Category Archives: Mellow Sounds [音楽あれこれ]

Mellow Tunes ~ Vol.201【Ami Nakazono】

いつもご訪問ありがとうございます。
12月に入ってあっという間に1/3が過ぎ去ってしまいました。「暖冬」と予想されたこの冬の気候も、ここ数日に限って言えば「この冬でいちばんの冷え込み」のニュースが列島の各地から届いています。でも、12月生まれの僕にとっては、こんなキリッとした冬らしい空気感は、むしろ嫌いではありません。見るもの、そして聴くもの全てが、他の季節よりも明らかに五感に訴えてくるからかもしれません。

 

 

さて、「クリスマス・ソング特集」を早々と終えましたところで、そろそろ普段のペースに戻ろうかと思います。当サイトのレギュラー企画である『Mellow Tunes』シリーズも、11月下旬に「Vol.200」を数え、今回「Vol.201」を迎えるにあたり、女性JAZZサキソフォン・プレイヤーの「中園亜美」さんをご紹介しようかと思います。以前に、若い頃からよく聴いていた「Candy Dulfer」(キャンディ・ダルファー)を取り上げようとして結局まだ取り上げていなかったので、おそらく女性のサックス奏者としては、この方が初めてのご登場ということになります。
所属先 (VEGA Music Entertainment)による、彼女のプロフィールは下記の通り。

中園亜美 Pprofile:
1986年長崎生まれ鹿児島育ち。福岡第一高等学校音楽科卒業。
洗足学園音楽大学Jazz科からBerklee音楽大学へ編入。サックスをWalter Beasleyらに師事。
2009年卒業後、N.Y.を拠点にアメリカ、ヨーロッパでサポート・ミュージシャンとして活動。
2014年より東京に拠点を移し、ソロとしての活動を本格的にスタートさせる。
2015年10月サウンド・プロデューサーに「安部潤」を迎え、VEGA Music Entertainmentよりアルバム『Make It Happen!』を発売。タイのHitman Jazzからも同時リリースを行い、同年バンコクやチェンマイとジャズフェスへも参加する。
2016年8月には世界配信シングル「She’s Home」と「World Connection」をリリース。2017年4月米・ワシントンDCにある老舗ジャズクラブBlues Alleyでの単独ライブを成功させる。クラシックのバック・グラウンドと本場アメリカNYで磨いたセンスの二つを持ち合わせソプラノ・サックスをメインとした次世代を担うサックス・プレイヤーの一人として日本のみならず世界で活動中。

プロフィール中にもありますが、彼女が主として扱う「ソプラノ・サックス」の音色は、実に「Silky」であると同時に「Sensual」で美しい響きを感じます。そしてスピード感のある楽曲の時に「アルト」で聴かせる「Funky」な音色には、米国滞在中に師事していたという「Walter Beasley」の姿が目に浮かぶよう。また、女性プレイヤーによるアルトの演奏で、10代の頃から長らく敬愛する「David Sanborn」(デヴィッド・サンボーン)の「音色」を意識させてくれたのは、おそらく僕にとっては彼女が初めてで、とても嬉しい体験でした。

当サイトでも常にサポートさせていただいている、音楽プロデューサー「松尾潔」さんの中学時代の同級生でいらっしゃる、キーボード・プレイヤーであり音楽プロデューサーである「安部潤」さんをサウンド・プロデューサーに迎え、2016年8月に世界配信されたシングルの『World Connection』は、彼女の作品の中でも僕の最もフェイヴァリットな、それはもう「Super Mellow」な作品です。ぜひお聴きください。Live Ver.の安部さん(Key)のソロ・パートも、なんともクールでカッコイイ。ライヴならではの演奏の魅力です。

 


Track-1: Ami Nakazono – “World Connection”
Composed by Ami Nakazono,Jun Abe
Ami Nakazono(Soprano Saxophone),Jun Abe(keyb,bass,progaramming),
(Single Released: 2016.08.12)
Track-2: “World Connection” Live at Blues Alley Japan in 2017

 

そして、2015年にリリースされたデビュー・アルバム『Make It Happen!』に続き、こちらが今年2018年4月にリリースされた2作目の、『The Real』からのアルバムタイトル作品とトレイラーです。今年中に取り上げねばと思っていて、このタイミングとなってしまいましたが、「いい音楽に出逢うのに、早いも遅いもありません」。出逢ったこと自体が、人生を豊かにしてくれるものです。

