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MOMIJI 通信 【Vol.3 – 2014】

今年の『MOMIJI通信』も、モミジの生育が早いもので、今回で三回目となりました。気温が連日上昇してきているので、ここ数日の成長振りにはほんとに驚かされます。
(以下今日の記事は長くなりますので、お時間と興味のある方のみご覧ください。)

 

『どうしてモミジなんですか?』

これは “cafe Mellows” の OPEN 前後から閉店した今日に至るまで、お店のロゴ・マーク「シンボル・ツリー」のモミジを見て、沢山のお客様や業者さんから何百回も尋ねられた「質問」です。
実店舗のHPでもその点については特に説明はしておらず、営業当時日々カウンター席にお越し頂いていた常連客の皆さんへはもちろんのこと、訊ねられた際には時間の許す限りその「由縁」について説明させていただいておりました。営業を終えた今でも、ブログの存在だけで実店舗をご存知ない方々から時折尋ねられることがあるので、改めてお伝えしておこうと思います。古い話になりますので、すこしばかりお付き合いください。

大学を卒業して社会人となって2年目の時のことですが、父親が54歳で急逝しました。そうですね、今現在の僕自身とそう大差ない年齢ですから、いくら自分が成人していたとはいえ当時の働き盛りの大黒柱を失った家庭は、とにかくいろんな意味で不安定となり数年は大変な状況でした。「青天の霹靂」とはこういうことを言うんだろうなと思ったものです。新卒で入社した会社で自らの目標とし実現寸前だった、憧れの米国NYへの海外赴任の切符を、相当に悩んだ末の退社と同時に失ってしまい、その当時の僕はまさに「心身喪失」と言ってもいいような状態にありました。
そんな辛く厳しかった時期に、僕の心の傍らにひっそりと住み着き心の支えとなってくれたのが、信州軽井沢の南の端っこにあった『喫茶こもれび』と窓辺から見える『モミジ』の存在だったのです。
(尚、『喫茶こもれび』とのめぐり逢いについては、長くなりますので過去記事をご覧ください。)

 

Window Summer
初夏の窓辺 (現在は『ふりこ茶房』)

 

その後、心がささくれたり折れそうになったりしたときはいつも、まだ高速道路が開通していなかった時代などは国道18号線をひた走り碓氷峠をやっとの思いで越え、たった「一杯の珈琲」「何気ない会話」、そしていつの季節でも優しく出迎えてくれるその『モミジ』に会うためだけに、二十年以上通い続けることになりました。自分のこれまでの生涯において、本当にどれだけその「お店」の存在と「モミジ」、そして「浅間山」の優美な佇まいに癒され助けられてきたことでしょう。
それ以来、一度夢破れた僕にとって、「モミジ」がそっと優しく傍らで見守る居心地のよいスペースと、心を込めた「美味しい珈琲」、そして「心地よい音楽」を提供するお店を持つということが、カタチを変えた新たな「夢」として次第に大きな存在となっていったのでした。

 

Window Autumn
錦秋の窓辺 (現在は『ふりこ茶房』)

 

そしてその後のことは、このブログを開設した当時からの記事を遡ってご覧いただければお分かりの通りです。
それゆえに、僕にとっても “cafe Mellows” にとっても、『モミジ』の存在は単なるシンボルだけでなく、言い換えてみれば『いのち』であり、これまでもそしてこれからもずっと大切なものなのです。
『モミジ』にこだわる理由には、実はそんなストーリーがあったのです。

長いお話にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

 

さてさて最後になってしまいましたが、今日の「モミジ」たちの様子です。
成長ぶりが早すぎて、気持ちさえ追い付いていけないくらいです。(笑)
ここのところ雨がまったく降っていないので、たっぷりと水を与えてあげました。

 

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コーナー席の「根曲り」のモミジはもうこんな状態に

 

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こちらは「六株立ち」のヤマモミジ

 

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「イロハモミジ」もすっかりそれらしく

 

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Mellows の『MOMIJI Trio』です
「三者三様」それぞれ違っていて興味深いですね

 

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「なんだこれ?」と中を覗き込む愛犬 Pitch

 

 


Andre Gagnon(アンドレ・ギャニオン)/ “Comme au premier jour(めぐり逢い)”