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AC Tunes ~ Vol.70【Ole Børud】

いつもご訪問ありがとうございます。
年が明けて4日目ともなると、ようやく世の中にも普段の動きが戻ってくるものです。
皆様におかれましては、年末年始をいかがお過ごしでしたか。

 

 
当サイトの名物シリーズ『Mellow Tunes』から遅れること数年、5年ほど前(2014年)からスタートした『AC Tunes』のシリーズでは、『大人が聴いてリラックスできる音楽』を、1970年代後半から90年代あたりのアーティストや作品をはじめ、その頃の時代の『サウンド』を現代でも再現しているアーティストなども、これまで取り上げてきました。いつも『Mellow Tunes』で取り上げるようなメロウな作品に限らず、『AC』つまり『Adult Contemporary Music』(アダルト・コンテンポラリー・ミュージック)として括られるような、また違ったカテゴリーのアーティストや作品を、折に触れご紹介できたらと考えています。かつての実店舗の経営方針と同様に、『お子様はお帰りください』的な、コーナーと言って差し支えありません。(笑

ちょうど4年ほど前に「AC Tunes ~ Vol.30」でご紹介したことのある、遠く北欧はノルウェー出身で、極めてクォリティの高いAORを聴かせてくれるアーティストとして世界中から注目を集めている『OLE BØRUD(オーレ・ブールード)ですが、前回の記事をUPした以降、アルバムのリリースがしばらくなく、どうしているものかと思いあちこちWebを駆使して調べましたところ、どうやらレーヴェルの移籍等が影響したのか、作品のリリースが遅れているような様子でした。嬉しいことに、昨年11月中旬に新たな契約先と思われる「Naxos Sweden – Linx」というスウェーデンのレーヴェルより、シングルがリリースされていました。そしてこれがまたいいじゃないですか。

 


Ole Børud – “Good Time” (Radio Edit) – 2018

 

故郷のノルウェーでは有名なミュージシャンの父「Arnold Børud」のいる家庭環境だとか、また北欧の若者のすべてがそうであるように、英国・米国のあらゆるカテゴリーの音楽を聴いて育ったという、現在42歳の彼の創り出すどこか回顧的なサウンドの特徴については、本人曰く特に珍しいことではないと、インタヴューに答えているようです。
僕らのように若い頃から、欧米発信の「1970~80年代のPOPS/ROCK」などを聴いて育った世代からすれば、HIP-HOP系ばかりのサウンドが食傷気味に蔓延している近年の米国辺りでは、もう「宝探し」に近いようなずっと探していたあの時代のサウンドが、遠くスカンディナヴィアの国々からこの時代に発信されてくることが、ちょっと不思議な感覚であり、それよりなによりも「まだここにあったのか!」「よくぞ生きててくれた!」という喜びの方が数百倍というのが本音です。

 


Track#1  “Driving” (album: Stepping Up – 2014)
Track#2  “Broken People” (album: Keep Movin – 2011)

Track#3  “Maybe” (album: Stepping Up – 2014)
Track#4  “One More Try” (album: SHAKIN’ THE GROUND – 2008)
Track#5  Keep Movin (Live @ Parkteateret 2016)

 

それにしても、『オーレ・ブールード』が数年前に来日した際も『ノルウェー王国大使館』が後援していましたが、北欧のミュージック・シーンは熱いですね。昔から米国出身の多くのジャズ・ミュージシャンたちが、北欧の国々を終の棲家に選んだのが、よく分かるような気がします。スカンディナヴィア諸国では、クラシック音楽を愛するのと同様に、その他のカテゴリーの音楽を受け入れるその「懐の深さ」は、世界中のどの地域よりも高水準と言われる、国民の教育水準をはじめ幸福度や福祉の充実ぶりと、おそらく無関係ではないのでしょう。我が国も見習うべきことが、沢山あるような気がしてなりません。
 

2019年の、『大人が聴いてリラックスできる音楽』を標榜する『AC Tunes』のシリーズでは、僕も若い頃から大好きでそれこそ夢中になって聴いた、『FUSION』(Smooth Jazz)分野で活躍するアーティストたちに関しても、もっともっと取り上げていきたいと考えています。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.205【Friday Night Plans】