 


Ami Nakazono | The Real -Short Ver.- (Official Music Video)
Ami Nakazono “The Real | Album Digest” (Official Video)
(Album Released: 2018.04.25)

 

中園さんですが、いちばん直近のお仕事では、先日リリースされた「松尾さん」プロデュースによる「JUJU」のジャズ・アルバム『DELICIOUS~JUJU’s JAZZ 3rd Dish〜』の「I Didn’t Know What Time It Was」の曲中で、ソプラノ・サックスでのソロパート任されています。
尚、彼女のアルバム2作品で共同プロデューサーを務める「安部潤」さんについては、また別の機会にご紹介するつもりです。そうそう、「菊池成孔」さんのプロデュースで新境地を開拓した「市川愛」さんもですが、この方も含めまだまだ紹介できていないアーティストが沢山いらっしゃって、少々反省気味の2018年の暮れです。

それではまた、次回にお会いしましょう。

 

 

 

 

Mellow なクリスマス・ソング ~ 2018 Vol.3【2017 総集編】

いつもご訪問ありがとうございます。
遠い海の向こうで発生した「エルニーニョ現象」の影響もあって、「今年は暖冬だろう」と勝手に思い込んでいた人々を裏切るかのような、今日あたりはそんな気温の冷え込み方でしたが、皆様風邪などお召しではありませんか。僕の周辺でも、風邪にインフルエンザと、体調を崩している方も多いようです。この時期は「多忙」な上に、いつも以上の「体調管理」を強いられるので、ほんとはクリスマス気分どころではないというのが、大方の大人の皆さまの現状ではないでしょうか。どうか皆様ご自愛ください。

 

 

まあ、そうはいっても年に一度の、空気が澄んでイルミネーションも美しい季節ですから、そんな忙しい時ほど、意図してゆったりと音楽などに身を委ねたいものです。もちろん傍らには美味しい珈琲でも、好きなお酒でも、それはそれぞれ皆さんのお好みでどうぞ。

 

 

さて今月に入ってすぐにUPさせていただいた、『Mellow なクリスマス・ソング ~ 2018』ですが、冒頭でお知らせしましたように、先月上旬に近親者が旅立ちました。僕自身いろいろと思うところもあり、今年は敢えて選曲作業はせずに、過去の『Mellow なクリスマス・ソング』シリーズから、「ダイジェスト版」として編集した「プレイ・リスト」を幾つかUPすることにいたしました。
「Vol.1」では、2013~2015年の3シーズンに渡って特集しました『Have Yourself A Merry Little Christmas』のあらゆるカヴァー作品の数々を、ダイジェスト版でお届けしました。また「Vol.2」では、『Mellow なクリスマス・ソング ~ 2016』で特集を組みました『Last Christmas 』(ラスト・クリスマス)をプレイ・リストにしてみました。
そして今回最終となる「Vol.3」ですが、一昨年のクリスマス当日に天国に旅立った「George Michael」(ジョージ・マイケル)による、もう一つのクリスマス・ソング『December Song (I Dreamed of Christmas)』からスタートした、『Mellow なクリスマス・ソング ~ 2017』【総集編】を、改めてUPいたします。

 


『Mellow なクリスマス・ソング ~ 2017』【総集編】

 

本総集編の中には、プレイ・リスト編集以前にもう既に「故人」となっていたアーティストも存在しましたが、残念ながら今年になって他界されたアーティストもいらっしゃいます。総集編プレイ・リストの2曲目に登場する『Soul Holidays』で圧巻のヴォーカル・パフォーマンスを女性リード・ヴォーカリスト「アン・ネズビー」と共に繰り広げる、大所帯の『Sounds Of Blackness』を事実上率いていた立場にあった、「ビッグ・ジム」こと「ジェームズ・ライト」(James “Big Jim” Wright)が、その人です。
当ブログではいったい何度名前を挙げたかわからないほど、僕も敬愛する大物プロデュサー・コンビの「Jimmy Jam & Terry Lewis」(ジミー・ジャム&テリー・ルイス)の下で才能を開花させた「ビッグ・ジム」は、90年代からマイケルそしてジャネットとジャクソン兄妹やマライア・キャリーを筆頭に、アレサ・フランクリン、ルーサー・ヴァンドロス、パティ・ラベル、チャカ・カーン等々、それはそれは多くの大物アーティストのプロデュースに関わっていました。近年活動が停滞気味だった『Sounds Of Blackness』の新作のリリースに向けて「アン・ネズビー」と共に復帰が期待されていただけに、往年のファンにとっては、なんとも残念で悲しい知らせとなってしまいました。
追悼記事をUPする機会を失ったままでしたので、これを機に改めて哀悼の意を表したいと思います。  R.I.P. Big Jim …

