Category Archives: Rest In Peace [安らかに眠れ]

Mellow Tunes ~ Vol.223【Roy Hargrove Quintet】

いつもご訪問ありがとうございます。
サクラも散って、季節はあっという間に「春」というよりは、日によってはもうすでに「初夏」のような陽気ですね。季節の移ろいが、年齢を重ねるごとに、どんどん早くなるのを実感する今日この頃です。全国各地のブログ・リーダーの皆さまの地域では、どんな「春」を迎えてらっしゃるのでしょうか。

かねてよりお伝えしていますように、正直に申し上げて僕は「SNS」に向かないタイプでして、「Twitter」も「Instagram」とかのアカウントもありませんし、今後取得の予定もありません。かつての常連顧客の方々の勧めで仕方なしに始め、その後すぐに休止してしまったのですが、「休眠状態」の実店舗営業当時のアカウントを保持している関係で、「facebook」経由で「いいね」を頂戴することも多々あり、そんな皆様にはこの場を借りて、心よりお礼を申し上げます。最近は、なんだか北海道・東北方面、そして「京都」を拠点に活動されていらっしゃる多数の「JAZZミュージシャン」の方々に、当サイトへご訪問いただいているようです。実店舗のカフェの営業を終えてからは、完全な「音楽ブログ」になっており、もとより圧倒的にプロの音楽関係の方々のご訪問が多いようで、こんなただの音楽好きの素人の運営するサイトへわざわざお越しくださって、大変有難く思うのと同時に、とても恐縮しております。
どうぞ今後とも、気楽にふらっとお立ち寄りいただき、楽しんでいっていただけると幸いです。

 

 

 

当サイトでも何度か取り上げたことのある、不世出のジャズ・マンの一人「ロイ·ハーグローヴ」こと「Roy Anthony Hargrove」が、49歳という若さでJazzの都「New York」で他界したのは、昨年の秋が深まり始めた11月に入って間もない頃でした。

『The Roy Hargrove Quintet』『The Roy Hargrove Big Band』『The RH Factor』と三つのバンドを掛け持ちしたリーダーでもあった、彼の産み出す音楽には、スタンダードなジャズはもちろんのこと、ラテン、ファンク、ヒップ・ホップ、ソウル、ゴスペルに至るまで、それぞれのカテゴリーへの深い愛情とリスペクトを感じさせるに十分な魅力で溢れ、それはもう稀有なアーティストでした。変幻自在のロイの奏でる音楽の中でも、僕個人としては、「クインテット」で繰り広げられるオーセンティックなスタンダード作品がお気に入りで、彼の「フリューゲル・ホーン」から放たれる「音のつぶて」に、これでもかというくらいの黄昏時の「切なさ」や「哀愁」を感じてしまい、いつも目を閉じて聴き入ってしまうほどです。

 

Roy Hargrove Quintet “Rouge/You’re My Everything”
Live at Java Jazz Festival 2010

 

時が経てば経つほどに、現代のジャズ・シーンにおいて、これほどまでに才能豊かなアーティストを失ってしまったことが、悔やまれてなりません。
そういえば、「スーツにスニーカー」といういで立ちが似合うのは、「ロイ」と映画監督の「スパイク・リー」くらいのものです。

R.I.P. Roy …

 

追記:

やはり『The Roy Hargrove Quintet』としての最大の魅力は、ロイ自身の作曲で既にスタンダードになりつつある、クインテットを代表するマスターピース『Strasbourg/St-Denis』(ストラスブール=サン・ドニ)を取り上げないわけにはいきませんね。本当にカッコよくて「スゲェー!」と唸ってしまう楽曲ですね。まさにマイルス以来の「天才」でした。

 


The Roy Hargrove Quintet – “Strasbourg/St-Denis”
(Live at New Morning Club, Paris in 2007)

 

