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Mellow Tunes ~ Vol.262【Keith Jarrett】

いくら天気がいいとはいっても、五月上旬の急な「夏日」の連続では、身も心もまだまだ準備が整っていないもの。ましてや、こんな状況下では、尚更のこと。自然の営みのように、何事も「程々」が有難く思える今日この頃。

 

 

5/8で75歳を迎えた Jazz ピアニストの『Keith Jarrett』(キース・ジャレット)が、ちょうど4年程前の2016年3月7日に、ハンガリーの首都ブダペストの国立ホールで行ったコンサートのライヴ音源の未発表曲『Answer Me』を、自身の誕生日に配信リリースした。

1950年代のスタンダード作品『Answer Me』は、古くは「ナット・キング・コール」のカヴァーで広く世に知られるようになり、その後も多くのアーティストによるカヴァーが発表されたそうだ。バックグラウンドはどうであれ、自分自身としては初めて聴く『Answer Me』は、キースが「ECM」レーベルから過去にリリースした多くの美しいバラッドたちと同様に、ピアノの最初の一音が鳴った瞬間に、あっという間にキース独自の世界観へと誘われてゆくようだ。

 


Keith Jarrett / Answer Me (Live from Budapest – 2016)
Released on: 2020-05-08
Producer: Manfred Eicher
Producer, Associated Performer, Piano: Keith Jarrett
Studio Personnel, Recording Engineer: Martin Pearson
Studio Personnel, Mastering Engineer: Christoph Stickel
Composer Lyricist: Fred Rauch
Composer Lyricist: Gerhard Winkler
Composer Lyricist: Carl Sigman

 

こんな状況下での、優しい音色を奏でる楽曲のリリースは、本当に有難い。
思えば、キースの音楽には、困難な時期をいつも救ってもらっている気がする。

『Keith Jarrett』に関する過去記事はこちらへ。

 

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.81 【My Wild Irish Rose / Keith Jarrett】

まだ6月だというのに、気温が30度近い日が続いている。これから到来する本格的な夏に耐えられるのだろうかなどと、思わず自分に尋ねてみたくなるくらいだ。

庭のアジサイが一滴の雫を欲しがるほどに、まとまった雨も一休み中の梅雨時の今日、かつて独立する前に20年以上勤めた会社の後輩というか同僚の女性から一通の葉書が届いた。

「今月末で退社することになりました」とある。
そして「夢に向かっての勉強をはじめようと思っています」とも。

Mellows が閉店する間際にようやく来店が叶い、「こんなに素敵なお店なのに..」と言って、閉店をとても残念がってくれたのが、昨日のことのように思い出された。

「男」であれ「女」であれ、また「父」であれ「母」であれ、自分の「夢」や「希望」に向かって努力する人の姿はいつの時代でも光り輝き、そして目映く映るもの。

 

The Melody At Night, With You

 

大きな薔薇の花束などを用意するほど余裕のない今の僕には、大好きな Keith Jarrett がとびきりの優しさで奏でる “My Wild Irish Rose” を送ることくらいしかできないけれど、どうか彼女の「夢」が、ゆっくりでいいのでいつかきっと「実」を結びますようにと、静かにそっと願わずにはいられない。

 


Keith Jarrett / “My Wild Irish Rose”
(album: “The Melody At Night, With You” – 1998)

 

これまで色々とお世話になりました。そしてお疲れ様でした。どうかしばしの休息を。

 

 

 

優しい音色 Vol.23【Lyricalな響き / Keith Jarrett】

「優しい音色」シリーズも、過去に大変お世話になった方にご不幸があった直後から一度も更新ができずにいましたが、季節も移ろい少し気持ちに整理がつきましたので再開します。

 

The Melody At Night With you

“The Melody At Night, With You”

 

先日、おひとりでよくお店にいらっしゃる写真家の先生と、Keith Jarrett(キース・ジャレット)と Bill Evans(ビル・エヴァンス)のことですこし話をしました。先生もご自身のブログで時折触れていらっしゃいますが、その際話題となった沢山発表されているキースのアルバムのなかでも、シンプルでいてナチュラルなピアノソロ作品『The Melody At Night, With You』から、多くのアーティストが取り上げてきたスタンダード・ナンバーで『I Loves you Pogy』を紹介したいと思います。

参考までに、なぜ「Love」ではなく「Loves」「s」が付くのかには諸説あるようで、ひとつにはこの曲が書かれたジョージ・ガーシュイン作の『ポーギーとベス』(Porgy and Bess)のキャスト全員が黒人によるフォーク・オペラであり、1920年代初頭の米国において好景気に沸く生活とは無縁の南部の黒人居住区に住む貧しいアフリカ系アメリカ人の生活を描いた作品であったため、教育の機会を与えられなかった黒人たちの日常会話をリアルに再現するための表現方法だったとの説があるようです。

