Category Archives: “Mellow Tunes” series

Mellow Tunes ~ Vol.249【J. Brown】

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「暖冬」と言われるだけに、ここ数日春めいた陽気で、先日運転中に車窓から「菜の花」を見かけてしまい、ちょっとびっくり。いやあ、いくらなんでも南房総じゃないんだし、しかもまだ新年明けたばかりだし・・と、いろいろ自分に言い訳を探しても、これが現実なわけで、「地球温暖化」について真剣に向き合わねばと再考してしまう、今シーズンの「冬」の現実です。
 

 

さて、米国の「R&B/Soul」に特化したサイト『SoulTracks』から、定期的にメールマガジンが配信されてくるようになって、これまでよりはずっと最新のニュースが入手できるようになってきました。
今年注目のアーティストとして紹介されていたのが、デトロイト出身の男性シンガー・ソングライター『J. Brown』の『Moon』という作品。どうやらもともとは、「John Brown」名義での活動時期があったようなので、アーティスト名を改めてのリ・スタートということなんでしょうか。

 

J. Brown – “Moon”
(Single Released on: 2020-01-17)
 

こんな素晴らしくメロディックな「Slow Jam」を聴かせてくれるアーティストの登場は、個人的にはとても歓迎すべき傾向ですね。「EP」などよりも、遅かれ早かれいずれは出るであろう、「アルバム」に大きく期待したいところです。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.248【松尾潔のメロウな夜間授業 [第3回]】

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今週月曜日(1/20)に開催された、第3回『松尾潔のメロウな夜間授業』〜R&Bの愉しみ〜『ホイットニー・ヒューストンと「クライヴ・デイヴィス」』に出席するため、東京ミッドタウン日比谷の「ビルボードカフェ&ダイニング」へ行ってまいりました。残念ながら12月開催の「第2回~スティーヴィー・ワンダーとモータウン・レコード」編には多忙につき参加できませんでしたので、昨年の11/18に催された初回の公演「ベイビーフェイスと<メロウという名の魔法>」以来、今回で二度目の参加です。

 

 

初回と同様に、お集まりになった面々はやはり圧倒的に50代が中心。全講座通しで参加を予定されていらっしゃるような、熱心な「松尾さん信者」の方々で、今回も会場は超満員でした。

 

 

出典:abc – THE VIEW

3回目にして、もはやこの授業の基本である、アーティストの出自から始まり、今回はすでに故人となっている「ホイットニー」だけに、死に至るまでの彼女の駆け足で過ぎ去った人生とまるで寄り添うかのように、愛情たっぷりな松尾さんのお話が進んでゆきました。松尾さんが言う「光が強いと影も濃い」という言葉の通り、スターとして、また一人のアフリカン・アメリカン女性として、彼女のローラー・コースターのような人生に対する、松尾さん独自の切り口からの考察には、驚きと共に深い共感を覚えました。遺された彼女の楽曲の数々を、授業参加者全員がまるで慈しむかのように聴き入りながら、大物プロデューサー「クライヴ・デイヴィス」とのデビュー以前の邂逅から、グラミー前夜の死去に至るのまでの、長いようで短かかった彼女の生涯に、深いため息をつかれた方も少なくなかったことでしょう。

途中、ミュージカルで活躍されている「エリアンナ / Eliana」さんが飛び入り参加で、人生でもっとも影響を受けたアーティストの一人だという「ホイットニー」の『Greatest Love Of All』をアカペラで披露してくれて、参加者一同そのパフォーマンスに感動しきり。
そして更には松尾さんの盟友でもあり、国内のHip-Hopムーブメントの魁として知られるラッパーの「K DUB SHINE」さんが登場し、プロデューサーとしての「クライヴ・デイヴィス」の手腕に対する評価や、レーヴェルの栄枯盛衰であるとか、音楽ビジネス全般について彼独自の深い考察をロジカルに披露してくれ、こちらも大変勉強になりました。

後半の終盤には、恒例となった「TOP-20」のカウントダウンがあり、マチュアで和やかな雰囲気の中で授業は終了しました。
終演後には、「松尾さん」とすこしお話ができたこともあり、僕自身にとっても大変有意義な第3回の授業となりました。
 