そしてこちらは、長いキャリアで世界的人気を誇るオランダ人女性サックス・プレイヤー『Candy Dulfer』(キャンディ・ダルファー)が、フリューゲルホーン奏者の「Jan Van Duikeren」(ヤン・ヴァン・ダウケレン)と共にカヴァーした、ちょっと洗練されたヴァージョンの『Strasbourg/St-Denis』。これはこれで、素晴らしい。世界中のJAZZ-MENがこぞってプレイしたいと望むほど、既にスタンダードな楽曲に成長しつつありますね。そう考えると、若すぎたロイの逝去は、残念としか言いようがありません。

 

Candy Dulfer – “Strasbourg/St-Denis”
(Live at ’30. Leverkusener Jazztage’ 2009/11/12)

 

 

Mellow Classics ~ Vol.2【Stevie Woods】

超大型連休を目前にして、気温が上昇傾向にあるようです。なんだか気象がやけに極端で、「ほどほど」がいちばんなのですが。

 

 
さて、先日新たにスタートしました『Mellow Classics』シリーズですが、割と評判がいいようで、アクセスも増加傾向にあります。「Vol.2」の今回も、思いつくままに、こんなアーティストの作品を取り上げてみようかと思います。

『Stevie Wods』 (スティーヴィー・ウッズ)は、1951年米国・ヴァージニア州出身の黒人男性シンガー。1980年代初頭に3年続けてリリースした3枚のアルバム、『Take Me To Your Heaven』(1981) / 『The Woman In My Life』(1982) / 『Attitude』(1983)がヒット。「R&B/Soul」のファン層というよりは、むしろ当時のメイン・ストリームでもあったカテゴリーの『A.O.R.』のファン層に大変強力に訴求した黒人アーティストだったといえるでしょう。
デビューアルバムにして既に「最高傑作」との評価が決定してしまったほどに話題をさらった、1stアルバム『Take Me To Your Heaven』は、1st Trackに収録された、Peter Allen / Carole Bayer Sager / David Foster らによる『Fly Away』で幕を開ける。元々は「Peter Allen」が自身のアルバムに収録したもので、「竹内まりや」が先にカヴァーしたことでも知られる作品Fly Away』も、スティーヴィーが歌うと、アレンジもさることながら、全く別の楽曲へと生まれ変わったように聴こえたものだった。

 


Stevie Woods / Fly Away
(album: Take Me To Your Heaven – 1981)

 

そして白眉はなんといっても、全米TOP25に食い込んだ『Steal The Night』「Les Thompson」の演奏する軽やかでいて哀愁を帯びたハーモニカのイントロから始まるこの楽曲を聴いて、『Fly Away』と同様に「深い夜」へ誘うようなそのムードに、当時心躍らぬ者はいなかったはず。

 


Stevie Woods / Steal The Night
(album: Take Me To Your Heaven – 1981)

 

アルバムのプロデューサーはドイツ人の「Jack White」。レコーディング参加メンバーは、当時として考えられる最高レヴェルのスタジオ・ミュージシャンが集結。なんとギタリストだけ見ても、Paul Jackson, Jr./ Ray Parker, Jr./ Steve Lukather を三つ揃えし、その他の楽器についても、当時の「FUSION」界の大物ミュージシャンが揃い踏みするような、下記の鉄壁の布陣を擁した。
Nathan East (b) / Clarence McDonald (key) / Michael Boddicker (key) / Ed Greene (ds) / James Gadson (ds) / Bill Reichenbach (tb) / Jerry Hey (tp) / Ernie Watts (s) / Bill Champlin (back vo), and etc.
相当な制作費がかかったと予想され、これでは質の悪いものができるわけない。

大きな成功を収めた後に、活動の場を欧州・ドイツに移した「スティーヴィー」は、5年前の2014年1月に、糖尿病の合併症によりベルリンで帰らぬ人となった。(享年62歳)

 

R.I.P. Stevie …

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.209【James Ingram ~ R.I.P.】

足早に過ぎていく一月が終わろうとしている中で、遠い海の向こうから、大好きだったアーティストの一人『James Ingram』(ジェイムズ・イングラム)が旅立ったとの訃報が届いた。

