一年の内でいちばん好きな季節の秋。一雨ごとに秋も深まる今日この頃。コロナ禍だとかは関係なく、新緑の時期から夏の間、あれほど目にも眩しかった樹々の緑の葉っぱたちも、そろそろ役目を終えて、地上にゆっくりと舞い落ちる頃。また来年。
僕自身の基準で、「メロウ」だなと思ったアーティストや作品を取り上げている、当ブログの定番コーナーの「Mellow Tunes」も今回で「Vol.271」。音楽関連記事以外でも、何かしら音楽を添えているので、まともに数えたことがないけれど、おそらく1,000曲以上は取り上げてきているのではないでしょうか。今日は、前回の『ASOBOiSM』さん同様に、これまであまり取り上げることのなかった国内のアーティストを取り上げたいと思います。
「Furui Riho」さんは、北海道を拠点に活動する、実力派の R&B シンガーソングライターです。
彼女を知るきっかけとなったのは、当ブログでも何度かご紹介したことのある、国内R&B界を背負って立つ3人のプロデューサー・ユニット『X-Change』のメンバーでギタリストの「上條頌」さんが、コロナ禍でスタートさせた毎週木曜日の夜に開催される配信 Live『Sho’s Jam』でした。この「Jam」では、上條さん以外の演奏メンバーがほぼ毎回入れ変わり、その都度バンドに適したゲスト・ヴォーカリストを招くのがいつものスタイルになっており、彼女の姿を見たのも歌声を聴いたのも、それが初めてでした。
もともと教会のクワイアやゴスペルにルーツを持つという彼女の Vocal は、なるほどとても力強く、安定感もあり、独特のフロウでリスナーの耳を引き付けて決して放そうとしない。スピード感のある楽曲もスロウ・ミディアムに至っても、実力の片鱗を見せつける。札幌地区はもちろん、北海道では知らぬ人はいないというその存在感は、決して伊達ではない。出逢えてよかったと思えるアーティストの一人であることに、間違はありません。本当に今後が楽しみなアーティストです。
Track-1: Furui Riho – “Rebirth” (Music Video) 2019
Track-2: Furui Riho – “I’m free” (Music Video) 2020
リスナー側の音楽聴取スタイルが、サブスクや配信といったシステムの移行に伴う音楽産業界全体の構造変化によって、多種多様なアーティストがメディア側から一方的に与えられる時代が終焉を迎えたのは知っての通り。広く大衆にアピールする一握りのアイドル・グループやアーティスト以外は、もはやフィジカルな「CD」のリリースもなく、大半がサブスク・配信・ストリーミングでのリリースへと、大きく舵を切って久しい。それだけに、時として、何かをきっかけに国内のあらゆる地域から、未知の実力あるアーティストが突然目に前に出現したような気持になることが、この頃少なくない。今後もそんな新たな才能との出逢いを提供してくれる『Sho’s Jam』の存在からも、目が離せない。
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