Mellow Classics ~ Vol.29【Blackstreet】

いつもご訪問ありがとうございます。
冬の寒さもピークの二月ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウィルスやインフルエンザと、なにかとネガティブな話題のニュースばかりですが、せっかくご訪問いただいたからには、しばしの間「メロウな音楽」で心を開放してみてはいかがでしょうか。

 

 

1980年~90年代に世界を席巻した感のあった、その当時の「R&B/Soul」ミュージックのサウンドが近年リヴァイヴァル・ブームとなってから久しいですが、このムーブメントの傾向はどうやら本物のようです。
「メロディ」や「グルーヴ」がとても大切にされていた印象の強かったその時代のサウンドを、リアルタイムで体験してきた僕らの世代にとっては、とても懐かしくまた歓迎すべきトレンドで、なんだか理由もなくニヤついてしまうような気分です。ご同輩の皆様にはご理解いただけることと思います。

世界的な「Disco/Funk」ブームからより洗練されたアーバンな「ブラック・コンテンポラリー・ミュージック」の盛り上がりの余波を受けつつ、「ブラック・ミュージック」全般の人気が全盛期を迎える準備が整ったタイミングともいえる80年代後半に、彗星の如く登場したのが「Teddy Riley」(テディー・ライリー) でした。彼が先駆者として世に広めていった、それまでの「Soul Music」とは一線を画す斬新な「R&B」のカタチである、『New jack swing』(ニュー・ジャックス・ウィング)と呼ばれるそのサウンドは、瞬く間に当時の若者たちを中心に時代を飲み込んでいきました。後に「Hip-Hop」が勃興してくるきっかけにも繋がる、まさに「Big Wave」と呼ぶべき現象でした。
そんな天才アーティストの「テディ」がグループのメンバーとして在籍していた『Guy』の活動終了に伴い、90年代に入って新たに編成したグループが『Blackstreet』でした。『New jack swing』は典型的な打ち込みのシャッフル・ビート(スウィング・ビート)と重厚なグルーヴで成り立つサウンドであったものの、そのカテゴリーのパイオニア的存在であった「テディ」の創造するサウンドには、それらと相反するような「極上のスロウ・ジャム」作品も存在していたのが、他の模倣的なアーティストとは決定的な違いでした。2020年になった現代において、レジェンドとして再評価をされるというのは、その辺りにも理由があるのだと思います。

リリースされた4作のアルバムの中でも、1stアルバムの後半に配置されたメロディックなトラック群の中でも、ひと際キラリと光る存在の「スロウ・ジャム」が、今回取り上げる『Tonight’s The Night』です。

 


“Tonight’s The Night” – Blackstreet ft.Tammy Lucas
(album: Blackstreet -1994)

オリジナル・ヴァージョンのリリース以降、多くの Remix ヴァージョンがこれまで出てきているようですが、やはりオリジナルがいちばん好きですね。さりげないホーンの入り方なんかにしても、もう鳥肌もののJazz のエッセンスを感じます。やはり奥が深いですよ、この方の創造する音楽は。

*こちらは日本政府と米国国務省より発令された渡航中止勧告により、残念ですが公演中止となりました↓

そんなテディが4月に来日し、『Billboard Live』の大阪・東京・横浜の3か所で、今回はなんと「New Jack Swing All Hits from Guy and Blackstreet」と銘打ち彼が生み出した名曲の数々を惜しみなく披露してくれる、とのこと。
 
その【来日直前特別講習】として、現在『日比谷ビルボード夜間授業』の一環として開催中の『松尾潔のメロウな夜間授業 〜R&Bの愉しみ〜』の特別講座、『テディ・ライリーと「ニュー・ジャック・スウィング」』の開催が、来る4/6に予定されています。チケットはもう残り少ないようですが、興味のある方はぜひご参加されてはいかがでしょうか。

 

 

 

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