 

「Vol.3」の今回をもちまして、今シーズンの『Mellow なクリスマス・ソング ~ 2018』は終了とさせていただきます。今年は事情により「過去の総集編」といった内容になってしまいましたが、来季はまた違ったカタチで特集を組めたらと思っています。尚、今年も例年同様に、世界各地より多くのアクセスを頂戴しておりまして、ご訪問くださった方々に心より感謝申し上げます。皆様、どうかよいクリスマスをお過ごしください。

 

※『Mellow なクリスマス・ソング ~ 2017』【総集編】で気になるアーティストがいましたら、どうぞこちらの「個別記事」も併せてご覧ください。

 

 

Mellow なクリスマス・ソング ~ 2018 Vol.2【Last Christmas】

いつもご訪問ありがとうございます。
なんだかここ数日は「暖冬」を思わせるほどの「小春日和」ですが、例年の通り、12月に入ると「Holiday Season」突入ということで、当サイト上にも「雪」が降り始めました。
(申し訳ありませんが、メモリやリソースを消費する関係で、スマートフォンには未対応となっています。ごめんなさい)

 

 

当ブログの冬の恒例企画となりました、「8シーズン」目を迎える『Mellow なクリスマス・ソング』ですが、前回お伝えしました通り訳ありまして、今年は敢えて選曲作業はせずに、過去の『Mellow なクリスマス・ソング』シリーズから、「ダイジェスト版」として編集した「プレイ・リスト」を幾つかUPすることにしました。

そんなわけで、まずは第一弾として、2013~2015年の3シーズンに渡って特集しました『Have Yourself A Merry Little Christmas』のあらゆるカヴァー作品の数々を、前回「ダイジェスト版」でお届けいたしました。皆さんにとって、初めて触れたカヴァーもあったのではないでしょうか。

 

 

第二弾となります「Vol.2」では、二年前(20016年)『Mellow なクリスマス・ソング ~ 2016』で特集を組みました『Last Christmas 』(ラスト・クリスマス)を、プレイ・リストにしてみました。
あらゆる世代にとって身近なクリスマス・ソングの比較的新しいスタンダード作品とも言える、Wham!(ワム!)時代の『George Michael』(ジョージ・マイケル)の作品『Last Christmas 』ですが、1984年にリリースされてから30数年が経過し、クリスマスが近づけば世界中の街角のあちこちからでも聴こえてくるほど、今ではポピュラーな「クリスマス・スタンダード」となっていて、プロ・アマ問わず、そしてジャンル・カテゴリー・国・言語をも飛び越え、本当に世界中の多くのアーティストたちによってカヴァーされ続けている、素晴らしい楽曲として、世界中の人々に認知されています。

 

『Mellow なクリスマス・ソング ~ 2016【Last Christmas】』

この年(2016年)の特集記事『Mellow なクリスマス・ソング』をUPし終えた直後の、クリスマスの当日(現地時間12/25)に、ソング・ライターである「ジョージ・マイケル」が53歳という若さで天に召されました。当時の記事を今になって読み返すと、あまりに突然の出来事で、とにかく僕自身の頭が混乱していたことがよく分かります。

クリスマスの季節がやってくるたびに、世界中の人々が「ジョージ」のことを懐かしく思い出す機会を持てるということが、多くのファンにとって唯一の慰めであり、また同時に彼へのリスペクトの想いがより一層強くなる気がしています。

 

※いずれかのカヴァー作品にご興味を持たれた方は、「こちら」の各曲紹介記事のリンクへどうぞ。

 

Mellow なクリスマス・ソング ~ 2018 Vol.1【Have Yourself A Merry Little Christmas】

いつもご訪問ありがとうございます。
いよいよ12月に入りました。今年もあと一か月足らずで終わってしまうかと思うと、改めて一年という月日の過ぎゆくスピードに驚かされます。

 

 

