Mellow Tunes ~ Vol.223【Roy Hargrove Quintet】

いつもご訪問ありがとうございます。
サクラも散って、季節はあっという間に「春」というよりは、日によってはもうすでに「初夏」のような陽気ですね。季節の移ろいが、年齢を重ねるごとに、どんどん早くなるのを実感する今日この頃です。全国各地のブログ・リーダーの皆さまの地域では、どんな「春」を迎えてらっしゃるのでしょうか。

かねてよりお伝えしていますように、正直に申し上げて僕は「SNS」に向かないタイプでして、「Twitter」も「Instagram」とかのアカウントもありませんし、今後取得の予定もありません。かつての常連顧客の方々の勧めで仕方なしに始め、その後すぐに休止してしまったのですが、「休眠状態」の実店舗営業当時のアカウントを保持している関係で、「facebook」経由で「いいね」を頂戴することも多々あり、そんな皆様にはこの場を借りて、心よりお礼を申し上げます。最近は、なんだか北海道・東北方面、そして「京都」を拠点に活動されていらっしゃる多数の「JAZZミュージシャン」の方々に、当サイトへご訪問いただいているようです。実店舗のカフェの営業を終えてからは、完全な「音楽ブログ」になっており、もとより圧倒的にプロの音楽関係の方々のご訪問が多いようで、こんなただの音楽好きの素人の運営するサイトへわざわざお越しくださって、大変有難く思うのと同時に、とても恐縮しております。
どうぞ今後とも、気楽にふらっとお立ち寄りいただき、楽しんでいっていただけると幸いです。

 

 

 

当サイトでも何度か取り上げたことのある、不世出のジャズ・マンの一人「ロイ·ハーグローヴ」こと「Roy Anthony Hargrove」が、49歳という若さでJazzの都「New York」で他界したのは、昨年の秋が深まり始めた11月に入って間もない頃でした。

『The Roy Hargrove Quintet』『The Roy Hargrove Big Band』『The RH Factor』と三つのバンドを掛け持ちしたリーダーでもあった、彼の産み出す音楽には、スタンダードなジャズはもちろんのこと、ラテン、ファンク、ヒップ・ホップ、ソウル、ゴスペルに至るまで、それぞれのカテゴリーへの深い愛情とリスペクトを感じさせるに十分な魅力で溢れ、それはもう稀有なアーティストでした。変幻自在のロイの奏でる音楽の中でも、僕個人としては、「クインテット」で繰り広げられるオーセンティックなスタンダード作品がお気に入りで、彼の「フリューゲル・ホーン」から放たれる「音のつぶて」に、これでもかというくらいの黄昏時の「切なさ」や「哀愁」を感じてしまい、いつも目を閉じて聴き入ってしまうほどです。

 

Roy Hargrove Quintet “Rouge/You’re My Everything”
Live at Java Jazz Festival 2010

 

時が経てば経つほどに、現代のジャズ・シーンにおいて、これほどまでに才能豊かなアーティストを失ってしまったことが、悔やまれてなりません。
そういえば、「スーツにスニーカー」といういで立ちが似合うのは、「ロイ」と映画監督の「スパイク・リー」くらいのものです。

R.I.P. Roy …

 

追記:

やはり『The Roy Hargrove Quintet』としての最大の魅力は、ロイ自身の作曲で既にスタンダードになりつつある、クインテットを代表するマスターピース『Strasbourg/St-Denis』(ストラスブール=サン・ドニ)を取り上げないわけにはいきませんね。本当にカッコよくて「スゲェー!」と唸ってしまう楽曲ですね。まさにマイルス以来の「天才」でした。

 


The Roy Hargrove Quintet – “Strasbourg/St-Denis”
(Live at New Morning Club, Paris in 2007)

 

それから、大切なことを取り上げるのを忘れていました。上の動画のクインテットの中でピアノを担当していた「Gerald Clayton」(ジェラルド・クレイトン)が脱退した後に、クインテットに新加入したのは、NYに渡り若手ピアニストとして売り出し中の日本人ピアニスト『海野雅威』(うんのただたか)氏でした。海野さんは、ロイが亡くなるまでのほぼ2年間、『The Roy Hargrove Quintet』に正式に参加した唯一の日本人ジャズ・マンです。「マイルス」からの信頼も厚かった故「ハンク・ジョーンズ」の最後の愛弟子となった海野さんのピアノの音と演奏を聴いたロイが、惚れ込んでツアーに参加させるようになったというのは、かなり有名なエピソードです。
この記事をUPするにあたり、海野さんの「fb」を拝見したところ、ロイへの深い愛情と感謝の想いが綴られた記事を見つけました。英語ではありますが、分かりやすい表現で綴られた弔辞ともとれるトリビュートは、読む者の涙を禁じえません。文面の最後に、故マイケル・ジャクソンの名曲「Rock with You」の作者「ロッド・テンパートン」による、歌詞の一節を引用した言葉の数々は、急逝したロイへのあまりに慈愛に満ち溢れた内容なので、ここで紹介させてください。

 

海野さんが加入後の、新生『The Roy Hargrove Quintet』による「Strasbourg/St-Denis」を、LAの「Catalina Jazz Club」で演奏する貴重な動画が、YouTubeにUPされていました。前任者の「ジェラルド」とは違った魅力に溢れた、素晴らしいアドリブによるGroovyなソロを聴かせてくれます。なによりも、リーダーのロイはもちろん、百戦錬磨のヴェテラン・メンバー全員が、海野さんのプレイに「Wow!」の表情を見せているのが印象的であり、メンバーに受け入れられたことを観客も知らされる、貴重な動画ですね。もはや「New Standard」と評価されるこの楽曲の大半を、挨拶代わりの「ピアノ・ソロ」で、オーディエンスだけでなくメンバーさえも圧倒してしまったようにさえ感じ取れる海野さんの度胸にも称賛を贈りたいくらいです。何はともあれ、観客のリアクションがすべてを物語っていますね。


Roy Hargrove Quintet – “Strasbourg/St. Denis”
@ Catalina Jazz Club, Los Angeles 6/3/2017

 
尚、日本が世界に誇るジャズ・ピアニストとして現在もNYで活動中の「海野さん」については、実店舗『Mellows』を開業する際に、音楽面で多くの貴重なアドヴァイスを頂戴した、長野県小布施にあるJazz喫茶『BUD』さんのマスターのブログに、多くの紹介記事がUPされておりますので、ぜひそちらもご覧ください。
 

 

そしてこちらは、長いキャリアで世界的人気を誇るオランダ人女性サックス・プレイヤー『Candy Dulfer』(キャンディ・ダルファー)が、フリューゲルホーン奏者の「Jan Van Duikeren」(ヤン・ヴァン・ダウケレン)と共にカヴァーした、ちょっと洗練されたヴァージョンの『Strasbourg/St-Denis』。これはこれで、素晴らしい。世界中のJAZZ-MENがこぞってプレイしたいと望むほど、既にスタンダードな楽曲に成長しつつありますね。そう考えると、若すぎたロイの逝去は、残念としか言いようがありません。

 

Candy Dulfer – “Strasbourg/St-Denis”
(Live at ’30. Leverkusener Jazztage’ 2009/11/12)

 

久々に長編記事となってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。

 

 

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