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Mellow Tunes ~ Vol.232【Kirk Franklin】

いつもご訪問ありがとうございます。
日中はまだまだ暑い日が続いてますが、陽が沈むとどこからともなく涼しい風が吹き始める頃。

 

 

厳しかった今年の夏とも、そろそろお別れ。「秋風」の吹き始める頃からが、R&B/Soul系の音楽にとっての、いわゆる「Best Season」だというのは、当サイトへ頻繁にアクセスしてくださっている皆さんにとっては、言うまでもなく「暗黙の了解」みたいなものですね。

今回の「Mellow Tunes」では、当サイトでも応援させていだいている音楽プロデューサーの「松尾潔」さんの、とある対談記事に名前の挙がっていた複数のリコメンデッド・アーティストの中から、『Kirk Franklin』(カーク・フランクリン) をご紹介します。

R&Bやソウルなど黒人音楽を聴いてきた方々であれば、特定のアーティストに限らずとも、誰もが一度や二度は「ゴスペル」を聴く機会が、これまで何度となくあったことと思います。「Hip-Hop」に対する僕の個人的な苦手意識はともかく、1990年代に「Hip-Hop」が台頭してきてから、「R&B/Soul」だけでなく「Funk」「Jazz」など、およそ「BLACK MUSIC」(黒人音楽)と呼ばれるすべてのカテゴリーにもたらした、その大きな影響は計り知れません。
「Christian Music」という商業的にも確立されたカテゴリーが存在し、その分野のスターがちゃんと存在するのが、本来「多様性」を受容することを美徳とする、多民族国家である米国の音楽マーケットの懐の深いところです。まあ、近年の国家のリーダーはその優れた「寛容さ」さえも排除しようと躍起になっているのが、甚だ残念でなりませんけれど。
アフロ・アメリカンの宗教的な歴史と供に寄り添うように、古くから存在する、いわゆる伝統的な「ゴスペル」ミュージックに、より洗練されたアレンジが施されたサウンドや、「Hip-Hop」の要素を取り入れたスタイルである「Urban/Contemporary Gospel」というモダンで新しいフォーマットで、過去に14度のグラミーも獲得してきている筆頭アーティストが、『Kirk Franklin』その人と言えるでしょう。これまでのオーソドックスな「ゴスペル」のイメージを覆し、新たな次元を目指す彼の存在は、とても貴重だと思います。なんと言っても、「リズム」が「メロディ」が「グルーヴ」が、ずば抜けていますね。こんな教会が傍に在ったら、誰もが足を運びたいと思うんじゃないでしょうか。そんな内容の Music Video に、感心しきりです。

 


Track 1: “Love Theory” (Official Music Video)
Track 2: “Ok” (Live Performance)
Track 3:  “F.A.V.O.R.” (Live Performance)

Kirk Franklin (album: LONG LIVE LOVE – 2019)

 

作年亡くなった「アレサ・フランクリン」など、今も昔も「Soul/R&B」で活躍してきたビッグ・ネームのアーティストには、出身地の教会のクワイアで幼少の頃より歌い始めたというルーツを持った、「ゴスペル」出身のアーティストが少なくありません。「ゴスペル」というカテゴリーの音楽を聴く度に感じるのは、教会のホールで大人数による大編成のクワイアで、「歌うこと」をとことん突き詰めた人たちの、宗教的な背景を持ったその力強さや熱量には、やはり到底適わないという感情です。また同時に、「人間の声が最高の楽器」なんだという事実を、まざまざと見せつけられるのも、このカテゴリーの音楽を聴いたときに感じる「真実」だと思うのです。

来年早々には、50歳を迎える「カーク・フランクリン」ですが、そんなアーティストとしての円熟期を迎えている彼が、来月9月中に来日公演を行うとのこと。詳しくは下記の、松尾さんの対談記事へアクセス。今年の秋の「billboard Live」には、『Babyface』を筆頭に大物の公演が目白押しだそう。まさに秋の大収穫祭といったところでしょうか。