 

 

まだ高校生だった頃の1981年、敬愛する『Quincy Jones』の名盤『The Dude』の中で出逢った時の衝撃は、今でも忘れられない。2016年に時を同じくして他界した「Toots Thielemans」 (トゥーツ・シールマンス) 「Rod Temperton」(ロッド・テンパートン)をはじめ、一時代を築き上げた「クインシー・ファミリー」の重要なメンバの一人がまた欠けてしまった。本当に残念でならない。

 


James Ingram ~ Tribute

 


James Ingram & Tamia “How Do You Keep The Music Playing”

 

Rest In Peace….

 

追記: 当サイトでいつも応援しております、音楽プロデューサー「松尾潔」さんのFMラジオ・プログラム「松尾潔のメロウな夜」(2/11放送)において、僕自身も含めた日本全国の「ジェイムズ・イングラム」を愛する熱心なリスナーやファンの熱い想いに応え、『ジェイムズ・イングラム追悼特集』をON-AIRしてくださいました。1991年に初来日したジェイムズ・イングラムの単独公演の全演奏曲目を再現するといった内容ですが、僕らと同じ時代を生きた「R50世代」の方々にとっては、もう必聴ものです。また一方で、放送後のコラム「メロウな徒然草」に寄せた、御大「クインシー」とその周辺のアーティストたちの関連性であるとか、とにかく松尾さんならではの視点からの解説は、これまた必読ものです。
再放送の予定は下記の通り。まだ聴かれていない方はぜひ。
再放送 FM [ 2/18 月曜 AM10:00-10:50 ]
再放送 AMラジオ第1 [ 2/18 月曜 16:05-16:55 ]
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※「2月18日、3月4日のラジオ第1の再放送は休止します。」とのことでした。
ゴメンナサイ m(__)m

 

 

 

Tribute To The Legends on Christmas 2018

いつもご訪問ありがとうございます。
あまりに多忙な上に、体調を崩したりと、散々な平成最後の暮れを過ごしております。
日々ご訪問いただいているブログ・リーダーの皆さま、更新が思うように進まずに、申し訳ありません。こちらが本業ではございませんので、どうかご理解くださいませ。
明日から三連休の方、あるいは僕と同様に年間で最も多忙なクリスマス・年末年始を仕事で終えてしまう方も少なくないと思われますが、いずれにせよ、皆様どうかお身体ご自愛の程を。

 

 
さて本題に入りますが、表題の通り今回は、このクリスマスを迎えるタイミングで、ROCK/POPS界の世界的なレジェンドたちについて取り上げてみたいと思います。

折しもこの秋に、英国出身の伝説のロック・バンド『Queen』(クイーン)の伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』(Bohemian Rhapsody)が世界同時公開され、ここ日本でも僕らのようなリアルタイムで青春期を彼らのサウンドと共に過ごした世代のみならず、その子や孫の世代をまで巻き込んだ、大変大きなセンセーションが巻き起こっているのは、ニュースやメディアを通して、音楽にあまり詳しくない方まで皆さんよくご存じのとおりですね。嬉しい現象じゃないですか。なぜって、僕くらいの年齢(あと数日で55ですが)になると、新しい音楽はもちろんのこと、昔よく聴いた懐メロに相当するような音楽でさえもう聴くことのない大人たちで、周囲は埋め尽くされているものです。言ってみれば僕が異常なのかもしれませんが。
すこし前に車中で聴いた「J-Wave」の夕方の番組内で、パーソナリティーのピストン西沢氏が言ってましたが、「これを機会に、またあの時代のような洋楽人気が復活してくれるきっかけとなってくれるといいな」と。まったく同感です。反論のしようもありません。

