Mellow Tunes ~ Vol.121 【Hiram Bullock】

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降ったかと思えばすぐに晴れて暑い日が続いたりと、とかくこの梅雨時の空模様の変化は忙しい様子です。街のあちこちで見かける「アジサイ」たちだけが、なんだか元気一杯のように見えるのは、気のせいでしょうか。

 

 

 

これから夏に向かう季節になると、いつも思い出すギタリストがいます。
Hiram Bullock (ハイラム・ブロック)が亡くなって、早いものでこの夏で9年という月日が経とうとしています。父親が米国軍人だった関係で大阪で生まれ、後に天才ギタリストとして世界に名を馳せたハイラムは、大の日本贔屓でもよく知られていました。かつてJT(日本たばこ産業)がメインスポンサーとなって1977年~1992年まで毎年7月に「よみうりランド」をメイン会場に実施されていた日本で最大の野外ジャズ・フェスティバルの『LIVE UNDER THE SKY』の後期では、毎年のように来日し独特のステージ・アクトで、多くのFUSION/JAZZファンを楽しませてくれたものでした。(過去記事参照)

2008年に52歳という若さで、活動のベースとなっていたNYにおいて喉頭癌で亡くなるまでの晩年は、健康管理に困難を極めたのか想像を超える程の肥満化にも苦しんでいたようでした。
過去記事でも書きましたが、ハイラムはファンキーなプレイとは裏腹に、実は素晴らしくメロウなギター弾きでもありました。この「Never Give Up」という作品でも堪能できる、彼の爪弾く「ストラトキャスター」からしか出てこない独特の音色や響きは、いまだに僕の心を掴んで離しません。アルバムや楽曲を聴く度に、NYの風をいつも運んでくれた貴重な天才ギタリストでした。本当に存命でないのが、残念でなりません。

 

Hiram Bullock – “Never Give Up”
(album: Way Kool – 1982)

 

かつてジョン・カビラ氏「J-WAVE」の朝の番組を担当していた頃は、オープニングでハイラムの曲がいつも流れていましたっけ。レコード会社出身のジョンさんも、きっと大好きなアーティストだったのでしょう。「Window Shoppin’」もハイラムが世に送り出した傑作のひとつです。ファンにとっては、「One and Only」でいつまでも「Ever Green」なアーティストです。

 


Hiram Bullock  – “Window Shoppin'”
(album: From All Sides – 1986)

 

 

AC Tunes ~ Vol.54 【Stereophonics】

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いつもご訪問いただきありがとうございます。
なんだかこの頃初めて訪問してくださる方も増えてきているようで、最近は一日で2,000PVほどのアクセスが世界中からあることも珍しくなくなってきました。とにかく「SNS」が苦手な体質な僕は今後もまったくやる予定も無いのですが、「fb」のグループのメンバー皆さんでのシェアによるご支援など、感謝・感謝であります。こんなブログですが、どうかごゆるりとお付き合いください。

 

 

さて明日は夏至を迎えるそうで、ここ数日はちょっと「梅雨の中休み」という感じでしょうか。これからやってくる暑い季節が苦手なので、僕にとっては夏は例年耐え忍ぶ季節となります。

車のナビに接続されたままの愛用の「iPod Classic」のホイールをくるくると回していたら、なんだか偶然にこの曲を選びました。
今回ご紹介する英国はウェールズ出身のバンド「Stereophonics」の代表曲でもある『Maybe Tomorrow』は、2005年度のアカデミー賞における作品賞を受賞した米国映画『CRASH』のラストシーンからエンド・ロールを飾る、大変心が揺さぶられる楽曲です。