以下は、松尾さんがご自身の Twitter にUPしてくださった、当日の【Whitney Houston – メロウTOP20】です。

個人的には、二人とも自分と「同学年」である「ホイットニー」と「ジョージ・マイケル」のデュエット曲If I Told You That』であるとか、特筆すべきは彼女の晩年にあたる低迷期に発表されたとはいえ「美メロ」なナンバー『One Of Those Days』に至っては、やはり「松尾さん」でしかチョイスできないような「他にはない」オリジナルな選曲集となっています。『One Of Those Days』Music Video には、今後の夜間授業でも登場予定の『ロナルド・アイズレー』がほぼ共演に近いかたちで出演していたりと、映画「ボディーガード」(原題:The Bodyguard)では全くもって伝えきれなかった「ホイットニー」の真の魅力を伝えるという意味においては、彼女にとっての最高傑作映画ため息つかせて』(原題:Waiting to Exhale)の有名なシーンをオマージュした Music Video に、往年のファンは皆むせび泣くしかありません。

映画『ため息つかせて』(原題:Waiting to Exhale)は、Amazon Prime Video でも、確か¥200以下で視聴できたはずなので、観賞を逃された方もまた観ようかなという方も、ぜひご覧になることをお薦めします。観ていただければ、なぜ松尾さんがあれほどまでに映画「ボディーガード」に対してちょっと手厳しい対応をされたその「真意」を、きっとお分かりいただけることでしょう。『I Will Always Love You』がちょっと苦手な僕は、松尾さんの意図するところが、とってもよく理解できましたので。
余談になりますが、そうですねぇ、昔から「Black Music」つまりは「黒人音楽」と呼称されるカテゴリーの音楽を、長いこと聴き続けていると、それは「米国」という国そのものが持つ「陰」の部分の悲しい歴史を、遡って知る必然性が出てきますね。「R&B/Soul」であれ「Jazz」であれ、これはもう避けて通れない、そして最低限知っておかねばならない、過去や歴史を探求する道程でもあるわけです。
平たく表現するのであれば、ホイットニーが「ボディガード」という映画に主演するにあたり、嫌でも対峙することになった「アフリカン・アメリカン」で破格の成功を収めた一人の女性としての「存在意義」というか、それこそ「ソウル(魂)」という「アイデンティティ」の在り方に、松尾さんは思い切って言及されたのだと、僕自身はそんな風に理解を深めました。

当日参加したくてもできなかった全国の多くの「メロ夜」リスナーの皆さん方の為に、全てカウント・ダウン形式で「YouTube 動画」による「プレイ・リスト」を編集させていただきました。よろしければ、どうぞご鑑賞ください。

 

 

『松尾潔のメロウな夜間授業』【Whitney Houston – Mellow TOP 20】

 

「Whitney Houston」関連の過去記事では、ホイットニーの主に初期の作品で関わったプロデューサー「KASHIF」「Michael Masser」なども取り上げております。ご興味のある方は、よろしければご一読ください。

 

次回の「松尾潔のメロウな夜間授業 〜R&Bの愉しみ〜」は
第4回 2/17(月)『キース・スウェットと「ニュー・ジャック・スウィング」』
です。

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.247【Euge Groove】

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元旦からご紹介が続いておりますが、懲りることなくまたしても『Euge Groove』(ユージ・グルーヴ)のソウルフルな作品を取り上げます。もはや『Euge Groove』プロモーション強化月間的な勢いとなっておりますが、どうかご容赦ください。なにせ大好きなSAXプレイヤーなもので。
 
ひとつ前の記事で取り上げましたように、白人でありながらも黒人アーティストさながらのプレイや、溢れ出す「ユージ」固有のグルーヴは、おそらく一朝一夕で身に付いたものではないということは、「R&B/Soul」を長く聴いてきたご同輩の皆さんであれば、容易に想像できるはず。
米国は東海岸に程近いメリーランド州出身の「ユージ」は1962年生まれの、僕と一歳違いの現在57歳。おそらくこれまでに聴いてきた黒人音楽や影響を受けたアーティストたちが、世代的にきっと同じなんだろうと確信するほどに、彼の創造しプレイするサウンドは驚くほどに僕自身の好みと合致する。