小学校の高学年頃からすでに洋楽のとりこになり、短波放送が聴けるラジオで海外の放送局の音楽番組を毎日毎晩聴き漁っていたちょっとヘンテコな子どもだった僕でしたが、ちょうど中一だった1976年にリリースされた『Somebody To Love』(邦題:愛にすべてを)は、『ボヘミアン・ラプソディ』はじめ偉大な作品が数多くあれど、『Queen』(クイーン)の作品の中では最も愛すべき楽曲です。そういえば、まだこの頃は「Soul/R&B」(黒人音楽)とまだ出逢っていなくて、欧米のヒット・チャート上のROCK/POPSをまるでシャワーでも浴びるかの如く、聴きまくっていた時代でした。このVIDEOを観るとあの初めて聴いた時の「多重録音」の衝撃と感動が、その度に襲ってくるから、名曲とは凄まじいものがあります。

 


Queen – Somebody To Love (Official Video)

 

Freddie Mercury(フレディ・マーキュリー)- 1991年11月24日(45歳没)
David Bowie(デヴィッド・ボウイ)- 2016年1月10日(69歳没)
George Michael(ジョージ・マイケル)- 2016年12月25日(53歳没)

上記3人共に英国を代表する、今は亡き ROCK/POPS ミュージシャンでありアーティストですが、間もなく訪れるクリスマスの12/25は、僕自身敬愛するジョージ・マイケル」の命日です。
同じLGBTでもある「ジョージ」「フレディ」のことを大変リスペクトしており、1992年4月に実施されたフレディの追悼コンサートでの「Queen」の名曲『Somebody To Love』の、フレディが憑依したかのような圧倒的なパフォーマンスは、ジョージの死と共に現代ロック史上の伝説となりました。
また、そのライヴ直前に行われたリハーサルのスタジオに居合わせた在りし日の「ボウイ」が、「ジョージ」の圧倒的なパフォーマンスに度肝を抜かれている様子がずっとカメラで捉えられており、こちらも伝説のVIDEOのひとつですね。ギター演奏中の「ブライアン」が感激のあまり「ジョージ」に歩み寄り彼の耳元で「Beautiful!」と叫んだというのも、かなり有名なエピソードとなっています。まずはリハーサルの様子から、そして会場のオーディエンスと一体化した圧巻の本番のパフォーマンスへ。そして「デヴィッド・ボウイ」「Queen」をバックに従えての持ち歌の『Heroes』を披露するその様子は、今となっては本当に貴重な映像です。どうぞ一連の動画をご覧ください。

 


Track-1: Queen & George Michael – “Somebody To Love”[Rehearsal]
Track-2: Queen & George Michael – “Somebody To Love”
Track-3: Queen, David Bowie, Ian Hunter, Mick Ronson – “Heroes”

(The Freddie Mercury Tribute Concert – 1992)

 

偉大なる音楽の先人たちに R.I.P.

そして音楽を愛する世界中の人々に「Merry Christmas」

世界のいたるところに平和が訪れますように

 

 

儚い音色【Bill Evans】

三日ほど前に、ごく近しい人が「天」へと旅立った。

そして今日、お別れをしてきた。

 

 

7年ほど前に「Mellows」を開業すると告げた際、自分の身の回りの100人中95人位の人たちが、「やめておけ」とあからさまに否定的な態度を取ったものだったけれど、その人は違った。「夢や想いを実現するってことは、何よりも素晴らしい。応援するよ」と、熱いエールを頂戴した。素直に嬉しかった。
先の結果はどうであれ、自分の決めた道をまっすぐに進もうとしている人たちに、自分も同じような言葉をかけてあげたいと、そう思ったものだった。

 

敬愛するジャズ・ピアニストの「Bill Evans」(ビル・エヴァンス)が、亡き妻のエレーンに捧げたことで知られる、儚い音色で彩られた「エヴァンス」による美しいオリジナル作品、『B Minor Waltz (For Ellaine)』を、はなむけとして贈りたいと思う。

 


Bill Evans – “B Minor Waltz (For Ellaine)”
(album: You Must Believe in Spring – 1981)

