本来この時期に催される多くの式典やイベントの、脇役として文字通り花を添える「サクラ」も、例年より早すぎた開花のタイミングと、この数日間の花散らしの雨の影響もあって、そろそろ散り際を迎える頃。来年こそは、「いつも通りの春」を迎えることができることを、切に願う毎日。
今を遡ること約50年前の1971年、「Thom Bell / Linda Creed」によって生み出され、「The Stylistics」による大ヒット以降、フィリーのソウル・クラッシックとして永遠に歌い継がれる名曲『You Are Everything』は、以降多くのカヴァーやレンディションが星の数ほどリリースされてきた。中でも、米国のコメディ映画「Money Talks」(1997年)のサウンド・トラックに収録された、カナダ出身の実力派R&B女性シンガー『Deborah Cox』(デボラ・コックス)による、同曲をサンプリングした『Things Just Ain’t the Same』は、原曲の上品で切ないフィリーらしさ強調した、素晴らしい作品となったことは記憶に新しい。これもひとえに、本作のプロデュサーとしてクレジットされている「Keith Andes」氏の力量によるところが大きいと言えよう。
「デボラ」の代表作品『Nobody Supposed To Be Here』と同じスタッフ/クルーによると思われる Music Video の出来映えも、楽曲の素晴らしさを増幅しているような気がしてならない。
Deborah Cox – “Things Just Ain’t The Same” (Official Music Video)
(album: Money Talks [soundtrack] – 1997)