Category Archives: Rest In Peace [安らかに眠れ]

Mellow Classics ~ Vol.15【Joao Gilberto ~ R.I.P.】

「雨の季節」がまだ続いている。
近隣では、例年「梅雨明け」と同時に「初夏」の訪れを知らせる、愛らしい「蓮の花」がそろそろ咲き始める頃。
そんな季節に、遠い海の向こう南米ブラジルから、「アントニオ・カルロス・ジョビン」(Antonio Carlos Jobim) と並び「ボサノヴァ」の創始者として知られる、伝説的なギタリストであり歌手でもあった「ジョアン・ジルベルト」(Joao Gilberto) が、88歳で旅立ったとの訃報が届いた。

 

 

盟友「ジョビン」と共に「ジョアン」は、1950年代後半に伝統的なサンバとモダン・ジャズを融合した新たなジャンルの音楽を創造し、1963年には「ジョビン」と当時の「ジョアン」の妻だった「アストラッド・ジルベルト」(Astrud Gilberto) をヴォーカルに迎えて、Jazzサックス奏者の「Stan Getz」(スタン・ゲッツ) とのコラボ・アルバム『Getz/Gilberto』のレコーディングを行なった。アルバムリリース後の翌1964年には200万枚以上の売り上げを記録し、音楽史上最も売れた「ジャズ・アルバム」の一作品となり、また「グラミー賞最優秀アルバム賞」を受賞した初の外国作品となった。
かつて実店舗営業当時の「Mellows」でも、暑い夏の日の午後、日陰になったデッキテラスで、アルバム『Getz/Gilberto』に収められた心地よい楽曲の数々が、やや控えめに流れていたのを記憶されている方がどれほどいるのかは、僕にはもはや知る術もない。

 


Track#1 – “Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars)”
Track#2 – “Para Machuchar Meu Coracao”
Track#3 – “The Girl from Ipanema”

Joao Gilberto, Astrud Gilberto, Stan Getz, and Antonio Carlos Jobim
(album: Getz/Gilberto – 1963)

 

職場にいるブラジル出身の30代前半のスタッフに「ジョアン・ジルベルトが亡くなったらしいよ」と伝えると、キョトンとした表情で見つめられた。どうやら僕の「ポルトガル語」的な発音ができていなかったことと、もはや「ボサノヴァ」はブラジルの庶民にとっては「過去の音楽」という位置付けらしい。「ジョアン」や「ジョビン」の名前は認識してはいるけれども、「ボサノヴァ」は若い世代にとっては「おじいちゃん・おばあちゃんが聴く音楽」であり、日本国内でいう「演歌」の位置付けに近い印象があると、ポツリと語ってくれた。
夏の気怠い午後、リオの海岸を想像しながら海辺のテラスで風に吹かれて冷たい飲み物でも、なんてステレオ・タイプなシチュエーションは、もはや「フランス」を筆頭に欧州はじめ他国に居住する「ボッサ好き」な人々による、一方通行のノスタルジックな想いの産物なのかもしれない。なんだかそう考えると、ちょっと淋しい。
音楽の楽しみ方って、好きなものを好きなだけ浴びるように聴けばいい。それが僕の持論なのは、どんな時代でもブレることはない。いいものは、無理をしなくとも、自然に後世に伝えらえていくものなのだから。

Rest In Peace, Joao …. 美しい音楽の数々をありがとう…
安らかに眠れ

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どんな巡り合わせなのなのだろうか、このタイミングで、来月8月下旬よりドキュメンタリー映画『ジョアン・ジルベルトを探して』が公開される。

 

映画『ジョアン・ジルベルトを探して』予告編
 

《Info》
ブラジルの伝説的ミュージシャン、ジョアン・ジルベルトの行方を追うドキュメンタリー。フランス人監督ジョルジュ・ガショが、ジルベルトに会えないまま本の出版直前に命を断ったジャーナリストの夢を実現するため、ジルベルトゆかりの人々や土地を訪ねる。ミウシャ、マルコス・ヴァーリ、ジョアン・ドナートらミュージシャンが出演。
 