 

どうか安らかにお眠りください

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.198 【Roy Hargrove ~ R.I.P.】

ここ日本でもそろそろ「冬の足音」が聞こえてくるような、JAZZが似合う季節の入り口の11月2日、ジャズ・トランペット・プレイヤー『Roy Hargrove』(ロイ・ハーグローヴ)の訃報が、世界を駆け巡った。患っていた病気の治療中に、心不全のため米ニューヨークの病院にて逝去したという。享年49歳、またもや「天才」と謳われて久しい一人の「JAZZ MAN」が、若くしてこの世を去ってしまった。

 

 

米国南部のテキサス出身ではあるけれど、1980年代後半から「NY」を拠点とした、ビバップの伝統を継承する正統派プレイヤーとして活動する「Roy Hargroove Quintet」とシンクロしながら、一方では「The RH Factor」名義での「JAZZ」と「HIP-HOP」そして「R&B」との融合を成し遂げたパイオニア的存在でもあり、卓越した技巧も含め、現代のジャズ・シーンの中で最も抜きんでたトランペット奏者だったと、僕自身は認識している。
僕が「ロイ」の「艶」と「色気」のあるホーンの音色に遭遇したのは、若い頃より愛聴し続けている「Boz Scaggs」が2001年にリリースした『Dig』 というアルバムに収められた、それはとてもJazzy & Bluesyな楽曲『Miss Riddle』でのプレイだった。まさに「枯れてゆく男のダンディズムの極致」を表現したイントロそしてソロで聴ける彼のホーンの音色はそれまで聴いたことのあるどのホーン奏者のそれよりも、恐ろしいほどに「Sexy」で「Silky」で衝撃的であり、全身に鳥肌が立ったのを、今でもよく記憶している。(詳しくは過去の関連記事をご覧ください)

 


Boz Scaggs – “Miss Riddle” (ft. Roy Hargrove)
(album: Dig – 2001)

 


Roy Hargroove Quintet – “When we were one” (feat. Johnny Griffin)
(album:  With The Tenors Of Our Time – 1994)

 

自分が生きているうちに、いつかまたJAZZの本場「NY」で演奏を観たいと思える、そんなジャズ・プレイヤーの一人、それが「ロイ・ハーグローヴ」だった。それも叶わぬ夢となってしまい、本当に残念でならない。

 

Rest In Pease, Roy..
どうか安らかに眠れ..

 

Mellow Tunes ~ Vol.180 【 Aretha Franklin ~ R.I.P.】

仕事で忙しかったお盆休みもようやく終わり、心身ともに疲弊しきった状態で帰宅したところ、危篤状態が続いていると数日前からネット上のニュースを通して伝え聞いていた、「Aretha Franklin」(アレサ・フランクリン)が亡くなったとの訃報が、米国デトロイトより世界中に発信されていた。長きに渡り「Queen of Soul」の称号を欲しいままにしていたアレサだけれども、享年76歳、長く膵臓癌で闘病中だったらしい。悲しい知らせは、疲れた身体に追い討ちをかけるようだ。
そして、また一つの時代に幕が下りてしまった。

 

 

これだけ偉大なアーティストであったにも拘らず、当ブログではこれまで取り上げたことがなかった。彼女のバックグラウンドであるゴスペル寄りであったり聴衆を圧倒する程迫力満点のFunkness溢れる作品群を思うと、「Mellow Tune」と捉えることのできる作品は、そう多くはないのかもしれない。とはいえ、そういった自分で決めた基準からまだまだ取り上げていない偉大なアーティストが多すぎるじゃないかと、自分自身にダメ出しをせざるを得ない。
でも遅すぎるということはないはずだから、僕の敬愛する「Babyface」がアレサの復活を手助けした作品で、彼女がアリスタ・レコード所属時代の1994年にリリースされ、全米R&Bチャートで5位となったスロウ・ミディアムなバラッド、『Willing To Forgive』を取り上げておこうと思う。