西海岸のオークランドを拠点として1968年に活動がスタートした『Tower of Power』(タワー・オブ・パワー)は、重厚なホーンセクションを揃えた「R&B/Soul/Funk」をベースにした大型バンドとして、多くのメンバーを不定期に変えながらも、今でも大変な人気を維持している。人気がピークだったとも言える1990年前後に、バンドの中心メンバーだった「Richard Elliot」の後任として『Tower of Power』に加入した「ユージ」は、後にソロ活動を始めた前任の「リチャード・エリオット」と同様に、あっという間にバンドの顔となっていったのは、この手のサウンドが好きな方であればよくご承知の通り。確かにこの二人のソウルフルなプレイ・スタイルとテナーSAXの音色には、多くの共通点を見出すことができる。(「Richard Elliot」については、また別の機会にご案内)

 

 

そんな彼が『Tower of Power』を脱退しソロに転向後、2012年にリリースした8作目のオリジナル・アルバム『House Of Groove』に収録された『Never Met A Woman (Like You)』で、長らく自身のアイドルであったであろう、レジェンド級の「R&B/Soul」バンド『L.T.D.』の象徴でもある「Jeffrey Osborne」(ジェフリー・オズボーン)との夢のコラボレーションが実現。

二人の共作だという『Never Met A Woman (Like You)』を聴いて分かるのは、やはり「ユージ」の類稀な「Black Music」に対する深淵なる理解と、更には留まることを知らない愛情があってこその出来映え。ソロ転向後の「ユージ」のアルバムには、必ずと言っていいほど、こういった1stクラスのゲストを招聘したソウルフルなヴォーカル・ナンバーが1曲ないしは2曲収録されており、いずれもすこぶるクオリティが高いことで知られている。

 

Euge Groove – “Never Met a Woman (Like You)” feat. Jeffrey Osborne
(album: House of Groove – 2012)

 

 『L.T.D.』『Jeffrey Osborne』(ジェフリー・オズボーン)のことも、名前さえも知らないといった若い世代の方も多いかもしれませんが、「Love Song」の代名詞ともいえるその名も『Love Ballad』というタイトルのこの楽曲を、一度くらいは耳にしたことがあるのでは。
(貴重な動画は、あの「SOUL TRAIN」出演時のもの)

 

L.T.D. – “Love Ballad”
(album: Love to the World – 1976)

 

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.246【Euge Groove】

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正月休みが明けて、ようやくエンジンが暖まってきたところで、また三連休といった方も多いことでしょう。
さて、まさに「一触即発」と言うべき極度の緊張状態が続いていた中東情勢ですが、意外なまでの米国による更なる「経済制裁」による報復といったカタチで、一旦決着が見られた両国の関係ですが、過去のこれまでの米国の対応の仕方を見てきている世代の人々にとっては、とにかくほっと胸を撫で下ろした方も多いことと思います。とにかく、戦争はいけません。戦争からは、更なる憎悪しか生まれません。

 

 

暖冬とはいえども、やはり真冬に向かいつつあるこの時期は、公園に行ってみたりしても、なかなか元気のある植物や樹々に出逢うことが難しいものです。そんな中でも、古来より生息し「雪景色」がよく似合う「寒椿」には、その凛とした美しい佇まいに、例年目も心も奪われがちです。美しく咲き誇った後に、頭から地面に落ちていくその様は、日本人固有の高潔な美意識にも、どこか共通したものを強く感じます。

そういえば、年頭の記事でもご紹介しました『Euge Groove』(ユージ・グルーヴ)が、2016年にリリースした10作目に当たるアルバム『Still Euge』に、その名も『Flower』という作品が収録されていたことを思い出しました。ゲスト・ヴォーカリストにゴスペル・シンガーとしての活動歴も長い『Oleta Adams』(オリータ・アダムス)を招いて二人で共作した『Flower』は、本当に美しいバラッドに仕上がりました。こんな寒い季節に聴くと、楽曲の素晴らしさがさらに増幅して伝わってくるから、不思議なものです。

 


Euge Groove – “Flower” feat. Oleta Adams
(album: Still Euge -2016)

 

 

 

 

Mellow Classics ~ Vol.25【Alexander O’Neal】

いつもご訪問ありがとうございます。
そして、今年も一年間これまで同様に日常的にご訪問いただいた方も、また途中から何かのきっかけで訪問くださるようになった皆様にも、ただの音楽好きのオッサンが運営するサイトに日々お越しいただき、本当にありがとうございました。

 

 

実店舗をCLOSE後は、年末年始が多忙な組織に属していることもあり、誠に恐縮ではございますが、ここ数年は知人の皆様への賀状でのご挨拶は遠慮させていただいております。せっかくこんなサイトを運営しておりますので、この場をお借りして、年末・年頭のご挨拶と代えさせていただいておりますので、どうぞご了承くださいませ。

