えるところがあって、敢えて「SNS」には対応してこなかったのですが、ブログ・リーダーの皆さんからも、「ぜひSNS対応を」とのお声を多数頂戴しております。音楽家の方々からは「Twitter」を、写真家の方々からは「Instagram」をと、正直なところそんなご要望が少なくありません。時代と共にコミュニケーションの手段が変化していくのは当然といえば当然なので、あくまでブログ記事の更新通知のような補完機能的な位置付けで、まずは「Twitter」のアカウントを準備しようかと思案中です。そんな訳で、少しお時間をくださいね。準備が整い次第、当サイト上でお知らせいたします。

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.38【Bill Withers ~ R.I.P.】

世界中が「コロナ禍」で騒然としている中で、長い R&B/Soul の歴史の中でも、レジェンド中のレジェンドとして幅広いジャンルの多くの現役アーティストからも、熱狂的なリスペクトを集めてきた『Bill Withers』が、3/30日に米国・LAで亡くなった。享年81歳。患っていた心臓の病気に起因するものだということを伝え聞き、コロナ・ウィルスによるものでなかったことが、多くファンのにとっては、ある意味唯一の救いかもしれない。

 

 

振り返れば、高校2~3年の頃に凄まじい勢いで流行した、人気サックスプレイヤー「Grover Washington Jr.」のアルバム「WINELIGHT」に収録された20世紀の傑作『Just the Two of Us』が、僕自身にとって「ビル・ウィザーズ」との出逢いだった。
AM/FMラジオはもちろん、ふらっと入った喫茶店で、不定期に輸入盤のレコード探しで実家のある埼玉から都内に出かけた先の「渋谷」や「お茶の水」辺りの路上でも、後に都内の大学に通う日々のとにかくいたる場所で、『クリスタルの恋人たち』とちょっと赤面してしまいそうな邦題の付いた『Just the Two of Us』は、数年間は街のBGMであるかのように、常に耳に入ってくる作品だったことを、今でも鮮明に記憶している。
FUSION 音楽が大流行していた当時から、大好きだったサックス・プレイヤーの「ナベサダ」こと「渡辺貞夫」氏の、レコーディングやツアー・メンバーとしてクレジットされていた「ラルフ・マクドナルド」「リチャード・ティー」「スティーヴ・ガッド」「エリック・ゲイル」らを筆頭に、若き日の「マーカス・ミラー」を含めNY の第一線級のスタジオ・ミュージシャンたちがこぞって参加した「グローヴァー・ワシントン・ジュニア」の最大ヒットアルバムとなった「WINELIGHT」とは、そんな意味でも僕自身にとってはとにかく特別な想いのあるアルバムだ。そして、「ビル・ウィザーズ」の「唯一無二」のヴォーカルに出逢った衝撃は、当時多感な18歳前後の自分にとっては、ある意味その後「Soul」「Jazz」といった黒人音楽への扉を開かれたような、そんな印象が今となっては強く残っている。

 


Track-1: Grover Washington Jr. – Just the Two of Us (feat. Bill Withers) – 1980
Track-2: Toshi Kubota Ft.Caron Wheeler – Just The Two Of Us – 1991

「久保田利伸」氏の同楽曲のカヴァーについては、「松尾さん」のラジオ番組「メロウな夜」での談話・エピソードが印象的です。ぜひご一読を。

 

多くの音楽好きな人々が同じ道を辿るように、僕自身「ビル・ウィザーズ」の音楽を遡っていくうちに、実質的にはとても短いといわれる彼の活動期間である約15年間にリリースされた、10作にも満たないアルバムすべてに触れることになるわけだけど、R&B/Soul の歴史を辿るロード・ムービーをずっと鑑賞しているような感覚を持たずにはいられない。

そんな彼が遺してくれた、“Ain’t No Sunshine” (1971), “Grandma’s Hands” (1971), “Use Me” (1972), “Lean on Me” (1972), “Lovely Day” (1977)といった誰しもが挙げる名曲の数々の中でも、僕がいちばん愛して止まないのが『Hello Like Before』。古くは「ナンシー・ウィルソン」だとか、最近では「ホセ・ジェイムズ」だとか、多くのアーティストによるカヴァーも発表されているけれど、やはりオリジナルの持つ素晴らしさにはなかなか抗えないもの。

 


Track-1: Bill Withers – “Hello Like Before”
(album: Making Music – 1971)
Track-2: Bill Withers – “Let Me Be the One You Need”
(album: Menagerie – 1977)

 

Soul Music の素晴らしい世界へと導いてくれたレジェンド「ビル・ウィザーズ」の、ご冥福を心よりお祈りします。素敵な音楽の数々を、ありがとうございました。

Rest In Peace, Bill ..