 


Aretha Franklin – “Willing To Forgive”
(album: Respect – The Very Best Of Aretha Franklin)

 

そしてもう一つ、米国の音楽史上感動的なステージとして、永く人々の目に耳に刻み込まれたであろうと信じて止まない、アレサの熱唱を取り上げぬわけにはいかない。1967年アトランティックよりリリースされた彼女の代表作である「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」(ナチュラル・ウーマン)は、既知の通り、やはり米国を代表する女性シンガー・ソングライターの草分け的な存在でもある「Carole King」(キャロル・キング)夫妻による作品だ。
毎年優れた芸術家に贈られる「ケネディ・センター名誉賞」の、2015年の受賞祝賀公演で、受賞者の一人であった「キャロル・キング」へのサプライズ・ゲストとしてステージに登場した「アレサ」のピアノでの弾き語りから始まった「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」は、圧巻のパフォーマンスとなったのは、比較的記憶に新しい出来事だ。キャロルの感激の表情はもとより、「この人は心底音楽を愛している」と僕自身もずっとリスペクトしている、授賞式に招かれていた「バラク・オバマ元アメリカ合衆国大統領」が、人目も憚らず頬を伝う涙を拭う姿に、「アレサ・フランクリン」という一人の女性ソウル・シンガーの偉大さが、端的に象徴されているのではないだろうか。

 


Aretha Franklin – (You Make Me Feel Like) A Natural Woman
(Kennedy Center Honors 2015)

 

 

R.I.P. Aretha…
Rest In Peace [安らかに眠れ]

 

Mellow Tunes ~ Vol.177【Quincy Jones & etc. 】

「お暑うございます」。
そしていつもご訪問ありがとうございます。台風が去ってからも、また猛暑が繰り返されておりますが、今年の夏は異例な気候に間違いないようですので、どうか皆々様も水分補給と休息は忘れずに、毎日をお過ごしください。

 

 

さて8月に入って最初の更新となりますが、個人的に毎週放送を楽しみしております、音楽プロデューサーの松尾潔さんが贈る大人のためのラジオ・プログラム『松尾潔のメロウな夜』の番組の中でもレポートしていただいた、現代における偉大な音楽家である『Quincy Jones』生誕85歳記念コンサートに関するトピックを取り上げてみようと思います。

 

 

「SNS」が苦手なことから僕自身はアカウントさえ持っていないのですが、フットボールの世界の祭典「World Cup ロシア大会」も佳境を迎えようとしていた6月下旬に、松尾さんのTwitterにアクセスしてみると、なんと英国はロンドンに来ているというではないですか。

『あれから10年。Qの85歳バースデイコンサートがO2アリーナで催されると鷺巣さんから聞いたぼくは、久保田利伸さんを誘ってふたりロンドンに向かい、パリ在住の鷺巣さんご夫妻とは現地で合流した。夢のような3時間だった。』と文面にあり、しかも会場でのお三方の3ショットまでUPされていました。

 

松尾氏Twitterより

 

なんでも6/27に実施されたこの歴史的なコンサートは、2年ほど前に逝去したクインシーの「右腕」といっていい存在であった英国出身の「Rod Temperton」(ロッド・テンパートン)へのトリビュートがメインであり、クインシーとロッドでの最強コンビで創り上げた、今は故人となった「マイケル・ジャクソン」の作品も多く演奏されたというではないですか。しかも会場となった「O2アリーナ」はマイケルが復活を賭けて長期公演がスタートする予定だった場所。(2009年3月5日、マイケル・ジャクソンはロンドンのO2アリーナにて、同地でのコンサート公演『THIS IS IT』を行うことを表明。同年7月13日から2010年3月6日までに全50公演の開催が予定されていたが、直前の6月25日にマイケルが急死。- 出典: Wikipedia )