《Story》
「イパネマの娘」などの名曲で知られ、日本でライブを行ったこともあるミュージシャンのジョアン・ジルベルトは、2008年夏のボサノヴァ誕生50周年記念コンサートを最後に公の場から姿を消す。彼に会おうとリオデジャネイロに出向いたてん末をつづった本の出版直前に自殺したドイツ人ジャーナリストの旅に共鳴したジョルジュ・ガショ監督が、ジルベルトに会うためにブラジルに向かう。

(出典: シネマトゥデイ)

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.13【Luther Vandross】

いつもご訪問ありがとうございます。
明日から2日間予定されている大阪での「G20」のために、世界各国から要人たちの来日ラッシュで、関西空港はかなり慌ただしい様子ですね。加えて、「台風3号」が発生し、「梅雨前線」を刺激しているようです。
当サイトにも、京都を中心に多くの関西方面のブログ・リーダーの方々にご訪問いただいておりますが、影響が最小限であることを祈っております。

 

 

さて、通常モードに戻り、「Vol.13」となる「Mellow Classics」ですが、今回は「7月1日」で没後14年が経過する、『Luther Vandross』(ルーサー・ヴァンドロス)の作品を取り上げます。
僕自身としても、最愛の「R&B/Soul シンガー」と申し上げることに、一切の躊躇もありません。それくらいの、類い稀な実力と実績を伴った、R&B/Soul界のスーパー・スターでした。
まさに相棒と呼ぶに相応しい盟友であり、スーパー・ベーシスト「Marcus Miller」(マーカス・ミラー)と共作した名曲は数あれど、1996年にリリースされたアルバム「Your Secret Love」に収録された『Nobody To Love』のメロウネス溢れる作風は、やはりこのコンビだからこそ生まれたのだと、そんなふうに感じます。

 

 

Luther Vandross / “Nobody To Love”
(album: Your Secret Love – 1996)
 

「ルーサー」亡き後、「Luther Follower」と一般的に呼ばれるよく似たテイストのアーティストは出てはくるものの、やはりあれだけの「シンガー」はそうそうに世に現れるものでないという現実を、彼の死後15年近い時を経て、「失ってしまったものの大きさ」を日々再確認している自分に気づくことが、しばしばあります。
今更多くのことを語ったところでしかたありませんので、よろしければ「ルーサー」関連の過去記事等をご参照いただけると幸いです。

 

R.I.P. Luther …

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.9【Melvin Edmonds ~ R.I.P.】

帰宅してすぐに、先週お休みだった松尾さんの「メロウな夜」が今日は聴けてうれしいなと、番組の内容はどんな感じだろうかと思い、放送前の松尾さんの Twitter を拝見したら、まさかの『Melvin Edmonds』(メルヴィン・エドモンズ) の「訃報」で、しばし絶句してしまった...

【Melvin Edmonds Of After 7 Has Passed Away at age 65】

気を取り直すも慌てて海外の「R&B」系統のウェブサイトを見て回れば、そんな見出しで溢れているじゃないか...

 

 

『Melvin Edmonds』
R&Bが好きな人であれば知らぬ人はいないグループ『After 7』の、弟『Kevon Edmonds』と共にグループを立ち上げた設立者であり、初代メンバーの一人だ。「メルヴィン」「ケヴォン」も言わずと知れたあの超大物プロデューサー『Babyface』(ベイビー・フェイス) こと『Kenneth “Babyface” Edmonds』の実兄なのは、敢えて語るのも野暮なくらいだ。二人の友人である『Keith Mitchell』(キース・ミッチェル) を加えて結成された3人組のグループ『After 7』は、実弟の「Babyface」と相方の「Antonio “L.A.” Reid」による時代を席巻したプロデュース・チームの力添えもあり、キャッチーなメロディに美しいハーモニーとコーラスで、1989年のメジャー・デビュー後、たちまち世界中の人々を魅了していった。

 


After 7 – “One Night”
(album: After 7 – 1989)

 


After 7 – “Till You Do Me Right”
(album: Reflections – 1995)

 

