優しい音色 Vol.19【Minako Yoshida】

 

浮かんでくるときは次から次へと出てくるもので、昨日に続いて「優しい音色」シリーズの二日連続での更新です。

過去記事では二度ほど紹介していますが、懲りずに今回も日本を代表する女性シンガー(あえてシンガーと表現します)「吉田美奈子」の、1990年に発表されたアルバム「gazer」より『時間(とき)をみつめて』を紹介します。
少し音量を上げ気味で、聴きながら読んでいただけるとよろしいかと思います。

 

「時間をみつめて」
吉田美奈子
(album: GAZER – 1990)

 

gazar

吉田美奈子 / 『時間(とき)をみつめて』

 

いわゆる『達郎』世代の方であれば、皆さんご存知の通り、彼女は RCA/RVC レーベル所属時代の山下達郎のほぼ全てバックコーラスを手掛ける他、数曲歌詞も書いているのはよく知られている話です。つまりは達郎氏の作品には彼女の才能が不可欠だったわけで、時代に若干のズレがあるにせよ、それは彼の奥方の「竹内まりや」の存在以上に大きかったことは否定できない事実でしょう。

オリジナルアルバムが2006年、ギタリストの渡辺香津美とのコラボ・アルバムが2008年に発表されて以降、これといった情報はなく、コアなファンの間では新作の発表が待たれているわけですが、この『時間(とき)をみつめて』は、ここ10年ほどで発表された彼女の作品の中では、ひときわ際立った輝きを放ちながら、切なくも美しく、そして『優しい』楽曲として存在しています。

以前からずっと訴えていますが、このような類い稀な才能を持ったミュージシャンでありアーティストであり、シンガーが日本に存在しているのだということを、僕のブログを通じて若い世代の人たちに、もっともっと広く知って欲しいと、心より願っています。
僕は二十歳くらいの頃に、友人が通う大学の学園祭で、最初から最後までマイクなしでライブを敢行した彼女のパフォーマンスを、超至近距離(5mくらい)で見る機会があり、彼女の歌う持ち歌だけでなくゴスペルなどにも、それはそれは痛く感動したのを鮮明に記憶しています。

しかしこの曲、なんと優しく美しいバラッドなんでしょう。
7分を越える曲があっという間に過ぎていくほど。
心が洗われるようです。

 

 

 

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