SOULやR&B、そしてJazzなどのカテゴリーにとらわれることなく、あくまで僕の主観で多くの作品をこれまで取り上げてきた Mellow Tunes ですが、意外なことにこの人を取り上げるのを忘れていました。
音楽好きのこのブログ読者の方であればご存知の方も多いかもしれませんが、JOE (ジョー)は今年の夏に10作目のオリジナルアルバムを出したことからも、R&B界ではベテランと呼んで差し支えのない存在でしょう。「メロディーが命」と考える、僕のようなちょっと RAP や Hip-Hop が苦手なタイプのブラック・ミュージック愛好家にとっては、Keith Sweat (キース・スウェット)などと同様に「安心して聴ける」いわゆる正統派のSOUL/R&Bのアーティストの一人です。特にルーサー亡き後の現在、彼らの存在感は日ごとに増してきているんじゃないでしょうか。
「Joe」(ジョー)こと 「Joe Thomas」は持ち前のsmooth な Vocal と他のアーティストではなかなか表現することが困難なレベルのコーラス・ワークで、聴く者を魅了する現代の米国のR&B界でも稀有な存在といえるでしょう。『bmr』の情報によれば、10作目にあたる『DoubleBack: Evolution Of R&B』の製作にあたり、「VIVE Magazine」のインタビューでジョーは以下のように語っているそう。
【「R&Bはかつて、とても品があって、スタイリッシュで、エレガントで、恭しかった。俺はR&Bに品格を取り戻したい」と力説。「振り返る」という意味のタイトルについては、「クラシックなR&Bへの敬意を示した作品だから」「生ホーン、生ストリングス、生ドラムが鳴っていた時代、ソウル・ミュージックがとてもスタイリッシュでエレガントだった頃に回帰したんだ」と説明している。】
Joe – “Easy” (album: DoubleBack: Evolution Of R&B – 2013)
いやあ、コーラスワークが鳥肌ものですね。彼の目指すところは、本来そうあるべき場所だと、僕自身もそう信じてやみません。彼の言うように「ソウル・ミュージックはとてもスタイリッシュでエレガント」であるべきです。
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Joe
(album: DoubleBack: Evolution Of R&B – 2013)