『Edmonds Brothers』というよりは『Edmonds Family』と表現するほうが、より適切な時代になってきているのは、もはや異論の余地はないだろう。「メルヴィン」にとっては「復帰作」であったのと同時に、今となっては「遺作」となってしまった、2016年にリリースされたアルバム『Timeless』から翌年シングル・カットされた『Too Late』のMusic Video に登場する、『Edmonds Family』の面々の絆と結束の固さを、Videoを通して僕らファンは垣間見ることができる。
そして、父「メルヴィン」の闘病中からメンバーに加わり、『After 7』を解散させることなく父の代役を立派に務め上げ、そしてその意思を継承してゆこうという気概を感じさせる、誰あろう「メルヴィンの息子」『Jason Edmonds』(ジェイソン)の「歌声」に、僕は感動を禁じ得ない。だいぶやせ細ってしまった様子だったけれど、儚くも美しいスロウ・ジャム『Too Late』の Music Video の中で、ファミリーに囲まれて実に楽しそうに歌う「メルヴィン」特有の、「松尾さん流」に言うところのあの「塩辛声」もしっかり聴くことができる。特別出演となった「Babyface」とフィーチャリング・ヴォーカリストとして招かれた「Kevon」の甥っ子「David Edmonds」(デイヴィッド) の歌声を一聴すれば、このファミリーに神から与えられた「GIFT」の存在を無視することは、とてもとても難しい。

 


After 7 – “TOO LATE” Featuring David Edmonds & Kenny “Babyface” Edmonds
(album: Timeless – 2016)

 

以前にこの作品を過去記事で取り上げた際にも触れたけど、いつも「松尾さん」が言及してるように、こと「R&B / Soul / Jazz」をはじめとする「Black Music」の世界では、『Bloodline』(血統)の濃さは未来永劫継承されてゆくものなのだと、改めて痛感してしまう。「メルヴィン」の存在した時代の『After 7』における最期のアルバム『Timeless』は、文字通り僕らファンにとってはこれからも、永遠に「タイムレス」な存在であり続けるに違いない。

まだ社会人として「駆け出し」の青臭い20代だったあの頃、仕事や人間関係で躓いたりして上手くいかない自分を、いつも励まし、そして癒してくれた、そんなスーパー・メロウなコーラス・グループだった。
自分にとっての「メロウな夜」というラジオ番組がそうであるように、彼らの音楽の「優しさ」であり「励まし」は、昔も今も、そしてこれからも一向に変わることはない。
今夜は、ラジオを聴き終えたらば、彼らの作品をまとめて聴こうかな。

ありがとう、メルヴィン...

Rest In Peace, Melvin …

 

そして、その息子「ジェイソン」よ、ありがとう。『After 7』のハーモニーはいつだって「Ever Green」なのだから。

 

After 7 “I Want You” Live @ SiriusXM // Heart & Soul
 

天国の「マーヴィン・ゲイ」も唸る、「リオン・ウェア」作曲の本家「I Want You」のイントロのサンプリングから始まる「After 7」「I Want You」の熱演は、聴く者の心を熱くする。頑張れ「ジェイソン」。

 

※「Babyface」関連記事はこちら

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.6【Brownstone】

いつもご訪問ありがとうございます。
前代未聞の超大型連休も、ようやく今日で終わり。ゆっくりと休養ができた方も、一方僕と同様に仕事でグッタリな方も、それぞれが長すぎた連休にそれぞれの感想をお持ちのことでしょう。一つだけ言えることは、政府主導のこういった休日の取り決めは、もうこれっきりにしてほしいということだけです。その場限りの思い付きの政策で、経済界も民間企業も振り回されっぱなしです。まあ、どの世界でも「ボンボン育ち」には理解できないんでしょうが。今の野党の不甲斐なさでは、とてもとても先進国にみられる「二大政党制」の実現は、夢のまた夢ですね。

 

 
「温故知新」をテーマに「メロウなクラシック・R&B/ソウル」作品群に光を当てようといった意図の新コーナー「Mellow Classics」の6回目となる今回は、『Brownstone』(ブラウン・ストーン) を取り上げます。(過去記事はこちらへ

