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Mellow Tunes ~ Vol.58【chic & mellow 編② / Maze ft. Frankie Beverly】

今日はほんとに寒い一日で、「もう冬仕度しなきゃ」なんて思うくらいの陽気でした。
彼岸を過ぎると、台風がいくつか通り過ぎて、あっという間に秋・冬へ加速するのは、やっぱり日本の四季の特色ですね。体調を崩してらっしゃる方も多いようですので、今後もこんな肌寒い日にはどうか温かくお過ごしください。

 

Maze featuring Frankie Beverly
全身ホワイトがトレードマークの Frankie Beverly

 

さて、今夜もMellow Tunes のchic & mellow 編の第2弾ですが、個人的には大好きで若い頃からずっと聴いてきたにも拘らず、これまで一度もブログで取り上げる機会のなかったアーティストの作品をご紹介します。

MAZE というソウル・バンドは、1970年代前半から1990年代前半まで精力的に活動した、リーダーのFrankie Beverly(フランキー・ビヴァリー)のそれはシルキーでソウルフルなVocalを前面に打ち出した、ソウル・マニアには非常に高く評価された実力のあるグループでした。唯一彼らにとって不運だったのは、その頃時を同じくしてあの世界的に大人気を博していた Earth, Wind & Fire の存在でした。当時のDiscoサウンドブームという背景も手伝い、ヴィジュアル的にもブラスのホーンセクションまで編成していたド派手なアースの演出とはおそらく対極の位置にあったと言えるFunkの色が濃かった彼らは、米国内では十分に認められた存在でありながらも、日本を含む他国においてはブラック・ミュージックマニアの間での人気で留まっていた印象が強くあります。地元アメリカ国内でも、リスナーの支持がいわゆる「Earth派」と「Maze派」とにはっきりと分かれていたと聞き及んでいます。EWFのもの凄いセールス・プロモーションと比較すると、残念なことに日本のレコード会社もMAZEのそれについてはまったく熱心ではなく、ほとんど無視されていた状況だったと僕自身は記憶しています。
MAZEEWFのような派手さはなくとも、ライブのクオリティがとても高く、1981年にリリースされたニュー・オーリンズでのライブアルバムの出来はバンドと聴衆が一体化し、今でも傑作として高く評価されています。
そんな「Slow Jam」や「Quiet Storm」の代名詞的なアーティストとし評価されている MAZE の1989年に発表したアルバムでその名も『Silky Soul』より、chic & mellow というよりは silky & mellow でいてカッコイイ作品『Can’t get over You』をお楽しみください。

 


Maze featuring Frankie Beverly / “Can’t get over You” (album: Silky Soul – 1989)

 

リーダーの Frankie Beverly の高齢化によるものなのかわかりませんが、MAZEの活動は1993年発表のアルバム “Back To Basics” 以降はBEST盤などの企画モノアルバムばかりのリリースのみで、2009年には来日し「Cotton Club」でのライブが実現したものの、現在は事実上の活動を停止してしまったようです。もはや SOUL LEGEND なバンドなので、フランキーのシルキー・ヴォイスが聴けないのがちょっと残念です。