さてさて、暮れかけている「令和元年」「2019年」は皆様にとってどんな一年だったのでしょうか。来る「2020年」が、皆様にとって良き年となるようお祈りいたします。

今年は後半になって、当サイトにとってもありがたい、素敵な出逢いもあり、喜ばしい一年となりました。

皆様、どうかよいお年をお迎えください。

そろそろ毎年恒例になりつつある、年越しの『Mellow Classic』といえば、こちら。

Thank You For A Good Year 2019 !

 

 

 


Alexander O’Neal – “Thank You For A Good Year”
(album: My Gift To You – 1988)
Produced by: Jimmy Jam & Terry Lewis

 

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.245【Best Mellow Tunes – 2019】

いつもご訪問ありがとうございます。
この週末から、長いお休みに入られた方が大半かと思われます。
今年も一年間「仕事」に「家事」に「学業」に、みなさんお疲れさまでした。かつての実店舗「Mellows」のOPEN準備期間(2010年末)より継続している音楽主体の当ウェブサイトですが、今年も変わらず定期的なご訪問、本当にありがとうございました。「令和元年」となった今年も間もなく暮れようとしていますが、皆さんにとってはどんな一年だったのでしょうか。

 

 

ここ数年の年末の恒例企画ですが、当サイトにてその年にご紹介したアーティストや作品の中から、【Best Mellow Tunes】として、作品のリリース時期に一切関係なく、その時点でよいと感じた「アーティスト」であり「作品」を、時代やカテゴリーに拘ることなくあくまで自分の基準で選択しています。新しいものだけがよいと言うのは大間違いで、残念なことに出逢う機会がないままに、自分の中で過去に流されていった作品の中に、キラッと光るダイヤのような作品と、長い時間を経てめぐり逢うことも、決して少なくありません。
とはいうものの、今年「2019年」に関しては、選択した「アーティスト」にしても「作品」にしても、結果として全体のほぼ9割が、今年になってリリースされた「シングル」であったり、また「アルバム」に収録された作品に落ち着きました。ということは、自分にとっては「今年は豊作」だったということに尽きるのかもしれません。いずれにしても、あくまで極々「私的なBEST」ですので、誤解なきようご了承ください。

今年も敢えて順位などはつけませんが、今年中に初めて出逢ったり、『Mellow Tunes 』『AC Tunes』シリーズの記事としてUPした中からの作品はもちろんのこと、あるいは記事としてはUPしていなくても、「ウィジェット」部に貼りつけた「Music Video」なども対象にしています。(しかしながら、タイミングを逸してしまい記事をUPできなかったアーティストの作品もごく一部含まれていますことを、ご理解くださいませ。)「プレイ・リスト」の編集上、基本的には「YouTube」に動画がUPされてる作品を選んでいます。

また、今年は【Domestic】(国内)部門【Global】部門とに分けて選ばせていただきました。

それではどうぞ、それぞれの「プレイ・リスト」をお楽しみください。

 


Best Mellow Tunes 2019 【Domestic】(国内)部門

 

 


Best Mellow Tunes 2019【Global】部門

 

楽しんでいただけたでしょうか。
何度も申し上げますが、あくまで極々「私的なBEST」です。その点はどうぞご了承ください。

 

最後になりますが、どうしても改めてご紹介しておきたい、グローバルな活躍を期待できるトリオによるこの「楽曲」は、まだオフィシャルにリリースされていないのですが、僕自身にとってはこちらの作品が、問答無用で【THE BEST Mellow Tune of 2019】でした。
この世に生を受けて半世紀余り、それはそれは多くの「メロウな音楽たち」を日々探し求め、浴びるように聴いてきましたが、これほどまでに完成された異次元の「Slow Jam」は、数十年に一度出逢えるかどうかの、珠玉の作品だと心から思っています。「和田昌哉」さんはじめ「X-Change」の皆さん、正式なリリースを心待ちにしています。

“Slow Jam” (*Sold at Live Only)
X-Change [Masaya Wada / Sho kamijo / MANABOON]
 

 