『Brownstone』は故マイケル・ジャクソンが、生前に「epic」系列に立ち上げた自身のレーヴェル「MJJ Music」から鳴り物入りで1994年にメジャー・デビューさせた、3人組の実力派女性R&Bコーラス・グループとしてよく知られています。1stアルバムの『From the Bottom Up』リリース時のオリジナルメンバーは、「Nichole “Nicci” Gilbert」(ニッキー) /「Charmayne “Maxee” Maxwell」(マキシー) /「Monica “Mimi” Doby Davis」(ミミ) による3人。
1stアルバムに収録された「Gordon Chambers」(ゴードン・チェンバース)のペンによるデビュー・シングル『If You Love Me』は、彼女たちの最大のヒットとなり、グラミーの「Best R&B Performance」にもノミネートされ、その後沢山の「ガールズ・コーラス・グループ」のフォロワーを産み出す現象さえ引き起こすきっかけとなりました。

 

Track#1 – Brownstone – “If You Love Me”
Track#2 – Brownstone – If You Love Me (Acappella Version)
(album: From the Bottom Up – 1994)
 

但しデビュー後のツアー終了後に「ミミ」が脱退し、新メンバーの「Kina Cosper」(キーナ) を加えることによって、世界中から期待が寄せられた2ndアルバム『Still Climbing』がリリースされるのに、その後3年という時間を必要としました。とはいえ、2作目のアルバムでも、新生『Brownstone』のコーラスワークは健在で、1作目と比較してもなんら劣る部分はなかったように思います。それよりも、2作目がリリースされた安堵感の方が大きかったように記憶しています。そしてほどなく、『Brownstone』は活動を停止してしまい、僕らファンは「Reunion」(再結成)を待つしかない状況がしばらく続くことになるのでした。

 


Track#1 – “5 Miles To Empty” (album: Still Climbing – 1997)
Track#2 – “Grapevyne” (album: From the Bottom Up – 1994)

 

それから待つこと10年以上、2009年にニッキーマキシーのオリジナル・メンバー2人に加え、3人目がなかなか安定しなかったポストに、新メンバーTeisha J (Brown) Lott」(ティーシャ) を加えての再結成が報じられるも、いつまでたっても新譜の確実な情報が入ってこない。業を煮やして待つこと更に5-6年が経過し、そんな頃に「悲しい知らせ」は急にやってくるもの。
なんということか、オリジナル・メンバーの「マキシー」が、不慮の事故によって2015年2月に帰らぬ人となってしまった。『5 Miles To Empty』のMVを見ればお分かりの通り、グループの設立者でもある「ニッキー」の押しの強いヴォーカル・スタイルに対して、「マキシー」のそれは、古き良き時代の「Soul」に見られるような、「スロウ・ジャム」にうってつけの情感の起伏を伝えることができる「エモーショナル」なヴォーカルであり、二人の好対照なヴォーカル・スタイルがグループとしての魅力を更に倍増していたものでした。

そして、驚きは更に続きます。
毎年7月に米国のジャズ発祥の地「ニュー・オーリンズ」で実施される、今年で25周年を迎える「世界最大規模のブラック・ミュージックの祭典」である、『The Essence Festival – 2019』に、今年なんと『Brownstone』が、オリジナル・メンバーの「ミミ」も正式に復帰した上で参加するとのこと。Official HP でも動画での告知がされていて、亡き「マキシー」への想いも二人共に語っています。おそらく「マキシー」の再結成への想いがようやく実現されることになったわけで、どうかこの Big Event 一回きりではなく、アルバムのリリースに繋がってくれることを願ってやみません。なんだか、二人ともいい歳の取り方をしたような印象がします。

 

 

「ニューオーリンズ」かぁ..行ったことないし、行ってみたいなぁ。
ああ、もう会社辞めて行っちゃいますかね。冥途の土産に。

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.223【Roy Hargrove Quintet】

いつもご訪問ありがとうございます。
サクラも散って、季節はあっという間に「春」というよりは、日によってはもうすでに「初夏」のような陽気ですね。季節の移ろいが、年齢を重ねるごとに、どんどん早くなるのを実感する今日この頃です。全国各地のブログ・リーダーの皆さまの地域では、どんな「春」を迎えてらっしゃるのでしょうか。