新年明けましておめでとうございます。
いつもご訪問ありがとうございます。今年も一年、どうぞよろしくお願いいたします。

賀状を毎年くださる旧来からの知人の皆さま、毎年ご丁寧にありがとうございます。実店舗をCLOSE後は、年末年始が多忙な組織に属していることもあり、誠に恐縮ではございますが、ここ数年は知人の皆様への賀状でのご挨拶は遠慮させていただいております。この場をお借りして、年末・年頭のご挨拶と代えさせていただいておりますので、どうぞご了承くださいませ。

 

 

さて、なんだか今年の「R&B」シーンは、従来「Black Music」(黒人音楽)のルーツとなっていた、アーティスト自身のオリジン(出自)を「アフリカ」に持たない人たちによる、ジャンル(カテゴリー)の形成がこれまで以上に進化していくような、そんな兆候を強く感じます。この件については、昨年末の『松尾潔のメロウな夜』の番組の中で松尾さんが「鋭い指摘」をされていました。

事実、本家の米国では、英国出身の『Ella Mai』(エラ・メイ)や新たに『H.E.R.』のアーティスト・ネームでシーン躍り出た「Gabi Wilson」(ギャビー・ウィルソン)、そして極めつけは今や超BIGな存在となった『Bruno Mars』(ブルーノ・マーズ)など、直接的な出自をアフリカに持たないアーティストが増えてきました。世代交代が進めば当然といえばその通りなのですが、かつて「SOUL」と呼ばれたカテゴリーの呼称が「R&B」と呼ばれるようになって久しいですが、いよいよこのカテゴリーもアーティストの「多国籍化」が本格的に進んできているようです。
かねてより申し上げていますが、正直なところ僕は体質が合わないので、極端に「HIP-HOP」然としたアーティストやその作品群を好んで聴くことはほとんどありません。敢えてここで詳しくは言及しませんが、聴かない理由は、かつて「Quincy Jones」や「Jam & Lewis」といった「Black Music」の一時代を築き上げたプロデューサーたちが「HIP-HOP」に対して抱いていた感覚と同様のものです。とはいえ、現代(いま)の音楽を目の前にした際、ある程度「HIP-HOP」の要素が入っているのは時代の潮流であり、メロディアスあるいはメロディックに処理された楽曲の中には、好意的に受け取ることができるアーティストや作品が、明らかに増えてきているのは間違いないようです。

さて前置きが長くなりましたが、2019年最初の「Mellow Tunes」の今回は、昨年末に駆け込みでご紹介した、『Friday Night Plans』を改めて取り上げます。
僕が彼女の存在を知ったのは、「松尾潔」さんのTwitterで紹介されていた「Plastic Love(プラスティック・ラブ)」のカヴァーがきっかけだと、以前の記事でお伝えした通り。また、数日前の晦日に放送された「山下達郎」さんのFM番組「サンデー・ソング・ブック」の中で、年末恒例のゲスト出演中の奥方「竹内まりや」さんと共に、「Plastic Love(プラスティック・ラブ)」の話題に触れ、優れたカヴァーの2作品を紹介するとして、今月下旬より配信される予定の『tofubeats』によるカヴァーと共に、『Friday Night Plans』によるカヴァーもOn-Airされました。特に『Friday Night Plans』のカヴァーに関しては、「まりや」さん本人が「すごく素敵な声」と絶賛されていました。

『Friday Night Plans』は、東京都出身、今年で23才になるアーティスト。日本人の父とフィリピン人でシンガーの母を両親に持つ、そんな彼女が昨年6月にLA滞在中、現地で制作された作品(全4曲)を収録したEP『LOCATION – Los Angeles』から2曲ほどご紹介。
UPなものもBalladもどちらも素晴らしい出来で、彼女の才能の片鱗を否応なく感じ取ることができるでしょう。今後も要注目ですね。

 


Meet Us In The Park We Used To Play.
(EP: “LOCATION – Los Angeles” – 2018)

 


Fall In Love With You In Every 4AM.
(EP: “LOCATION – Los Angeles” – 2018)

 

