もう11月ですね。「晩秋」という言葉には、「晩夏」という言葉以上に、なんだか「もうすこしだけ、ここにいて」って、去り行く季節にそんな声さえ掛けたくなるような寂しさがいつも付きまとうのは、僕だけなんだろうか。今年2020年の冬至は12月21日だそう。それまでは日中がどんどん短くなるだけ。そろそろ冬支度をしないといけません。
さて。前回そして前々回と、国内女性アーティストをご紹介してきた「Mellow Tunes」シリーズですが、今回も国内女性シンガー・ソングライターを三夜続けてのご紹介となります。
今日紹介させていただくのは、10/25に開催された配信ライブ【GS BAND】~GS JAM~(前出のスーパー・ギタリストの「上條頌」さんも共演)に、最初予定されていた、僕もイチ推しの男性 R&Bシンガーの『DAISUKE』さんのピンチヒッターを、急遽務めることになった『aimi』さん。OPENINGの一曲目で初めて遭遇した彼女の声を聴いた途端に、もうワン・フレーズで鳥肌が立ちました。その後はもう彼女の声と歌い方が、配信LIVE中から俄然気になって、心を落ち着けて、翌日になってから最新リリースのEP『Water Me』を Spotify で早速聴いてみました。
想像しやすくかつ印象深い英単語による短いワードのタイトルが付けられた計5作品は、スタジオ録音ゆえにライブとは違った安定感で、素晴らしいミニアルバムになっていました。
以下、YouTubeにUpされているものから、3曲ほど取り上げてみました。論より証拠。まずは頭の中を空っぽにして、じっくりと聴いてみてください。
Track-1: Show Me
Track-2: Thinkin’ (feat. issei)
Track-3: Pretty Lies
(EP『Water Me』2020)
2曲目の『Thinkin’』(feat. issei) は、前々回ご紹介した『ASOBOiSM』さんの「Whateva♡ (feat. issei)」でも Duo の相手を務めた『issei』さんですが、この方も今後の動向が注目される実力派の、メロウな男性シンガー・ソングライターですね。なにせ声の震えと艶が尋常ではなくて、国内に限っていえば、こんな Vocal を聴かせてくれるシンガーはそうそういません。正直なところ、World Market で戦える声をギフトとして持っている人だと思います。『issei』さんについては、別途また改めて紹介したいと思っています。
※各種配信音源はこちら
もともと、海外アーティストの紹介が9割を占めている当サイトですが、今国内のR&B 界の動向から目が離せないくらい、制作陣のプロデュサーをはじめ若い世代のアーティストたちが、かなり充実してきている印象を受けます。
コロナ禍が奪っていったアーティストたちの表現の場である「Live」が、新たな「配信」という武器を獲得することで、これまで会場に足を運ぶことのできなかった地域の人々や音楽から少し遠ざかってしまった中高年の元々音楽好きだった層へと、その音楽が届くような状況が必然的・偶発的に生まれてきました。「こんなアーティストがいるよ」と国内のみならず広く海外まで発信できる体制が整ってきたのは、あくまで「リスナー側」としては、ある意味嬉しい誤算と言えるのかもしれません。とはいえアーティストの皆さんにしてみれば、まだまだ苦境が続いているわけで、またこれからはコロナ禍以前と同じような環境でのライブの実施は難しいと思われます。先だっての「山下達郎」氏の超高音質配信ライブの実験的な試みなどからも、音楽の聴き方がサブスクに切り替わってきたように、今後は観賞のオプションとして「配信」を軸にライブを構成したりするようになってくると、容易に想像できます。箱のキャパシティはある意味「無限大」ですから。音楽の送り手にとっても、聴き手にとってもメリットが発生する方法を、なんとか模索していくしかありません。
僕も一音楽ファンとして、このようなWEB上の場所を利用することで、支援していけたらと願っています。