当ブログの冬の恒例企画となりました『Mellow なクリスマス・ソング』ですが、実店舗の『Mellows』OPEN当時の2011年から続く、今期で「8シーズン」目に突入する、ありがたくも世界各国から多くのアクセスを頂戴する「Holiday 企画」となっております。毎年のことですが、今年も11月に入って間もない時期から、既に世界各地からサーチ・エンジンによる検索結果から、当サイトへと導かれ訪問してくださる方が増えてきました。

頻繁に当サイトをご訪問くださる読者の方々はご存知とは思いますが、先月上旬に近親者が旅立ちました。「喪中」ということもあり、僕自身いろいろと思うところもあり、今年は敢えて選曲作業はせずに、過去の『Mellow なクリスマス・ソング』シリーズから、「ダイジェスト版」として編集した「プレイ・リスト」を幾つかUPすることにしました。楽しみにされていた方々には申し訳ないのですが、来シーズンにはまた少し違った内容のものをお届けできると思いますので、どうかご容赦ください。
そうは言っても、もとより「クリスマス・ソング」というものは、基本的にはスタンダード・ナンバーが主役と相場がきまっていますので、改めて聴いてみることでまた「新たな発見」があることも多いというのも、覆すことのできない事実でもあります。

 

 

そんなわけで、まずは第一弾として、2013~2015年の3シーズンに渡って特集しました『Have Yourself A Merry Little Christmas』のあらゆるカヴァー作品の数々を、ダイジェスト版でお届けします。
スタンダードなクリスマス・ソングは数あれど、過去にこの特別なシーズンに世界中でリリースされたそれはそれはあまたあるアーティストの『CHIRISTMAS ALUBUM』あるいは『HOLIDAY ALBUM』の中に、必ずといってよいほど収録される楽曲の一つが、『Have Yourself A Merry Little Christmas』であり、そしてまた同時に、僕の最も愛するクリスマス・スタンダード・ソングでもあります。

 

 

“Have Yourself A Merry Little Christmas”
[Mellow なクリスマス・ソング ~ 2013-2015 より]

 

『Have Yourself A Merry Little Christmas』は、まさに第二次世界大戦中の1944年に米国で製作されたミュージカル映画『MEET ME IN ST.LOUIS (邦題:若草の頃)』の挿入歌として Judy Garland(ジュディ・ガーランド)が歌い、その後クリスマス・ソングのスタンダードとなりました。実は本作品はすこしばかり悲しい内容の歌詞であふれ、「辛いこと、悲しいことを今だけはしばし忘れて、ささやかにクリスマスを祝いましょう..」と子役に歌い聞かせるその映画のワン・シーンには、当時の時代背景や歴史といったものが透けて見えてくるようです。
とはいえ、美しく儚く人々の心に響くその歌詞とメロディは、21世紀となった現代でも変わることなく、聴く者の感動を呼び起こすだけの「パワー」と「慈愛」に溢れています。

 

プレイ・リストですが、21曲ほど曲順を入れ替えて編集してあります。いずれかのカヴァー作品にご興味を持たれた方は、「こちら」の各曲紹介記事のリンクへどうぞ。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.200【Glenn Frey】

いつもご訪問ありがとうございます。
深まる秋も、いよいよ「晩秋」と呼ぶべき時期となってきました。
「こんなありがたいメロウな季節が、永遠に続くといいのに」と思う、今日この頃です。

 

 

 

さて、メロウな音楽作品を勝手気ままに取り上げ紹介してきた「Mellow Tunes」シリーズも、いよいよ今回で「Vol.200」を迎えました。どんな記事にも何かしら音楽を添えているので、投稿記事数も800を超えているようなので、おそらくなんだかんだで600曲くらいは取り上げているのではないでしょうか。

記念すべき「Vol.200」は、僕が中学生の頃から愛聴し続ける「イーグルス」(The Eagles)の中核となるメンバーの Glenn Frey(グレン・フライ)を、懲りずに取り上げてみたいと思います。
2016年の年が明けてすぐに逝去したグレンですが、早いものでもう3年近い月日が経過しようとしています。アクセス解析をしてみると、ほぼ毎日のように世界のどこかしらから、彼の名前でのGoogle等の検索を通して当サイトに辿り着く、熱心なファンの方が少なくありません。
イーグルスの解散後にリリースしたスタジオ録音によるソロ・アルバムは5作あり、最後のアルバム作品となった『After Hours』は、「The Great American Songbook」ともいえる「American Popular Song」と「Jazz Standards」で構成された、グレンの入魂のアルバム作品となりました。円熟期を迎えていた彼のVocalは、まさにそんな作品群と向き合うのに、適切な時期が来ていたのだと、今となっては痛いほど思い知らされます。

