降ったかと思えばすぐに晴れて暑い日が続いたりと、とかくこの梅雨時の空模様の変化は忙しい様子です。街のあちこちで見かける「アジサイ」たちだけが、なんだか元気一杯のように見えるのは、気のせいでしょうか。
これから夏に向かう季節になると、いつも思い出すギタリストがいます。
Hiram Bullock (ハイラム・ブロック)が亡くなって、早いものでこの夏で9年という月日が経とうとしています。父親が米国軍人だった関係で大阪で生まれ、後に天才ギタリストとして世界に名を馳せたハイラムは、大の日本贔屓でもよく知られていました。かつてJT(日本たばこ産業)がメインスポンサーとなって1977年~1992年まで毎年7月に「よみうりランド」をメイン会場に実施されていた日本で最大の野外ジャズ・フェスティバルの『LIVE UNDER THE SKY』の後期では、毎年のように来日し独特のステージ・アクトで、多くのFUSION/JAZZファンを楽しませてくれたものでした。(過去記事参照)
2008年に52歳という若さで、活動のベースとなっていたNYにおいて喉頭癌で亡くなるまでの晩年は、健康管理に困難を極めたのか想像を超える程の肥満化にも苦しんでいたようでした。
過去記事でも書きましたが、ハイラムはファンキーなプレイとは裏腹に、実は素晴らしくメロウなギター弾きでもありました。この「Never Give Up」という作品でも堪能できる、彼の爪弾く「ストラトキャスター」からしか出てこない独特の音色や響きは、いまだに僕の心を掴んで離しません。アルバムや楽曲を聴く度に、NYの風をいつも運んでくれた貴重な天才ギタリストでした。本当に存命でないのが、残念でなりません。
Hiram Bullock – “Never Give Up”
(album: Way Kool – 1982)
かつてジョン・カビラ氏が「J-WAVE」の朝の番組を担当していた頃は、オープニングでハイラムの曲がいつも流れていましたっけ。レコード会社出身のジョンさんも、きっと大好きなアーティストだったのでしょう。「Window Shoppin’」もハイラムが世に送り出した傑作のひとつです。ファンにとっては、「One and Only」でいつまでも「Ever Green」なアーティストです。
Hiram Bullock – “Window Shoppin'”
(album: From All Sides – 1986)
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Hiram Bullock
(album: Way Kool – 1982)
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Hiram Bullock
(album: From All Sides – 1986)