Category Archives: “Mellow Classics” series

Mellow Classics ~ Vol.38【Bill Withers ~ R.I.P.】

世界中が「コロナ禍」で騒然としている中で、長い R&B/Soul の歴史の中でも、レジェンド中のレジェンドとして幅広いジャンルの多くの現役アーティストからも、熱狂的なリスペクトを集めてきた『Bill Withers』が、3/30日に米国・LAで亡くなった。享年81歳。患っていた心臓の病気に起因するものだということを伝え聞き、コロナ・ウィルスによるものでなかったことが、多くファンのにとっては、ある意味唯一の救いかもしれない。

 

 

振り返れば、高校2~3年の頃に凄まじい勢いで流行した、人気サックスプレイヤー「Grover Washington Jr.」のアルバム「WINELIGHT」に収録された20世紀の傑作『Just the Two of Us』が、僕自身にとって「ビル・ウィザーズ」との出逢いだった。
AM/FMラジオはもちろん、ふらっと入った喫茶店で、不定期に輸入盤のレコード探しで実家のある埼玉から都内に出かけた先の「渋谷」や「お茶の水」辺りの路上でも、後に都内の大学に通う日々のとにかくいたる場所で、『クリスタルの恋人たち』とちょっと赤面してしまいそうな邦題の付いた『Just the Two of Us』は、数年間は街のBGMであるかのように、常に耳に入ってくる作品だったことを、今でも鮮明に記憶している。
FUSION 音楽が大流行していた当時から、大好きだったサックス・プレイヤーの「ナベサダ」こと「渡辺貞夫」氏の、レコーディングやツアー・メンバーとしてクレジットされていた「ラルフ・マクドナルド」「リチャード・ティー」「スティーヴ・ガッド」「エリック・ゲイル」らを筆頭に、若き日の「マーカス・ミラー」を含めNY の第一線級のスタジオ・ミュージシャンたちがこぞって参加した「グローヴァー・ワシントン・ジュニア」の最大ヒットアルバムとなった「WINELIGHT」とは、そんな意味でも僕自身にとってはとにかく特別な想いのあるアルバムだ。そして、「ビル・ウィザーズ」の「唯一無二」のヴォーカルに出逢った衝撃は、当時多感な18歳前後の自分にとっては、ある意味その後「Soul」「Jazz」といった黒人音楽への扉を開かれたような、そんな印象が今となっては強く残っている。

 


Track-1: Grover Washington Jr. – Just the Two of Us (feat. Bill Withers) – 1980
Track-2: Toshi Kubota Ft.Caron Wheeler – Just The Two Of Us – 1991

「久保田利伸」氏の同楽曲のカヴァーについては、「松尾さん」のラジオ番組「メロウな夜」での談話・エピソードが印象的です。ぜひご一読を。

 

多くの音楽好きな人々が同じ道を辿るように、僕自身「ビル・ウィザーズ」の音楽を遡っていくうちに、実質的にはとても短いといわれる彼の活動期間である約15年間にリリースされた、10作にも満たないアルバムすべてに触れることになるわけだけど、R&B/Soul の歴史を辿るロード・ムービーのような感覚を持たずにはいられない。

そんな彼が遺してくれた、“Ain’t No Sunshine” (1971), “Grandma’s Hands” (1971), “Use Me” (1972), “Lean on Me” (1972), “Lovely Day” (1977)といった誰しもが挙げる名曲の数々の中でも、僕がいちばん愛して止まないが『Hello Like Before』。古くは「ナンシー・ウィルソン」だとか、最近では「ホセ・ジェイムズ」だとか、多くのアーティストによるカヴァーも発表されているけれど、やはりオリジナルの持つ素晴らしさにはなかなか抗えないもの。

 


Track-1: Bill Withers – “Hello Like Before”
(album: Making Music – 1971)
Track-2: Bill Withers – “Let Me Be the One You Need”
(album: Menagerie – 1977)

 

Soul Music の素晴らしい世界へと導いてくれたレジェンド「ビル・ウィザーズ」の、ご冥福を心よりお祈りします。素敵な音楽の数々を、ありがとうございました。

Rest In Peace, Bill ..