まあそんなことよりも、この楽曲もそうですがジョージ・ガーシュイン作曲の作品にしばしば見ることができるあまりに lyrical(叙情的)な響きと美しさは、ピアノ・ソロで最大の魅力を発揮することを、キース・ジャレットの演奏を通して再認識することができます。
『The Melody At Night, With You』は、 キースが慢性疲労症候群という病気でしばらく活動を休止してからの1998年にリリースされた復活作であり、看病にあたった最愛の妻へ向けた、自宅で録音した珠玉のバラッド集として有名です。ぜひアルバムを通して聴いていただきたい作品です。

 


Keith Jarrett / I loves you, Porgy (album: The Melody At Night, With You – 1998)

 

そして、僕の大好きな Bill Evans がトリオで演奏している作品も素晴らしいので、二人のピアニストの表現の違いなどを聴き比べてみるのもいいかもしれません。

Complete Village Vanguard Recordings 1961


Bill Evans Trio / Porgy (I Loves You, Porgy)   (album: Complete Village Vanguard Recordings 1961)

 

※ cafe Mellows の営業は、11/25までの金・土・日の週末となります。ご来店の際は、ご注意くださいませ。

 

優しい音色 Vol.4【Keith Jarrett】

いやあ、今日も寒い一日でしたね。 今朝は、お店のお湯の配管が凍ってしまい、開店直前の10分前にようやく温水が出始めなんとかなりましたが、夜間から早朝にかけての冷え込みの厳しさを感じるここ数日の陽気です。 さて、今日でVol.4となる、「優しい音色」シリーズですが、お店への通勤途中にふとひらめいたのが、「ロンドンデリーの歌」としても知られるアイルランド民謡の “Danny Boy” です。皆さん誰でも一度は聴いていますよね。あえて、そんなものをチョイスしているのですが。 しかし、この音色を「優しい」と言わずして、なんと表現すべきか他に形容詞が見つかりません。 キース・ジャレットが2002年の日本公演の際にプレイした動画と、以前過去の記事でご紹介したこともある、敬愛するビル・エヴァンスの二つのバージョンを紹介します。しみじみと、聴いていただければと思います。そうそう、温かい飲み物を、お忘れなく。

 

Keith Jarrett / Danny Boy (Live in Tokyo 2002)

 

そして、ビル・エヴァンス演奏の “Danny Boy” はこちらへ。どちらも偉大で素晴らしい演奏ですね。

 

Mellow Tunes ~ Vol.130【Prince】

不安定なお天気の続く今年のお盆休みですが、とにもかくにも涼しいのはいいことです。
想定外の涼しさが続くので、夏季としては異例の更新状況となっています。

 

 

前回の記事からの流れで、昨年他界した「紫の殿下」こと Prince(プリンス)をご紹介する、真夏の第二夜です。
前回取り上げた『Somewhere Here on Earth』もそうでしたが、彼の持つまるで万華鏡のような変幻自在の感性と才能には、改めて度肝を抜かれることが多々あります。デビュー当時からのファンの方々にしてみれば、別段不思議なことではないのでしょうが、自分のように故人となってからプリンスの多種多様な遺作に触れる人間にとっては、まさに「天才」と呼ばれることに誰も異論を挟まないレヴェルのアーティストであったと、認めざるを得ないでしょう。

一般的に知られた作品をこのサイトで紹介してもつまらないので、今回取り上げるのはこちら。プリンスが1990年頃に立ち上げた自身のレーヴェル「The New Power Generation (NPG)」から2002年にリリースされたピアノの弾き語りをメインしたアルバム『One Nite Alone…』の幕開けを飾る、アルバムタイトルにもなっている1stトラックの『One Nite Alone…』が素晴らしい。美しくも儚げなピアノのイントロから始まり、徐々にファルセットのヴォーカルが入ってくる構成のバラッドです。
レコーディングでは恐らく意図したものと思われますが、(過去記事でも何度かご紹介済みですが)あの偉大なジャズピアニストの Keith Jarrett(キース・ジャレット)がかつて世界を驚愕させた、20世紀の伝説のライブとして名高い【The Köln Concert】「Part I」の演奏を彷彿させるような、ピアノのペダルを踏み込む音までも捉えており、いってみればプリンスによるキース・ジャレットへのオマージュなのではと思わざるを得ません。どうぞリンクをクリックして聴き比べてみてください。
それはそうとして、あらゆるカテゴリーの音楽をスポンジのように吸収し自分自身の色へと変えていく、「プリンス」という音楽家の果てしなき才能には、圧倒されっぱなしです。

 


Prince – One Nite Alone…
(album: One Nite Alone… – 2002)

 