先の話題に戻るようですが、『H.E.R.』こと「Gabi Wilson」(ギャビー・ウィルソン)、『Bruno Mars』(ブルーノ・マーズ)、そして『Friday Night Plans』と、これらの三人に共通するのが、母親がフィリピンの方であるという事実なんですね。これは単なる偶然ではなく、きっと必然であって、母国語と同様に英語を話す環境が、「世界」というステージ(舞台)を視野に入れたとき、我々日本人とはその差が、大きなアドヴァンテージとなって出てくるのではないかと、そんなことを強く意識した昨今の「R&B」シーンです。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.204【Best Mellow Tunes – 2018】

いつもご訪問ありがとうございます。
毎年のことですが、クリスマスが終わると年末に向けて、その後の日々の過ぎ去るスピードが一段と加速するような気がしてなりません。それも年を追うごとに。冬季特有の早い日没の夕空を眺める時間くらい、取りたいものですが、なかなかそうもいきませんね。

 

 

かつての実店舗「Mellows」のOPEN準備期間(2010年末)より継続している音楽主体の当ウェブサイトですが、今年も変わらず定期的なご訪問、皆様ありがとうございました。そろそろ2018年「平成最後の年の瀬」も間もなく暮れようとしていますが、今年は皆さんにとってどんな一年だったのでしょうか。

さてさてここ数年の年末の恒例企画ですが、当サイトにてその年にご紹介したアーティストや作品の中から、【Best Mellow Tunes】として、作品のリリース時期に一切関係なく、その時点でよいと感じた「アーティスト」であり「作品」を、時代やカテゴリーに拘ることなく選択しています。新しいものだけがよいと言うのは大間違いで、残念なことに出逢う機会がないままに、自分の中で過去に流されていった作品の中に、キラッと光るダイヤのような作品と、長い時間を経てめぐり逢うことは、決して少なくありません。大抵の音楽好きの方であれば、容易にご理解いただけると思いますが、あくまで「私的なBEST」ですので、誤解なきようご了承ください。

 

 

Best Mellow Tunes 2018 [New Wave ~ R&B]

 


Best Mellow Tunes 2018 [Veteran’s Return ~ R&B]

 


Best Mellow Tunes 2018 [Smooth Jazz/Fusion]

 


Best Mellow Tunes 2018 [Domestic]

 

今年も敢えて順位などはつけませんが、必然的に新しい作品が大半を占めるとはいえ、今年2018年中に初めて出逢ったり、過去の作品群を掘り起こし作業中に再会したりした中で、『Mellow Tunes 』『AC Tunes』シリーズの記事としてUPした中からの、「アーティスト」や「楽曲」のご紹介となりました。(但し今年に限っては、多忙さゆえに記事をUPできなかったアーティストの作品も一部含まれていますことを、ご理解くださいませ。)
お気付きの方もいらっしゃるように、今回は、敢えて「カテゴリー」を分けて選出してみましたので、年末年始のお時間の許す限り、ゆっくりとお楽しみいただけたら幸いです。
また余談ですが、今年出逢ったアーティスト・作品の中で、最も感銘を受けたのは、数日前にリリースされたばかりの、【Domestic】(国内部門)リストの最後の作品でした。

 

それでは皆様、「よいお年を」お迎えください。

 

Bon Voyage, Mitsuo

親愛なる鹿島アントラーズの闘将、「小笠原満男」がついにスパイクを脱ぐ時が来てしまった。
残念だけれど、現役選手にとっては遅かれ早かれ、いつかはやってくる日。

 

 

 

あなたのおかげで、これまで何度も優勝の瞬間に立ち会うことができた。冬の海風が強く吹き荒れる鹿島スタジアムで、そして元日の国立競技場でも。

 

 

17年前の「2001 SUNTRY CHAMPIONSHIP 第2戦 鹿島vs磐田」で、あなたの右足から放たれた、J-League史上最も美しいFKからのGOALを、僕らは絶対に忘れない。

 

 2001.12.08  SUNTRY CHAMPIONSHIP 第2戦 鹿島vs磐田

 

今日までお疲れさまでした。そして、ありがとう満男。
これから始まるあなたの新しい旅路に向けて、良き船出となるよう、心より祈っています。

 

Merry Christmas ~ 2018

 

Merry Christmas


“Have Yourself a Merry Little Christmas” by Wells Cathedral Choir (U.K.)