以上、【Best Mellow Tunes – 2019】でした。

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.244【Toshinobu Kubota】

いつもご訪問ありがとうございます。
足早にクリスマスが過ぎると、その余韻を楽しむ暇もないほどに、あっという間の「歳末感」がどっと押し寄せるのが、なんとも憎めないこの国の冬の風物詩です。

 

 

今年も残すところあと数日。この週末から「9連休」という方も多いんでしょうね。
あいにく僕はそうもいかず、そんな時は悔し紛れに、合間や隙間を見つけては、好きな音楽を聴くに限ります。

さて今年2019年最後の【Mellow Tunes】ですが、いちばん重要な日本人アーティストの最新アルバムを、「大トリ」でご紹介いたします。
この国ではもともと不毛に近かったか、あるいは極々少数の「マニア」だけがひっそりと愉しんでいた、米国オリジンの「黒人音楽」のカテゴリーのひとつ、「R&B/SOUL」という音楽でありカルチャーを、30年以上という長きに渡る音楽活動を通じて、広く浸透・定着することに貢献してきたアーティストが、「久保田利伸」その人だと信じてやみません。もちろん「久保田」さんのデビュー以前に、黒人音楽に深い愛情と理解を示していた「山下達郎」さんなども不可欠な存在ではありますが、「普及」という意味での「久保田」さんのこれまでの国内外での活動は、国内の音楽界にとても大きな影響を与えてきたことに、異論のある方はいらっしゃらないことでしょう。90年代日本を飛び出して、本場 New York に拠点を移し、国籍や人種を超えて精力的に活動をされた時代には、同じ世代の「SOUL」好きとして、万感胸に迫りくるものがありました。

そんな「レジェンド」的な存在感が年々強くなってきている「久保田」さんですが、11/27にニュー・アルバム『Beautiful People』がリリースされました。約4年ぶりとなるオリジナル・アルバムは、昨年(2018年)にリリースされた KOSE エスプリークのCMソング『You Go Lady』『So Beautiful』を含む全14曲収録の、素晴らしい内容の新譜となっています。中でも、『FUN FUN CHANT』という作品に関しては、現代の若者たちがすごく興味を示しがちな、まさに80年代のサウンドとグルーヴが再現されていて、往年の久保田さんファンであれば、イントロを聴いただけでその懐かしさに「うわー!」と声を上げてしまうことでしょう。もちろん今の現在進行形の「久保田」さんの新たな魅力を発見できる内容なので、年末・年始の長いお休み中にでも、カタチある「CD」でも一瞬で入手可能な「配信」でも、ご自身のスタイルでぜひ楽しんでいただきたい「最高のアルバム」です。

 

久保田利伸 New Album「Beautiful People」11.27.2019 Released
 

当サイトでもずっと変わらぬサポートをさせていただいております、大人のためのラジオ・ミュージック・プログラム『松尾潔のメロウな夜』の年内最終放送回に、恒例となった「久保田」さんのゲスト出演がありました。
 


 

「久保田」さん同様に、僕の敬愛する「松尾」さんが、放送中はもちろんのこと、番組コラムの『メロウな徒然草』の中で、アルバム『Beautiful People』の内容に触れていらっしゃいます。ぜひご一読を。
聴き逃された方は、再放送が「1月6日(月)10:00~ FM、16:05~ ラジオ第1」で予定されていますので、ぜひ聴かれることをお勧めします。(タイム・フリーはありません)

 

 

 

 

 

 

Mellow Tunes ~ Vol.243【Daisuke Kawaguchi】

いつもご訪問ありがとうございます。
クリスマスのイルミネーションなどを車窓から見かけるにつけ、季節が足早に冬の「Holiday Season」に向かって一気に進んでいくのを感じる、いつもの12月の入り口。それでもなお、やはり極端に人工的なものよりも、僕にとっては自然現象のナチュラルな美しさの方が、むしろ魅力的に感じてしまう。たぶん、いつもどこか「Mellow」な音を求めているのも、きっと根っこは同じことなのかもしれません。

 

 