「稀代の天才ソング・ライター」である「ロッド・テンパートン」に関しては、当ブログでも彼の生前に一度特集記事をUPしたこともあり、松尾さんのTwitterでこの情報を知った途端に、どうにもこうにも落ち着きがなくなってしまう自分がいました。間髪入れることなく、すぐに松尾さんの番組HPへ、英国在住のアーティストが主ではあったようですが、多くのミュージシャン・アーティストが集結した、それはそれは大変貴重なクインシーのバースデー・コンサートの当日の様子を、ぜひともレポートしてくださいとのメールをしたためました。
(恥ずかしながら、今週7/30の放送直後、番組HPコラム「メロウな徒然草」でも公開済み)

 

松尾さんがレポートしてくださった、クインシーのバースデー・コンサートの当日の様子を収録した「メロウな夜」放送当日の内容は、毎週放送内容を「書き起し」していらっしゃる『みやーんさん』のサイト『miyearn ZZ Labo』にて、ゆっくり腰を落ち着けて文字で読むことが可能です。「Radiko Time Free」が未対応な「メロウな夜」ファンの皆様にとっては、再放送まで聴き逃した際などにはとても貴重な情報源となりますので、ぜひともご訪問・ご一読をお薦めいたします。

尚、松尾さんのTwitterからの貴重なおまけ情報で、興味のある方は期間限定でこのコンサート内容を聴くことができます。(以下抜粋)
『先月27日、鷺巣詩郎さんと久保田利伸さんと観てきたクインシー・ジョーンズ85歳バースデイコンサート@ロンドンO2アリーナの模様が、1ヶ月限定でBBCラジオ2で聴けるようになりました。すべての音楽業界人は聴くべし!番組進行役はトレヴァー・ネルソン。』

 
そんなわけで、松尾さんはもちろんのこと、遠くパリから松尾さんを誘ってくれた偉大な音楽家「鷺巣詩郎」さん、「すぐにロンドンに行かなきゃダメだよ」と同行した「久保田利伸」さんはじめ、それを陰ながらサポートする「メロ夜STAFF」「みやーんさん」等々皆様方のおかげで、この貴重な「クインシーの85歳聖誕祭」に、遅ればせながらも、ステージから最も遠い末席とはいえ、今回の貴重なライブに参加させていただいたような気分になりました。まさにIT時代の恩恵と言えましょう。技術の進歩にも、ひたすら感謝ですね。

それでは、新旧含めあらゆるカテゴリーから多くのアーティスト・ミュージシャンが集結したコンサートの中から、JAZZのスタンダードとなって久しい「サラ・ヴォーン」の代表曲『Misty』(オーケストラ指揮&アレンジ:クインシ―・ジョーンズ-1958年パリ録音)を、米国はテネシー州メンフィス出身の女性シンガー「Dee Dee Bridgewater」(ディー・ディー・ブリッジウォーター)
による素晴らしいカヴァーを、まずひとつ。
(観客の方による撮影のようですが、視聴できる今のうちにどうぞ)
 


DEE DEE BRIDGEWATER & QUINCY JONES ORCHESTRA – “MISTY”
Quincy Jones’ 85th birthday celebration concert

 

そして、トリビュートの対象となった「ロッド・テンパートン」が、クインシーに見出される以前に在籍し、英国で結成された多国籍人種による「Multinational Funk-Disco Band」であった『HEATWAVE』時代に遺した伝説のスロウなバラッド作品『Always and Forever』(1977年発売)を、今年の7月で没後13年が経過した偉大なSOUL/R&Bシンガー『LutherVandross』(ルーサー・ヴァンドロス)が遺してくれた、生前1994年英国ロンドンはロイヤル・アルバート・ホールにて収録されたカヴァーで締めくくりたいと思います。

 


LutherVandross – “Always and Forever”
(from Always and Forever: An Evening of Songs at The Royal Albert Hall in 1994)

 

Rest In Peace

 

*「Rod Temperton」(ロッド・テンパートン)に関心を持たれた方、よろしければ関連記事含め、過去記事もご覧ください。