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.203【Friday Night Plans】

いつもご訪問ありがとうございます。
三連休も終わり今日がクリスマスですが、暦の関係で世の中は早くも年末ムードにシフト・チェンジしたような印象ですね。平成最後の今年もあと少し。頑張りましょう。

おっとそういえば、クリスマス当日の今日は「George Michael」(ジョージ・マイケル)の命日でしたね。あなたの遺した「Last Christmas」が世界中の街角から聴こえてきます。
Rest In Pease, George…

 

 
「Plastic Love」(プラスティック・ラブ)といえば、僕ら50代以上の世代の人たちにとっては周知の、「竹内まりや」さんの1984年にリリースされた通算6枚目のアルバム『VARIETY』(ヴァラエティ)に収録された、国内POPS史に燦然と輝く名曲です。作詞作曲はご本人、編曲・アレンジ・プロデュースはご主人の「山下達郎」氏なのは、当ブログを訪問される方々であれば、もはや説明は不要かと思われます。

僕も『Plastic Love』には並々ならぬ想い入れがあり、本楽曲中まりやさん本人と一緒にバック・コーラスを担当し、圧倒的な存在感を放っている「大貫妙子」さんの大ファンでもあったので、この作品が世に出たときは本当にエキサイトしたのをよく覚えています。アルバム発売の翌年1985年(33年前)には、当時流行していた「45回転12インチシングル盤」も追加リリースされました。山下達郎氏ががっぷり四つで取り組んだ12インチシングル盤の「B面」には新たに施された「New Re-Mix Ver.」が、そして「A面」には9分を超える「Extended Club Mix」が収録され、NY辺りの街中のSE(効果音)なども散りばめられており、よく都内のClubやDiscoで耳にする機会も多かった、非常に優れたマスタリングが施された素晴らしい音質の12インチシングル盤でした。限定何枚プレスされたのかちょっとわからないのですが、とにかく当時入手できた人は大変少なくて、僕の周りの音楽好きの連中も手に入れられなかった人たちがほとんどでした。僕はといえば、当時大学の帰りに寄るのが日課だった、今はなき宇田川町のタワー・レコード渋谷店の馴染みの店員さんに頼んでキープしてもらい、発売当日に速攻で購入した記憶があります。

 

 

Track 01: Mariya Takeuchi “Plastic Love” (original) 1984
Track 02: Mariya Takeuchi “Plastic Love” (Extended Club Mix) 1985
 

間もなく2019年とあれから35年近くが経過する現在でも、僕のターン・テーブルに乗るアナログ盤としては、「”Never Too Much” – Luther Vandoross」「”The Nightfly” – Donald Fagen」に次ぐ頻度といえるくらい、今でもよく聴いてますね。とにかくですね、マスタリングされた音質が素晴らしいんですよ。さすが音職人でもある「達郎」さんの仕事ぶりです。なので、現在では海外からの入手を希望するマニアも多くて、オークションでも程度のいいものはかなりの値がついているそうです。もちろん、僕は誰にも譲りませんよ。悪しからず。
オリジナルの楽曲のリリースから35年近くが経過した現在、『Plastic Love』は国内はもとより、海外での評価も日を追うごとに上昇し続けていて、YouTubeを筆頭に各種動画サイトでも大変な再生回数がカウントされているようです。

さてさてご紹介が遅れてしまいましたが、そんな状況の中で、先日音楽プロデューサーの「松尾潔」さんが自身のTwitterで紹介していたのが、こちらのアーティスト、『Friday Night Plans』です。(多忙で記事更新の時間が取れず、取りあえずPCモードで閲覧すれば見られるように、右側ウィジェットに動画だけは貼付けておいたので、視聴された方も多いかと思います)

「Friday Night Plansが、竹内まりやの名曲「Plastic Love(プラスティック・ラブ)」のカバーをリリースした。」
(詳細については、こちらの音楽レビューサイト【Real Sound】をご覧ください)

 

Friday Night Plans – ‘Plastic Love’ – 2018
Cover Version (Original Song by Mariya Takeuchi)
 