かねてよりお伝えしていますように、正直に申し上げて僕は「SNS」に向かないタイプでして、「Twitter」も「Instagram」とかのアカウントもありませんし、今後取得の予定もありません。かつての常連顧客の方々の勧めで仕方なしに始め、その後すぐに休止してしまったのですが、「休眠状態」の実店舗営業当時のアカウントを保持している関係で、「facebook」経由で「いいね」を頂戴することも多々あり、そんな皆様にはこの場を借りて、心よりお礼を申し上げます。最近は、なんだか北海道・東北方面、そして「京都」を拠点に活動されていらっしゃる多数の「JAZZミュージシャン」の方々に、当サイトへご訪問いただいているようです。実店舗のカフェの営業を終えてからは、完全な「音楽ブログ」になっており、もとより圧倒的にプロの音楽関係の方々のご訪問が多いようで、こんなただの音楽好きの素人の運営するサイトへわざわざお越しくださって、大変有難く思うのと同時に、とても恐縮しております。
どうぞ今後とも、気楽にふらっとお立ち寄りいただき、楽しんでいっていただけると幸いです。

 

 

 

当サイトでも何度か取り上げたことのある、不世出のジャズ・マンの一人「ロイ·ハーグローヴ」こと「Roy Anthony Hargrove」が、49歳という若さでJazzの都「New York」で他界したのは、昨年の秋が深まり始めた11月に入って間もない頃でした。

『The Roy Hargrove Quintet』『The Roy Hargrove Big Band』『The RH Factor』と三つのバンドを掛け持ちしたリーダーでもあった、彼の産み出す音楽には、スタンダードなジャズはもちろんのこと、ラテン、ファンク、ヒップ・ホップ、ソウル、ゴスペルに至るまで、それぞれのカテゴリーへの深い愛情とリスペクトを感じさせるに十分な魅力で溢れ、それはもう稀有なアーティストでした。変幻自在のロイの奏でる音楽の中でも、僕個人としては、「クインテット」で繰り広げられるオーセンティックなスタンダード作品がお気に入りで、彼の「フリューゲル・ホーン」から放たれる「音のつぶて」に、これでもかというくらいの黄昏時の「切なさ」や「哀愁」を感じてしまい、いつも目を閉じて聴き入ってしまうほどです。

 

Roy Hargrove Quintet “Rouge/You’re My Everything”
Live at Java Jazz Festival 2010

 

時が経てば経つほどに、現代のジャズ・シーンにおいて、これほどまでに才能豊かなアーティストを失ってしまったことが、悔やまれてなりません。
そういえば、「スーツにスニーカー」といういで立ちが似合うのは、「ロイ」と映画監督の「スパイク・リー」くらいのものです。

R.I.P. Roy …

 

追記:

やはり『The Roy Hargrove Quintet』としての最大の魅力は、ロイ自身の作曲で既にスタンダードになりつつある、クインテットを代表するマスターピース『Strasbourg/St-Denis』(ストラスブール=サン・ドニ)を取り上げないわけにはいきませんね。本当にカッコよくて「スゲェー!」と唸ってしまう楽曲ですね。まさにマイルス以来の「天才」でした。

 


The Roy Hargrove Quintet – “Strasbourg/St-Denis”
(Live at New Morning Club, Paris in 2007)

 

それから、大切なことを取り上げるのを忘れていました。上の動画のクインテットの中でピアノを担当していた「Gerald Clayton」(ジェラルド・クレイトン)が脱退した後に、クインテットに新加入したのは、NYに渡り若手ピアニストとして売り出し中の日本人ピアニスト『海野雅威』(うんのただたか)氏でした。海野さんは、ロイが亡くなるまでのほぼ2年間、『The Roy Hargrove Quintet』に正式に参加した唯一の日本人ジャズ・マンです。「マイルス」からの信頼も厚かった故「ハンク・ジョーンズ」の最後の愛弟子となった海野さんのピアノの音と演奏を聴いたロイが、惚れ込んでツアーに参加させるようになったというのは、かなり有名なエピソードです。
この記事をUPするにあたり、海野さんの「fb」を拝見したところ、ロイへの深い愛情と感謝の想いが綴られた記事を見つけました。英語ではありますが、分かりやすい表現で綴られた弔辞ともとれるトリビュートは、読む者の涙を禁じえません。文面の最後に、故マイケル・ジャクソンの名曲「Rock with You」の作者「ロッド・テンパートン」による、歌詞の一節を引用した言葉の数々は、急逝したロイへのあまりに慈愛に満ち溢れた内容なので、ここで紹介させてください。

