やはり車中泊は、早寝早起きが鉄則だ。
出発前に車中泊の達人のサイトをいくつか参考にさせてもらったけど、土日の高速のSAや道の駅は早朝から人と車でごった返すとあったので、早めに寝たのが正解だった。まだ7時前だというのに、隣の空きスペースには、早くもライダーたちが4台ほど駐車して仲間と談笑中のようだ。
やたらと車も人も増えてきた様子なので、さっさと起き出してトイレに洗顔・歯磨きに向かう。その後、PA併設のミニ・ストップで朝食を買い、さっさと食べて出発することにした。
東名阪道~伊勢自動車道・伊勢西ICにて下車し、伊勢神宮の下宮にまず向かう。学生時代に2年間ほどやっていた、国内バス旅行添乗員のバイトをしてたとき以来のお伊勢参りだ。
それなのに、正しいお伊勢参りには順序があるのを、情けないことに知らなかった。まずは外宮(げくう)からお参りし、その後に内宮(ないくう)へというのが由緒正しい順序となるそうだ。出発前に情報提供してくれた、いつもお世話になっている理髪店のSさん、感謝感謝です。ちゃんと言われたように、伊勢西ICで下りましたよ。
外宮での参拝と、衣食住に関するあらゆる産業の守り神とされる豊受大神宮(とようけおおみかみ)のありがたい御札を購入し、これから始める新たなチャレンジがよい方向に向かうよう、心からお祈りを捧げてまいりました。
外宮からさらに車で10分くらい走ると、いよいよ内宮(皇大神宮)へと向かいます。団体旅行などでは、外宮での参拝をあきらめて、最初から内宮だけを参拝するケースがほとんどでしょうね。それくらい、混雑してます。案の定、神宮内のPは満車のため、五十鈴川沿いのちょっと離れた市営Pに向かいます。かなりの面積がありますが、こちらもあとちょっとで満車状態。さすが、近年ブームとなっているパワースポットの横綱です。(今年の参拝者数は、統計を取り始めて以来最高参拝者数更新とのこと)
おかげ横丁の賑わいを横目に、五十鈴川に掛かる宇治橋を渡り、御手洗場で手を清めてさっそく御正宮へ。日曜日とはいえ、本当に沢山の参拝客で参道はごったがえしていました。正月はどうなるんだろう…と余計な心配を。
参拝後、こちら内宮では、日本で最も高貴であるとされる「天照大神」(あまてらすおおみかみ)のありがたい御札を求め、また家族みんなにお守りを購入する。同時に、これからまだ続く自分の旅を見守ってくださるよう、お祈りし帰路に着く。
参拝後、できたての「赤福」を久しぶりにいただく。なんといううまさ!
伊勢神宮は25年ぶりにやって来ましたが、やはりこの場所というかエリアの持つ独特の「空気」とか「気」とか、なんとも言葉では説明がつかぬ底知れぬパワーを感じました。地元茨城の鹿島神宮や都内の明治神宮などにも共通する、いい意味で「まちがいなく、そこになにかがいる」ような気がしました。
こんなに心が落ち着く場所も時間も、久しぶりでした。感謝。
伊勢・鳥羽・南紀と一口によく言いますが、本当にそれぞれ特徴があってよいところです。
実は南紀の和歌山・新宮で、地元出身の奥様の家業の伝統のある割烹料亭を継いだ会社の先輩がいるのですが、もうかれこれ17~18年くらい会っていない。大変お世話になった先輩だったので、せっかくここまで来たので、できれば足を伸ばして会いに行きたいと思う。しかしそちらを回ってから京都へというルートだと、やはり相当遠回りになってしまうのと、あまりに急なのともうしばらく何の連絡もしていないことから、今回は訪問を断念する。また機会があったら、必ず訪れようと思う。今回はゴメンナサイ。
そんなわけで伊勢神宮での参拝を終え、伊勢自動車道(伊勢西)~東名阪道~新名神道~名神道(京都東IC下車)のルートで、一路念願の目的地・京都に向かう。
途中、鈴鹿付近で「自分と同年代」といってもおかしくない、中年のおっさんの暴走族集団に出会う。単車の古さからもそうだろうと推定できる。100台以上は群がっているだろうか。しかしもう大人なんだから、高速上での蛇行運転や外車を取り囲んだりするような、幼稚な暴走行為はいただけない。あまりに情けないし、真面目な大人の一般ライダーたちが相当に迷惑してましたよ。三重県警もしっかりしないといけませんね。
京都への途中、SAで出会ったウチのワンコそっくりのトリオ。 かわいいねぇ
何とか暗くなる前にと、やっとこさ京都市内に入ることができた。
この狭い市内のスペースに張り巡らされた無数の一方通行に、あらためてビックリ。やっぱり、京都では公共交通機関に限る。
今日は、一泊だけJR京都駅の南口にあたる九条の「セントノーム・ホテル」に部屋を取った。京都市内は、週末の日曜日の今日までが、紅葉シーズンの繁忙期となっているようで、市内のあちこちの神社・仏閣でのライトアップされた夜間拝観が、今日が最終日となっているようだ。そのせいで、ある程度のクラスのホテルは満室でもあり、料金もかなり高めの設定となっているみたい。
場所は繁華街の反対側ではあるが、こじんまりしており京都では珍しく駐車料金も無料と、なかなかコスト・パフォーマンスがよいホテルといえそう。
伊勢神宮で赤福をいただいてから何も食べておらず、腹が空いていたのでとりあえず、バスと地下鉄の路線図だけ持って街に出た。反対側のバスターミナルまで行くと、駅前はもうすぐやってくるクリスマスのイルミネーションで華やかに彩られていた。不思議なもので、街で耳にするクリスマスソングやイルミネーションは、なんとなく家族をはじめ人恋しく思わせるものがある。
気を取り直し、とりあえずバスに乗り四条河原町まで行ってみる。バスなんて何年ぶりかな、乗るの… ほんとに久しぶり。成田空港勤務になって以来、車通勤と車社会にどっぷりのここ18年間で、バスの乗り方まで忘れてしまった。情けない、とほほ…
さてバスに揺られて着いた四条河原町だけど、なにせ高校2年以来の京都で、着いたばかりで右も左もわからない。バス停から二三歩歩くと、目の前のサンクスの入り口脇に何やら史跡のようなものを発見。なんと、巷ですごい話題の 坂本龍馬・中岡慎太郎の暗殺された近江屋跡地であった。なにはともあれ、龍馬の大ファンの息子たちに送る画像を撮影。偶然とはいえ、やっぱり京都はこんな風に歴史がそこら中に普通に転がっている街なんだと再確認。
あちこち歩き回るが、時間がもう21:30過ぎなので、営業中なのはほとんど居酒屋の類ばかりと目に映る。運転と歩き疲れで、なんとなく目の前にあった「吉野家」に駆け込み、仕方なく『牛鍋丼』をほおばるはめに。何より吉野家好きなのでいいんだけれど、『京都まで来て、牛鍋丼はやめときなさい』と、あとでカミさんからメールで注意された。ごもっともなご意見で。よし、明日こそ「湯豆腐」とか「ゆば」とか食ってやるぞと、鼻息を荒くしながら、ホテルへ戻るとする。