「2018年にこの楽曲が録音されていたとしたら」という視点から制作した、というプロデュースを担当した「Tepppei」氏が語るように、原曲へのリスペクトから楽曲のテイストを変えず、実にクールに響く彼女のヴォーカルの魅力を最大限に引き出すことに成功しています。
前述の「松尾潔」さんが昨晩の「メロウな夜」の番組中で言及してらっしゃいましたが、ここ数年で世界中を席巻する勢いの、「次世代R&B」アーティストの筆頭と言われて久しい『Ella Mai』『H.E.R.』と同様に、「アフリカン・アメリカン」ではない有望なアーティストの登場に、今後も要注目ですね。

Friday Night Plans」の新旧リリース楽曲については「SOUNDCLOUD」へGo

 

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.202【Ai Ichikawa】

いつもご訪問ありがとうございます。
これから多忙さに拍車がかかるので、どうしても今年中にご紹介しておきたかった日本人アーティスト、『市川愛』さんのご紹介です。

 

 

市川愛 [Profile]
神奈川県藤沢生まれ。5歳よりピアノ、バイオリン、声楽を始める。中学、高校ではストリートライブや文化祭で演奏を重ね、大学受験中には一人で地元の駅で「amazing Grace」を 毎晩のように歌っていた。 慶應義塾大学に入学後、同大学のJazz研究会に所属。鎌倉にあるJazz Clubダフネとの出会いをきっかけにJazzに惹かれ、山本剛、横山達治、古野光昭、伊藤志宏らと共演し、同時期、伊藤君子に師事。 ダフネを通じて知り合った秋元、片野と共にDa luaというバンドを結成。 Club Jazzや、R&B、HipHopのコンピレーションアルバムに作詞&ボーカル参加など活動の幅を広げるが、更なる成長を求め2009年9月に「Berklee College of Music」に留学。 優秀な成績を認められ奨学金を得て、ギリシャの姉妹校であるNakas Conservatoryに5ヶ月間交換留学しアテネに滞在する。 オペラ歌手Anna Alexopoulosに師事し、トロンボーン奏者Antonis Andreouのバンドに参加する。 その後ボストンに戻り、ボストン、ニューヨークのジャズバー等でライブを重ね、「Blue Note New York」 にて「Chick Corea」と共演した経験を持つ強運と実力の持ち主。 2012年5月に卒業式を迎え、帰国後は平戸祐介トリオ、平岡雄一郎等と共演し、初のジャズスタンダードのミニアルバム 『The Standards I’ve met』をリリース。 その翌年2013年10月には2ndアルバム『Haven’t We Met』を、また翌年2014年には3枚目のアルバム『I WANT YOU TO WANT ME』を、これまでの作品と同じくプロデュースに平岡雄一郎を迎え、ジャズのスタンダードナンバーからステーヴィーワンダーやマイケル・ジャクソンのナンバーまで幅広いジャンルをカバー。(以上、Amazon アルバム紹介欄より抜粋)

そして4年の歳月を経て今年2018年4月に、国内JAZZ界きっての奇才「菊池成孔」氏をプロデューサーに迎え、リリースされた4枚目のアルバムが『MY LOVE, WITH MY SHORT HAIR』です。トレードマークのロングヘアーをバッサリとCUTして、ヴィジュアルだけでなくこれまでの作品群からは離れ、オリジナリティを前面に押し出した新境地を見せてくれています。NEWアルバムリリースと同時に制作された、なんと「菊池成孔」さん自身が撮影監督を務めた「青い涙」のMV、およびアルバムのトレイラーをUPしますので、ぜひご覧ください。

 

市川愛 / MY LOVE WITH MY SHORT HAIR (全曲試聴)
市川愛「青い涙」MV (監督: 菊地成孔 / 甲斐田祐輔)

 

そして、僕がどうしても紹介したかったのが、数日前の12/20「配信のみ」でリリースされたシングル作品『Blue』
当初はNEWアルバムに収録予定だったにも関わらず、最終的には菊池さんの判断で「未収録」となったそうで、その時のいきさつやら楽曲への「想い」を、彼女自身のブログ上で綴っていらっしゃいます。そのブログ上で音源サンプルが公開されており、一聴してみたところ、あまりに「儚く美しい」楽曲に、心を鷲掴みにされてしまったのです。(こちらをご覧ください)

