『プリンスが逝ってしまった!』
パーソナリティの「ジョン・カビラ」がものすごいテンションで叫びにも似た声色で、リスナーに必死に伝えていた。
4/22金曜の朝、職場へ向かう車中でよく聴く早朝のFM放送の中で、パーソナリティのジョン・カビラ氏が開口一番に伝えたのが、なんと「プリンス急逝」のニュースだった。カビラ氏曰く、すでに故人となっているマイケル・ジャクソンもプリンスも本人と同じ1959年生まれとのことで、もはや他人事ではないと大変狼狽している様子がラジオ越しの声のトーンからも伺えた。
「いくらなんでもプリンス、57歳では早すぎるだろうよ・・」思わず呟いてしまった。
なんだか訃報の度に記事をUPしているようで、何ゆえ「2016年」という年は、こうも偉大な多くの音楽界のレジェンドたちを夜空の星にしてしまうのか、不思議でしかも残念でならない。
プリンス (Prince)については、あまりにメジャーなのであれこれ説明は割愛するけれど、あのアメリカ合衆国大統領のオバマ氏が声明をオフィシャルで出したように、正に「天才」という表現がこれほどまでにしっくりくるアーティストもそうはいない。POP/ROCK/R&B/FUNK/SOUL/JAZZ/BLUES等々、黒人ミュージシャンとはいえ、どのカテゴリー(枠)にも収まりきれない、プリンス独特の世界観による作品(アルバム)を生涯発表し続けた、真に稀有な才能に恵まれた音楽家であった。似た内容のアルバムは一つとしてなかった。
世界中の彼のファンと同様に、彼の急逝から連日のように、僕も車中やiPodやYouTubeでずっと彼の作品を振り返っているけれど、世界はこれほどまでに才能のあるアーティストをあっけなく失ってしまったという、大きな喪失感が日に日に大きくなってきているようだ。
ベスト盤と『パープル・レイン』が Billboard の最新全米チャートで1位と2位になったというが、同世代はもちろんのこと、洋楽にあまり馴染みがない僕らの子どもたちのようなプリンスを知らない世代が初めて彼のサウンドや生き方に触れて、興味を持った人々のアクションも当然あっての現象だと思う。
さて今回「Mellow Tunes ~ Vol.101」として取り上げることになってしまった故人、プリンス「殿下」(僕らの世代はそう呼んでいた)の楽曲は、Warner Bros. Records から1981年にリリースされた彼の4作目のアルバム「Controversy」に収められた、35年も前に世に出た珠玉のバラッド『Do Me, Baby』だ。この楽曲はプリンスのオリジナル発表から4年後にカヴァーされた、メリッサ・モーガン(Meli’sa Morgan)によるヴァージョンで世界中から一気に注目を集めることになった。[参照:Mellow Tunes ~ Vol.60] チャカ・カーンがカヴァーした「I Feel For You」等、ヒット後にソング・ライティングやオリジナルがプリンスによるものだったという逸話が多いのも、なんとも彼らしい。
POPな曲もFUNKな曲もそれはそれはたくさん素晴らしい楽曲を遺してくれたわけだけれど、このブログではやはり Super Mellow なバラッドである『Do Me, Baby』、そして後のグラミー受賞に相応しい壮大なバラッド『Purple Rain』で、自分なりに殿下を追悼したいと思う。ソングライターであるプリンスの想い入れが異常なまでに強いだろうと想像に難くない、どちらも7分超えの大作バラッドであり、聴き手も最後まで聴いてあげるのが彼への最大のリスペクトであろうと信じて止まない。
Rest In Peace, Prince…
Prince / “Do Me, Baby” – Capitol Theatre (01/30/82) [OFFICIAL]
Prince – Purple Rain live at Super Bowl (2007)
どんな楽器もこなす人だったけど、なんといってもギターのテクニックに関しては、追悼の声明を出したエリック・クラプトンもべた褒めだった。MTV Unplugged でのパフォーマンスはそれをよく物語っている。
Prince MTV Unplugged – The Art of Musicology
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Prince
(album: Controversy – 1984)
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Prince
(album: Purple Rain – 1984)