Masterの今これが聴きたい ~ Vol.17【Hiram Bullock】

久々の「Masterの今これが聴きたい」シリーズです。

1980年代に異常なまでに盛り上がったFusionやJazzブームの真っ只中、いい時代を過ごされた紳士淑女の皆さんも、僕のブログ読者の方には多いことと思われます。

live under the sky 88

かつてJT(日本たばこ産業)がメインスポンサーとなって1977年~1992年まで毎年7月に「よみうりランド」をメイン会場に実施されていた日本で最大の野外ジャズ・フェスティバルが『LIVE UNDER THE SKY』でした。今でも高いとは思わないチケット代で、一日中ビールやワインをそれなりにチビチビとやり、煙草をくゆらせながら当時としては最高レベルのサウンドをライブで聴くことができた、世界中から超一流ミュージシャンが一堂に集う、それは素晴らしいサマー・フェスでした。夏嫌いの僕でさえ、あのマイルス(Miles Davis)や当時夢中になっていたサンボーン(David Sanborn)観たさに、例年参加し続けたものでした。

 

live under the sky

 

そのサンボーンが、レコーディングはもちろんのこと、いつもツアーメンバーのギタリストとして同行させていたのが今回ご紹介するハイラム・ブロック(Hiram Bullock)でした。主役でバンマスのサンボーンを完全に食ってしまうほどのステージでの派手なパフォーマンスを繰り広げながらも、決して音を外したりすることのない、当時のNYの空気感を伝えてくれる素晴らしいギタリストでした。

Hiram Bullock
そんなハイラムが咽頭ガンにより52歳で他界してから5年の月日が流れました。若かったあの頃、『LIVE UNDER THE SKY』で初めて観たマイルスもマイケル・ブレッカーも、今ではみんな夜空の星となってしまいました。
ハイラムはファンキーなプレイとは裏腹に、実は素晴らしくメロウなギター弾きでもありました。この曲でも堪能できる、彼の爪弾くストラトキャスターからしか出てこない独特の音色や響きは、いまだに僕の心を掴んで離しません。

 


Hiram Bullock / “Never Give Up” (album: Way Kool – 1992)

 

ちなみにこちらは、David Sanborn Group の演奏で、若くて元気だった頃のハイラムのプレイです。イントロから聴衆を一気に盛り上げるトム・バーニーのベース・ソロも圧巻です。
若き日の僕もこの場にいたんですねぇ。ああ、懐かしい…


David Sanborn Group / “Chicago Song” (1990)

 

またあんな素晴らしいジャズ・フェスが日本で開催されることはあるんでしょうか。

 

 

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Hiram Bullock / “Never Give Up”
(album: Way Kool – 1992)

 

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