この映画、国家がほぼ単一の民族で成り立っている日本では、「ほとんど理解されないのでは」といった危惧が映画配給会社にもあったようで、事実大半の日本人が見ていないだろうと思われる、オスカー受賞作品の一つなのではないでしょうか。
本作品は「人種のるつぼ」と表現される米国における様々な人種が交錯する群像劇で、日本国内に居住していては想像もできないような「人種の壁」「宗教観」そして「偏見」が緻密に描かれております。特定の主人公は設定していなくて、いわゆるグランドホテル形式で作品は展開していきます。
過去にも多くの映画が存在しますが、白人と黒人の主従の関係を描いた過去の歴史モノとは異なり、雑多な移民で成り立つ現代の「アメリカ合衆国」という国家における身近で根深い問題を、この作品は見事に炙り出して見せています。西海岸のLAに居住する、白人と黒人はもとより日系・韓国系・中国系・ヒスパニック系・不法入国の難民たち、そして「9.11」以降誤解を受け易いアラブ系も含め、そこにはお互いを理解できない、しようとしない多種多様な登場人物の仕事や家族関係等が緻密に描写されています。一つの車の衝突事故を起点として、人々の偏見から生まれる「衝突 = CRASH」を描いており、その一方で多角的に物事を見ることで、その差別や偏見が変わることを伝えようと、この作品の脚本・制作・監督のすべてを担当した「ポール・ハギス」は訴えています。
個人的には、獲得後10年が経過する本作品を超えるオスカーの作品賞受賞映画には、まだ出会えていないと言えるくらい、衝撃と感動そして魂を揺さぶられた作品でした。
同じ島国でも多民族化が進んでいる「英国」と違い、ほぼ単一民族で構成された島国である「日本」に居住していると、なかなか理解できない「テロリズム」の根源について考るきっかけとなる作品とも言えるでしょう。また同時に、是非はともかく現大統領が選出されたのにも、こうした根の深い感情や現実が存在しているという背景を、くっきりと浮き彫りにした貴重な作品だと考えられます。

 

“CRASH” Movie Trailer

 

 

Maybe Tomorrow (Stereophonics) “Crash” Movie Soundtrack
 

カリフォルニア南部に位置する都市や沿岸部では降るはずのない雪が、クリスマスの夜のLAの街に降りしきる感動的なラストで、朗々と流れ出す『Maybe Tomorrow』「たぶん明日は、自分の居場所がみつかるだろう」自分自身に言い聞かせるような「So maybe tommorow, I’ll find my way home ~」というサビのフレーズと、ラストシーンのマッチングがあまりに秀悦で、最初に見た時は感動の余りDVDを何度も観返すことになりました。
監督のポール・ハギスが描き出す社会性の高いテーマと作品の完成度の高さ故に、もっと沢山の人たちに観てもらいたい映画です。ご覧になっていない方は、機会があればぜひ一度鑑賞してみてください。
本年度(2016)のアカデミー賞作品賞を逃したものの、大半の賞を総なめした、同じ「LA」を舞台とする『La La Land』が夢や希望・挫折を織り交ぜながらもファンタジックなミュージカル仕立ての世界を描いたような作品とは、明らかに対極に位置する作品ではありますが、米国という大国の「光と影」を見るようで、何とも感慨深いものがあります。

 

AC Tunes ~ Vol.53 【Donald Fagen】

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天気もそうですが体調もいまいち安定しないので、こんな時の音楽の選択には結構神経質になったりもすることがあるんですが、なんだかそんな時に聴くと落ち着くアーティストがいたりします。

 

 

Donald Fagen(ドナルド・フェイゲン)なんかも、僕にとっては昔からそんな存在のアーティストの一人です。彼については、相棒のWalter Becker(ウォルター・ベッカー)との母体ユニットである「Steely Dan(スティーリー・ダン)」のことも含めて過去に記事をいくつかUPしてますので、詳細は割愛いたします。(ご興味ある方はこちらへどうぞ)

 

 

過去にリリースされたドナルド・フェイゲン名義の4作のソロ・アルバムにはそれぞれ、独自のテーマがあって、今回紹介する2006年にリリースされた3作目のアルバム『Morph the Cat』は、2001年に発生したアメリカ同時多発テロ事件だとか、フェイゲン氏の実母の死等を経験した後に発表された本作品は、「老年期における沈思と死」がテーマとなっているものです。1982年にリリースされた「ROCK/POPSの金字塔」と賞賛されて久しい1stソロ・アルバム『The Nightfly』が、若者による視点から見た、米国および危ういバランスで成立していた当時の国際情勢を鋭く描写したシニカルな作品が並んでいたのとは、かなり対照的な作品となっているのが特徴的と言えるでしょうか。当然のことながら、セールス面でも過去の4作品の中で、米国含め世界中のセールス・チャートでも10位台に入らなかった唯一のアルバムとなりました。