 

海野さんが加入後の、新生『The Roy Hargrove Quintet』による「Strasbourg/St-Denis」を、LAの「Catalina Jazz Club」で演奏する貴重な動画が、YouTubeにUPされていました。前任者の「ジェラルド」とは違った魅力に溢れた、素晴らしいアドリブによるGroovyなソロを聴かせてくれます。なによりも、リーダーのロイはもちろん、百戦錬磨のヴェテラン・メンバー全員が、海野さんのプレイに「Wow!」の表情を見せているのが印象的であり、メンバーに受け入れられたことを観客も知らされる、貴重な動画ですね。もはや「New Standard」と評価されるこの楽曲の大半を、挨拶代わりの「ピアノ・ソロ」で、オーディエンスだけでなくメンバーさえも圧倒してしまったようにさえ感じ取れる海野さんの度胸にも称賛を贈りたいくらいです。何はともあれ、観客のリアクションがすべてを物語っていますね。


Roy Hargrove Quintet – “Strasbourg/St. Denis”
@ Catalina Jazz Club, Los Angeles 6/3/2017

 
尚、日本が世界に誇るジャズ・ピアニストとして現在もNYで活動中の「海野さん」については、実店舗『Mellows』を開業する際に、音楽面で多くの貴重なアドヴァイスを頂戴した、長野県小布施にあるJazz喫茶『BUD』さんのマスターのブログに、多くの紹介記事がUPされておりますので、ぜひそちらもご覧ください。
 

 

そしてこちらは、長いキャリアで世界的人気を誇るオランダ人女性サックス・プレイヤー『Candy Dulfer』(キャンディ・ダルファー)が、フリューゲルホーン奏者の「Jan Van Duikeren」(ヤン・ヴァン・ダウケレン)と共にカヴァーした、ちょっと洗練されたヴァージョンの『Strasbourg/St-Denis』。これはこれで、素晴らしい。世界中のJAZZ-MENがこぞってプレイしたいと望むほど、既にスタンダードな楽曲に成長しつつありますね。そう考えると、若すぎたロイの逝去は、残念としか言いようがありません。

 

Candy Dulfer – “Strasbourg/St-Denis”
(Live at ’30. Leverkusener Jazztage’ 2009/11/12)

 

久々に長編記事となってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。

 

 

Mellow Classics ~ Vol.2【Stevie Woods】

超大型連休を目前にして、気温が上昇傾向にあるようです。なんだか気象がやけに極端で、「ほどほど」がいちばんなのですが。

 

 
さて、先日新たにスタートしました『Mellow Classics』シリーズですが、割と評判がいいようで、アクセスも増加傾向にあります。「Vol.2」の今回も、思いつくままに、こんなアーティストの作品を取り上げてみようかと思います。

『Stevie Wods』 (スティーヴィー・ウッズ)は、1951年米国・ヴァージニア州出身の黒人男性シンガー。1980年代初頭に3年続けてリリースした3枚のアルバム、『Take Me To Your Heaven』(1981) / 『The Woman In My Life』(1982) / 『Attitude』(1983)がヒット。「R&B/Soul」のファン層というよりは、むしろ当時のメイン・ストリームでもあったカテゴリーの『A.O.R.』のファン層に大変強力に訴求した黒人アーティストだったといえるでしょう。
デビューアルバムにして既に「最高傑作」との評価が決定してしまったほどに話題をさらった、1stアルバム『Take Me To Your Heaven』は、1st Trackに収録された、Peter Allen / Carole Bayer Sager / David Foster らによる『Fly Away』で幕を開ける。元々は「Peter Allen」が自身のアルバムに収録したもので、「竹内まりや」が先にカヴァーしたことでも知られる作品Fly Away』も、スティーヴィーが歌うと、アレンジもさることながら、全く別の楽曲へと生まれ変わったように聴こえたものだった。

 


Stevie Woods / Fly Away
(album: Take Me To Your Heaven – 1981)

 