さて、先日参加させていただいた『松尾潔のメロウな夜間授業~R&Bの愉しみ~』の会場で、松尾さんが「ケミ御三家」(豊島吉宏氏・和田昌哉氏・川口大輔氏)と呼ぶ「チーム・CHEMISTRY」の屋台骨を支える、和田さんと川口さんと幸運にも少しお話をする機会がありました。「和田」さんに関しては、ちょうどよいタイミングでご自身の新曲のリリースがありましたので、先に記事にさせていただきました。
そして今回の「Mellow Tunes ~ Vol.243」でご紹介させていただく『川口大輔』さんは、シンガー・ソングライター/作曲家/作詞家/編曲家/キーボーディスト/音楽プロデューサーと、マルチな才能を持ちあわせた、和田さん同様に稀有なアーティストです。また、初期の「松尾潔」氏プロデュース作品群より、まさに右腕となってずっと支えて続けている存在であることは、前出の「和田昌哉」さんと同様の存在ですね。
2002年の日韓共催FIFAワールド・カップの公式ソングとして川口さんが作曲を手掛けた『Let’s Get Together Now』は、韓国で公式に放送された初めての日本語詞の歌としても歴史的な首位を獲得し、当時大きな話題となったことを記憶されている方も多いのでは。

とにかく多くの著名なアーティストの作品の作曲/編曲そしてプロデュースを数多くこなしていらっしゃる川口さんの作品の中でも、僕がいちばん好きなのは、どうしても「スロウ・ミディアム」「メロウ」な作風の楽曲に集中してしまいます。なぜなら川口さんが創り出す、ことバラッド作品群におけるメロディ・ラインやコーラスが美しい楽曲が少なくなく、そんな作品たちを聴くたびに、現代における稀有な作曲家のお一人だと認識を新たにすることが度々あります。

 


DOUBLE -「ストレンジャー」
(album: Ballad Collection Mellow – 2010)

当サイトでもずっとサポートさせていただいている、今年で「Season 10」 を迎えた大人のためのラジオ・ミュージック・プログラム『松尾潔のメロウな夜』の中でも、過去にリクエストして、松尾さんに番組のオープニングで取り上げていただいたこともある『DOUBLE』『ストレンジャー』が、僕自身にとっては、数ある「松尾潔」氏プロデュース作品群の中で、(甲乙つけがたいですが)、最も愛する作品であることは、この作品のリリース以来変ずっと変わらない事実です。終わりかけの恋愛の情景をしっとりと描写する作詞は、もちろん「松尾潔」氏、そして作曲/編曲は「川口大輔」氏なのは、言うまでもありません。本作品において溢れ出るような「メロウネス」は、フィリー・ソウル界の大御所である「トム・ベル」や「ギャンブル&ハフ」あたりが制作にあたったのではと思えるほどの、ソフィスティケイテッドな流麗さを纏って、そっと佇んでいるような印象の作品です。
もともとはボサノヴァやサルサなどのバンドでのピアニストの経験であるとか、川口氏自身のルーツとなっているというラテンやブラジリアン・ミュージックの要素は、おそらくR&B/Soulに深淵な理解のある松尾氏との出逢いによって、CHEMISTRY ならぬ「化学反応」が生じたのではないかと、そんな印象を受けています。

さて、そんな川口氏の最近のお仕事の中でも特筆すべきは、なんといっても16年ぶりの松尾氏プロデュースの「CHEMISTRY」のニューアルバムに収録された『Heaven Only Knows』『数えきれない夜をくぐって』の作曲/編曲に尽きるのではないでしょうか。特に後者の『数えきれない夜をくぐって』という作品は、アルバムに収録する最後の一曲となったそうで、オーセンティックなソウル・マナーで満たされた本当に美しい Ballad / Slow Jam の仕上がりで、松尾氏が形容したように「ロバータ・フラック」が歌っても何の違和感さえないほどに磨き上げられた楽曲と言えるのではないでしょうか。もちろんケミの二人の歌ヂカラが更にそれを増幅しているわけですが。

 

CHEMISTRY 『Heaven Only Knows』-Music Video

 

 

そして、当サイトでも何度か取り上げている「土岐麻子」さんの多くのアルバムにも、川口さんの作曲・プロデュースの作品が多く収録されていますが、僕が中でもいちばん好きなのは、なんといってもスロウ・ミディアムのこの作品。うーん、やっぱり素晴らしい。


『僕は愛を語れない』
土岐麻子
 

それにしても、初対面の自分にきちんとした大人のマナーで対応してくださった「川口さん」「和田さん」お二人の素晴らしい人間性もそうですが、「松尾さん」は本当に素晴らしいブレインを抱えていらしゃると感じました。再始動後の「CHEMISTRY」への評価も含め、いいモノを創り出すには「やはり人あってこそ」と痛感した、今日この頃です。