11年前の『Morph the Cat』リリース時は、収録作品の雰囲気や内容も含め「ちょっと暗いな‥」と思ったものですが、いざ自分が50代半ばを折り返す時期に入って聴くこのアルバムは、自分もいろんな経験を積んだことで、なんだかとても共鳴するというかフェイゲン氏の表現したいことが分かって来たような気がします。
今回取り上げる『The Great Pagoda of Funn』は、「7分39秒」という長さの大作で、同アルバムの中でも突出した出来の楽曲だと思います。Lyricに関しては、いつも同様に大変抽象的で難解のため省略しますが、トランペットのソロを吹く「Marvin Stamm」、そして後半圧巻のギター・ソロを披露した「Wayne Krantz」といった自身の楽曲の特徴に合わせたミュージシャンの選定に、まさに目利きであるフェイゲン氏の真骨頂を見せつけられます。

 


Donald Fagen – The Great Pagoda of Fun
(album: Morph the Cat – 2006)

 

 

Relaxing Sound 【Rain & Thunder】

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梅雨に入り、それらしく不安定なお天気が続くようになりました。

 

 

雨の日には、窓越しに聴こえてくる「雨音」や「遠雷」の音そのものを楽しむのも、また一興。

あったかい珈琲でも淹れますかね。

 


Rain Sound and Thunder – 2 Hours Sleep Meditation Sound
 

過去記事のこちらの動画もおすすめです。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.120 【Joe Hisaishi】

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今日、中国・四国~東海そして関東甲信越地方まで、一気に「梅雨入り」が気象庁より発表されました。
例年のごとく、長い「雨の季節」がやってきました。
梅雨寒の中で、雨に濡れた緑の木々の葉っぱを見ながら味わう温かい珈琲は、この時期特有の贅沢な時間です。一年中楽しめるという品種の紫陽花を、庭で育て始めました。大きく育つでしょうか。

 

 

こんな音楽をBGMにするのは、更に贅沢かもしれません。

 

Joe Hisaishi – The Rain
(album: KIKUJIRO [Original Soundtrack] – 1999)

 

 

 

AC Tunes ~ Vol.52 【Radka Toneff】

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いつもご訪問ありがとうございます。
当ブログでは、過去記事で何度か取り上げたこともあるのですが、Radka Toneff(ラドカ・トネフ)という名の歌手の名を聞いたことがありますか?
この世にわずか3枚のアルバムを残し、30歳という若さで天に召された北欧ノルウェーでは伝説的な存在となっている、女性ジャズ・シンガーです。本当に「イノセント」という言葉が適切な彼女の遺した作品群は、数が多くないだけにその分大変貴重なものです。

今回ご紹介する、ラドカ・トネフがしっとりと歌い上げる『The Moon Is a Harsh Mistress』という作品は、米国のソング・ライターのJimmy Webb(ジミー・ウェブ)が、1974年に書いた美しい楽曲です。元々は米国の作家である「ロバート・A・ハインライン」著の同タイトルのSF小説「The Moon Is a Harsh Mistress(邦題:月は無慈悲な夜の女王)」の「作品名」に感銘をうけたウェブ氏が、作者にタイトル使用の許可を得て書かれた楽曲と伝えられています。僕はまだ読んだことがありませんが、小説の内容は「地球の植民地である月が独立を目指して革命を起こす」ことについてであって、楽曲の詞の内容と小説の間には、それほど関連性はないようです。

さあそれでは、ちょっと疲れた大人の皆さん方への処方箋です。
頭と心を空っぽにして、聴いてみてください。

 


Radka Toneff – “The Moon’s a Harsh Mistress”
(album: Fairytales – 1979)