『Bill Withers』についてご興味を持たれた方は、よろしければ過去記事などもご覧ください。

 

我が国の名ばかりリーダーとは違って、こんな時にこんなメッセージを出せる、元米国大統領の「バラク・オバマ」氏の偉大さに、改めて感動。

 

さて現実の世界では、まさに「緊急事態宣言」前夜でありますが、仕事を休むことができないので、この辺りにしておきます。Key Word は『Stay Home』ですよ。

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.37【”3T” ft. Michael Jackson】

4月に入り、朝晩と日中の気温差が激しく変化するように、身の周りでも多種多様なルールや規制が決められてゆき、多くの人々があらゆることに対して「疑問符」を持つ今日この頃。
こんな時だからこそ、この人の与えるヒーリング・パワーに、耳と心を委ねてみたい。

 

 

元々は、1995年にリリースされた「Michael Jackson」(マイケル・ジャクソン)のアルバム「HIStory」に収録予定だった作品『Why』は、後にデビューする予定になっていた、マイケルの可愛がっていた3人の甥っ子たちに譲られることになった。
「Taj Jackson / Taryll Jackson / T.J. Jackson」三人の頭文字を取って『3T』と名付けられたヴォーカル・グループは、叔父のマイケルのプロデュースによって、アルバム「Brotherhood」で Epic よりデビューを飾った。

 


“3T” ft. Michael Jackson – “Why” (Official Video)
(album: Brotherhood – 1995)

 

マイケルが譲ったという、美しくも儚いスロウ・ジャム『Why』のソング・ライティングは、言わずと知れた『Kenneth “Babyface” Edmonds』。悪いわけがない。
昨年、「松尾潔」氏が教えてくれた『On The Line』と同様に、「ベイビーフェイス」「マイケル」のケミストリーは、やはり想像の域を遥かに超えている。今となっては叶わぬ夢とはいえ、二人の天才によるもっと多くの共同プロデュース作品を聴いてみたかった。

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.36【Deborah Cox】

本来この時期に催される多くの式典やイベントの、脇役として文字通り花を添える「サクラ」も、例年より早すぎた開花のタイミングと、この数日間の花散らしの雨の影響もあって、そろそろ散り際を迎える頃。来年こそは、「いつも通りの春」を迎えることができることを、切に願う毎日。

 

 

今を遡ること約50年前の1971年、「Thom Bell / Linda Creed」によって生み出され、「The Stylistics」による大ヒット以降、フィリーのソウル・クラッシックとして永遠に歌い継がれる名曲『You Are Everything』は、以降多くのカヴァーやレンディションが星の数ほどリリースされてきた。中でも、米国のコメディ映画「Money Talks」(1997年)のサウンド・トラックに収録された、カナダ出身の実力派R&B女性シンガー『Deborah Cox』(デボラ・コックス)による、同曲をサンプリングした『Things Just Ain’t the Same』は、原曲の上品で切ないフィリーらしさ強調した、素晴らしい作品となったことは記憶に新しい。
「デボラ」の代表作品『Nobody Supposed To Be Here』と同じスタッフ/クルーによると思われる Music Video の出来映えも、楽曲の素晴らしさを増幅しているような気がしてならない。

 

Deborah Cox – “Things Just Ain’t The Same” (Official Music Video)
(album: Money Talks [soundtrack] – 1997)
 

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.35【Jimmy Scott】

こんな不安なときだからこそ、「サクラ」の姿カタチをひっそりと愛でたっていい。
宴会やるわけじゃないんだから。

 

 

久しぶりに聴く『Jimmy Scott』(ジミー・スコット)の優しさといったら、それはもう上手く言葉で伝えるのが難しいくらい。

 

Track-1: “All the Way”
Track-2: “Embraceable You”
Performed by: Jimmy Scott
(album: All the Way – 1992 / Produced by Tommy LiPuma)
 

 


Jimmy Scott – The Documentary film “I Go Back Home”

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.34【Chapter 8 / Anita Baker】

緊張感が続く毎日とはいえ、この時期にしかお目にかかれない「サクラ」などを、あくまでひっそりと、愛でることくらい許されたっていい。なぜなら確実に、季節は巡ってくるのだから。

 

 

Michael J. Powell(マイケル・J・パウエル)プロデュースによる「Soul Classics」が、やけに優しく聴こえる夕暮れ時。

 


Chapter 8 – “This Love’s For Real”
(album: This Love’s For Real – 1985)

 


Anita Baker – “Caught Up In The Rapture”
(album: Caught Up In The Rapture – 1986)

 

 

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.33【Norman Connors】

それぞれの生涯において、出逢いや別れの季節「春」の到来だというのに、あまりに世界の動きが慌ただしい。
なんだか状況は違えども、2011年のあの頃の不安にも似た日常が、世間をまた覆いつつあるような気がするのは、考えすぎなのだろうか。

 

 

そんな時にこそ、「音楽」が欠かせないもの。そう言えば、今は無き実店舗「Mellows」もそうした厳しい状況の下で、産声を上げたことを懐かしく思い出す。

新しいものよりも、むしろ「クラッシック」な「極上メロウ・チューン」が、今は優しい。
フィアデルフィア出身のジャズ・ドラマー/コンポーザーである、御大『Norman Connors』(ノーマン・コナーズ)が、若き日の『Glenn Jones』(グレン・ジョーンズ)をゲスト・ヴォーカリストに迎えた珠玉のバラッドが、時代を超えて語りかけてくるようだ。

 

Norman Connors feat. Glenn Jones – “Melancholy Fire”
(album: Take It To The Limit – 1980)

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.32【Glenn Jones】

「三寒四温」という言葉を使うのが、やはり適切な、ここ数日間のお天気。
目に見えぬ得体の知れない未知の対象物に立ち向かわざるを得ない状況下であっても、「音楽」のある日常を、なるべくならば忘れずにいたいもの。

 

 

「シルキー」な声を持ちあわせているわけでもなく、また技巧派でもない『Glenn Jones』のヴォーカルは、理屈抜きに聴く者のソウルに訴えかけてくる。「フランキー・ビヴァリー」率いる「MAZE」にも似て、分かる人だけには分かる、そんなアーティストというべきか。

 

Glenn Jones – “Give Love a Chance”
(album: Here I Am – 1994)