 


Glenn Frey – “After Hours”
(album: After Hours – 2012)

当ブログ内でもアルバム『After Hours』からは、たくさん楽曲を取り上げましたが、アルバムのラストを飾るアルバムタイトル曲でもある『After Hours』は、唯一グレンのオリジナル作品であり、収録された珠玉のスタンダードソングたちと完全に同化してしまうくらいに、美しく儚げにそこに存在しています。
僕にとっては、ちょうど実店舗の「Mellows」を手放した時期に、落ち込みがちな日々を、何度も何度も救ってくれた、大切なグレンの遺作、それが『After Hours』でした。

 

Glenn Frey(グレン・フライ)に関する過去記事はこちらへどうぞ。アルバム『After Hours』収録作品もいくつか取り上げています。

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.199 【JUJU×松尾潔×小林武史】

いつもご訪問ありがとうございます。
11月も後半に入り、例年より暖かいとはいえ、昼夜の寒暖差で植物や樹々たちの色付きも、確実に足早になっているような印象を受けます。

 

 
今日になって、「JUJU」がリリースした話題の作品『メトロ』の MV(フル・ヴァージョン)が「YouTube」にて公開となりました。リリース以前からずっと紹介したいと思っていたのですが、できれば「フル」で聴いていただくべき作品だと感じてましたので、ようやくこうして取り上げることができてうれしく思います。

当サイトを訪問してくださる方々はもちろんのこと、多くの方が既にご覧になっているかもしれませんが、秋の入り口頃からON-AIRが始まった「東京メトロ」のCM(松尾さんも出演)のバックで流れているのが、本作品『メトロ』なのは敢えて説明は不要ですね。この作品は現代の国内ミュージック・シーンを担う重要な二人の音楽プロデューサーである、「小林武史」氏と、このサイトではこれまでもずっと応援している「松尾潔」氏による、共同プロデュースというあまり例を見ないコラボレーション作品となりました。

『メトロ』を初めて聴いた時の印象ですが、楽曲のピアノのイントロが始まった時点で、「これはもう大変なことが起きている」とハッとしました。まだヴォーカルを聴いてもいないのに、そんなふうに感じる作品とは、洋楽・邦楽を問わずとも、まず数十年に一度くらいしか出逢うことがないもの。そして、情感を抑えながら歌い出した「JUJU」のヴォーカルが素晴らしい。ワン・コーラス聴いたところで確信したのは、これはまさしく「バカラック・メロディ」であるということでした。
松尾さんが先に詩を書き、その後に小林さんが曲を付けたという、現代では珍しい「詩先」という手法で出来上がった楽曲とのことですが、かつて1970年代のアメリカン・ポップス界の偉大なスターであった、僕も愛してやまない「The Carpenters」(カーペンターズ)を聴いてきた世代の方々であれば、「そうか」と気付かれた方も多いのでは。
偉大な音楽家「Burt Bacharach」(バート・バカラック)「Hal David」(ハル・デイヴィッド)の黄金コンビによってこの世に生み出された不朽の名曲でありスタンダード作品である、『(They Long to Be) Close to You』(邦題「遙かなる影」)にも相通ずる、今後も後世にしっかりと遺りそして歌い継がれていくであろう「名曲の誕生の瞬間」に、偶然同じ時代に生きた我々は運良く立ち会えたのかもしれません。誰もが口ずさめる「メロディ」と、誰もが身に覚えのある「歌詞」が融合し、シンプルでいて切なく、しかし希望を感じさせる、そんな「バカラック作品」と共通する「something」を、僕は強く意識しました。

 

JUJU 「メトロ」 Music Video
(2018/12/05発売 JAZZ ALBUM「DELICIOUS ~JUJU’s JAZZ 3rd Dish~」収録)


小林さん作曲のシンプルなのにスケール感が大きく変調するホーンセクションとストリングス、JUJUのヴォーカリストに徹し切った姿勢、そしてなによりも松尾さんの「歌詞」がすごい。「変わらなきゃ‥」「でもそんなに簡単に自分を変えられない‥」。自分自身ずっと何十年もそんなことで悩んでいたりするし、男女関係なくどんな世代の誰にでも心当たりのある、この「普遍的なテーマ」に共鳴しない人はいないでしょう。
かつて学生だった30年以上前の僕も、地下鉄千代田線で学校に通い、のちに社会人となって都内に勤務していた駆け出しの頃には、銀座線・東西線・半蔵門線に毎日揺られ、不特定多数の人々とすれ違い、多くの経験を積みながら、徐々に大人への階段を昇っていったのだと、後日制作され公開となった「メトロ」の Music Video を拝見して、そんなことを懐かしく思い出したりしました。Music Video では、そんな「歌詞」の世界観を、主演女優の方がとても上手く演じているように感じました。