今日になって、早速ダウンロードしてしっかり聴きました。「美しく」「儚く」「ピュア」で「イノセント」、そんな形容詞しか浮かんでこないほどの、最大級の賛辞を贈りたい作品です。フル尺で聴いて、いろいろとあって僕自身のきつかったこの一年の出来事をすべて洗い流してくれるようで、ジーンと心も目頭も熱くなりました。歳のせいか涙腺が緩くなりつつあって、正直泣いちゃいました。
なぜ、アルバムに収録されなかったのか、菊池氏に直にぜひ理由を訊ねてみたいところですが、菊池さんの国宝級のラジオプログラム「粋な夜電波」も年内で終了となると、その機会ももうないかもしれません。菊池さんの立ち上げた「TABOOLABEL」「Sony Music」との契約上の問題からなのか、いずれにせよ、本作品がお蔵入りすることなく世に放たれたことは、制作陣の賢明な判断であったと確信しています。

気になった方は、「Amazon」でも「Apple Music」「レコチョク」「mora」でもなんでもいいですから、どうぞすぐにダウンロードしてください。「心が洗われる」といった表現がありますが、それを具現化したような作品です。儚い恋心を歌い綴る極めてシンプルな楽曲だと思いますが、こんなにも心が静かに揺さぶられ、切なくて狂おしいほどに琴線に触れる楽曲に出逢える機会とは、先般「JUJU」『メトロ』を取り上げた際にも言及しましたが、正直なところ数十年に一度くらいのものです。
「聖なる夜」に、一人で夜空の星でも眺めながら、あるいは大切な人と一緒に聴くのも、またよろしいのでは。これだけ素敵な作品なのだから、自分だけのものにしておきたいけど、あまりにそれはもったいない。沢山の人々にこの感動を伝えてあげたいと、本心からそう思う作品『Blue』との出逢いでした。

「Sho Hamada」さんのオーガニックなギターの音色とアレンジも含め、これほどにシンプルだけど完成度が高く、そして聴く者の胸を打つ楽曲が「CD化」されないというのは、はっきっり申し上げますが、世の中間違っています。レコード会社の上席の方々は、何が求められていて重要なのかが、判断不能な状況に陥っているのではありませんか?「カタチあるもの」としてのCD化を強く望みます。

「与える」にしても、「消費する」リスナー側が「真に求めているもの」を感じ取ってSUPPLYできない限り、日本の音楽産業界がバブル崩壊やリーマン・ショック以降に陥ったこの長期に渡る泥沼から這い上がることは、正直難しいと思います。この悪循環を断ち切るためには、民間事業である以上、利益が出るか出ないかは大切ですが、良質で豊かな「文化」カルチャーを次世代に遺すための処置が急務であるにも関わらず、現代の音楽産業界にはその努力が明らかに欠如しています。質の高い音楽を本気でやれるアーティストのために、レコード会社は存在して欲しいと、切に願うばかりです。

普段は僕はSNSを全く利用しておりませんが、先ほど市川さんの「fb」訪問してみましたら、現在わけあってなんと「自宅療養中」とのことでびっくりしました。
こちらのFB内の動画で作品『Blue』への想いを語ってらっしゃいます。そうでしたか、やっぱり「冬の空」のイメージだったんですねぇ。僕が感じていた通りでした。秋~冬の空には、僕も人一倍そんな想いが強いクチです。サイト内の自分で撮影した冬空の写真の数々、楽しんでいただけると幸いです。お大事になさってください。


市川愛 /「Blue」配信リリースコメント
[TABOOLABEL Official YouTube Channel]
※2018/12/27 YouTube にて公開

 


市川愛 /「Blue」
(”spotify”なら、ログインすればフル試聴可能です)

 

「市川愛」さんも、前回の「Mellow Tunes ~ Vol.201」でご紹介した期待の次世代サックス・プレイヤーの「中園亜美」さんもそうですが、米国は名門「バークリー音楽大」を卒業されていて、お二人に限りませんが国内にはこんな実力派のアーティストがいるという事実を、もっとアピールしないといけません。そのためには、こんな個人のWebsiteでやれることは限られていますが、できる限りのサポートをさせていただきます。また皆さんのような実力のあるアーティストの方々が当サイトを時折訪問してくださることを、とても嬉しく思っています。応援してますので、これからも頑張ってください。