『こもれび』 ~ 『ばおばぶ』 の時代へ

先日は僕の大切な場所『喫茶 こもれび』さんのことを取り上げましたが、今日はその後編を。

正確な時期は記憶があいまいなのでわかりませんが、’93年か’94年頃だったと思われますが、当時のマスターSさんご一家が都内に転居されたのを機に、『喫茶 こもれび』は『ばおばぶ』とその名を変え、経営はマスターの知人の方に委ねられることになりました。
その当時は僕もまだ結婚して間もない頃で、結婚のお祝いをしていただいたりと、それまで何度となく家内と訪れていただけに、店名が変わったと知り、一度だけ心配になって様子を見に軽井沢まで足を運びました。そこには僕の知らない女性の店主の方がいらっしゃって、工房にいたはずのYさんの姿も見れず、場所は同じところにあるのだけれど、残念なことに僕の記憶とはまったく結びつかない、「まるで知らないお店」へと変貌していました。「人が変わるということは、これほど違いを生むのか」と、正直ショックでした。以前の『こもれび』さんを知っていなければ、それなりにきっと素敵なお店として感じられるのでしょうけれど・・・」
僕はまたある種の「喪失感」を抱えながら複雑な心境で、碓井峠を下界に向けて車でダラダラと降りてきたことだけをかすかに記憶している。そのときは、『また自分の大切なものを失くしてしまった・・ もう軽井沢に来ることもないだろうな・・』と思うしかなかった。

 

baobabu 00万葉池(うたいけ)に写りこむ、紅葉に埋もれた『喫茶 ばおばぶ』 (Photo by  ばおばぶMaster)

 

それから約5年ほどが過ぎただろうか、都内で損保代理店業に身を転じ仕事も順調に推移してきた元マスターのSさんから、信じられないような連絡をいただいた。『Yちゃんが、お店(ばおばぶ)の方を本格的に引き継ぐことになったので、よければぜひ行ってあげて』と。一瞬耳を疑ったが、こうしちゃいられないと、当時まだ一般家庭にはほとんど導入されていなかったPCとインターネットを駆使して、『喫茶 ばおばぶ』と検索をかけてみた。当時のやり取りした古い送受信メールによれば、’99年当時「Google」などはまだ存在しておらず「goo」が検索エンジンとして幅を利かせていた時期のようだ。
それはそうと、検索したらとにかくヒットして、しかもHPまである!もう、正直その場で一人で歓声を上げ、ガッツポーズをし小躍りしてしまったのは、恥ずかしながらほんとうの話。内容はといえば、現在のマスターで詩人であり工芸作家でもあり、写真もプロはだしのYさんだけが持つ世界が画面一杯に繰り広げられていたのである。

もうあれ以来軽井沢には足を踏み入れておらず、きっと僕のことも覚えてくれているかどうかも半信半疑だった。でも思い切って、HPにあったアドレスにメールをしてみた。そしてその返信は・・

『まさか、パソコンの中で会えるとは、

思ってもいませんでした。

感激しています。』

まるで数十年ぶりの恋人にでも出くわしたかのように大感激したのはこちらの方で、今すぐにでも飛んで行きたい気分でしたが、それはちょっと難しかったのでした。なぜなら、しばらくお会いできなかったその時の流れの中で、僕ら夫婦はいつの間にか二児の父と母になっていたのです。

そしてその三週間後のある秋晴れのよい日に、チビ二人を連れた我が家一家4人は、新たに生まれ変わった『喫茶 ばおばぶ』の入り口の前に立っていました。
そしてそのときになってやっと理解できたことがありました。
初めて『こもれび』さんに出会った頃に、僕の心にそっと植えつけられた『種』の意味が。『自分もいつかこんな素晴らしいお店のマスターになりたい・・』ということを。
久しぶりの再会に、自分の人生にこれほどまでに大きな影響をもたらすことになった、そんなお店をいつか自分も持てたらいいなと、確信したのでした。

その後、再会後からは年に一・二度は元マスターと現マスターと定期的に会う時間を作り、現在に至っています。ここ数年は、軽井沢では一番いい季節と言われている、新緑が眩しいくらいの6月と晩秋の紅葉の美しい時期にお邪魔させていただいております。

キリがないので、現在の『ばおばぶ』さんの四季のギャラリーを掲載しておきますので、興味をもたれた方はぜひ足を運んでみて下さい。訪れるだけの価値のある場所なのは、僕が保証します。
ちなみに現在は冬季休業中(1/17~3/19)です。

 

詳細はこちらをご参考に ↓
喫茶 ばおばぶ    >>> 現在、『ふりこ茶房』に店名が変わっています

 

以下のギャラリー内画像については、僕が撮ったものとマスターが撮影しメールで送っていただいたものとがミックスされています。

* 尚、「ばおばぶ」ファンにはすでにおなじみですが、マスター撮影の『もみじ』シリーズをはじめ店舗敷地内で撮影した四季それぞれの表情を切り取ったポスト・カードについては、現地でお求めになれます。

 

PICT0022-1.jpgなんだかワクワクしませんか・・・     (Photo by ばおばぶMaster)

 

baobabu-02.jpg店内に入った瞬間、目に飛び込んでくる景色  (Photo by  ばおばぶMaster)

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baobabu-01.jpg新緑が目に眩しい季節  雨音を楽しめる梅雨時の風情は心が落ち着きます

baobabu-04.jpgまるでツリー・ハウスの中にいるような気分なのです

 

baobabu-05.jpg秋を迎えた『ばおばぶ』の佇まい

baobabu-06.jpg美しい錦秋の窓辺

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baobabu-09.jpg窓辺の一輪挿し (Photo by ばおばぶ Master)

 

baobabu-10.jpg晩秋の浅間山と白い家

 

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baobabu 12.1深まりゆく『ばおばぶ』の秋 (Photo by ばおばぶMaster)

baobabu-12.jpg浅間山に初冠雪 (Photo by ばおばぶMaster)

 

baobabu-13.jpg里にも冬の足音が・・ (Photo by ばおばぶMaster)

 

baobabu-14.jpg凍りつく池  (Photo by ばおばぶMaster)

 

baobabu-15.jpgいよいよ冬の到来・・  (Photo by ばおばぶMaster)

 

baobabu-16.jpg綿菓子のような雪景色  (Photo by ばおばぶMaster)

baobabu-17.jpgまるで「もみじ吹雪」  (Photo by ばおばぶMaster)

 

baobabu-18.jpgほんわりとあたたかい・・・  (Photo by ばおばぶMaster)

 

 

 

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