『Bill Withers』についてご興味を持たれた方は、よろしければ過去記事などもご覧ください。

 

我が国の名ばかりリーダーとは違って、こんな時にこんなメッセージを出せる、元米国大統領の「バラク・オバマ」氏の偉大さに、改めて感動。

 

さて現実の世界では、まさに「緊急事態宣言」前夜でありますが、仕事を休むことができないので、この辺りにしておきます。Key Word は『Stay Home』ですよ。

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.37【”3T” ft. Michael Jackson】

4月に入り、朝晩と日中の気温差が激しく変化するように、身の周りでも多種多様なルールや規制が決められてゆき、多くの人々があらゆることに対して「疑問符」を持つ今日この頃。
こんな時だからこそ、この人の与えるヒーリング・パワーに、耳と心を委ねてみたい。

 

 

元々は、1995年にリリースされた「Michael Jackson」(マイケル・ジャクソン)のアルバム「HIStoryy」に収録予定だった作品『Why』は、後にデビューする予定になっていた、マイケルの可愛がっていた3人の甥っ子たちに譲られることになった。
「Taj Jackson / Taryll Jackson / T.J. Jackson」三人の頭文字を取って『3T』と名付けられたヴォーカル・グループは、叔父のマイケルのプロデュースによって、アルバム「Brotherhood」で Epic よりデビューを飾った。

 


“3T” ft. Michael Jackson – “Why” (Official Video)
(album: Brotherhood – 1995)

 

マイケルが譲ったという、美しくも儚いスロウ・ジャム『Why』のソング・ライティングは、言わずと知れた『Kenneth “Babyface” Edmonds』。悪いわけがない。
昨年、「松尾潔」氏が教えてくれた『On The Line』と同様に、「ベイビーフェイス」「マイケル」のケミストリーは、やはり想像の域を遥かに超えている。今となっては叶わぬ夢とはいえ、二人の天才によるもっと多くの共同プロデュース作品を聴いてみたかった。

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.36【Deborah Cox】

本来この時期に催される多くの式典やイベントの、脇役として文字通り花を添える「サクラ」も、例年より早すぎた開花のタイミングと、この数日間の花散らしの雨の影響もあって、そろそろ散り際を迎える頃。来年こそは、「いつも通りの春」を迎えることができることを、切に願う毎日。

 

 

今を遡ること約50年前の1971年、「Thom Bell / Linda Creed」によって生み出され、「The Stylistics」による大ヒット以降、フィリーのソウル・クラッシックとして永遠に歌い継がれる名曲『You Are Everything』は、以降多くのカヴァーやレンディションが星の数ほどリリースされてきた。中でも、米国のコメディ映画「Money Talks」(1997年)のサウンド・トラックに収録された、カナダ出身の実力派R&B女性シンガー『Deborah Cox』(デボラ・コックス)による、同曲をサンプリングした『Things Just Ain’t the Same』は、原曲の上品で切ないフィリーらしさ強調した、素晴らしい作品となったことは記憶に新しい。
「デボラ」の代表作品『Nobody Supposed To Be Here』と同じスタッフ/クルーによると思われる Music Video の出来映えも、楽曲の素晴らしさを増幅しているような気がしてならない。

 

Deborah Cox – “Things Just Ain’t The Same” (Official Music Video)
(album: Money Talks [soundtrack] – 1997)
 

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.35【Jimmy Scott】

こんな不安なときだからこそ、「サクラ」の姿カタチをひっそりと愛でたっていい。
宴会やるわけじゃないんだから。

 

 

久しぶりに聴く『Jimmy Scott』(ジミー・スコット)の優しさといったら、それはもう上手く言葉で伝えるのが難しいくらい。

 

Track-1: “All the Way”
Track-2: “Embraceable You”
Performed by: Jimmy Scott
(album: All the Way – 1992 / Produced by Tommy LiPuma)
 

 


Jimmy Scott – The Documentary film “I Go Back Home”

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.34【Chapter 8 / Anita Baker】

緊張感が続く毎日とはいえ、この時期にしかお目にかかれない「サクラ」などを、あくまでひっそりと、愛でることくらい許されたっていい。なぜなら確実に、季節は巡ってくるのだから。

 

 

Michael J. Powell(マイケル・J・パウエル)プロデュースによる「Soul Classics」が、やけに優しく聴こえる夕暮れ時。

 


Chapter 8 – “This Love’s For Real”
(album: This Love’s For Real – 1985)

 


Anita Baker – “Caught Up In The Rapture”
(album: Caught Up In The Rapture – 1986)

 

 

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.33【Norman Connors】

それぞれの生涯において、出逢いや別れの季節「春」の到来だというのに、あまりに世界の動きが慌ただしい。
なんだか状況は違えども、2011年のあの頃の不安にも似た日常が、世間をまた覆いつつあるような気がするのは、考えすぎなのだろうか。