そして白眉はなんといっても、全米TOP25に食い込んだ『Steal The Night』「Les Thompson」の演奏する軽やかでいて哀愁を帯びたハーモニカのイントロから始まるこの楽曲を聴いて、『Fly Away』と同様に「深い夜」へ誘うようなそのムードに、当時心躍らぬ者はいなかったはず。

 


Stevie Woods / Steal The Night
(album: Take Me To Your Heaven – 1981)

 

アルバムのプロデューサーはドイツ人の「Jack White」。レコーディング参加メンバーは、当時として考えられる最高レヴェルのスタジオ・ミュージシャンが集結。なんとギタリストだけ見ても、Paul Jackson, Jr./ Ray Parker, Jr./ Steve Lukather を三つ揃えし、その他の楽器についても、当時の「FUSION」界の大物ミュージシャンが揃い踏みするような、下記の鉄壁の布陣を擁した。
Nathan East (b) / Clarence McDonald (key) / Michael Boddicker (key) / Ed Greene (ds) / James Gadson (ds) / Bill Reichenbach (tb) / Jerry Hey (tp) / Ernie Watts (s) / Bill Champlin (back vo), and etc.
相当な制作費がかかったと予想され、これでは質の悪いものができるわけない。

大きな成功を収めた後に、活動の場を欧州・ドイツに移した「スティーヴィー」は、5年前の2014年1月に、糖尿病の合併症によりベルリンで帰らぬ人となった。(享年62歳)

 

R.I.P. Stevie …

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.209【James Ingram ~ R.I.P.】

足早に過ぎていく一月が終わろうとしている中で、遠い海の向こうから、大好きだったアーティストの一人『James Ingram』(ジェイムズ・イングラム)が旅立ったとの訃報が届いた。

 

 

まだ高校生だった頃の1981年、敬愛する『Quincy Jones』の名盤『The Dude』の中で出逢った時の衝撃は、今でも忘れられない。2016年に時を同じくして他界した「Toots Thielemans」 (トゥーツ・シールマンス) 「Rod Temperton」(ロッド・テンパートン)をはじめ、一時代を築き上げた「クインシー・ファミリー」の重要なメンバの一人がまた欠けてしまった。本当に残念でならない。

 


James Ingram ~ Tribute

 


James Ingram & Tamia “How Do You Keep The Music Playing”

 

Rest In Peace….

 

追記: 当サイトでいつも応援しております、音楽プロデューサー「松尾潔」さんのFMラジオ・プログラム「松尾潔のメロウな夜」(2/11放送)において、僕自身も含めた日本全国の「ジェイムズ・イングラム」を愛する熱心なリスナーやファンの熱い想いに応え、『ジェイムズ・イングラム追悼特集』をON-AIRしてくださいました。1991年に初来日したジェイムズ・イングラムの単独公演の全演奏曲目を再現するといった内容ですが、僕らと同じ時代を生きた「R50世代」の方々にとっては、もう必聴ものです。また一方で、放送後のコラム「メロウな徒然草」に寄せた、御大「クインシー」とその周辺のアーティストたちの関連性であるとか、とにかく松尾さんならではの視点からの解説は、これまた必読ものです。
再放送の予定は下記の通り。まだ聴かれていない方はぜひ。
再放送 FM [ 2/18 月曜 AM10:00-10:50 ]
再放送 AMラジオ第1 [ 2/18 月曜 16:05-16:55 ]
 |
※「2月18日、3月4日のラジオ第1の再放送は休止します。」とのことでした。
ゴメンナサイ m(__)m

 

 

 

Tribute To The Legends on Christmas 2018

いつもご訪問ありがとうございます。
あまりに多忙な上に、体調を崩したりと、散々な平成最後の暮れを過ごしております。
日々ご訪問いただいているブログ・リーダーの皆さま、更新が思うように進まずに、申し訳ありません。こちらが本業ではございませんので、どうかご理解くださいませ。
明日から三連休の方、あるいは僕と同様に年間で最も多忙なクリスマス・年末年始を仕事で終えてしまう方も少なくないと思われますが、いずれにせよ、皆様どうかお身体ご自愛の程を。

 