ジョニ・ミッチェルの名曲『A Case Of U』のカヴァーをピアノの弾き語りで演奏しているのも特筆もので、とにかく美しい出来のアルバムとなっております。
尚、本アルバムは現在世界的に入手が困難となっており、オークション等でしか手に入らないようです。一方「Live」ヴァージョンのBOXセットでしたら入手可能なようです。

本当に世界は惜しい才能を失いました。残念です。

 

 

 

雨と風の音を聴きながら 【モノローグ】

世の中みんなメディアに煽られたせいなのか、まるで『増税前夜の狂想曲』とでも表現せざるを得ない大胆な「消費行動」が列島各地で見られた、とても慌しい週末であり年度末だった。人々のこんな様子を目にするのは、子どもの頃に経験した「オイルショック」以来の光景で、もちろん頭では理解できるけれども、なんだか個人的にもひどく疲労感の残るこの一週間だった。

今はPCに向かい、少し冷めてしまった珈琲をゆっくりとすすりつつ、閉めてはいない雨戸が雨まじりの北風に小さくカタカタと音を立てているのを、五感を使ってじっと感じている。
そして、今日の「処方箋」は何にしようかと考えてみる。

『I Thought About You』

ふと、東北の地に旅立ったかつての相棒『メロウズ号は元気でやっているだろうかと、かの地に想いを馳せてみた。

そういえば、キースの優しい音色のピアノ・ソロにはずいぶんと救われたっけ。
「音楽」ってほんとにありがたい。

 

Keith Jarrett Trio / “I Thought About You” (album: Somewhere – 2013)

 

 

皆様、よいお年を

関東地方は穏かな陽気の大晦日となりました。
お正月も冬晴れの予報で、初日の出も見られそうとのことで何よりです。

 

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さて、個人的にはとても慌しい一年となりましたが、なんとかこうにかやってきました。
ブログ読者の皆様におかれましては、今年は有意義な一年となりましたでしょうか?

今日を除いて年末年始もずっと仕事なので、書斎スペース周りだけごまかし程度にささっと掃除をしました。掃除を終えて、この一年間にあった出来事などを、キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」を聴きながら、手帳やGoogleカレンダーをチェックしては回想しています。ほんとに色々とあった一年でした。

キースのこの作品におけるピアノ・ソロの音色は、録音当時が1975年の真冬の欧州なだけに、本当に凛とした張りつめたピュアでクリアな音で、旋律の美しさも相まって心が浄化されていくような気さえします。(作品詳細については過去記事をどうぞ)

 

Keith Jarrett / “The Köln Concert” – Part I (1975)

 

Mellows店内でよく流していたお気に入りのアーティストによるピアノだけのコンピレーション・アルバムは、いまでもお気に入りのBGMとしてよく聴いています。当ブログ内で紹介した作品を時系列で編集した『Mellow Tunes』コンピなどもお気に入りで、この一年でもっとも聴いたアルバムでした。

 

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今年一年、こんな勝手気ままなブログにお付き合いくださり、ありがとうございました。
2013年もまもなく暮れますが、来年も引き続きいろいろと思いつくままに沢山の音楽をご紹介していけたらと思っています。皆様どうか良いお年をお迎えください。

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当ブログでも過去記事で一度取り上げましたが、日本の音楽界に多大な貢献をされた大滝詠一さんが、昨日65歳でお亡くなりになったとのこと。僕らが学生の頃、一世を風靡した「NIAGARA TRIANGLE」で共に活動した佐野元春氏が、「日本の音楽界はひとつの大きな星を失った。でもその星は空に昇って、ちょうど北極星のように僕らを照らす存在となった。」と、感動的なコメントを寄せているようです。
暮れにきて大変残念なニュースですが、大滝さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

 

Masterの今これが聴きたい ~ Vol.11【The Köln Concert】

まだまだ暑い日が続きますね。
好きな人にはゴメンナサイ。個人的には夏はキライなのです。

 
green leaves

 

そこで、『残暑お見舞い』その2です。

今から遡ること38年前、1975年1月24日ドイツケルンにあるオペラハウスにて、Keith Jarrett(キース・ジャレット)による奇跡のソロ・ピアノコンサートが開催されました。

後に「伝説」となるそのライブ・レコーディングのアルバムが【The Köln Concert】なのは、あれこれ説明するまでもないでしょう。

 

keith Jarrett / “The Köln Concert” – Part I (1975)

 

完全即興演奏のため、アルバムを通して特定の曲名は存在せず、26分にも及ぶ一曲目の「Part I」ですが、真冬のケルンのオペラハウスのホールに鳴り響くキースの美しい旋律には、神が宿っていると表現しても大袈裟ではないかもしれません。(数あるエピソードについては、下記のAmazonのリンクでどうぞ)

どうでしょう、鳥肌が立って涼しくなりませんでしたか?