作品の名義が『メトロ / JUJU X 松尾 潔 X 小林武史』となっている理由、よーく分かりますね。お三方にとっても、とても大切な作品となったのは間違いないことでしょう。
いやあしかし、松尾さん、歴史に残る作品を創りましたね。素晴らしいプロデュース・ワークに感服いたしました。

※<プロダクションノーツ「メトロポリスへのパスポート 松尾 潔」>こちらへ。

 

 

 

儚い音色【Bill Evans】

三日ほど前に、ごく近しい人が「天」へと旅立った。

そして今日、お別れをしてきた。

 

 

7年ほど前に「Mellows」を開業すると告げた際、自分の身の回りの100人中95人位の人たちが、「やめておけ」とあからさまに否定的な態度を取ったものだったけれど、その人は違った。「夢や想いを実現するってことは、何よりも素晴らしい。応援するよ」と、熱いエールを頂戴した。素直に嬉しかった。
先の結果はどうであれ、自分の決めた道をまっすぐに進もうとしている人たちに、自分も同じような言葉をかけてあげたいと、そう思ったものだった。

 

敬愛するジャズ・ピアニストの「Bill Evans」(ビル・エヴァンス)が、亡き妻のエレーンに捧げたことで知られる、儚い音色で彩られた「エヴァンス」による美しいオリジナル作品、『B Minor Waltz (For Ellaine)』を、はなむけとして贈りたいと思う。

 


Bill Evans – “B Minor Waltz (For Ellaine)”
(album: You Must Believe in Spring – 1981)

 

どうか安らかにお眠りください

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.198 【Roy Hargrove ~ R.I.P.】

ここ日本でもそろそろ「冬の足音」が聞こえてくるような、JAZZが似合う季節の入り口の11月2日、ジャズ・トランペット・プレイヤー『Roy Hargrove』(ロイ・ハーグローヴ)の訃報が、世界を駆け巡った。患っていた病気の治療中に、心不全のため米ニューヨークの病院にて逝去したという。享年49歳、またもや「天才」と謳われて久しい一人の「JAZZ MAN」が、若くしてこの世を去ってしまった。

 

 

米国南部のテキサス出身ではあるけれど、1980年代後半から「NY」を拠点とした、ビバップの伝統を継承する正統派プレイヤーとして活動する「Roy Hargroove Quintet」とシンクロしながら、一方では「The RH Factor」名義での「JAZZ」と「HIP-HOP」そして「R&B」との融合を成し遂げたパイオニア的存在でもあり、卓越した技巧も含め、現代のジャズ・シーンの中で最も抜きんでたトランペット奏者だったと、僕自身は認識している。
僕が「ロイ」の「艶」と「色気」のあるホーンの音色に遭遇したのは、若い頃より愛聴し続けている「Boz Scaggs」が2001年にリリースした『Dig』 というアルバムに収められた、それはとてもJazzy & Bluesyな楽曲『Miss Riddle』でのプレイだった。まさに「枯れてゆく男のダンディズムの極致」を表現したイントロそしてソロで聴ける彼のホーンの音色はそれまで聴いたことのあるどのホーン奏者のそれよりも、恐ろしいほどに「Sexy」で「Silky」で衝撃的であり、全身に鳥肌が立ったのを、今でもよく記憶している。(詳しくは過去の関連記事をご覧ください)

 


Boz Scaggs – “Miss Riddle” (ft. Roy Hargrove)
(album: Dig – 2001)

 


Roy Hargroove Quintet – “When we were one” (feat. Johnny Griffin)
(album:  With The Tenors Of Our Time – 1994)

 

自分が生きているうちに、いつかまたJAZZの本場「NY」で演奏を観たいと思える、そんなジャズ・プレイヤーの一人、それが「ロイ・ハーグローヴ」だった。それも叶わぬ夢となってしまい、本当に残念でならない。

 

Rest In Pease, Roy..
どうか安らかに眠れ..