このコーナー3連チャンでのUPとなります。
今回ご紹介するアーティストもそうなのですが、自分が育った時代だから当然といえばその通りで、とはいえ米国を中心とした1970~80年代に流行した音楽とはそれ以前のものとも現代のものともなんだか大きく違った印象を持っています。とにかくこの時代の音楽(あくまでPOPS/ROCK/FUSIONなど限定的ですが)には、共通して言えるのが聴く人々の心を捉えて離さない「メロディのもつ美しさ」がそこに存在するということですね。おそらく自分と同世代の40-50代あるいはそれ以上のブログ・リーダーの方々なら、僕の言わんとするところをきっとご理解いただけているのではと確信しています。
前回の「Daft Punk」そして前々回の「Bruno Mars」と同様に、『Maroon 5』も1970~80年代のサウンドに拘りを持った作品をデビュー以来聴かせてくれる、現代ではとても貴重な存在だと言えます。とてもメジャーな米国のバンドなのであれこれと説明は省略しますが、今年1月にリリースされたばかりの彼らの5作目に当たる最新スタジオアルバム『V』に収録された『Sugar』という楽曲は、そんな古きよき時代のサウンドに慣れ親しんだ我々の耳にとても馴染む感じがしてなりません。古今東西流行るPOPSの定義から見れば、曲全体がいわゆる「サビ」といってもいいくらいのキャッチーで思わず口ずさんでしまうようなとにかく分かりやすいメロディーと、「えっ、もう終り?」と思わせるような約3分程度の曲の短さは、売れるPOPS/ROCKのまさに王道といえるような気がします。
僕個人としては、彼らの作品の中では2004年リリースの「Songs About Jane」に収録されていた『Sunday Morning』以来の、大好きな作品となりました。『Sunday Morning』は、10年ぐらい前に女優の宮沢りえ出演のトヨタ「Vitz」のCMに使用されていたので皆さん聴き覚えがある方も多いのでは。
どちらも作曲は、2013年にはアメリカの雑誌ピープル誌による今年度の「世界一セクシーな男」に選ばれたこともあるバンドのリード・ヴォーカル Adam Levine(アダム・レヴィーン)によるもの。アダムの声質とヴォーカル・スタイルは、POPS/ROCKだけでなくR&BやJazzを聴く人たちへも大きな訴求力を持った非常にレアな存在であると同時に、現代で稀に見る天才的なメロディ・メーカーの一人と言えるのではないでしょうか。
Maroon 5 / “Sugar” (album: V – 2015)
『Sugar』のPVは YouTube で公開直後から、ロス市内で当日行われている結婚式会場をいくつか巡り「サプライズ・ライブ」をプレゼントするといった内容が、ドキュメントではなくフェイク(いわゆるヤラセ)だとさんざん叩かれたりしたそうですが、仕事を請け負った俳優や役者さんもエキストラの皆さんたちもあの「Maroon 5」が登場するとは伝えられていなかったのではと、僕自身はPVを視聴後に感じました。真偽の程はさておき、それほど世界中で話題となっているこの動画の再生回数は今日現在でなんと「2億3千万回」をすでに超えているのには驚き以外ありません。まあ、シンプルで無駄な音とアレンジを削ぎ落とした感のある楽曲の素晴らしさもそうですが、たとえ意図的な演出があったとしてもとても出来のいいPVだと思います。こういった平和的な動画の利用にこそ、 YouTube の存在価値があるってものです。
なにはともあれ Maroon 5 、「大物」ですね。