 
さて本題に入りますが、表題の通り今回は、このクリスマスを迎えるタイミングで、ROCK/POPS界の世界的なレジェンドたちについて取り上げてみたいと思います。

折しもこの秋に、英国出身の伝説のロック・バンド『Queen』(クイーン)の伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』(Bohemian Rhapsody)が世界同時公開され、ここ日本でも僕らのようなリアルタイムで青春期を彼らのサウンドと共に過ごした世代のみならず、その子や孫の世代をまで巻き込んだ、大変大きなセンセーションが巻き起こっているのは、ニュースやメディアを通して、音楽にあまり詳しくない方まで皆さんよくご存じのとおりですね。嬉しい現象じゃないですか。なぜって、僕くらいの年齢(あと数日で55ですが)になると、新しい音楽はもちろんのこと、昔よく聴いた懐メロに相当するような音楽でさえもう聴くことのない大人たちで、周囲は埋め尽くされているものです。言ってみれば僕が異常なのかもしれませんが。
すこし前に車中で聴いた「J-Wave」の夕方の番組内で、パーソナリティーのピストン西沢氏が言ってましたが、「これを機会に、またあの時代のような洋楽人気が復活してくれるきっかけとなってくれるといいな」と。まったく同感です。反論のしようもありません。

小学校の高学年頃からすでに洋楽のとりこになり、短波放送が聴けるラジオで海外の放送局の音楽番組を毎日毎晩聴き漁っていたちょっとヘンテコな子どもだった僕でしたが、ちょうど中一だった1976年にリリースされた『Somebody To Love』(邦題:愛にすべてを)は、『ボヘミアン・ラプソディ』はじめ偉大な作品が数多くあれど、『Queen』(クイーン)の作品の中では最も愛すべき楽曲です。そういえば、まだこの頃は「Soul/R&B」(黒人音楽)とまだ出逢っていなくて、欧米のヒット・チャート上のROCK/POPSをまるでシャワーでも浴びるかの如く、聴きまくっていた時代でした。このVIDEOを観るとあの初めて聴いた時の「多重録音」の衝撃と感動が、その度に襲ってくるから、名曲とは凄まじいものがあります。

 


Queen – Somebody To Love (Official Video)

 

Freddie Mercury(フレディ・マーキュリー)- 1991年11月24日(45歳没)
David Bowie(デヴィッド・ボウイ)- 2016年1月10日(69歳没)
George Michael(ジョージ・マイケル)- 2016年12月25日(53歳没)

上記3人共に英国を代表する、今は亡き ROCK/POPS ミュージシャンでありアーティストですが、間もなく訪れるクリスマスの12/25は、僕自身敬愛するジョージ・マイケル」の命日です。
同じLGBTでもある「ジョージ」「フレディ」のことを大変リスペクトしており、1992年4月に実施されたフレディの追悼コンサートでの「Queen」の名曲『Somebody To Love』の、フレディが憑依したかのような圧倒的なパフォーマンスは、ジョージの死と共に現代ロック史上の伝説となりました。
また、そのライヴ直前に行われたリハーサルのスタジオに居合わせた在りし日の「ボウイ」が、「ジョージ」の圧倒的なパフォーマンスに度肝を抜かれている様子がずっとカメラで捉えられており、こちらも伝説のVIDEOのひとつですね。ギター演奏中の「ブライアン」が感激のあまり「ジョージ」に歩み寄り彼の耳元で「Beautiful!」と叫んだというのも、かなり有名なエピソードとなっています。まずはリハーサルの様子から、そして会場のオーディエンスと一体化した圧巻の本番のパフォーマンスへ。そして「デヴィッド・ボウイ」「Queen」をバックに従えての持ち歌の『Heroes』を披露するその様子は、今となっては本当に貴重な映像です。どうぞ一連の動画をご覧ください。

 


Track-1: Queen & George Michael – “Somebody To Love”[Rehearsal]
Track-2: Queen & George Michael – “Somebody To Love”
Track-3: Queen, David Bowie, Ian Hunter, Mick Ronson – “Heroes”

(The Freddie Mercury Tribute Concert – 1992)

 

偉大なる音楽の先人たちに R.I.P.

そして音楽を愛する世界中の人々に「Merry Christmas」

世界のいたるところに平和が訪れますように