 

 

そんな時にこそ、「音楽」が欠かせないもの。そう言えば、今は無き実店舗「Mellows」もそうした厳しい状況の下で、産声を上げたことを懐かしく思い出す。

新しいものよりも、むしろ「クラッシック」な「極上メロウ・チューン」が、今は優しい。
フィアデルフィア出身のジャズ・ドラマー/コンポーザーである、御大『Norman Connors』(ノーマン・コナーズ)が、若き日の『Glenn Jones』(グレン・ジョーンズ)をゲスト・ヴォーカリストに迎えた珠玉のバラッドが、時代を超えて語りかけてくるようだ。

 

Norman Connors feat. Glenn Jones – “Melancholy Fire”
(album: Take It To The Limit – 1980)

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.32【Glenn Jones】

「三寒四温」という言葉を使うのが、やはり適切な、ここ数日間のお天気。
目に見えぬ得体の知れない未知の対象物に立ち向かわざるを得ない状況下であっても、「音楽」のある日常を、なるべくならば忘れずにいたいもの。

 

 

「シルキー」な声を持ちあわせているわけでもなく、また技巧派でもない『Glenn Jones』のヴォーカルは、理屈抜きに聴く者のソウルに訴えかけてくる。「フランキー・ビヴァリー」率いる「MAZE」にも似て、分かる人だけには分かる、そんなアーティストというべきか。

 

Glenn Jones – “Give Love a Chance”
(album: Here I Am – 1994)

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.31【LeVert】

すこしばかり気怠さの残る一日の終わりには、結局 Soul Classic な Slow Jam が唯一の処方箋。

 

 

若くして旅立った、Gerald & Sean Levert 兄弟に、想いを馳せる夜更け。

 

LeVert – “All Seasons”
(album: Rope A Dope Style – 1990)

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.30【Blackstreet】

いつもご訪問ありがとうございます。
仕事がお休みだった今日、風もない晴天だったので、いつもの公園でウォーキングを兼ねた散歩へ出掛けた。
園内ではあちこちに「梅の花」の綻びが見受けられ、やはり「春」がもうそこまでやって来ているのを、じんわりと実感する。花という花が見当たらない真冬の間、殺風景な公園の中でひとり気を吐く「寒椿」や「山茶花」たちも、そろそろ主演の役目を終える頃。お疲れさまでした。

 

 

4月に来日予定の「Teddy Riley」(テディー・ライリー)の情報を耳にして以来、ここのところかつて若い頃に沢山聴いた『New jack swing』(ニュー・ジャックス・ウィング)のアーティストたちの作品を聴いている。そんな中でも、やはり「N.J.S.」の創始者と崇められる「テディ」が『Guy』に続いて率いた『Blackstreet』の作品群は、リリースから早四半世紀が経過しようとしているにも拘わらず、2020年の現代に聴いても唸る作品ばかりだ。
歌唱力に定評のある「Dave Hollister」(デイヴ・ホリスター)そして「Levi Little」(リーヴァイ・リトル)が脱退し、新たに「Eric Williams」(エリック・ウィリアムズ)と「Mark Middleton」(マーク・ミドルトン)の二人が新加入後にリリースされた二作目のアルバム『Another Level』は、あの絶賛されたデビューアルバムのまた更に上を行く、まさに「別次元」のアルバムとなって、1996年に世に放たれた。
偉大な『LaFace』『Jam & Lewis』の二組のプロデュース・チームは別格として、「テディ」のビートのみを模倣するだけの多くの物真似フォロワーの登場に嫌気がさしたのか、アルバム『Another Level』には、数多くの「ミディアム/スロウ」な楽曲群が収録され、格の違いを見せつける結果となった。またそれは、「テディ」がただの優れた「トラック・メイカー」では収まらない、稀代の『メロディ・メイカー』であることを十二分に証明していた。そんな優れた一級品の「スロウ・ジャム」の一曲、『I Wanna Be Your Man』は、ソウルの「クラッシック・マナー」で彩られた「Old School」の香りを漂わせる普遍的なナンバーだ。どの作品においてもそうだけれど、「サンプリング」ネタがどうだとか、そんな次元の問題ではない。R&B/Soul 史に残る傑作中の傑作アルバムなのだから。

 


Track 1: I Wanna Be Your Man
Track 2: Taja’s Lude (Interlude)

Blackstreet
(album: Another Level – 1996)

 

『Taja』はテディのお嬢さん。現在は有名なダンサーとして活躍中とのこと。