日本列島が例年通り順当に「梅雨入り」した2025年6月、私たちはまたひとつ、歴史の転換点に立ち会っているのかもしれない。
イランのミサイルを迎撃するイスラエルのアイアンドーム・システム
(6月18日テルアビブで、写真:AP/アフロ)
イスラエルとイランの間で再燃した緊張は、ガザ地区との紛争も含め、単なる国境をめぐる争いではなく、より深い宗教的、政治的、そして歴史的な傷痕を浮かび上がらせている。
そして今回、米国がその渦中に加わった。6月21日、米軍はイラン国内の核施設に対して大規模な空爆を実施。125機の航空機と巡航ミサイル、さらには「フォルド、ナタンズ、イスファハン」を含むイランの核施設三つに対して、地中貫通爆弾「バンカーバスター」まで投入されたという。この作戦は、イスラエルとの連携のもとで行われたとされ、イラン側は「主権の侵害」として強く反発している。
この一連の動きは、単なる軍事衝突ではない。それは、国家の「正義」と「安全保障」がぶつかり合う、価値観の衝突でもある。イランは報復を示唆し、ホルムズ海峡の封鎖や中東の米軍基地への攻撃の可能性も取り沙汰されている。一方で、米国は「戦争を望んでいない」としつつも、さらなる軍事行動の準備を進めている。
このような状況下で、私たちは何を感じ、どう向き合えばいいのだろうか。遠い中東の話に思えるかもしれないが、原油価格の高騰や地政学的リスクの増大は、私たちの日常にも静かに影を落とし始めている。
争いの根底にあるのは、恐れと不信、そして「自分たちの正しさ」への固執だ。それは、普段から私たちの周りに存在する地域社会や居住地域の外国籍の隣人たちのように、ごく身近なコミュニティでも同様のことが言えるのではないか。もしその境界線の向こうに、共に生きる可能性を見出すことができたならば。
自戒も込めて、そんな想像力こそが、今最も必要とされているのかもしれない。
「イスファハン」訪れたことはないものの、 古くからの政治・文化・交通の拠点で美しいモスクが点在する歴史ある素敵な街と聞いていたけれど、被害が小さかったことを祈るばかり。そして争いほど醜いものはない。
“Isfahan” / Phil Woods Quintet
(album: Ballads & Blues)
℗ 2009 Venus Records
*Written by: Billy Strayhorn / Duke Ellington
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PHIL WOODS QUINTET
(album: BALLADS & BLUES)
Phil Woods – alto sax
Brian Lynch – trumpet
Bill Charlap – piano
Steve Gilmore – bass
Bill Goodwin – drums
Recorded at Avatar Studio in New York on June 20 & 21, 2008